『三日月』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は狼男や蝙蝠、吸血鬼を連想してしまう。
昔の洋画はこういった類いの作品がかなり多い。
昔の映画は今のようなCGはないがその分、人形や血糊など創意工夫に富んでいる為、現代よりも些かリアルに感じてしまう。
私には日本人としてのDNAからか満月が好きだが三日月も大好きだ。
それは欠けている事に対してスリルや芸術的な美を感じるからだ。
恐らくこれは僕個人としての感性によるもの。
私はどうも、大衆が美しいとするものよりも、その散り際や最後を美しいと感じてしまう。
歴史的偉人の最後や花の散り際、歴史ある古き物が現実世界から消え去り記憶の中でしか存在しなくなる等、私はそういった“最後”を重視してしまう。
まぁ、脱線はこれくらいにしておいて…
結局何が言いたいかと言われれば私は満月と三日月か好き。
以上だ。
三日月は欠けている。
当たり前のことだけど、私はそれを美しいと思った。
普通はなにかが欠けていたらダメになるのに、三日月はそれを逆手にとって、さらに美しく輝いている。
私も三日月のように、何かがダメでも周りから綺麗だと言われたい。
私も三日月のように、何かがダメでもそれでいいと言ってもらいたい。
そう思ってしまうのは…ワガママなのかな?
可愛い君のことを想って
寝てました
ぬくもりのない布団の中で
君さえいれば
これほどのない暖かさでした
ぬくもりのない布団の中で
汚れていようとも
ずっときれいでステキなことだと
思いました
雲一つない空気の澄んだ
三日月の晩のことでした
太陽は偉大
星も綺麗
満月も素敵
だけど
三日月が好き
お題
三日月
『帰り道』
2人で歩く帰り道
ビルの隙間に小さな三日月
「月が綺麗ですね」と彼が笑う
#三日月
三日月
草木の息遣いすら聞こえる夜の静寂
幽かな月明かりに戯れる陰陽魚
つり上がった口角
下がった目尻
切った爪
血
眉間の皺
シーツの皺
額の汗は弧を描く
閉じたクレセント錠
窓の外に遠く冴ゆる三日月
2023/01/10
窓の外には猫の爪のような細い月。
「あした、月が消える時にわたしも死ぬの」
彼女は病室のベッドの上で、そう言った。
オー・ヘンリーの『最後のひと葉』でもあるまいし、とぼくは小さく笑う。
昨日が朔の月だったから、いま空にあるのは繊月だ。
これから太っていく月。どんどん満ちていく月なのに。
大手術から目を覚ましたばかりだからか、手術前の一時の意識の混濁と麻酔のせいか、彼女は時間感覚が少し狂っているようだ。
「手術は成功したんだよ」
ぼくは彼女の柔らかな髪をそっと撫でる。「もう心配ないんだ」
明日、また一緒に月を見よう。言葉で言うよりもわかるだろう。
もしも雲が出て月が見えなければ、あの老人よろしくぼくが月を描いてみせてもいい。
病室を出てスマホで確認すると明日の降水確率は0%だった。
翌日。
月は出なかった。
雲に隠れたわけではない。
あの衛星は、何の前触れもなく、火球となって地球に体当たりしてきたのだ。
きたのかもしれない。
恐ろしいほどの大きさで迫ってきたあの火の玉は、本当に月だったのだろうか。
突然に全てが終わってしまって、どうなったのか本当のところはわからないのだった。
ぼくにも、誰にも。
――もしかしたら、彼女にだけはわかっていたのかもしれない。
「ね、言ったとおりでしょう?」
上も下もない暗闇の中、そんな声が聞こえた気がした。
三日月
希望
期待
三日月に
寂しさは
似合わない
#三日月 (1)
玄関に足を踏み入れた。
食欲を掻き立てられる香ばしい匂いが、辺りに充満し始める。
茶色の紙袋を抱えドアノブに手をかけようとすると、扉はひとりでに開いた。
「おかえり、おじちゃん」
