『三日月』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
欠けてるもの
見つけに行こう
最初から無かったとしても
ここには穴があるから
埋めたくなるんだよ
何度も試したさ
あなたの言葉を聞くたび
当てはめて当てはめて溶けてった
やっぱり寂しすぎたんだ
今はあの空に浮かぶ月を見るたび
思い出すあなたのこと
探せど呼びかけようと
聞こえない悲しみの音
もう大丈夫
感謝もできるし自然に笑えるんだ
あなたもそうであってほしい
その輝きとともに伝えて
#三日月
激戦
伸一が最初に気づいたのは、三つ並んだ星だった。大通りから離れた住宅地である。
街灯はあったが視界の中に入るものはなく、目が慣れてくると、夜空にはおそらく二等星と思われる星々があちこちに浮かび上がってきた。
「シリウス、ペテルギウス? あれはオリオン座か」
道に立ち止まって空を見上げている自身の姿に「俺、ロマンチストすぎないか」と、伸一は少し気恥ずかしく感じたが、はたから見ればせいぜい「仕事に疲れたラクダがあくびをしている」ようにしか見えなかったであろう。
事実、勤め先でもその面相を陰でラクダと形容される男である。しかしそれは悪意のあるものではなく、のんびりしつつも確実に仕事をこなす信頼と実績と、周りに対する丸い態度ゆえであり、それがたまたま、彼の面相と不幸にも一致した結果であった。
彼の態度に注文をつける連中も少なからず存在しはするが、それは彼への期待の裏返しであろう、と解釈するのは伸一自身である。
大きなあくびがでた。
不意にイヤホンから流れる音楽が消え、警告音声が流れた。
伸一は我にかえって走査を行った。訓練なら教官にドヤされる不手際である。
警告音声が大まかな位置を告げる。
こういう場合は大抵伏兵がいる。正面の敵は囮の可能性があった。
鈍ってるな
スマホレベルの警戒システムが探知するまで、敵の接近を許した自分自身に舌打ちしたい気分だった。
上空に三日月のような魔力のきらめきがあった。
奇襲の有利を捨てて。真っ向から跳躍してくる敵に伸一は不審の表情を浮かべた。
しかし次の瞬間にはくるりと踵を返して、全力で走り出していた。
相手がいかに間抜けであっても、戦う準備ができているものをまともに迎え撃つほど彼は『元気』ではないのだった。
「まてぇ! ひきょーものー!」
と若い女の声がした。
「ただの会社員ですー」
「うそつけー にげるなばかー」
五時間にも及ぶ激戦(追いかけっこ)のはじまりだった。
「ねぇ、××……今日は空に三日月が昇ってるよ。きれいだね」
そう言っても何も返ってこない。ただ、そばにはいるんだ。安らかに眠っている君が。
……いったい、いつになったら戻ってくるんだい? 僕だけ生きているのは辛いよ。寂しいよ。君と一緒じゃなきゃ――
『お前は、俺がいなくたって大丈夫だ』
「――!」
『周りを見てみろ。昔とは違うんだ。今のお前の周りには、たくさんの仲間がいる。だから、生きろ〇〇。そして、また明日も、平和に――』
なんて声は、すうっと僕の耳を通り、身体中を巡った。そして最後に、聞こえた。
俺がいつまでも見守っておいてやる。俺が見れなかった分を、お前が見るんだ。そして、この先もずっと切り開いてくれ。未来を。
「××……」
涙が溢れ出て止まらなかった。何とか止めようと、僕は上を見上げる。ほっそりとした三日月の周りには、たくさんの星が輝いていた。支えるように。
――永久に時が流れるのなら、みんなが明日を望むのなら、前に進もうとするなら、いつかこの月だって。
〜三日月〜
三日月 といえば絢香の三日月、きっと見ているだろうこの消えそうな三日月、繋がっているからねって強くなるからねって
