『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
分かってる、無理だと分かってるけどもどりたい。
みんなから、無償の愛をもらうことができていた日に。
その愛にたいしてもっと大きな愛を返せていたころに。
たとえ、誰かを敵に回すことになったとしても貴方にいっぱいの大好きをあげたい。
でもそんな勇気はないの。
ごめんね、ほんとにごめんね
どんなにムカついても貴方からたくさん貰った愛であなたを突き離す事ができないの。
誰もかけてほしくない。だれともお別れしたくない。
くるしいよ…
その思いにしっかり蓋をして今日もまた
なんでもないふりをする。
最近、満月に向かって財布を振ると金運が上がるというおまじないのようなものをネットやYouTubeなどでよく目にするのでよくやっている。(しかしそんなに可もなく不可もないけど、ありがたいことに下がりはしなかった。)
ある時は窓を開けて振りながら…またある時は外に出たりして「いつもありがとー!お金くださーい♪」的なことを言ったり心の中で呟いたりするのだが…この時だけは誰も通ってないことを確認してからこっそりやっている。
でも振ってる最中に自転車がサーっと通ったり、ジョギング中の人が来たりすると…素早く財布を後ろ手に隠し、横を向き、吹けもしない口笛を吹いてるような何でもないフリをしてやりすごしている。
こんなことまでしないと金運は上がらないのかと最初はかなり抵抗があったけど、今ではそれをスリリングなイベント事のように楽しんでる私がいる。
もしかすると何事も楽しむことが運が開けるきっかけなのかもしれない。
テーマ:何でもないフリ
「帰るの?」
終電の時間に遅れるからと、よく磨かれた革靴を履く背中に声をかける。
「走れば間に合うわよ。」
終電、乗り遅れちゃえばいいのに。
額に触れるだけのキスを落として、また来るからなんて、優しげな笑顔で言う悪い男。
次はいつ会えるの。
待ってる。
「別に来なくていいわよ。」
毎度泊まってはいかない貴方が、私に隠してること、分からないとでも思っているのかしら。
他の女の元へ帰って行く姿を見送ってしばらくは、いつも胸の奥が重くて痛い。
でも、そんなことは、絶対に口にしない。
貴方への気持ちも、貴方の嘘も、全部、全部。
「バイバイ。」
私にとっては、何でもないもの。
(何でもないフリ)
何でもないフリ
傷つかないフリ
傷ついてないフリ
笑ってるフリ
苦しくないフリ
強いフリ
楽しいフリ
何でもないフリ
いつまで私は自分を隠して息をしてればいいのだろ
いつになったら本当の私で生きていけるのだろう
毎日,息をするように今日も自分に言い聞かせる
「まだ大丈夫」だと。
そしてまた何でもないフリをする日々が始まる
何でもないフリ
自分の好意がバレそうな時
失敗をしたがそれを必死で隠そうとした時
こういったおよそ自分が恥ずかしいと感じた時には
何でもないフリをする。
これはきっと自分が他人からこう思われたいという理想像があり、そこからかけ離れたイメージが着いてしまうと感じた時にしてしまう行為だ。
暗示みたいに言い聞かせる。
私は強い。
私は正しい。
私はこれでいい。
私はこれが好き。
そう思い込んで、思い込んでいる事すら忘れてしまうくらいに自分の中にその感情を刻み付けて、それが自分にとって当たり前の、〝何でもない事〟になってしまっている。
〝何でもない事〟になってしまっていた事に、ふと苦しさや痛みや、窮屈さや悲しみを感じてしまうのは、暗示が解けてしまったからだろう。
だったらずっと、〝フリ〟じゃなくて本当に〝何でもない〟ままの、暗示がかかった状態でいたかった。
END
「何でもないフリ」
【何でもないフリ】
自分が社会不適合者だと感じる時はあると思う。
例えば、少しのミスで注意されたり、失敗を侵してしまったり。そんな小さな積み重ねが罪悪感に切り替わり、「あぁ、自分はダメな奴なんだ」って思う。
その時大体は「よし変わろう」「自分の悪い所を見つけよう」って、なってた。けど最近はもうそれさえする気力が消えてきた。
「自分を考えたくない」「これが私っていう言い訳を使いたい」