出迎えてくれたのは、妻でも子供でもなく、一人の少年だった。
子犬のように愛らしい瞳をくしゃっと細めて、眩しく笑っていた。
思わず彼の頭に手が伸びる。
「ただいま。口煩く言うが、"お兄さん"、な」
「はーい、お兄さん!」
このやりとりは何度目だろうか。
少年のはずむような返事に、俺は苦笑いをした。
「じゃあお兄さん、今日の晩御飯は?」
いかにも子供らしい問いかけに、「これだよ」と抱えていた紙袋を机に置く。
少年はまるで宝箱を発見した海賊のごとく中を覗き込むと、ぱっと顔を輝かせた。
「パンだ!買ってきてくれたの?」
「ああ。前に食べたいと言っていただろう」
「覚えててくれたんだ……へへ、嬉しいなぁ」
愛おしげに袋の中をみつめる姿は、なんとも健気だった。
そんな彼をみつめる自分もまた、健気なのだと知った。
すっかりご機嫌な少年を横目にキッチンへと向かい、昨晩こさえた薩摩芋と林檎のポタージュをあたためて食卓に出す。
本日の主役を紙袋からバスケットに移し変え、椅子に身を沈めれば、二人だけの晩餐のはじまりだ。
「美味いか?」
「すっごくおいしいよ、これ!」
「はは、そりゃよかった」
「なんていう名前のパンなの?」
「クロワッサンだが……」
食べたことないのか?
そんな言葉は、直ぐにすり潰して嚥下した。
問うべきではない、と強く思った。
彼の哀しい笑顔は、二度とみたくなかった。
「へー、くろわっさん」
少年はひとくち、またひとくち、と丁寧に齧り付いていく。
その表情は住処を見つけた小動物のように穏やかで、少しばかり安堵する。
ふと窓の向こうに目をやると、爪の切れ端のような形の何かがぽっかりと浮かんでいた。
「少年、見ろ。月が綺麗だぞ」
「ほんとだ!」
少年は閃いた表情を一瞬見せたのち、
結露越しの窓をなぞって覗いた、陽の昇らぬ朝にしなやかな雪が降り注いだ
ゆうべ、粉砂糖が降り積もった、ガトーショコラを頬張ったばかりだったからか
天使が羽を落としたあとみたいな、細やかな街の白がやけにかわいらしく映った
僕は完璧である。
僕は世界を作ることができた。花を咲かせることができた。水を作ることができた。生命を作ることができた。太陽を作ることができた。殺しをすることができた。僕はありとあらゆるものをつくり、こわすことができた。
なのに「完璧なものなんてない」と言う輩がいる。
想像物の分際で。そんなことを言えるのはきっと自分への慰めだろう。なんと劣った思考なんだ。
僕はなぜ、認められないのだ。こんなにも完璧だというのに。こんなにも孤高だというのに。
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解読者へ
彼は頂点に立つものだった。万物の想像主だった。だが、彼は1部の狂人から虚像の姿を崇められるだけであった。それは何故か。照らしてくれるものがなかったからである。彼はいつだって完璧である。それがみえないだけで。
穴だらけの者より
三日月
本当の形は丸いまま
光の当たり具合で三日月のように
見えるだけ
人間も一緒
本当の自分の形はそのままだけど
周りの存在という光があるから
自分が違う形に見えてしまう
月が満月になる時があるように
自分も本来の形になれる時がきっとくる
大事なのは自分の形をしっかり覚えていること
自分を見失わないでね
三日月
と言っても
見え方が違うだけで
呼び方が違うだけで
月は月のまま
まん丸なまま
見た目で印象が変わる
変わったように見える
変わったと勝手に思い込む
そして
見る目が変わったり
呼び方さえ変わったり
見た目じゃない
いやいや
見た目も大事
どっちもよ
って
お題から逸れるのは
いつもの事
頭も文もまとまらないわ
月のパワーのせいかしら
ウルフムーンて
知らなかったァ
名前って
ほぼ与えられるものだけど
変えたい変えたい変えたいー!
