何もいらない』の作文集

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何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/20/2023, 11:45:43 AM

何もいらない、ということはない
だいたいこの言葉の前か後にはこれ以外とか
そういった最低限人間として生きるための保険をつける。
生活水準を下げることは難しいと聞く。
何かを持っていた人間にとってどうあがいても捨てられないものが人間性である。
これを放すときには人間として死んでいる。
しかし考えなくして動けないためまだ、ヒトである。
何もいらないの果てには、いったいどうなっているのだろう。



お題:何もいらない

4/20/2023, 11:44:50 AM

【何もいらない】

今日も、兄さんのために家事をする。
まずはセールで買ったものを使ってご飯作らないと!

あ!こんにちは!久しぶりだね!元気??

はじめましての人もいるのかな?
じゃあ、あらためてちょっとだけ自己紹介!
僕、家庭環境最悪過ぎて…大人だし思い切って家出しようって思って、橋の下生活をしてたの。
まあでも、すぐにバイトなんて見つからないし、金欠すぎて食べ物なくて倒れる手間になったの。
そんな時に、兄さん…血は繋がってないから……兄さん(仮)?に出会って、今は兄さんと生活中。

あきらさんっていうんだけどね。
それに、すごく優しいの。


そうこうしてる間に、もう19時。
そろそろ兄さんが帰ってくる。

『おい。帰ったぞ…また夕飯作ってくれたのか?めんどくさいだろ。』
「えっへん!どーぞ、食べて食べて!僕の自信作!それに…僕、居候だし。兄さんのために出来ることは、なんでもするよ!」
『りお、兄さん言うな。全く…はやく食べて寝るぞ。』
「はーい!」


兄さんは、ツンデレなんだよね。
言葉遣い悪いかもしれないし、表情分かりにくいけど、今日はいいことあったみたい。良かった〜。



ご飯とお風呂終わってのんびりして…その後は、兄さんが中古で買ってきた2段ベッドで寝る。
あ、ちなみに、僕は下の段で兄さんが上の段。
朝ごはん作りがあるから、上の段だとちょっと大変なんだよね…だから兄さんに無理言って上の段で寝てもらってるの。
兄さんは『飯なんていらねえから。ゆっくり休んでろ。』って言ってくれるの!
ツンデレ兄さん好き!


『何ニヤニヤしてんだよ。はやく寝るぞ。』
「はーい!おやすみ、兄さん。」
『ん。』


今日も、終わる。
この生活があれば、何もいらない。


部屋…くらいなあ……
元々の生活に、戻りたくない。
夢に、出てこないで。怖い。
お願い。
おねがい……


『なあ。起きてるか?』
「えっ…う、うん!どうしたの?」
『明日、魚、食べたい。無理ならいい』
「うん!兄さんからのリクエスト嬉しいなあ!頑張って作るね!」
『……おやすみ。』
「うん。兄さん、おやすみなさい。」


明日が楽しみになった。
さっき考えてたことも、全部忘れちゃった。
兄さんは、やっぱり、すごいな…

よし!
明日は、頑張って魚料理作ろう!





┈┈┈┈┈┈┈┈

『むにゃむにゃ……』
「むにゃむにゃってなんだよ。変なやつ。」

俺は、小声で文句言って、そっと起きて部屋を出る。
そして、小さな鍵を使って鍵付きの引き出しに隠していたタバコを持って、外に出る。

こいつは…りおは、タバコが嫌いみたいだから。コンビニに捨てに行く。

最初は、ベランダでタバコを吸ってたんだけど、吸い終わって部屋に戻ると、りおはタバコの匂いで何かを思い出したかのように、小刻みに震えてた。
…無理して、笑ってた。
短い期間だろうけど、同居人が嫌な思い出を思い出すなら、禁煙してタバコは捨てる。

「嫌な思い出は、そう簡単に消えない。」

そう言って、ゴミ箱に捨てて急いで帰る。起きてたら、めんどくさいからな。

この日常が、いつか終わることはわかってる。
けど、りおと生活した思い出は、忘れたくない。

この思い出があれば、何もいらない。

4/20/2023, 11:44:07 AM

あなたが笑っていれば

あなたが楽しければ

あなたが幸せだったら

私は何もいらない

あなたが生きているだけで私は幸せだし

生きていられる

生きていてくれて本当にありがとう



〈何もいらない〉

4/20/2023, 11:40:48 AM

俺は天才。
自惚れの類ではなく、事実周りより頭一つ抜けている。これは努力では届かない。

俺には何もいらない。
ヒントやアドバイスがなくても、自分で全てやるから。やれるから。『もしも一つだけ願いが叶うなら』なんて下らない質問がトークテーマになる世の中を少し心配する。才能が無ければ神に祈るしかないなんて、俺には遠い世界だ。

