『一筋の光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
差し込んだこの一筋の光さえなければ影は生まれなかった
/お題「一筋の光」より
じっと見つめる
きらり、きらり
宙を舞う
触れた、あたたかな
あなたの味方よ、と
言われた気がした
後ろを振り返れば暗闇が広がって呑まれてく。振りほどけないせまってく。じゃあどうするか、前だけ向けばいいか、後ろを見たらいけないか。前を向いていても行く先が真っ暗だったらどうする。暗闇だ。そこに一筋の光がさした。そうだそこに行け。這いつくばってでも歩いていけ。
洞窟で
僕は今、暗い洞窟の中で彷徨っていた。
登山に来たのだけど、道に迷ってしまい、何処かに道がある筈だと思い見つけた洞窟。
入ってみたは良いけど、何処に進んでも出口のような物は見えて来ない。
一応、懐中電灯は持ってきていたため今、自分が何処にいるのかはわかるのだけど。
けれど、どこに進んでも行き止まりだ。
どうしよう……出口が見つからなかったら僕はこのまま、誰にも見つけてもらえずにと最悪な想像をしてしまう。
けど、僕はその考えを振り払い、諦めずに出口を探した。
その結果、一筋の光が見えた。
ー一筋の光ー
その光は思ったより近くにあった。
四方八方にあったはずの光の筋道は、私の無能さによって一筋に変わってしまったのだから。
頭は悪いし、運動も出来ないし、リーダーシップもないし、語彙力もないし音楽センスもないし絵もうまくないし工作も出来ないし流行りにも乗れない。
沢山私に注いでいたはずの光は、人生を歩むに連れ遠ざかって、まるで長い長い階段からスローモーションで落ちているような感覚に陥る。
どこで転んだのかは分からないけど、確かに落ちていっていた。
残されたけど、確かに見えた 一つの才能 『一筋の光』さえ、何の才能か分からないほど落ちてしまった。
一筋の光は思ったより近くにあった。
だけど届くことはない。
その光が何か分かるまで、誰かの手『一筋の光』が伸びてくれるまで
私の一筋の光はなんだろう
ずっと君だけだと思っていたし
今も君は光なのだけれど
自分だけの光は
そうだなぁ
読みたい本があることかな
本を読むためなら大抵のことは頑張れる
読めないのは苦しい
私の一筋の光は
君と本だね
チャレンジ107(一筋の光)
長期入院している友人が、リハビリを始めた。体に麻痺が残るかもしれないが、希望を持って、厳しいリハビリを続けている。一筋の光を信じて、毎日を生きている。
私は彼の奥さんから、時々連絡をもらう。一筋の希望の光が、日に日に明るいものになっていくのを、陰ながら見守っている。
【いじめられっ子の一筋の光】
雨雲の隙間からキラッと一筋の光が差し込んだ。そして、その隙間にいた人はその日光によって多くが助かった。これを人間関係で表すと、いじめられっ子に逃げ道が現れ、いじめっ子から逃れることができたと言うことだ。そういう意味でも、「一筋の光」は大切だと思う。
【人生どん底】
人生どん底の状態を考えてみてください。家族、お金、食べ物、仕事、衣服、住宅。これらが全て無くなって絶望していました。ある時、いつものように絶望していたらあなたに一筋の光が現れました。
それは__
「犯罪」あなたはやりますか?
