『不完全な僕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕を買った人はどうも忙しいらしくて、なかなか僕を作ってくれない。半分くらい埋められてそのままになっている僕。僕はいつ完成するのだろうか。数学の世界では0が最も美しいと言われるけれど、この状況は0でも、ましてや1なんかでもない。中途半端な、少数や分数みたいな僕。早く、完成させてくれないかなぁ…
『ジグソーパズル』『不完全な僕』
【不完全な僕】
文武両道の優等生、あらゆる財と幸運に恵まれた御曹司。そんな無責任な賞賛の声に笑顔で応える。彼らが僕に完全無欠の幻想を見るのなら、それをわざわざ否定する必要もない。むしろその評価を利用してしまうほうが、僕にとっては都合が良いのだから。
「なーんて自分に言い聞かせてないと不安に押し潰されそうな君の本性、もっと人に見せてみても良いんじゃない? 案外親しみやすいってウケるかも」
生徒会室の奥、休憩用に入れられた小さなソファに思いきり体を預ける僕に対して、テキパキと書類を棚へ片付けながら君は笑う。そんなことを言われたって、こればかりは染みついた性分だ。今さら変えられるわけがない。
天井をぼんやりと見つめる僕の視界に、君の手が降ってくる。突然訪れた暗闇が張り詰めた神経に心地良い。
「まあそうやって私の前でだけ気が抜ける君も可愛いから、私は別に今のままで良いんだけどね」
軽やかに弾む君の声が、僕の鼓膜を優しく震わせる。どうしようもなく不完全な僕を、君が知っていてくれるから。だから僕は有象無象の『大衆』の前では完璧な僕を演じ続けられるんだ。
僕を甘やかす君の存在に溺れるように、静かに瞳を閉じた。
僕は、僕らは不完全だ。
だって生きてるから
伝えたいことを短くまとめると一つ一つはこれくらいになる。こういう本当に些細なことを如何に誤解ないように伝えられるかが技量にかかっている。
ちょっとだけ早かっただけ
外から聞こえるたくさんの声がいう
この世界は美しいって
どんな世界があるのか知りたかった
僕は殻を破った
ああなんということを
温めていた我が子
まだ身体が出来上がっていないのに
生まれてしまった
なんと不完全で醜い
私は自分の子を巣から落とした
#不完全な僕
人間日々成長なら、
あれもこれもできなくて当然。
できないことは責められるべきではない。
不完全を演じ切って仕舞えばいい。
ゴールがない限り、
僕は一生不完全のままだ。
不完全な僕
何もかもが不完全な僕…周りの皆から毎日煙たがれ、正直、消えたかった…だけど、唯一、君だけは、違った。君だけは、こんな僕なのに、毎日、優しく話しかけてくれたり、毎日、優しく笑いかけてくれたんだ。だから、今の僕にできる事、それは、君のそばにずっといる事。勇気を振り絞って、僕は、君に告白した。すると、告白するまでの僕のアプローチが効果的だったのか、君からもアプローチされ、更には、君からの告白もあり…驚きが沢山だった。それからと言うもの、僕らは、毎日幸せな日々を過ごしている。これからもずっと君だけが大好きだ。この長い人生、一生かけて君と生きたいんだ。まだまだ不完全な僕だけど、これからもそばにいてくれるかい?