サビしか歌詞思い出せないよ。しかもうろ覚えだから間違っているだろうな
普段月を見る生活はしてないからこそ、月の満ち欠けカレンダーが欲しいような気がする今日この頃
三日月のように
欠けているのに美しい
そんな風に私は
成りたいのです
三日月だって綺麗なはずなのに
全てが欠けていない満月の方が綺麗だとされがちだよね
うまい具合に曲がったお月さまに
ちょいと足をひっかけて
いつもの夜を、頭を逆さにゆらゆら揺れれば
財布の中身もしょうもない心の内も
みんな失くしてしまえるかしら
#三日月
『三日月』
欠けた部分に
歴史があり
見えないことにこそ
真がある
三日月の弱い光に照らされ
長いこれまでに
想いを馳せる
「三日月」
ふとした瞬間に見た月がかけてたら、
満月まで後どのくらいかなって、考えちゃう。
三日月のおかげで
上を向いたり、考え込んでたことを一瞬忘れて
月のことを考えられる時間を作れる。
月を見るのってなんだか落ち着くなぁ、
冬空、夜の公園。
僕は、あんまんをかじって、三日月を作ろうとした。
空に掲げて2人で「一緒だね」って。でも。
姉ちゃんは泣きそうな、でも、嬉しそうな昔と変わらないそのままで笑っていた。
「散歩行こう。」
夜中1時半すぎ。
隣で寝ていた僕に優しくそう声をかけ、ガバッと布団を引っペがした。
声色と行動の乖離が凄まじい姉ちゃん。
今日は両親ともに出張で家に帰ってこない。
「眠いんだけど。」
「外出れば目ェ覚めっから。」
姉ちゃんは僕を雪だるまのように仕立て上げ、玄関へ押しやった。
ご丁寧に靴まで履かせてくれて、幼い時の一瞬がよみがえる。
外は音もなく、空気は凛としている。
遠くの空は、高速道路や空港の照明で明るくなっていて、いかにも都会らしいと姉ちゃんは言った。
地方へ進学し、移住し、戻ってきた姉ちゃんには映し出される夜の景色が複数あるのだろう。
しばらく歩くと姉ちゃんは、ワイヤレスのイヤホンを取り出し、片方を僕に差し出す。
曲名も歌手も知らないが、ギターの旋律が心地よかった。
―どこまでも広がる星空の向こう側に新しい未来の夜明けが待ってる。
僕はこの歌詞を捕まえて、反芻した。
濃紺の空に歌詞が踊っているように見えた。
コンビニの灯りが大きくなり、吸い込まれるように姉ちゃんと僕は入っていく。
姉ちゃんは缶コーヒーを手にする。
僕は空腹に気づき、レジ横のあんまんを選んだ。
誰もいない公園。ベンチ。
寒いからか、姉ちゃんは僕の横にキュッとくっつく。
「月が、綺麗だね。」
姉ちゃんは空を見て言った。
「…言う相手間違えてるよ。」
「素直にそうだねとか言っとけばいいんだよ。」
姉ちゃんはそっと、僕の上着のポケットに手を突っ込む。そして、こしょこしょとくすぐってくる。
僕は耐えきれず、ブハッと笑う。
半分くらいまで食べていたあんまんを姉ちゃんはガブリと食べていく。
「あ!」
姉ちゃんに三日月型に整えて見せようとしていたのに。
悪戯な顔で姉ちゃんはニヤッとした。
「おいしいね。」
「うん。おいしい。」
「あんたは、優しいからさぁ、…」
「…優しいからなんだよう。」
「優しいから、さぁ、…」
姉ちゃんがどんな顔をしているのか、ハッキリとはわからない。
小さな体を震わせているのは、寒いからなのか。
「明日もきっと、月は綺麗だね。」
僕が言ってあげられるのはそれだけなんだ。
姉ちゃん。
三日月
もう欠けそうな三日月。
この月が欠けるころには
私はどうなっているんだろう
「綺麗な月やなぁ」
隣で歩く彼が呟く。
「今日三日月なんだ。俺は満月の方が好きやな。」
正直、月なんか気にしたこともない。常に下を向いているからか、、?