あいつには何も求めてない。
二人一組だから組んでいるだけなので、俺の指示通りに動けるのならそれでいい。事実あれの前に組んでいた奴は俺が引っ張ったお陰でそこそこ上までいけた。俺の言うことさえ聞けるなら、俺の手をしっかり掴んだなら、俺らは世界だって統一できる。王は俺だけど、右腕くらいならやらせてもいいかな。

…今日は居ないのか、って?

今日はたまたま体調不良で欠席なだけ。別にそわそわしてないし元気だし口数もいつも通りだけど?自分の体調管理もろくにできないなんて、かける言葉もないわけさ。隣が空いてるのが寂しいとか全然、全ッ然思ってないから。まじで。



#何もいらない

4/20/2023, 11:40:01 AM

転がりこんで来た時には頭を抱えたものだけど、彼女との同居生活はそれほど悪いものではなかった。
 生活の場を共にしながら、互いの生活に不用意に踏み込まないということを、私たちはごく自然に守っていた。相手の私物には触れない、必要がなければ言葉も交わさない。うるさいのは問題外だが、沈黙が苦にならない相手というのもなかなかに希少なものだ。それでいて存在感が薄いということもない。
 雨の休日に私はソファで本を読み、彼女は絨毯に寝転がってゲームをしている、そんな時間は悪くなかった。楽しい、ではなく、嬉しい、でもなく、悪くはないとしか言いようのない感覚。
 もしも私が同性を恋愛や性愛の対象にする人間だったら、あるいは彼女の存在に心を悩ませたかもしれない。実際のところ私は同性にも異性にも、恋愛にも性愛にも興味がないからそんなことは起こらなかった。
 彼女の方はと言えば「これ、アタシのお姫様」と言って一度だけ見せてくれた写真には中性的な顔立ちの男性が写っていたので、多分異性愛者なのだろう。よく分からないが。
 雨の日にふらりと転がりこんで来た彼女は、やはり雨の日にふらりと去って行った。何が変わるわけでもなく、何が困るわけでもない。それでも雨の音がいつもよりほんの少し大きく感じるのは、互いに何もいらない関係がほんの少し心地よかったせいかもしれない。

4/20/2023, 11:38:33 AM

【何もいらない】

好きじゃない勉強も苦手な運動も頑張った
そしたら周りから認められるようになった
期待の目も黄色い声も先生からの信頼も何もいらない

僕はただ君が欲しい

4/20/2023, 11:37:44 AM

君がいれば、もう何もいらない、なんて言葉があるけれども、あれは物の例えだとしても、飛躍しすぎではないか。
 君がいたって、熱烈ラブラブ期間中ならば、恋は盲目でその時は確かに、君がいれば、他はいらなくなるかもしれない。
でも、その恋は永遠ですか? その魔法が解けることがあるってことは、視野に入ってますか?
 もし恋人ではなく、我が子だとしても、いつまでも我が子は幼子のままだと思ってますか? いつか一人立ちすることを考えてますか?

 ある特定の食べ物だけあれば、何もいらない、というのは、他の食べ物があってもそれに手が延びる、ということであって。
 人の場合も同じように使ってみるけれど、人には気持ちが存在するもので、何もいらない、なんて固定はしないほうが身のためだと思うのだ。



【何もいらない】

4/20/2023, 11:34:13 AM

何もいらない

これまでのループでの悔しさも、
忌まわしい否定能力の消失も、
神を殺すという大願でさえ。
掲げ祀ってきた理想を願いを玉ねぎのように少しずつ剥がしていけば、
芯のところに残るのはただひとつの願いでしかない。

ああ、君が死ねさえすれば。
他には別に、何もいらない。

(アンデッドアンラック 二次創作)