未だ発見されず
名も無きものって
どれくらいあるのかなあ
ハナシソレスギ~
「三日月」
会う日が減って
言葉数が減って
笑顔も減って
「あの月、私たちの愛みたいだね」
隣の君の目に映ることは無かった
#別れ#三日月
金色に輝くあの弓は誰を射るのだろうか。光という矢をどこに向けて放つのだろうか。
受け取る相手もいないのに。何時いかなる時もただ静かに佇む。誰に視線を向けられずとも。
「月が綺麗ですね」
きっと君には届かない思い。君は読書が苦手だから。それでもよかった。借り物の言葉でしか伝えられない想いだから。
ほんの一瞬でも,共に同じ空をただ眺められるだけで。それだけで十分すぎるほど幸せだと。そう己に言い聞かせる。
「だね。いつか裏側も見てみたい。ねぇ,どうしたらいいのかな?」
「······月までは2ヶ月で行けるそうですよ。きっと思うよりずっと近い」
自転と公転の関係で,表だけを見せる天体。地球からではどうしたって裏側は望めない。
心のよう。仮面を纏った僕達の。
「じゃあ,これからよろしく」
君はアポロを差し出しながらそんなことを言う。口に広がる甘いイチゴとチョコの味。
臆病で曖昧な告白に返されたのは,情緒的な台詞。借り物の愛の言葉を囁くよりも,甘美な言葉に囚われた。
テーマ : «三日月»
三日月も半月も満月も美しい。
私は 三日月が 片思い 半月が 両片思い 満月が両思い
にみえる。
私の想いはずっと 三日月 のまんま。
半月だと私自身は思っている。
満月になりたいと思う、でもならない。
自分はあなたが半月じゃないからだと思う。
自分身が半月じゃないのに、
それを気づかないままで過ごしたい。
怖いから。
三日月、
それは満月の魅力とはまた異なる魅力を持つ美しい月。
光の当たり具合で魅力が変わってくる。
三日月は満月の魅力よりも僅かに欠けている部分がある。
完璧ではない。
まるで人のように、完璧ではない。
だからこそ魅力的に感じるのだろうか。
メンヘラの定義
メンヘラ
「メンヘラ」とは、情緒不安定でメンタルヘルスに問題がある人のことで特に感情の浮き沈みが激しく自己肯定感が極端に低いアピールをするなど承認欲求が異常に強い人のことを意味する表現。
(実用日本語表現辞典)
僕はメンヘラをこう定義したい。
「愛に飢えてるやつ」
友達にいきなり、「俺、愛に飢えてるんだよね」
って言ったら変な空気になる。
だから、「メンヘラ」って変な名前をつけて、みんな誤魔化してネタにしてるんだ。
でも、誤魔化たって何も変わらないし、
それだったら声高に叫んだ方が楽になる。
俺の心は愛に飢えてる。
愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい
愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい愛されたい
愛されたい!!!!
親に愛されてない人間はみんなメンヘラ。
可愛いメンヘラ系女子でも、ちっちゃい男の子でも、就活生でも、おっさんでも、おばさんでも、高齢者でも
愛に植えることはある。
愛されたいために何でもする女の子が考えることを、おっさんの僕も考える。
メンヘラの中には、自覚してないメンヘラも多い。
他者貢献とかをキーワードにする意識高い系就活生
(他者貢献して自分が感謝されたい、チヤホヤされたい、愛されたい)
(私です。)
彼女に怖いほど尽くす男
(愛されるか不安だから、何でもやっちゃう)
(私です。)
めちゃめちゃ話を真剣に聞く感じを出す男
(話聞いてあげて、感謝されたい)
(私です)
愛に飢えてるなんて全然意識してなくて、
変な言い訳をしながらこんなことしてた。
かっこいいこと言って、意識高いことするけど、
結局根本は、愛されたい、ってことに帰着するんだ。
今も愛してくれる人はいないけれど、
愛に飢えてる自覚があるから、前よりは少しだけ落ち着ける。
落ち着いた自分を愛してくれる人だれかいませんか?