一筋の光が
どうにかすることができたかも
未来を変えることができたかも
なぜこうなったのか
何度も何度も考えた
過去を変えることはできない
だから、あなたを思って生きる
“いつもあなたのそばにいるよ”
光というのは辺りを明るく照らすものである。
「もの」なのだ。実際、ブラインドの隙間から差す光は目に見える。ただ、僕は光=もの、と感じることが難しい。光というのが、どこか遠くの楽園にでも住んでいる妖精のような、そんな感じがしてならない。だから、一筋だろうが、大量だろうが、光というものを身近に感じられないのだ。本当は今もスマホの光を見ているというのに。
光がこの世に存在しなければ、モノを見ることができない。これを闇という。暗闇のなか、心細いなか、一筋でも光が差してくれたなら、どれほど心強いだろう。その一筋の光が見えない時、誰かがその代わりになってくれたら。そんな光に僕は、貴方は、成ることができるだろうか。
「うっ、やめて…」
私は、いじめられている。いつからだろう。なぜたろう。なぜ、私だけいじめられるのは、なんで。つらい、苦しい、死にたいっ…。
「◯◯っ」
「っ!」
そんな私に手を差し伸べてくれるのは、あなただけ。あなたが助けてくれる度に、思うんだ。
「◯◯くんは、私の光だよ」
いじめられても、もう大丈夫。私の心には一筋の光が、希望があるから。
人生はずっと真っ暗じゃない。
努力次第で一筋の光が差す。
そう言い聞かせてきたけどもう疲れてきたな。
雲間から差し込む
一筋の光のように
ある時突然
降りてくる気づきに
素直になってみよう
………一筋の光
「一筋の光」とかけまして
「上告します」と解きます。
その心はどちらも「光彩/高裁」です。
『一筋の光』
BL要素あります。お気をつけください。
何も見えない底無し沼のような俺の世界で、やけに眩しい顔であなたが笑って、手を差し伸べるから、その手にすがり付きたくなった。
掴んでいたはずのものさえなくなってしまったのに、生きる意味なんてなくなったのに、無意味にも生に執着する俺を、その愚かさや醜ささえあなたが受け止めてくれたから。
この身も心も、あなたに捧げると決めたんだ。
あなたが美しいと思える世界であることを、ただひたすらに希っていた。
あなたが美しいと思う世界を、誰よりも大切なあなたの隣で見たいと思った。
――ねぇ、鯉登さん。俺の生きる意味なんて、あなたが笑ってくれるだけで満たされるんですよ。
そんなこと知らなくてもいいから、ずっと幸せでいてください。
俺を、あなたの隣で幸せにしてください。
俺にとって、一筋の光のようなあなたを見失わないように、その手を力の限り握りしめた。
自分が濡れることさえ厭わずに濡れている人に傘を差し出して、できるだけ多くの人に優しさを分け与えようとするような、誰の一筋の光にもなりえるような男だったから、そんなお前に傘を差し出すのは私であってほしいと思った。
今日は鯉月両方の目線から書いてみました(鯉登さん短いですすみません)。
鯉登さんは太陽みたいな光、月島さんは月みたいな光だと思ってます。
これは夢だな、と思いながら歩いていた。真っ暗な洞窟を、灯りもなしにスタスタ歩いている時点でおかしい。自分の鼻先さえも定かではない暗闇で、躓くことも迷うこともなく進んで行けるということは、間違いなく夢だろう。恐怖も戸惑いも感じないのも、その仮説を補強する材料となった。
問題は、なぜこんな夢を見ているのかということだ。「夢」「暗闇」「洞窟」で検索したいところだが、あいにく手元にスマホはない。手ぶらで歩いているのだ。気を紛らわすために何か独り言でも呟こうかと思ったが、喉が閉じていて一言も発することができなかった。ただ黙々と早足で、何も見えない洞窟を進んでいく。どうやら、コントロール不能のようだ。
土の地面を踏みしめながら考える。どこに向かっているのだろう。常識的に考えれば出口に他ならないが、この急ぎようはちょっと異常だ。
もしかして、何かから逃げているのか。今のところ、何の気配も足音もしないが、そういったものをすべて消して獲物に近づける生き物だっているかもしれない。何せ、これは夢なのだから、現実世界にいないものがいてもおかしくない。