4/20/2023, 11:34:00 AM

『何もいらない』
兄神と妹神シリーズ


「なあ部下よ。どうしてこんな書類仕事が必要なんだ?」
「それは間違いなくあなたの意思を下に伝えるためです」

それは俺にとって単純な疑問でもあった。対する部下の答えは単純明快で素っ気ない。伝言ゲームだといつどこで捻れ誤った意思が伝わるかわからないもので。…との、事だ。
せめて同僚同士だけでも意思統一は図りたいんですよ、俺たちは。もっと下になると本当に捻れるんで。そう、寡黙な部下にしては珍しく早口で捲し立てられる。先の大戦で反乱した一派のこととか覚えてます?あれ、伝言ゲームの弊害ですよ。まあ貴方が鎮圧しましたけど。出来上がった書類を捲りつつ、部下の視線はこちらの止まったペン先から外れない。

麗らかな午後。心地よい日差し。
窓の外からははしゃぐ妹の声が響いてくる。

今日は珍しく調子が良いと言うので。庭への散策を許可したのはついさっきのことだ。きっと彼女の訪れに喜んだ庭の花か、訪れた鳥がその美しさを讃えているのだろう。窓の外に顔を向ければ、眼前には広い庭。白い影。侍女達が見守る中、妹が散策する姿が見える。風に弄ばれる髪はそのままに、今日も俺の女神は春の化身のごとく美しい。…いや実際、春も司っていたような気がする。

微笑ましげに見守る侍女たちと同じ顔で目を細めていると、不意に彼女の視線が上がった。ばっちりと符合する視線。どういった表情を浮かべようか迷っているうちに、向こうの紫の瞳がにっこりと細められた。

「見よ、我が妹がこちらに気付いたぞ」
「そりゃ気付くでしょうよ」

あなたの目力えげつないんですよ。呆れたように窓の外に目をやって、部下はため息をついた。

「アレはこちらの意図を常に汲んでくれると言うのに」
「妹さんと俺たちを一緒にしないでください」

良く似た顔、良く似た瞳を持って俺たちは存在している、らしい。お互いの補色の色と性質を宿して。再び書類に目を落として、その言葉の意味を考える。妹は常にこちらの意図を汲んでくれる。逆もまた然り。結果はどうあれ、互いに互いの意図や希望を取り間違えた事はない。

「妹さえ居れば他は要らぬのになぁ」
「色々と崩壊します、諦めてください」

お互い揃えば十全に。この真円を描く関係は、他人には理解できぬ感覚らしい。もともとひとつ。互いの手を繋ぐために2つに分かれたようなもの。自分の手だけでは握手も難しいだろうと。…少し世界に忖度をしたのは昔のこと。

わざと割った存在は今日も世界を謳歌する。

言葉も互いに必要とせず、他人の介在も要らない。完全に満ち、欠けることのない、同じ蓮台の花。半座を分かつ唯一無二の関係性━━を、きっと世界は畏れたのだろう。人も神も世界さえも、おそれることは変わらない。この世で1番恐ろしいのは必要とされぬ事。すなわち無関心と忘却である。

わざと割った身の、僅かな隙間を逃さず世界は流れ込んだ。その美しさで目を奪い、彼女を彩る調和を以てして、その必要性を訴えかける。知ろうとすれば全て整う。『何も要らぬ』と嘯くこの口を、黙らせんとする世界のなんといじらしい努力か。

