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『一筋の光』

BL要素あります。お気をつけください。

何も見えない底無し沼のような俺の世界で、やけに眩しい顔であなたが笑って、手を差し伸べるから、その手にすがり付きたくなった。
掴んでいたはずのものさえなくなってしまったのに、生きる意味なんてなくなったのに、無意味にも生に執着する俺を、その愚かさや醜ささえあなたが受け止めてくれたから。
この身も心も、あなたに捧げると決めたんだ。
あなたが美しいと思える世界であることを、ただひたすらに希っていた。
あなたが美しいと思う世界を、誰よりも大切なあなたの隣で見たいと思った。
――ねぇ、鯉登さん。俺の生きる意味なんて、あなたが笑ってくれるだけで満たされるんですよ。
そんなこと知らなくてもいいから、ずっと幸せでいてください。
俺を、あなたの隣で幸せにしてください。
俺にとって、一筋の光のようなあなたを見失わないように、その手を力の限り握りしめた。

自分が濡れることさえ厭わずに濡れている人に傘を差し出して、できるだけ多くの人に優しさを分け与えようとするような、誰の一筋の光にもなりえるような男だったから、そんなお前に傘を差し出すのは私であってほしいと思った。

今日は鯉月両方の目線から書いてみました(鯉登さん短いですすみません)。
鯉登さんは太陽みたいな光、月島さんは月みたいな光だと思ってます。

11/5/2024, 10:00:37 AM