『不条理』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この世は不条理ばかりというけれど全くもってその通りだ。
大人になればなるほど実感していくだろう。
君はどう向き合っていく?
この不条理に。
私は屈したよ。
疲れたんだ。
全くもって。
人には役割があるというけれど私には分からないよ。
多分、みんな心の中では感じてるはずだ。
私はちっぽけで無力で何にもない空っぽな人間だと。
例え疲れていても笑わなきゃいけない。
ちぐはぐな笑顔をうかべながら仮面を被る。
私はそんな自分に疲れたよ。
みんなは疲れないかい?
その仮面を被ることに。
こんなこと書いてたらポエム気取りだとか恥ずかしいとか思われるかもしれないけどどうでもいいんだ。
もう、全部どうでもいい。
誰に何を言われてもどんな目で見られてもどうでもいい。
みんな、この世には不条理は腐るほどある。
だから、時には休んで楽したっていいんだ。
それは甘えなんかじゃないから。
【不条理】
月夜といえばツキヨタケ。
毒の強さではドクツルタケやタマゴテングタケなんかの「猛毒御三家」に及ばないながらも、毎年のきのこ中毒事件の原因菌としてはぶっちぎりのトップを行く毒きのこ。
『今昔物語集』にて憎い相手に盛った「和太利(わたり)」も、これじゃないかと言われているそうな。
この説話集には他にも、尼さんたちが踊り狂うほどおいしい舞茸の話や、谷底に落ちても怪我そっちのけで平茸を取ってくる男の話など、きのこにまつわるエピソードが数多く収められている。みんなどんだけきのこ好きだったん。
と言いつつ私も好きなほうで、なかでも平茸は鍋に欠かせません。
淡いグレーとベージュの中間色、ニュアンスカラーとかくすみカラーとでも言うのか、なんとも上品な色。ほどよい弾力と、淡白で主張しない味。なにより、きのこ特有の匂いがそれほどしないところ。つまり、きのこだけどキノコキノコしてないのだ。鍋だけと言わずほんと重宝する。
でも悲しいかな、うちの近所のスーパーにはまず置いていない(霜降りひらたけとやらはあるけど、なんか口に合わなかった)。しかたなくいつも、ちょっと離れた直売所まで買いに行く。
よその地域では普通に売ってるのかな。だとしたら羨ましい。
ところで夢野久作の作品に『きのこ会議』という短編がある。ドグラ・マグラだの少女地獄だのを書いたのと同じ作者とは思えないくらいのどかな一編(とはいえだいぶシニカル)だけど、とにかくさまざまなきのこが登場してくるので名前を見るだけで面白い。なにより、きのこたちが繰り広げた会議の結末。毒きのこたちにとってはこれぞ不条理の極み、かもしれない。
似た話だと阿川弘之さんの『鱸とおこぜ』も好きな作品だ。
そしてこれにイラストレーターのヒグチユウコさんが挿し絵を描いた。「CIRCUS」展での描き下ろしだ。あまりの美しさにすっかりファンになって、美術館をあとにするのがなんとも名残惜しく、ショップでTシャツやらペンケースやらを買い込んだ。予算オーバーしたので画集は泣く泣く諦めたけれど、やっぱりもう一度見たくて本屋に行った。
無事購入してわくわくしながらページをめくると、あれ、イソップ物語の『卑怯な蝙蝠』? ……なんと、『きのこ会議』は会場限定版にしか収録されていなかったのだ。
がっくり肩を落としたのだった。
なんて不条理、いや理不尽。と言ったら、逆恨みだろうか?
(不条理)
※出だしでわかる通り、「月夜」のお題のとき書きそびれたのを手直し。
実は最初に浮かんだのは大江健三郎の『人間の羊』なんだけど、読み返す気力がわかなかった。
未読の方、興味があればどうぞ。
〈不条理〉
子どもの時に、程良い不条理を味わっておくと、大抵のことは笑って見過ごせます。
なんて、若造が言ってるだけですがね。
あの筋の通らぬ大人の前で、自我も主体性も求められず、反抗という発想にも至ることが出来ず、只々上唇を前歯に巻き込んで噛み黙っておくことしか出来なかった。
その数十分の時間を、幾度となく繰り返したものです。
怒号が耳に染み付き、大きな声を出されたくらいじゃあ、怒られた気にもならない生意気な小僧が出来上がりました。
しかしね、怒鳴られても肩を震わすことはありませんが、いかにも厳粛な表情を作り出すことに長けますので、「確りと叱られ」ました。
このようにして、少々冷静さを欠く相手方との接し方を私の身体は覚えました。まだまだ「上には上がいる」でしょうが、ちょっとやそっとのことでは腹は立ちやしませんよ。
こんな人間はね、何を言われても、心中で丁寧に水を注ぎながら、ハイ、ハイといかにも大事のように頷けるのです。
眠りについて
目が覚めることは奇跡だと
教えてくれたのは君
当たり前のことへの感謝を
教えてくれたのは君
気持ちを言葉にすることの素晴らしさを
教えてくれたのは君
不条理
どうして、どうして……
貴方のことを一番に想っているのは私のはずなのに、どうしてあの子たちの方が貴方に近づいているの?