「他には何も要らぬのになぁ」
「まだ言いますか」
「言い続けるとも」

いつか世界が我々を必要としなくなった時、その時こそ再び俺たちはひとつになるのだろう。誰にも気づかれる事なくひっそりと。そうして、再びこの存在は十全へと戻るのだ。

「…ああ、何も要らないのになぁ」

いつかいらないと言われるまで。
それまでは、もうしばらく付き合おうか。

まだまだ手の掛かりそうな子らの差し出してきた願いに目を落として、兄神は小さく笑った。

4/20/2023, 11:31:34 AM

世界には物が溢れかえっている

 欲しいものも手に入りやすい時代

 ひとつ満たされれば

 また次も欲しくなる

 次も

 次も

 次も

 そして

 溢れ返ったわたしの世界

 欲しいもので満たされているはずなのに

 なのに

 何故か

 虚しい気持ちが増えてくる

 だんだんと

 何が大切かも分からなくなる

 溢れかえりすぎたこの世界

 大切なひとつを見つけるため

 わたしはもう

 何もいらない

               『何もいらない』より

4/20/2023, 11:27:29 AM

「では、この老人が貰い受けよう」
見上げた傘の中は真っ暗だった。空には行灯のように月に霞がかかっていて、朧月夜すら眩しい変人がいるのだなァと妙に感心したのをよく覚えている。
わたしが手放したのを拾って、老人は大事に家に持って帰った。
家の中でも傘を差したままだったので、綺麗なハンカチのような布に包まれたわたしの命は、よっぽどの変人なのだなァともう一度感心を繰り返した。
老人はわたしが溺れないようにと風呂を見張っていても傘の下で「ぬくいか」と笑っていた。
わたしが飯を少しずつ口にする時も「美味いか」と笑っていた。
わたしが「何がそんなにおかしいのか」と問うた寝具の上でも「いつも笑ってしまうような、そういう顔をしている老人なのだ」と布団を被せながら笑っていた。傘の中は闇のままだった。
わたしはそれを聞くまで老いた人間という生き物は頬が落ちてたるんですべてが下を向くものだと思っていた。だから不思議に思って、よほどの好好爺たる顔を覗きに行ったことがある。
「よしなさい」
そのたった一言と大きな手のひらで押し留められて終いになった。
仕方なしに幾日か、幾年か、時間を置いてから別の切り口で探ることにする。
「何の理由で傘を差す」
それを聞いて、出会った頃よりずっと大きくなったわたしを上から下まで見た老人は、満足そうに頷いた。そういうふうに真っ黒い傘が動いていた。
わたしはというと、今朝方鏡で見た、飛び出た毛先が気になってきてちょいちょいと指で押さえていた。身だしなみに厳しい老人は「朝のうちに直しなさい」と小言をひとつ。それから先の返事をする。
「天を恐れて」
少し持ち上がった傘で『上』を示した老人に、今度こそなるほどと納得がいった。
「命を拾うような物好きは悪魔しかいないからか」
「聡く育って何より」
老人はそこでようやく、それでも口元だけを光に晒した。
そこに皺一つ見当たらないのを知って、つまりこの悪魔は重ねた年だけを見て老人を名乗るのだなと理解した。
「わたしが真に老人になったとき、美味いか?と尋ねよう」
「待ち遠しいな」
「熟すまで待つのが紳士の嗜みだ」
じり、と近づいていた一歩を踏んでやる。
皿の上に乗るにはまだまだ磨かなければならない。とりあえずは飛び出た毛先を戻しに行くことにする。
「拾ったからには最後まで面倒を見るものだぞ」
残された悪魔は困っているらしかった。そういうふうに、傘が動いていた。

4/20/2023, 11:26:47 AM

#31 何もいらない



好きなおかず
刺身と酢飯
これさえあれば!

4/20/2023, 11:24:29 AM

[何もいらない]

 何もいらない、と彼女は言った。
 そっか、と僕は剣を向けた。

「だからって世界を巻き込んでもらうのやめてもらっていいですかね」
「ふふ、正義感に溢れた言葉ね」
 断るわ、と彼女は僕に向けた杖は一振りの大きな鎌へと変化する。
「別にそんなんじゃないんですけどね。……じゃあ、力ずくで止めさせてもらいます」
「できるものならどうぞ?」
 答えの代わりに、床を蹴る。
 数歩で詰め寄り、勢いを乗せて振りかぶった僕の剣は、鎌の柄であっさりと止められた。
「ところで、貴方はどうして私を止めようとするの?」
「欲しいものがあるんで」
 へえ。と光のない彼女の目が細められた。
「貴方は何が欲しいの?」
「貴女の笑顔が」

「……えっ」
「はい、隙あり」

 力の緩んだ鎌を蹴り飛ばし、一緒に剣も投げ捨てて、彼女の手首を掴む。腕を引き、腰を抱き寄せ、覗き込む。
「……なんですかその予想外って顔は」
「え。いや。予想外よ!? 貴方その無表情で分かるわけないじゃない!!」
「わあ心外。僕としては日々表情豊かに生きてるんですよ。これでも。で、世界巻き込んで消える気は無くなりました?」

 その答えはすごい勢いで飛んできたビンタだった。

4/20/2023, 11:23:12 AM

〜何もいらない〜


友達がいても、
友達は私の事何も考えない。

家族がいても、
新しい夢を呟いても[何それ]と笑われる。

お金があっても、
物は買えるけど、時間は買えない。

時間があっても、
お金は皆均等に与えられるわけじゃない。

自分一人が頑張って、頑張って、頑張り続けても、
報われるのはたった0.1%。

ならもう、何も望まないし、何も欲しがらない。

もう自分一人でいい。


もう、何もいらない。

4/20/2023, 11:23:08 AM

見つめて


       見つめられて


         時が経つのも


           忘れるほどに



       満たされて

       
          溶けてゆく



            『何もいらない』

4/20/2023, 11:21:48 AM

テーマ“何もいらない”