不完全な僕
僕は産まれて9ヶ月。やっと立ち上がることができるようになったのが6ヶ月ぐらいのとき。今はどこかに掴まっていれば15秒ぐらいは立っていられる。僕は歩くためにこの掴まり立ちを1日10回はやるつもりだ。絶対に1歳の誕生日までには歩くという目標がある。
僕のパパとママはなかなか赤ちゃんができず、病院で痛い治療を我慢してやっと僕ができた。
パパとママはお腹の中に僕ができた時も、僕が産まれた時も僕と同じぐらい泣いていた。
だから、僕はパパとママに笑ってもらうため密かに練習していることがある。それは言葉を言うこと。「パパ」「ママ」って言ってあげるんだ。ただここで大きな問題が、、、。「パパ」「ママ」どっちを先に言ったほうがいいのかなぁ?自分的には「ママ」かなぁ。
これからママのおっぱいをたくさん飲んで、疲れたら寝て、時々泣いて大きくなります。まだ不完全な僕だけど、パパとママのために立つことやおしゃべりの練習をしながら、元気にすくすく育ちます。
パパ、ママ、僕を産んでくれてありがとう。
羨ましかった。
完璧な君が。
僕なんか、凡人中の凡人なのに。
取り柄なんて、なんも見つからないよ。
だから、羨ましかった。
みんなから囲まれる君が。
……だから、僕は君を――
〜不完全な僕〜
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『当然』
明るいきざしが閉じたノートを躍らせる 心が足りないのか 足す必要もないのか 答えはなくて探す必要さえない 当然のごとく呼吸をして ご飯を食べて眠たくなれば ベッドになだれ込む そして目を覚ます
アンティークの家具に囲まれた夢の余韻に浸りながら
『苦しい?』
....全く
『悲しい?』
....全然
『楽しい?』
....何が
『寂しい?』
....何それ
『怒ってる?』
....別に
『感情有る?』
....無いよ
僕は人間として不完全。
人間の形をしているが人間じゃ無い。
感情の無い失敗作。
# 110
ふと目覚めた夜中の3時。
朝というのか、夜というのか。
ぼんやりと、些細な事を考えていたら眠気がどこかになりを潜めていた。
寝ないと仕事中に眠くなるよなぁ。
見上げる天井が徐々に光を招き入れていた。
時折聞こえるバイクや車の音。
いま、この瞬間にも、頑張る誰かがいる。
そっとカーテンから覗き見た景色は、しん、と静かで、特別な世界のようだ。
この静寂を、閉じ込めておきたい。
ゆっくりと顔を出した太陽は、神々しくて。
新しい自分になったような誇らしさがあった。
かわっていくのは、僕も同じだ。
「不完全な僕」
あのひととのことは
過去の枠に収めたけれど
収まりきれない想いは
現在(いま)に繋がり
心に巻き付く
このまま
この想いは
放置しよう…
どうせ
忘れられないのなら
# 不完全な僕 (263)
僕という字が不完全なのよ。
つくりが、『業』という字から一本足りなかったり、
美しいっていう字からいっても、一本足りないでしょ。
だから、元々『僕』は不完全なの。
不完全な僕
は
頭上を見上げる
とか
頭痛が痛い
と、同じなのよ。
完全な僕
はあんまり言わないでしょ。
完全は俺よね。
うん?
僕がカフェオレで
ラテが君
アイスミルクティーが彼で
モーニングセットは、無しで。
「また失敗か」
魔法陣の上に寝転がる半分解けた不完全な男を見る。砕けた結晶の欠片たちは光を発し、幻想的な雰囲気を作ろうとするが、光らす相手が浅黒い肌ではなんの情緒も生まれない。
男はこぽぽと空気の抜けるような声で魔法使いを非難する。
気まずい魔法使いは癖のついた自分の赤毛を大袈裟にわしゃわしゃわしゃとかき混ぜて、大きくため息をつく。
「……努力は認めてくれ」
男は破裂音だけで、「しゃーなし」と笑った。
一年成果は出てないが、それでもぽんこつ魔法使いが自分のために尽力してくれているのは分かっている。
「どれ足も働かんだろう」
魔法使いは部屋の隅に走っていくとまたすぐ台車を持って戻ってくる。
「ほれ乗れるか?」
流動性の高い男の腕をひっぱって、板の上に残っている体の半分を乗せる。動かせる肢体は自力で折り曲げて、重心をなるべく手押し車のハンドルの根元に寄せる。それが済めば男はなぜか七本に増えてしまった脚のうち動かない最後のひとつを台車に乗せる魔法使いに、こっちは準備が出来たと合図を送る。
