『流れ星に願いを』
いくつかの星が瞬く夜空を、尾を引いた星が切り裂いた。あ、願い事、と思う間に、夜空は再び繋ぎ合わせられる。
呟こうとした言葉は形を成さないまま、俺の口の中で溶けてゆく。
「なんだ、月島。流れ星か」
「はい」
後ろから隣に並んだ鯉登さんが空を見上げた。俺よりも高い位置にあるその顔を見上げようと思って、その背後を流れる星を見つける。
「またか。今日は多いな」
嬉しそうに微笑んで、その甘さのまま俺を視界にとらえる。
「お前は何か願ったのか?」
「いや、三回唱えるのが間に合わなくて」
「なんだ、どんくさいな」
ふふん、と整った顔が自慢気に表情筋を動かす。
対して俺の表情筋は全く仕事をしようとしない。
「あなたは?」
「おいか?おいはな」
とっておきの秘密を教えるみたいに、鯉登さんの顔が俺の耳に近づく。
声を発しようと放たれた息が耳にかかる。くすぐったい。
「月島と一緒にいられるように、と」
「は」
動揺のまま続く言葉が見つからず、結局囁いたみたいな息だけが漏れる。
「ちゃんと三回唱えたぞ」
「そうですか」
冷たいな、と唇を尖らせる。その顔さえも様になるのだからやはり顔がいいのは得なことだろう。
「ほら、次の流れ星を待つぞ」
心の底から楽しそうに夜空に目線を移すあなたに心を奪われる。
「俺の願いは聞かないんですか?」
聞かれたいわけではないのに、思い浮かんだ疑問がそのまま口をついた。
「嗚呼」
軽く頷いて、あなたの視線が俺に戻される。
その背後には、また流れ星。
「だってお前も同じ願いだろう?」
何も言っていないのに心が見透かされたみたいで、隣に立つあなたの横腹を軽く小突いた。
ゴールデンカムイより鯉月です!
『無色の世界』
手に触れた愛は、いつの間にか姿を消す。
なくさないように抱え込んだ愛は、気持ちが溢れすぎて潰してしまう。
壊さないよう飾った愛は、他の人に連れ出されてしまう。
最後に残ったのは、いつもあなたを愛した私だけ。
それはきっと病熱に浮かされたみたいな恋の記憶。
お金より大事なもの
あれほど信じていたはずの絆は、幻だなんて気づかなければよかったのに。
絆
あまりにも眩しい、まるで太陽のような人だった。そんなあなたの太陽は、私ではなかったみたいだった。
太陽のような