『世界の終わりに君と』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
テーブルの上の薄っぺらい紙切れ一枚。
「さよなら」という一言だけ、はしり書きされていた。
もう何もやる気がおきなくて、僕はスーツのままベッドに突っ伏した。
あと数日で地球に巨大な隕石が衝突する、というありきたりなハリウッド映画のような展開を前に、世界は既に崩壊していた。
ライフラインは止まり、法も秩序も無くなり、人々は獣のように振る舞っている。
あちこちから火の手が上がるが消防車は来ない、僅かな飲水を奪い合い、殴り殺された年寄りや女子供の死骸が道に転がり、それを捨てられたペットが貪っていた。
助けを求める声に応える者は無く、悲鳴のような鳴き声が街に響くだけだった。
食料が無くなり、飢えた者が死体から肉を切り取って、そのまま食べる。うまそうに。
死体から滲み出た黒い液体を啜り喉を潤す者もいた。
地獄だ、この世は地獄だ、早く終わってくれ。
やがて、みんな、餓死した。
地球に直撃するといわれていた隕石は、いつまで経っても降ってはこなかった。
誤解だったと気付いた時には、既に手遅れだった。
人類は絶滅した。
たった一人の食べこぼしによって。
テーマ「世界の終わりに君と」
『ね、もし世界が終わるならその時は君と手を繋いで朝日を見るんだ。』
なんて言ってた君は、世界が終わる前にいなくなってしまって。今、世界の終わりに付き合っている僕はたった一人だ。
嘘付き。僕と朝日を見てくれるんじゃなかったのかよ。朝日を探しに行こうよ。
一緒に朝日を見たかった。世界の終わりに君と。
#世界の終わりに君と
《世界の終わりに君と》
世界が終わるなら
終わりを考えるより
君と来世で出会いたい
日向みたいにあたたかくてやわらかくて
このままここにいればずっとずっと
平穏な生活を繰り返せたはずなのに
君がそんな世界に入ってきて
わたしをひっぱっていくから
あたたかなやさしい世界が終わる
ああ君の世界はなんて眩しいんだろう
見たこともないネオンの光が目に刺さる
こっちの世界はずっともっと
刺激的で心躍る
_世界の終わりに君と
世界の終わりに君と
君が誰であれ
世界がどう終わろうとも
それはそれとして
別の世界が
そこにはあるはず
内側にしろ
外側にしろ
多次元にしても
そこから観測が出来てないと
世界が終わったなんて判らないはず
世界の終わりと
君との関係性なんてあるの
君が見た世界の終わりとはなに?
世界は君に終わりを告げて
世界が終わったのを君が見て
君は君の世界を継続する
他の世界もあり続けている
君がいる世界も
また誰かの世界である
全ての世界が終わるのなら
それを見れるのは誰もいない
世界が終わったなんて誰にも判らない
最初から世界とは
誰かが認識してる何処かにある
だけどそれが全てではない
私達には
見れない世界
知らない世界
それらもあるかもしれない
でもそれらの世界は
私達からしたら終わってる世界
共にあるかもしれないけど
どうすることも出来はしない
何処かから見たこの世界も
すでに終わっているのかもしれない
君と見る最後の景色はきっと綺麗だろう。
君を見ながら終わるのは幸せだ。
だから来世でも一緒に過ごしていよう。
言葉にしなくたって思い合えれば約束になる。
次に合うときも笑いあっていよう。
来世でもあなたを愛しています。
世界の終わりに君と、
明日の話をしていたい。
#世界の終わりに君と
お題︰世界の終わりに君と
君と花を飲みたい。
君と星を食べたい。
世界の終わりに君とワルツを。
有り得ない話じゃないよ。
身近なもので洒落込もうよ。
靴を履いて手を取って
音楽はスマホから
金平糖持って外へ出て
花を摘んで水に浸して
世界の終わり、君とそのまま。
いつもと同じように。
「今日で世界が終わるなら何がしたいか」だって?
その話は何度もしたじゃんか
いつも通り過ごすだけだって
……今日の予定?
全部キャンセルになっちゃって暇だよ
まあそれもそうか
でもそのおかげで
こうやって一緒に話せるし悪くないかな
おいおい、なに泣いてんだよ
まったくしょうがないな
今日はずっと話し相手になってやるよ
本当だって
それで何の話をしようか?