冷静に考えれば分かる。
貴方に近づく勇気が無かっただけ。ただの努力不足。それだけで済む話だ。
それでも、不条理を感じてしまう。
あの子たちが羨ましい。
貴方にもっと近づけた、あの環境が……。
大好きだから、貴方の姿をもっと見ていたかった。
大好きだから、貴方のことをもっと知りたかった。
そんな、愛する貴方とは……今日でお別れだった。
教室を覗いて見えた景色。あの子たちがいる。貴方がいる。
……やっぱりあの子たちが羨ましい。
それでも、悔いは無かったと言いたい。だって……
貴方のことを、心ゆくまで愛せたのだから。
不条理。
ドラゴンを見た者は、口をそろえてそう言う。
俺も駆け出しの頃に初めてドラゴンを見た時、頭にその言葉が浮かんだ。
山のような巨体から繰り出される爪、圧倒的な物量の尾、全てをかみ砕く鋭い牙、そして口から吐き出される灼熱のブレス。
ちっぽけな人間たちは、それらがかすっただけでも致命傷になる。
攻撃ばかりに目が行くことも多いドラゴンだが、防御に関しても隙が無い。
固い鱗、巨大ゆえに膨大な体力、ときには魔法すら無効化する個体もいるとか……
その影を見ただけで逃げても誰も責めることはできず、町や村の近くに出た場合、集落の放棄すら少なくない。
軍隊を動員して、やっと撃退できるかどうか。
もし失敗すれば国は焼き尽くされる。
まさに生物の頂点に君臨している存在。
だが命知らずの冒険者たちは、これらに無謀に向かっていく。
確かに強敵ではあるが、殺せない相手ではないのだ。
危険は伴うが見返りは多い。
ドラゴンから取れる素材から作った武具や防具は、最高級品として扱われる。
また一匹でもドラゴンを討伐したものは『ドラゴンスレイヤー』と呼ばれる栄誉にあずかれる。
金では買えない、誰もがうらやむ名誉である。
そんな夢を抱き、今日も冒険者たちは死地に向かう。
だが、そんな冒険者たちも逃げざるを得ない状況がある。
それはドラゴンが二匹以上、同じ場所にいる場合だ。
通常ドラゴンは群れないが、稀に群れを成すことがあるのだ。
理由は分からない。
間違いないのは、確実に勝てないと言う事。
伝説の勇者すら、逃げる事しか出来なかったという逸話がある。
ドラゴンの群れと言うのは、それほど脅威でありもはや災害でもある。
そして俺の前には十匹以上のドラゴンがいた。
ダンジョンを進んだその先、最深部にドラゴンの巣があったのだ。
本来であれば、恥も外聞もなく逃げるのだろう。
だが俺はその光景を眺めているだけだった。
諦めたわけではない。
必要ないのだ。
というのも俺と相方の二人でこのダンジョンに潜ってきたのだが、その相方が戦っているのだ。
ドラゴンの群れを。
一人で。
一匹ずつ、しかし確実に斃していく。
俺もドラゴンを討伐したことのある一人だ。
だからドラゴンの強さは良く知っている。
それを相方は一人で相手にしている。
もはや、乾いた笑いしか出てこない。
見ればドラゴンの目には恐怖が浮かんでいる。
生物界の頂点が、たった一人の人間に翻弄されているのだ。
無理もない。
俺も相方の強さが怖い。
そしてその相方と言うのが、見た目はか弱い聖女だというから、話がおかしい
聖女って強くないと務まらないのだろうか?