「よしよし、ではダイニングへ行こうかの」
ダイニングには次こそは成功すると思って、魔法使い自ら用意した晩餐が待っている。今回の失敗は男に食欲を無くさせなかったので、男は久しぶりにその好物を食べられる。
台車を押しながら魔法使いは今日の料理の出来を語る。ハーブがどうだの、良い肉を買っただの楽しげに。
男がこのようなことになる前は、家事も出来なかった魔法使い。一年前の魔法使いは台車の位置さえ知らなかった。そういうことは男の担う分野だった。
男は魔法使いのために生きていた。魔法使いの世話をしてやることが、男の存在意義だった。
部屋を片付けるのも、砕けた魔法結晶を拾うのも、毎日の料理も、荷運びも、主が魔法を極めるために必要でない雑事は全部、男の仕事だ。
しかしまあ、今の主従の逆転にこの不完全さも面白いのではないかと男は思う。甲斐甲斐しい主人の話を聞きながら、感慨深く使い魔はこぽこぽ相槌をうった。
(不完全なしもべ)
不完全な私は
いつも戸惑い迷う
さながら迷路の中にいるようで
答えが
出口が
見付からない
私はこれから
何処へ向かっていけば良いのだろうと
どうすべきなのかと
自問自答する朝
ストロングを煽りながらそんな詩を考えてみた。
自分でも何を言っているのか、何を伝えたいのか、よく分からないけれど。
ただ一つ確かなのは、自分が不完全な存在であり尚且つ欠陥品であることだ。
完璧な人間なんて、この世に存在しない。けれど私は、それに惹かれてしまう。
見た目も中味も完璧で、周囲から一目置かれる存在。
私はそれになろうと必死に努力し、そして失敗した。
未来のことばかり考えないで、今この瞬間を考えろと主治医も母も言うのだが。
気ばかり焦ってしまい、挙句の果てには墓の心配までする始末だ。
けれど人間なんて、いつ死ぬか、生命の危機にさらされるか、分からないのだ。
北朝鮮から飛んできたミサイルが落ちてくるやも知れないし、大地震が起きて家具に押しつぶされるやも知れない。
だから今は、今この瞬間を「生きている」ことを喜ばしく思わなければならないのである。
例え不完全で満足のいかない自分でも愛し、前を向いていかねばならない。
ー仕方ない、生きてるだけでよしとしよう。
そう思えたら、万々歳である。
~不完全な僕~
夜は遅くまで起きちゃうし、朝も早く起きれないし、何もない日はお昼まで寝ちゃう。
料理もできないし片付けも下手くそ。
でも絵を描けるしボーリングがそこそこできる。歌もうたえるしフルートも吹ける。
不完全な私は見ないで欲しい。完璧なところはたくさんあるから。
きっともっとできたことがあったと思う。
でも伝えたいことが溢れすぎるのもどうかと思ってしまったんだ。
愛してるなんて言う資格はもう僕にはないけど、君に伝えるすべももうなくなってしまったけど。
だけど、どうしても。こうなってしまった僕にも、君に伝えたいことがあるんだ。
あのとき助けられなくてごめん、きっと助けられたはずの君を見捨ててしまってごめん。
怒るって、疎遠になってしまうって思ってたら軽く話かけてくれて本当にありがとう。
こんな僕が言えることじゃないけど、本当に君のことが好きでした。さようなら。
僕はまだ不完全で、完全なものになるにはこの人が必要だと、心から強く思った。
僕の人生で大きな存在を占める人。あなたがいて、僕は初めて完全になれる。逆に、あなたがいなければ、僕は完全にはなれないんだ。
僕は完全になりたい。不完全な僕じゃなく、完全な僕に。
だから、早く僕を完全なものにして。あなたの手で、完全なものに。
「僕の体、まだ完成しないんですか?」
「もう少し待ってて。今、ロボット君の腕作ってるところだから!」
『不完全な僕』
不完全な僕は
いつも、片羽をバタつかせて
空に焦がれる。
仲間たちは、ひとつの大きな
鳥のように群れをなし
遠くの果てまで、飛んでゆく。
だけど、僕は
地上の事を良く知った。
危険もあった。
それでも、生き抜いた。
時には、傷つき空を離れた仲間に
地上での生きる術を伝える事もあった。
そうして、僕は
いつの間にか
自分の居場所を見つけていた。
例え、空でなくとも
素晴らしい場所や出会いは
何処にでもあることを、知った。
【お題:不完全な僕】