多分その理由は「普通」が分からないから。だと思う。
端折りはするが、自分でも「一般」と外れた人生を歩んでることは自覚済み。そのせいで色々なことに諦めがついてしまってる。自分のことまで。
誰かに陰口を言われても聞こえないフリをして、なにかを言われたら優しく振る舞う。何でもないフリをすることが自衛に繋がる。けれど、それさえも面倒。自分が弱く醜く感じるから。
世界に75億人居るのなら、行き方は75億通りあるように、完全な共感は得られない。
独りじゃないけど、孤独。
意味もなく傘をさして、夜の雨に打たれる。
何でもないフリ。何でもないフリ。
「もう一度、申してみよ。」
上司の静かな怒りが籠もった、低く声が響き渡る。
「申し訳、御座居ませんでした。」
両手を正面にハの字に置き、土下座をする。
必死に声の震えを抑えたが、やはり少し声が震えていた。
心臓を握られているような感覚がする。
「面を上げよ。」
主君の声が響く。
「はい。」
震えながら、面を上げる。
「そう怯えるでない。大丈夫だ。今は、吾が居る。
決して、刀を抜かせぬ故、安心するが良い。」
主君の明瞭な声が響く。
「いくら貴殿が部下に厳しかろうとも、吾の顔に泥を塗る行為は出来ぬ。」
主君は、諌めるように上司に釘を刺した。
「はい。主君の命ならば、致し方或りません。」
先ほどの感情は嘘のように、上司は平然と応えた。
「任務が達せられ無かったことは、致し方無い。
やはり、どれだけ経験を積もうとも一定数、対応出来ぬことは或る。
何故、任務を達せられなかったのか、
それを皆で内省し、分析し、共有し合い、次に活かすことが重要である。」
主君の、優しい声が響き渡った。
「寛大な御判断、心より感謝申し上げます。」
無意識に頭を下げた。
今にも、涙が溢れそうだった。
「良いか、よく聴け。
この度の件、確かに任務は達せられ無かった。
しかし、幸い、貴様ら任務に当たった者は少数だが帰還した。
其れは、正しく貴様の、率いる者としての功だ。
これからも、精進すると良い。」
主君の声が近くで聞こえ、一瞬だが私の肩に手を置かれたのだった。
私は、頭を上げた。
そして、主君の目を見た。
「以後、精進して参ります。」
私は深く頭を下げ、誓った。
生涯、この方に忠誠を誓おうと。
悪口を言われた
でも気にしない
殴られたし蹴られた
でも気にしない
虐められるようになった
でも気にしない
兄妹に見下された
でも気にしない
親に捨てられた
でも気にしない
大切な物を壊された
でも気にしない
誰も隣に居てくれなくなった
でも気にしない
全部全部気にしない
全て何でも無いふり
# 18
でもね....
本当は凄く傷ついたんだ
本当は凄く痛かったんだ
本当は助けてほしかったんだ
本当は仲良くしたかったんだ
本当は愛されたかったんだ
本当は迚も泣きたかったんだ
本当は誰か隣に居てほしかったんだ
本当は全部全部気にしてたんだ
僕は皆に認めてもらいたかったんだ
僕というありのままの人間を
※BL描写
肩に気安く触れてくる大きな手は、振り向かずとも誰のものか分かった。手はそのまま無遠慮に胸元まで降りてきて、がっしりとした胸板に抱き寄せられる。
背中に伝わる温もりに、心臓がどきりと跳ねた。それに目を背けながら、いやいやをするように小さく身を捩ってみせる。
「ハグ、嫌いっすか?」
振り向いてみると、尋ねる言葉とは裏腹に、幼げな顔立ちにはニコニコと嬉しそうに笑みが見られた。
肩に顎を載せてくるせいで、吐息が混じってしまいそうなほどに距離が近くなっている。唇が重なる状況を連想してしまい、頬が熱くなる。
「ね、こっち向いて」
一向に返事をしないこちらに焦れているのか、肩に額をぐりぐりと押し付けながら甘えた声を出す。滑らかな彼の頬が首筋に触れるけれど、その柔らかさにも気付かないふりをした。
「向かへん」
そう呟いて、胸元に回されている大きな手を両手で包み込んだ。彼はお願いを聞いてもらえなかったのに、筋の通った鼻を子犬のようにすり寄せて、なお一層こちらを抱きしめる腕の力を強めた。
大丈夫って言い切る君の左頬
それが本心であるということ?