そいつは夜目がきき、肉食で、無防備に歩く背中を狙っていて、めったに通らない獲物を捕食しようとしているのかもしれない。今にも背後から襲ってくるかもしれない。
そう考えると、背中に悪寒が走った。
そんなわけない。だってこれは夢だから。都合の悪いことは全部弾かれるはずだ。
とにかく、早く、早くここから出よう。気ばかり焦るが、一向に足は早まらず、平常心のような顔をして歩くだけだ。
何なんだ、この夢は。自分はどこへ向かっているのだ。出口なのか。だとしたらいつ、たどり着くのか。
と、何やら人の声が聞こえた。小さくぼそぼそと話している。ということは、二人以上の人間がいるのか。
助かった、そちらへ向かおう、と考えた瞬間、体が、ぐんっと加速した。足音もたてずに走っている。
なぜいきなり走りだしたのか自分でもわからない。どうやら、何らかの衝動にかられているらしいが、それすらも判然としない。
走るうち、人の声が近づいてきた。声音からして、まだ子供のようだ。男の子と女の子か。そしてついに、子供たちの真後ろに到達した。そのとき、自分が標準的な人間のサイズを大幅に上回っていることを知った。
同時にこのときに判明したのだが、自分は暗くて周りが見えないと思っていたが、どうやら物理的に何もないために、真っ暗だと感じていたようだ。その証拠に、暗闇の中に二人の子供がはっきりと浮かんで見えた。
二人はまだ気づいていない。どうやら喧嘩をしているようだ。二人とも背を向けているが、女の子のようすは挑発的で、男の子は明らかに怯えている。
すると、自分の口が開くのを感じた。よだれをだらだら流し、大口を開けている。
おい、まさか。
すぐ目の前の男の子に、雨のようによだれが降り注ぐ。女の子が振り返った。自分の口が、男の子を頭からかぶりつく。咀嚼する。嚥下する。
けたたましい悲鳴が響き渡った。女の子が、甲高い叫びを上げて、一目散に逃げていく。
とんでもない悪夢だ。早く覚めてくれ。そう願うも、今度は、どしんどしんと地響きをたてて自分は追う。女の子の姿は、はっきりと見えていた。こいつは、追いかけっこそのものを楽しんでいるようで、わざと手加減して走っている。獲物をいたぶるのが趣味なのだ。虫唾が走る。
やがて、一筋の光が見えてきた。洞窟の出口だ。女の子はさらにスピードを上げて、必死にその光にすがりつくように、真っ直ぐに向かっていく。
そこで、自分の目が焼けたように痛んだ。光に焼かれたのだ、と気づいたときには、目の前が真っ白になって、女の子の姿は見えなくなっていた。彼女を追っていたこいつは、よろよろと後ずさりし、一際大きく地を揺るがせ、尻もちをついた。
何もかも真っ白だ。光の塊だ。あまりの眩しさに頭痛がする。尻で後退するが、手が地面を滑り、仰向けに倒れた。両手で目を覆う。
早く目よ覚めろ。このままでは死んでしまう。
ごろんとうつ伏せになり、腕を目に押し付けた。口からは苦悶の声が漏れている。全身震えながら這いつくばり、出口から遠ざかろうとする。こんな小さな光で、ここまでのダメージを負うとは思わなかった。
早く、早く目覚めろ。頭が痛くてかなわない。
そうだ、なぜこんなにも痛いのだ。これは夢のはずだ。痛みなど感じないはずだ。痛み止め、痛み止めを飲まなければ……
ひどい頭痛で目を覚ますと、まだ部屋は真っ暗だった。ゆっくりと起き上がり、薬を飲む。効いてくるまで痛いままだが、耐えるしかない。
何だか変な夢を見た気がする。男の子を捕食する夢など、いくら痛みに浮かされていても今まで見たことがない。
ため息をついて、再び布団に戻る。カーテンの隙間から、月の光が一筋、部屋に漏れていた。
一筋の光
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.6 藍
一筋の光を無視して歩く
希望や救いには距離を置く
近づくとすぐ絶望だとか言い出すから
オーバーな言葉の嘘っぽさが苦手
夜の自販機ぐらいのだらしない光がちょうどいい
「そろそろ、書きやすいネタが、欲しい!」