俺も名のある冒険者との自負があるが、彼女と旅をしてからとういうもの、その自負が揺らいでいる。
俺が弱いのか、彼女が強すぎるのか。
それが問題だ。
そんな何の役にも立たないことを考えている間に、一匹、また一匹とドラゴンを斃す。
ふと、この感情をどこかで感じたことがあるなと、自分の記憶を掘り返す。
しばらく考えている間に、相方はドラゴン全てを斃してしまった。
彼女がこちらに手を振るのが見えた。
そこで、ああ、と思い出す。
かつて初めてドラゴンを見た時、奴は俺を見ても何の警戒心も抱かなかった。
敵と見做されてなかったのだ。
吹けば飛ぶ埃のようなものだと……
そして自分もドラゴンとの圧倒的な差を感じ、打ちのめされたあの感覚。
そうだ、この感情の名は――
『不条理』。
カミュと弱めのキルケゴールのハイブリッド
それが自分の不条理についての考え方
人間の意味欲と世界の無意味さのズレを大前提として
カミュのように意味欲それ自体の無意味さをメタに見て
弱めのキルケゴールのように何かを少しだけ盲信する
結局人間である以上は仮のルールを作ってはそれをドグマ的に信じるしかないのだから、せめてその行為自体をメタに見ることでそのドグマの強度を調整可能な状態にしておくのがベターな処世術だと思う
サンタの存在を信じられなくなっても別に生きていけるようにゆるく不条理と向き合い続けるのがいい塩梅のはず
もしかして話が抽象的過ぎる?
ごめんよ そんなに意味を求めないで
不条理なことについてよくわからないのですが、個人的に結構好きなのは不条理演劇です。
フランス人として、イヨネスコの戯曲を勉強したことがあるし、何回も見に行きました。特に好きなのは『禿の女歌手』です。話が面白いし、今まで見た上演はいつもよく出てきました。
全然演じられない人なんですが、もしいつか一つの戯曲しないといけなくなれば、『禿の女歌手』を演じてみたいと思います。
〘不条理〙
『不条理』
今回は、私の実体験だ。
私の周りには、病を持った人が沢山いる。
精神病、持病、難病…発達障害。
その中に、てんかんで死んでしまった兄も居る。
持病を持った母は、いつも言っていた。
「望んで病気になったワケじゃ無いのに、健常者よりもお金を払わなければ生きていけない」「薬を飲むのが辛い。」「あの子も、薬を飲むのが嫌だったから…飲まずに、死んじゃったのかもね」
…この世の不条理は。
持病、発達障害、難病。
どれか一つでもかかってしまえば、健常者に戻れなくなることだ。
産まれた時、成長時に起こる格差だ
怖がり
こわくなんてないよ、ちょっと腰が重いだけ…
泣かないよ
泣かないよ、と言ったその目から流れる水は
不条理
散る雪のとけるころ、君の氷はとけたかい?
少なくとも
私の生活には
条理も不条理も
なにもない
理由なんて
必要ない
私は知っていたはずなのに。
世は儘ならぬ事ばかりで、不条理に満ちていると。
あの方の言葉を信じてしまったのが為に、私たちとは住む世界の違うお方だということをこうも感ぜられるとは。
あの時、私もあの方も人の良心というものを信じすぎるほどに若かったのだ。よもや尊い命が幾つも彼の国へ連れていかれるなどと、夢にも思わず。
〔不条理〕
こんなに愛しているのに、
好きと伝えることも許されないなんて。
『こんなの不条理だ!!!』
この電車に乗っている人の殆どが
こんなふうに叫びたいような、でも叫べないから
モヤの中に自分をしまい込んでいるような表情を浮かべている気がした。
休日、クリスマスが近づいた頃の始発の山手線。
真っ黒なリュック、真っ黒なコート、手にはスマホ。
例にもれなく私もこの「制服」を着て
ガタコトと揺られているモブだ。
そんな中で目立つのは、
山にでも行くのか登山の格好をした中年のグループ。
顔は老けていても体力自慢で活き活きとしたその表情は幸せそうだ。ねずみのカチューシャをつけて眠っている子供とその家族。これから夢の国でも行くのだろうか?
ひと際存在感のある大柄な外国人の旅行客もいた。独特で強烈な香水の匂いももう慣れたけど。
眩しくて、疎ましい。
イヤホンを取り出して、昨日アップロードされた好きな歌手の新曲を聴いて気持ちをごまかそうとする。
主要駅で一気に人が降りていく。
空っぽになった電車でそれなりの孤独をいつも感じる。
アップテンポな曲はかえって私を悲しい気持ちにさせた。
いつも聴いているお気に入りのマイナー調の曲に戻して心を安定させる。
私はこの2つ先の駅で降りる予定だ。
スマホに表示された時刻を見る。
あと30分もすれば、またあの苦手な上司との9時間労働が待っている。ああ、嫌だ、と思った。
仕事があることも、衣食住に困らず生きられていることも
戦争が起きているような本当の不条理な世界から見ればちっぽけで平和ボケしている。
きっと、まともに幸せなんだと言い聞かせなければならないことも分かっている。
分かっているけど、
こんなの不条理だ!と叫びたくなることはやっぱりある。
それが今の日本、東京。
不条理 あなたという存在が、
題 不条理
世の中に不条理って沢山あると思う。
筋道が通らないこと。
例えばこの体育のテストがそうだ。
私はスポーツ選手になりたいわけでもないのに、反則技を覚えて何か特な事があるんだろうか?
