誘喜

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 光というのは辺りを明るく照らすものである。
 「もの」なのだ。実際、ブラインドの隙間から差す光は目に見える。ただ、僕は光=もの、と感じることが難しい。光というのが、どこか遠くの楽園にでも住んでいる妖精のような、そんな感じがしてならない。だから、一筋だろうが、大量だろうが、光というものを身近に感じられないのだ。本当は今もスマホの光を見ているというのに。
 光がこの世に存在しなければ、モノを見ることができない。これを闇という。暗闇のなか、心細いなか、一筋でも光が差してくれたなら、どれほど心強いだろう。その一筋の光が見えない時、誰かがその代わりになってくれたら。そんな光に僕は、貴方は、成ることができるだろうか。

11/5/2024, 10:09:30 AM