「今日は三日月だね。」
『あ…ほんとだ。ねぇ、知ってる?三日月ってね、
恋愛成就の月なんだって。』
「へぇー、そうなんだ。じゃあ、月に美月(みづき)とずっと一緒に居られますように。って願おう。」
『っ!よくそんな恥ずかしいこと、本人の前で言えるね!!』
「え?俺、本気でそう思ってるから美月の前で言ったんだよ。」
『…別に、湊月(みつき)が嘘つかないってこと、わかってるから。本気で思ってないことを口にしてるなんて思ってないし。それに、私も…月に、湊月とずっと一緒に居られますように。って、願ったし…』
「あはは、本当に可愛いなー。美月は。そんなツンデレのところも好きだよ。」
『…!また恥ずかしいこと言って!!湊月に可愛いって言われる度に心臓バックバクなんだからね!』
「あー、それはごめん。でも俺、思ったら口に出ちゃうタイプなんだからさ。これからも何回も言うよ。美月が好きって。世界一可愛いって。」
『ほんっと、湊月は。デリカシーないことでも平気で口にするよねー。素直なそういう性格がいいんだけどさー。』
「…美月も案外さらっと人のこと褒めるよね。その照れ隠しの為か最初は悪口っぽいこと言うけど。」
『…あーぁ、バレてるし。なんでだろうなー。湊月の前だとつい本音が出ちゃうんだよね。湊月には全てお見通しかー。』
「うん。そうだよ。美月のことは、全部わかってる。
…つもりだけかもだけど。」
『ううん。湊月以上に私の事理解してくれる人なんて、この世にはいないよ。私も湊月のこと、全部知れるようになりたいなー。思ってたんだけどいつも私だけしてやられてる感じがするんだけど。』
「美月も、俺の一番の理解者だよ。1番俺の事わかってくれてる。美月の反応が可愛くて、つい意地悪っぽく言ってることも事実だけどね。」
『ちょっと!私の反応を見て面白がってたわけ!?
もう!本当信じらんない!』
「はは、ごめんごめん。でも、男って、好きな女の子には意地悪したい生き物だって言うじゃん?」
『い、言うけど…で、でも!なんか、私だけ不公平じゃん!私だって好きで性格がツンデレなわけじゃないし。湊月の前だとなんだか、緊張しちゃって…』
「俺の前だとドキドキするんだ。本当可愛い。」
『……湊月、あんたまた面白がってない?もうその手には乗らない!!……多分無理だけど(小声)』
「うん。無理。美月の可愛い反応が見れないなんて、俺死んじゃう。」
『私、恥ずかしいんだから!好きな人の前なのにいつも、こんなに強がっちゃってるし…可愛いっていっぱい言ってくれるけど、私じゃなくても、もっと可愛い人だっていっぱい居るし…』
「そういう強がりなところも含めて、俺は美月のことを好きになったんだよ。テレビで美人のモデルとかを見ても、美月以外はもう可愛いとは思わない。」
『、、ほんとに?私で、いいの?』
「美月じゃなきゃ、ダメなんだ。俺。」
『…私だって、湊月じゃなきゃいや。絶対いや。でも、湊月からこんなに沢山の愛を貰っていても、時々不安になっちゃうの。湊月、かっこいいし、性格よくて誰にでも優しいし、完璧な人なのに、隣にいるのが私でいいのかって…相応しい人が、もっと他に居るんじゃないかって…』
「はぁ…美月、まだわかってないのか?俺はもう、美月じゃなきゃダメなんだって。ほかの女に優しくしてほしくなきゃ、そうするけど?」
『べ、別に!そんな事までしなくていいし!そんなことしたら湊月が酷いやつだって、言いふらされちゃうかもだから。』
「強がらなくてもいいんだぞ。俺の前では。いつでも俺の事を第一に考えてくれてるだろ、美月は。」