根っからの文系の私は、平均点80点を叩き出す体育のテストでいつも平均以下。
どうしてどうしてって思う。
バスケやバレーやサッカーやってる人からすれば何人でするゲームなのか、違反のガイドラインも分かるだろう。
でも私にはわからない。
興味がないから、何度教科書を読んでもすり抜けてしまう。
そういうわけで、私は不条理にも体育のテストはいつも平均以下というわけだ。
「えー?平均以下なの?ルールなんめ普通に覚えない?」
私のテストを覗き見た後ろの天パのユナはそう言った。
「覚えない。少なくともここに一人覚えてない人がいますが」
「だって、テレビで中継したり、先輩が試合行くとき応援行ったりして自然に覚えない?あ、オリンピックとかでも家族で見るじゃん!」
「テレビでも見ないし、応援は行ったことないし、オリンピックもうちは家族興味ない」
「へー、つまらなそーな人生だね」
失礼な!!
私はユナに心のなかで悪態をつく。
別にスポーツのルールが分からなくてもちゃんとこっちはここまで育ってきてるのよ!
不条理だ、不条理だ・・・と思う。
でもなぁ。
ふぅ、とため息をつく。
内申を取るには、頑張って興味なくても覚えなきゃいけないのかぁ。
「石井」
私が落ち込みながら歩いていると、後ろから声をかけられる。
ゲーム仲間の片山だ。
きっと、片山もテストの点数悪かったんだろうな、と思って聞いてみる。
「片山、体育のテスト何点だった?」
「100点だけど」
「えっ!!!」
私は衝撃のあまり言葉を失った。
「あ、そう、今話聞いててさ、スポーツのルール知らないの?」
片山に聞かれて、私は頷く。
なぜ、ゲーム中毒といえるほどの片山が百点を・・・。
「今度僕のオススメのスポーツゲーム貸すよ。ゲームの内容がリアルでルールとかも覚えられるんだ」
「えっ!そんな方法が!!」
目からウロコ・・・。確かに、ゲームは好きだけど、スポーツのは興味なかった。でも、ゲームなら楽しんで覚えられそうだ!
「貸して貸して!!」
私が勢いよく言うと、片山は頷いた。
「任せて!きっと体育の点数アップ間違いなし!」
そっかぁ、そんな方法が・・・。
世の中不条理ばかりじゃないのかもしれない・・・。
片山の話を聞いて、私の心の中は、げんきんにもさっきとは180度意見を変更したのだった。
不条理
世の中不条理ばっかだって、君が教えてくれた。
小学2年生、水泳を始めた。
後から始めた君は記録大会で金メダルを取った。
2年後、君は飽きたって言って水泳を辞めた。
小学5年生、平和の絵で入賞したのが嬉しくて、絵を習い始めた。
翌年のコンクールで君は金賞を取った。
中学生になる頃、君は絵のことなんて忘れていた。
中学受験をした僕を見て、自分も受験すると言い出した君。君はたった3ヶ月で、2年以上必死で勉強した僕を追い抜いて合格した。でも君は、そこには進学しないって言う。
「君と同じ学校に行くために受けたから、一人で通っても楽しくない。」
僕は知っていた。君は本心から言っている。君は皮肉なんて器用なこと言えない。
大丈夫。僕には努力を続ける才がある。
君はいつか堕ちる。君はその才能を活かす才能がなかった残念な人間。いつか、君が路頭に迷ったら助けてあげようか。そうしたら僕は完全に君を超えたことになるだろ?
不条理、か
そんなこと、わかってるよ
だけど、叶わないんだよ…
世の中不条理なことばかりだと覚悟して生きていかなければならないと思う。期待はすればするほど悲しくなるから。
〝不条理〟
世の中の不条理を変えるために、政治家になった。
それなのに、政治家が不条理を生み出していた。
どんなに変えようと頑張っても、
結局は自分のことしか考えない輩が、
全てを壊していく。
いつから、こんなことになってしまったのだろうか。
私には、何も分からないし、何も変えられない。