「ほぉ?満月の方が好きなんやな」
彼か俺の顔をのぞき込む。
「なんだよ、、。おかしいか?」
「いや、なんでもない」
はぁ?と若干キレつつも、そのまま下を向く。
彼はまた月に顔を向けていた。
暗闇の中に1人月に照らされて綺麗だった。
「僕は三日月の方が好きやなぁ。」
「なんで?」
彼のことはよく分からない。だから、知りたい。
そんな思いだけでただ聞き返した。
「んー、、。なんでやろなぁ?」
「は、、?」
「でも三日月って欠けてても綺麗やん、狡いわ。」
彼にとっては些細な事かもしれないが、その言葉は俺の心にささる。
「そっか、、。いいと思う、、。うん」
「若干引いてない?」
「確かに綺麗やな、、。」
「やろ?」
彼がこちらを向いて微笑む。
「じゃあお前は満月だな。欠けてないし綺麗やし。」
少しいじけたように言う。すると彼は
「ふは、何それ。僕のこと大好き?」
「なっ!、、そう思っとけば良いじゃん、、。バカ」
彼から返された言葉は、期待していたようで、でも
返す言葉は見当たらなくて。
「僕も大好きやで。」
雲に隠れた月が俺たちを照らした。
#三日月
長いです!長いのにちとよく分からんです!ごめんなさい!
月は美しいものの一つだと思う。
かけた月も、いつかはみちる。
見えないだけで、そこにある。
月を見ると、あなたのことを思い出す。
かけた心は、なくなったのではなくて、見えなくなっただけ。
もしまだそこに残っているのなら、
私はあなたにもう一度会えるだろうか
「みかづき」
満月になると
オオカミになるのは
オオカミ人間だけじゃないみたい
男という動物は
よっぽど
単純な生き物なのね
女もまた
月に引かれ
月に押され
ゆら ゆら
揺られながらながら
彷徨う旅人
あんなに細くなった新月
今日、月に願えば
叶うと言ったのはだれ
月に抱かれて
支配されて
生きている
わたしたちは今晩
もっとも動物にちかづく
#三日月
鏡の中に映る自分の顔は、どれも理想とは程遠い。
目も鼻も口も耳も輪郭さえも、全てのパーツに何かが欠けている。
才能も特技もこれといってなく、話上手でもなければ愛嬌すらも振り撒けない。
集団に入っては居場所を作れず、何となく馴染めずに時を過ごす。
なんてダメな欠陥品。
いつまで経っても、欠けてるばかり。
けれど。それでも。
丸く大きな満月の、輝かしい黄金には遠く及ばなくても。
「今夜の月が一番綺麗ですね」
細く鋭利な三日月の、
ささやかなる月明かりの下。
そんな優しい声が聞こえる夜に、
私はいつか出会うのだと、
今夜も夢を見続け眠りに就く。
【三日月】
三日月
お月さまは、大好きです!特に満月ね。自分の部屋から、ひとりお月見するのは大切なイベントなんです。
三日月ですか?余り好きじゃありません。特に下弦の月は、なんだか寂しげだしね。
今夜は欠けて行く最中でしたね。
しばらくは、三日月ですか〜。
では、三日月も楽しみにして眺めてる事にしましょう!
痩せてても、太ってても
お月さまはお月さまですからね!
パキッとした空気が
肺を満たして
冬の香りを感じている
雲がものすごい速さで流され
薄らと昼間の青い空に
三日月が浮かんでいる
この瞬間がとてもいとおしい
【三日月】
君は満月よりも三日月が好きだと歌った。私はそれを聞いて、、、そうか、、、と言い返すだけだった。貴方が好きだと言った三日月を見ても貴方は横で笑うことはない私からすれば今の月に三日月は存在しない。
三日月
小さい頃は
お月様には うさぎが
居たと思ってた
三日月には 住めないと
うさぎの
心配をしてた昔
可愛い時代も
あったんだなぁと
日常を少し忘れて
思いを馳せる
昔、好きで良く聴いた歌だ。
恋人との別れを描いた切なくも暖かい歌。
だから三日月をみると別れを連想させる。満月だとそんな気持ちにならないのに不思議だね。
欠けて不安定だから悲しくみえるのだろうか?
まるくて安定していても幸せとは言い切れないのにね。