『…っ!』
「美月が浮かない顔してる時、俺が聞いても、ただ疲れてるだけって言うけど、それ、嘘だろ?あと美月、体調悪い時も、俺に心配かけないように明るく振舞ってただろ?泣きたい時は泣けよ。辛い時は頼れよ。俺は、何があっても、ずっと美月と一緒にいるから。」
『……っ…ありが、とう、、私、湊月と、ずっと一緒に、いたい…!』
「うん。やっと泣けたな。よし、ほら、もっとこっち来い。」
『……』
「よーし。確かな、辛い時は、誰かとハグするとその内の30%が、幸せに変わるんだってよ。」
『…ふふ、確か、なんだ。』
「仕方ないだろ。結構昔に知ったことだし、記憶が曖昧なんだから…」
『でも、ほんとだね。本当に辛さがなくなって、幸せになった気がする。』
「うん。ならよかった。」
「っていうかさ、本当あれだね。湊月ってさ、誰かを怒る時とか、焦った時とか、口調が変わるよね。」
『…そうか?かわってるか?』
「めっちゃ変わってる。だって今のセリフいつもは、
そうかな?変わってる?
って、絶対言うもん。なんか、男の人!って感じになってるよ。」
『あー…確かに。そうだ‘’な‘’。あ、今のもか。確かに、そうだ‘’ね‘’。』
「ふふ、別にどっちでも好きだよ?」
『なんか、照れる。』
「…私も、今何も考えずに好きだよって出た。」
『美月、顔赤いぞ?』
「湊月もね。お互い様でしょ?」
『そうだな。』
『「………」』
『…あー、やばい。キスしたい。』
「…言わなくても、していいよ。私も、思ってたし。だって、恋人…なんだからさ。」
俺(私)たちは、三日月の空の下で、キスをした。
そのキスは何故か、とても、甘いような気がした。
その後の記憶はあまりないが、とても長い夜だった…ような気がする。
三日月が本当に願いを叶えてくれるのかは知らない。でもそれを、本当か、嘘かにするのは自分たち次第。でも、ずっと一緒に居られますように。って、三日月に祈って、明るい未来に期待してみるのも、いいかもしれない。
【三日月】
【創作】【宵(よい)と暁(あかとき)】
1/1 PM 5:30
「わ~、寒いね~」
踊るような足取りで先頭を歩きながら
古結(こゆい)が呟いた。
日射しが暖かかった昼間と違って、
辺りはすっかり暗くなって冷たい風が
吹いている。
「晩ごはんの時間にはまだ早いけど、
ちょっとお腹すいちゃった」
「……ラーメンでも食べて帰る?」
「真夜(よる)くん、ナイスアイディア!
宵ちゃんと天明(てんめい)くんも
それでいい?」
「……いいけど」
「異議なし」
「ちなみにわたしは醤油派で~、
宵ちゃんと真夜くんは塩派なんだけど、
天明くんは?」
「あー、俺は味噌だなぁ」
「バラバラだねぇ。――あっ、じゃあじゃあ、
カップヌードルだったら好きな味は?
せーの!」
「「「「カレー」」」」
まさかの満場一致!! と言いながら
爆笑している古結と、
その姿を見て柔らかに微笑んでいる真夜と、
笑いをこらえようとしているのか口許を
手で押さえて小さく震えている宵。
俺も思わず笑ってしまった。
古結 暁、星河(ほしかわ) 真夜、星河 宵。
幼なじみだという3人と、俺は知り合って
日が浅い。
ただ、一緒にいて、不思議な居心地の良さを
感じている。
「……暁、笑ってばかりいないで、
ちゃんと前見て歩きなさい。
人にぶつかるわよ」
「はーい」
古結に注意する宵の耳元で揺れる、
三日月に猫が座っているデザインの
イヤリングが、街路灯の光を受けて
キラリと輝いた。