「おっと、ごめんなさ...!」
「あの、どうかしましたか?」
「あっ!いえいえ。なんでもありません。ぶつかってしまいすみません。」
「いやこちらこそぶつかってしまいすみません。お怪我はありませんか?」
「いえ大丈夫です。ご心配してくださりありがとうございます。では」
と言って帰って行った。あの日見た彼はなにか強い縁を感じた。
何でもないフリは結果として良い事はない。
その場限りでは解決したように思われるかもしれない。しかし、何でもないフリしてしまったら、それは自分をもだましだまし、向き合うべき問題を解決するのを先延ばしただけ。
大きな問題点だと気付いたなら、すぐにでも周りに相談した方が良い。
ただ頭では分かっていても、うだうだうだと何でもないフリをしてしまう性なのではあるが、頑張って治そうとしている。
過去の自分と比べてみると、多少は変わったと思う。
周りを頼ろう、SNSであっても愚痴ろう、とにかく自分には溜め込まないというように。
何でもないフリは、自分の本当の率直な気持ちを蓋してしまうようなものだ。
『何でもないフリ』
本当は気付いてほしかった。
どうしたの?大丈夫?って、聞かれたいくせに平静を装った。何でもないフリをして、何も聞かれないことに勝手に傷付いた。
自分で弱音を吐けるほど素直じゃなかった。一人で生きていけるほど強くもなかった。一人で耐えることを選んだくせに、誰かに一緒に背負って欲しがった。中途半端に匂わせて、いざ聞かれると押し黙った。
面倒くさい人間だった。自分で自分をそう思うのだから、他人は私をどう見つめただろう。
本当は気付いてほしかった。何でもないフリなんてやめたかった。誰からも心配されないことが怖かった。助けを求めた手を、誰にも取ってもらえないことを恐れた。本当は、本当は。
やっぱり、何でもないや。
何でもないフリ
ー娘ー
「大丈夫!心配してくれて、ありがとう」
私は今日も、この言葉を使う。
本当は大丈夫ではないのに。
本当は、重めの生理痛が薬でも治らなくて、歩いているのも辛い。
「そう?ならいいんだけど…。あ、お母さん久しぶりにこっちに来たからこのお店に行きたいんだけど、いい?」
「いいよ!案内するね」
都合が合わずに、お盆も帰れなかった。
半年ぶりに合うお母さんは、また白髪が増えていた。
子どもの頃の私は、身体が弱くて、ただの熱でも長引いていたらしい。肺炎を起こして入院したこともあったらしい。
もともと心配症の母は、どれほど心を痛めただろう。
「この雑貨屋さん、おしゃれでかわいいよね」
他愛もない話をして、気を紛らわす。
大丈夫、大丈夫、大丈夫。
私のことを心配するお母さんに、何度この言葉を言ってきただろう。本当は大丈夫じゃないよ。気づいてよ。
そう思いながらも、何でもないフリをする。
だって、心配するでしょう?