次の題目配信まで、残り約10分。とうとう遅出しの新記録を樹立してしまったと、某所在住物書きは懸命に指を動かし続けた。
ブルートゥース接続のキーボードを所持していたのは、物書きには幸運であった。
昔々の人間である、スマホ画面のフリックよりキーボードのブラインドタッチの方が早い物書きが、
現代の若者同様にスマホで文章を素早く的確に打てるものか。
打てないのだ。しゃーない。
「若い子、バチクソにフリック入力早いやつ居るじゃん。憧れはするが、多分俺には無理よな……」
キーを叩いて、叩いて、叩いて、変換してエンター。ようやく書き終えた文章はサッパリ納得のいかない仕上がり。
「まぁ、なんなら後で書き直せるし」
物書きは投稿後のサイレント編集、サイレント再投稿に一筋の光を……
――――――
曇り空の都内某所、某稲荷神社。
不思議な餅売り子狐が、昼寝をしようと外に出て、
くるくるまわり、尻尾を枕にあごを乗せ、
ふわわ。大きく口を開けあくびを、
「あのね」
している最中、見慣れたふたりが神社に参拝に来たのを感知した。
「やっぱり、先輩自身のためにも、加元さんにハッキリ伝えるべきだと思うの」
話をしているのは、たしか子狐の餅売り商売のお得意様の、お連れ様。
「コーハイ」、後輩なる身分である。
なんだなんだ。なんのおはなしだ。
子狐コンコン、眠い目を開け、寝たい耳を上げて、人間ふたりの問答を聞いた。
どうやら、おみくじ売り場でおみくじを買っている最中のようである。
「『加元さんに』、『ハッキリ伝える』?」
よく知る声、藤森という名前であるところの、子狐のお得意様の声が届いた。
「私が故郷に帰ることを?『追いかけてくるほど私が欲しいなら、ここまで来てみろ』と?」
子狐は「加元」なる単語を知らなかったが、すなわち、こういうことであった。
加元は藤森の初恋相手。
なんやかんや諸事情で、加元が藤森の恋を傷つけ、心を壊したのだが、
藤森が加元から行方をくらまして逃げ続けて8年、最近になって突然、加元が「勝手に逃げるな」と「もう一度話をしよう」と、何度も何度も、出禁勧告を出されるほど、
職場を突き止め、何度も。押し掛けてきたのだ。
と、いう背景など、勿論子狐は知らない。
何か難しい、人間同士の縄張り争いであろうと、ひとり勝手に推測して、小首を傾けるのであった。
相変わらず人間の世は難しいなぁ。
「先輩の今の気持ちを、加元さんに伝えるの」
「『これ以上迷惑をかけるな』と?加元さんが素直に聞くとでも?」
「違う違う。先輩の、『今』の気持を、伝えるの。ぶっちゃけ加元さんのこと、愛してないでしょ?」
「……つまり?」
「粘着してくる人って、『向こうも自分をまだ愛してる』って、勘違いしてるパターンが多いらしいの」
後輩がまた、藤森に物申した。
抑揚は確信的で、自信にあふれ、なにより藤森を第一に思いやる力強さであった。
「先輩、誰も傷つけたくなくて、何にも話さず別れたんじゃない?
怖いかもしれないけど、言っちゃえばいいよ。『あなたのSNSの投稿で心が傷つきました』って。『もう、あなたのこと愛してません』って」
言ってみなよ。
きっと、少しは心が軽くなるよ。
後輩は付け足して、それから黙った。
「『傷つきました』、……『愛していません』」
後輩の言葉を繰り返す藤森の声は、加元へのトラウマがチクリ心を刺しつつも、
しかし、何か、一筋の光を見出した様子。
「たしかに、」
ところでお得意様、今日はお賽銭、いくら入れてくれるんだろう。
子狐は段々、ふたりの難解な会話から興味を失って、再度、ふわわ、大きなあくび。
「ただ当たり障りなく、誰にも角を立てたくなくて、加元さんが自分自身を責めないように、……私が、悪いのだと思うように」
何も話さず、ただ逃げ続けてきたのは、確かだ。
藤森が小さく頷くのも、そうだなと納得し呟くのも構わず、目を閉じて眠りに落ちてしまった。
一筋の光
暗い、昏い、見渡す限りどこまでも闇が広がる空間。
瞼を開いているのか、閉じているのかさえ分からなくなってしまうような深い闇の中、僕はそこにいた。
ここは、どこだろう?