自暴自棄。
もう全てどうでもいい。
だから、その優しい言葉も
何もいらない。

4/20/2023, 11:19:40 AM

─何もいらない─

神様が居るなら、僕は言いたい。

何故。

何故彼女が生贄なのですか。

昔からこの村の制度は可笑しいです。

村の幸せの為“だけに”人が死ぬなんて可笑しいです。

この制度は、神様が言ったから始まったと聞きました。

何故こんな制度を創ったのですか。

こんな制度がなかったら。

彼女は、彼女は死ななかったのに。

...なんて、神様など居ないと分かっていながら言った。

今日は僕の最後の日。

何故なら僕が生贄になったから。

後悔なんてものはない。

彼女が居なくなった世界で、

僕が欲しいものは何もない。

何もいらない。

嗚呼、神様はなんでこんな時は救ってくれないのだろうか。

最後くらい、救って欲しかったな。

4/20/2023, 11:18:41 AM

たいせつなひとが死んでさ。
ほんとに君、なーんもいらないの?

僕だけに見える僕よりも背が大きいお兄さん。
生前、母さんが見せてくれた写真に写る子をそのまま大きくしたみたいだ。あの子は母さんの弟―つまり、僕の叔父さんだった。
でも、叔父さんは母さんが幼い頃に病気で亡くなったらしい。ちょうどお兄さんぐらいの歳で。
弟の魂は未だあの病院で、母さんが来るのを待っているんだ。弟と同じ病気で亡くなる母さんを、何年も何十年も。
それで、時折ふらっと患者の前に現れる。ぼくが、入院したときみたいに。

母さんが唯一の家族だった僕は、親戚に連れられ新しい生活をはじめた。
新しい服、新しい家、新しい学校…
たくさんの「あたらしい」が僕のことを着飾ってるけど、まだまだぽっかり穴が空いてる。
おばさんが僕を心配して穴を埋めようとするほど、どんどん穴が広がってく。
だから、お兄さんに聞かれても「いらない」って答えた。僕を満足させるものなんてないんだ。
もし、本当になんでも欲しいものをくれるなら、おかあさんをかえして欲しい。

4/20/2023, 11:17:18 AM

『何もいらない』


「今日は私のためにお集まり頂き、ありがとうございます」

私の誕生日会が始まってから既に数時間経っていた。
お父さんの友達の社長さんからお母さんのお茶友達、親戚の人までたくさんの人たちが出席していた。

私が両親と共に挨拶をして回っていると、少し離れたところから声をかけられた

「ほんとにいい娘さんねぇ、テストの成績も良くて、スポーツもできてしまうなんて、ほら、バスケ部のキャプテンをやっているんでしょう?」

「生徒会もやっているんだとか、流石ですな」

「はは、いえ、これくらいできて当たり前ですよ」

「まぁ、おふたりの教育がよろしいのね」


こんな会話がされている中、私は笑顔を絶やさずお客様の方を向いてたっている。



お父さんは財閥の社長で、お母さんは病院の医院長の娘、今ではお兄さんが継いでいるらしい。

そんな両親に私は、私をちゃんと見て欲しかった。

いつもから返事で相手にして貰えないり

私は見てもらうためにならなんでもやった。


沢山勉強もしたし

沢山スポーツでいい成績も収めた

沢山家事の手伝いもしたし

沢山、沢山、なんでも、


それも全部だめだった。何も変わらなかった。
次に私は色々なものをねだった。

参考書にぬいぐるみ、食べ物からアクセサリー

どれだけ高価なものをねだっても、私の手元に来た。

望んだものは全て手に入った。




両親からの目(あい)以外は。

周りからしたら高価なほど価値があるかもしれない。
けれど私にとって宝石はただの石と変わりなかった。


何をしても無駄なのならば、


本当に欲しいものが手に入らないのならば、


私は他に何もいらない。

4/20/2023, 11:15:43 AM

何もいらない、なんてのは嘘だ。現状があるから、もしくは願望が叶うなら、何もいらない、のだから、何もいらないと言いながら、何かを望んでいる、もしくは既に何かが手元にある。
 間違いなく言えるのは、今以上は何もいらない、と言えるのは幸福な人だということ。

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