離れたりしないから心配すんなよ
終わりの時も一緒だ
~世界の終わりに君と~
まさか世界の終わりに君と殴り合ってるなんてね。
カウントダウンまでシェルターの中で暇をかこっていた僕たちが偶然見つけた、どこに繋がってるのかも分からないシューター。
ライト片手に滑り降りてみた先には、コールドスリーブ装置付きの緊急脱出ポッド。
───定員一名。僕らは二人。
君は、問答無用で僕をのしちまえば、ポッドに押し込んで脱出させてやれると考えてる。それは分かってる。
さらに君は、僕が一人で逃げるために自分を殺そうとしているんだとも思い込んでる。僕はそれも分かってる。
そして僕は、君が願っているのと同じように「僕は君を脱出させたい」と願っていることには何も気づかれていないってのも分かってる。
世界の終わりまであと五分。
こんなに儘ならない最後は予定外だったなぁ。
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世界の終わりに君と
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所感:
誰も助からないエンドに一票。
世界が終わるなら
世界が終わらなきゃいけない運命になる直前に
私は自ら命を捨てるよ
私を大事にしてくれる人や
私が大事にしてた人達を泣かせて
その悲しみの間に地球ごと消してもらいたい
それから
私が好きな人には
最後までそれは伝えない
その人が私の運命の相手だったなら
来世で逢えたらそれこそ本物だもん
ま、そんなロマンチック要素は
空想の世界にしかないんだけどね
てことで今日の25時の世界は終わりとしましょう
まだ眠れてない人、私と同類の人間達、
おやすみ 嫌でもちゃんと寝るんだよ。
_ ₆₉
僕は朝早く教室に行く
君が大抵 早くきてるから。
いつものように教室のドアを開け
君がいることには気づいても
わざと焦点を合わせないように
何気ない口調で
「おはよう」と言う。
うん。不自然じゃなかったよな。
「おー、おはよー。
今日、英語あったっけ。
おまえ予習とか やってきた?」
「かるーくかなー。」
僕は努力して普通の笑顔を作る。
思わせぶりな言葉とか
何かを予感させるような眼差しなんて
一切 僕は出さないけれど
このむねを開いたとしたら
きっと君でいっぱいになっている。
だってこんなに息ができない
同じ空間にいるだけで。
「なあ、田中、
急に世界に終わりが来たら
お前どうするよ?」
君が僕の席の前の椅子に
こっちを向いて腰掛けながら訊く。
「え?突然、なに?
今日の英語に関係ある?」
「あのさ。関係ないけど、
お前見てたらさ」
君が僕をじっと見ながら
声を低くして ゆっくり言う。
「世界の終わりになって、
ようやく言えるってことは
今でも覚悟決めれば
言えるってことじゃね?」
君は今日に限って
僕から目を離してくれない
さっきまで 普通の話をしてたのに。
ずるいよ 急にまじめな顔で。
そんな君から僕も
視線をはずせなくて
君の眼を見つめながら
ぼくは 息を吸って
口を開いた
「世界の終わりに君と」
「いつか行ってみたいね」と言っていたお高いレストランが崩壊していた。ここで最後の夕食をとることを提案したら彼女は同意してくれた。
レストランの残骸に並んで腰掛け、夕日を眺めながら粉々に砕けたビスケットを少しずつ食べた。海が近いのだろうか。潮の匂いがする。
朝がもう二度と訪れないことは確定している。この夕日が沈んだら何も見えない夜だけが残る。
「おいしいね」と言って彼女が微笑んだ。僕は何も言わずに、同じように微笑んだ。
(世界の終わりに君と)
世界の終わりに君を愛す
世界が終わるっていうのに
今更愛すのかって思う人もいると思う
今だからこそ愛せるものだ
愛は結べるさ
たった一日でも
愛せばいいのだ
世界が終わる前に君を愛す
世界の終わりに君と
朝寝坊がしてみたい
昼下がりのベランダで
晩ごはんのはなしをしながら
明日の旅行の準備をしよう
まずなんの変哲もない朝食を摂ろう。
白いお皿に目玉焼き。夕飯の残りの玉ねぎスープ。あなたの好きな珈琲と私の好きな紅茶を淹れて、ふたりで食卓を囲むのだ。
ナイフとフォークで半熟の黄身を半分にするあなたを眺めながら、あたたかな紅茶を飲んでいたい。
それが終わったら部屋を出て、近所の公園で散歩をする。そろそろ見納めの桜の花びらをつまむあなたの隣で、あなたの手のひらの温度を感じていたい。
ふたりの部屋に戻っても、世界の終わりなんて知らない顔をして、いつも通りの日々を続けるのだ。
おなじベッドに潜り込んで、優しい微睡みに沈みたかった。
来なかった世界の終わり。
あなたのいない静かな朝に。
私はひとり珈琲を淹れて、窓から見える雲ひとつない空を見上げていた。
宇宙でハネムーン。
君も
僕も
永遠に(とわに)
永遠に(えいえんに)。
世界が終わるからなんだ。
僕は君と一緒にいられるだけで幸せなんだ。
住む場所がなくなったら、探せばいい。
なんにでも言える、『探せばいい』。
今、僕達はそれを探しながら、
甘い、甘い、蜜のようなひとときを過ごしている。
〜世界の終わりに君と〜
世界の終わりに君とはいっしょにいない
最後は一人で
最果ての島の浜辺ペリドットのような海を見ながら
あの秘境の山のてっぺん
滅んだ王国の宮殿の石畳で夕日につつまれながら
今はない故郷の子供の頃遊んだ池のほとりで懐かしい空気をすいながら
私は一人で静かに滅ぶ
世界の終わりに君と、ダンスでも、踊ろうか。
型も足運びすらも知らないけれど、ただくっついて身体を揺らして回るだけでもそれらしくなるだろうか。
世界の終わりはどんな形で訪れるか分からないけれど、僕は君の隣にいたい。
君は?
もし僕と一緒にいてくれるならば。
――――結婚しようよ。
ここは世界の果て。
地獄の底から伸びる手が貴方を叩き潰す最果て。
でも終わりじゃない。
だから地獄なのだと思い知るための場所。
そう、ここはアルカトラズ。
こんな所まで来ないと生を感じられなかった貴方を看取る場所。