心配したまま、実家へ戻ってほしくないんだよ。
合うたびに、痩せていき、白髪は増えていく。
時間は容赦無い。
私、お母さんには笑顔で居てほしいの。
離れているからと言って、興味が無いわけじゃない。
お母さんのことが、大好きだから。
だから私は今日も…。
ー母ー
「大丈夫!心配してくれて、ありがとう」
またこの子は、大丈夫じゃないときにも大丈夫という。
昔から強がる子だった。
私が、過剰に心配しすぎたのかも知れない。
身体が弱くて、ただの熱でも長引いていた。
肺炎を起こして救急車を呼んだときのこと、今でも覚えているわ。本当にもう…だめかと思ったのよ。
母親になる前は、こんなに私が心配症だなんて気づかなかったわ。我が子の入院を経験して以来、急にこの子を失うかも知れないと怖くなって、少しの体調不良でも大袈裟に看病していたこともあったわね。
あなたはそれを敏感に感じ取り、何でも大丈夫というようになった。
私は、それに甘えていたわ。
大丈夫という言葉を信じて、自分が心配でどうにかなりそうなプレッシャーから逃げていたの。
本当は大丈夫じゃないことも、きっとたくさんあったのに。
「買ってくるわ。外のベンチで休んでいて!」
「分かった!」
ベンチまで、のそのそ歩いていく娘を見ながら私は会計を済ませる。
今日は、久しぶりに会えたのだもの。
久しぶりに会えた娘に、無理をさせているなんて…
「買ってきたわ。はい、こっちはあなたへのプレゼントよ」
「え?私に??ありがとう!開けてもいい?」
私は頷き、娘は嬉しそうに包みを受け取ってくれる。
本当に優しい娘に育ってくれたのね。
「コレって…電気ホッカイロ?こっちは防寒用の巻きスカート!」
「寒くなってきたからね〜。特に女の子は、身体を冷やしてはだめなのよ。生理痛はお腹を温めるのが1番いいの。そんなに足出して寒そうな格好してたらだめよ~」
「お母さん…」
「また老けた考えって言うんでしょう。とりあえず、これをお腹に貼ってみて」
「貼るカイロだ、」
だから私も、何でもないフリをして…
【何でもないフリ】
「ねぇ、知ってたかい?目を向けなければそれは本当にならないんだよ」
酷く疲れた顔をして煙草をふかす彼は、大きな哀愁を背中に背負っているように見えた。
なんて言えば良いのかいくら考えても分からなくて、沈黙がその場に満ちていく。
その事に焦って、咄嗟に一番最初に思ったことを口に出す。
「自分の本当にはならないかも知れないですけど、他の人の本当にはなるんじゃないですかね」
口に出してから、少し後悔をする。
色々とごちゃごちゃ考えた末に何も考えずに言ってしまったので、何か失言が無かったか後になって思い返した。
ちらりと隣の顔を見ても、やっぱり何を考えているのかは分からない。
煙草の紫煙がちょっとずつ顔を隠していって、彼の存在が薄くなってしまったかのように感じてしまう。
「まぁー、そうかもしれないけど、それにすら目を向けなかったら良いことだしね」
はは、と作り笑いだとひと目見て分かる笑い声が聞こえて、思わず眉を寄せてしまう。
笑ったことによって、彼が持っていたひとつの感情が抜けていってしまったような感覚に陥る。
「あー、ごめんね、変なこと聞いちゃって。今のこと忘れてほしいな」
「え、嫌です」
すっと考える前に出てきた言葉に、自分で驚く。
彼も、間髪入れずに言った私の言葉に驚いたように目を少し開いていた。
その姿を見て、まだ彼は感情が抜け切っていないことに少し安堵する。
「忘れてほしいのであれば、少し休んで下さい。今から。働きすぎです」
休んでるよ、今も煙草休憩だし、と本気で口にする彼に、怒りを通り越して呆れが浮かぶ。
「いいですか、休むっていうのは心が大事なんですよ。心、休まってますか。休まってないですよね」
「えー、休まってると思うんだけどな」
「それは自分で自分が何でもないフリをしてるだけです」
きょとんとした顔をする彼に、人生で1、2を争う長さの溜息が出る。
「いいですか、もう一度言いますよ?
……いいから休んどいてください!!」
私だけの彼女でいてほしかった
でも、時代が、性別が、拭いきれない人間の本能が、赦してくれない
ぐちゃぐちゃした感情を
ぜんぶ ぜーんぶ
苦いカフェモカで呑み込んで
「結婚おめでとう!」
彼女に屈託のない笑顔を向ければ
彼女からも屈託のない笑顔が返ってくる
あぁ……
消えてしまえばいいのに
【何でもないふり】
『知らないフリ』
知らないフリをしよう 手品師のように上手くやり過ごそう 紫のマントが揺れている 僕の鼻が赤らむ時に 嘘は前のめりでこっちをみている トロールみたいなアイツの眼 私の小さな心臓は知ってることを話してしまう
「何でもない」は、いい口実になる。
その一言で、君は大体何でも許してくれるから。
「…何いきなり。どうしたの?」
だから今日も「何でもない」と言って、君の手を握る。
【何でもないフリ】