『ルール』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どうやら、今日の心模様は晴れからの曇り雷みたいだ。誰だ、私のヨーグルトを食べたのは、楽しみにしてたのに、1日1個のルールを守ってたのに、まさかキミじゃないだろ、どうして目を逸らす、おい、此方を見ろ。
キミの言うことはいつだって正しい。昔は直感、今は確信。
だからこそ俺はその言葉に従うのだ。
ただそれだけなのに、お前はそのやけに考えすぎる頭を
フル回転させてひねくれたことを言う。
「俺が言ったら、なんでもするんかお前は」
「するよ。あんたの正解は俺にとっても正解やから」
「死体埋めてこいって言ってもか」
「あんたが言うならするよ。……まさか、ヨコあんた…」
「してへんわ!あくまでたとえじゃ!」
「なんやねん。……それで、どうしたんしょうもない確認して。なんかしてほしいことあるんか?」
「あるか!……お前なんやねん、なんでそんな言うこと聞くねん!」
胸ぐらを掴まれる。今更の内容だ。
あんたの言うことに間違いがあったことがない。
だからこそ俺は信頼して身を任せているというのに。
それを肝心の本人が分かっていない。
言葉にせなあかんのかな。でも言うたところでめっちゃ照れた挙句忘れるで?頭切れるけど忘れっぽいんよなこの子。
「逆になんであんたそんなこと聞くん?今更やんか、そんなん。言うこと聞く子好きやろ?それとも好み変わりました?反抗的なんが好きなんやったらやらせていただきますけど」
「だから!なんでお前そんな従順なん?俺がそういうん好きやからやってんの?」
そんな悲愴の面持ちをしないでほしい。
いやホンマにそんな大した理由じゃない。
なにかこの男は大きな勘違いをしている気がする。
「ヒナの意志はどこにあんの……」
俺のシャツの肩口をグシャリと握って俯く。
ああ、そういうことな。なるほど、俺の事をマリオネット人形と疑った訳か。見当違いも甚だしい。
腹が立ったので頭に手刀を下ろす。かるーくトンっと、
「痛ったぁ!お前何すんねん!」
「うるさ、耳元で騒がんとって」
「お前人んこと叩いていけしゃあしゃあと……」
「あほ」
「なんやねんお前さっきから!」
「あほやろ、勝手に人をお人形さんにするなや。
全部自分の意志やわ。俺が決めてん」
「……お前がが『ルール』みたいやって」
「言われたんか」
「いつもやったらヒナを傍に置いてる僻みやって片付けられるんやけど、なんか妙に刺さってもうて……」
それで考えすぎてしまったと。
いつもやったら『俺のもん』自慢してるところを。
「あほやなぁ、なんも知らん奴のこと真に受けんでもええのに」
「ホンマやなぁ……」
「俺が好きでやっとんねん。あんたと心中やったら笑って死んだるわ」
「俺が笑われへんわそれは。一緒に生きて」
「たとえやんかぁ」
あ、今のぷろぽおずっぽいなぁと呟くと顔が真っ赤になる。
マリオネットにこんなに振り回されるルールなんてないわな笑
『ルール』レスな関係
(すべては俺の心のままに)
作者の自我コーナー
いつもの。従順なことに不安になる彼と従順なつもりは全くない彼の話。どうして名前を呼ぶ時『俺の』感があるんでしょうね。
ちっちゃい頃からあの子はずっと自他ともに認める彼の物。
付き合ってないけど越えれる一線は全部越えてる相棒。
絨毯の上に伏してバラ撒かれていたカードを、彼はいともたやすくペアにして傍らに捨てていく。
「これとこれ。で……、これはこっちだっただろ」
彼と向き合う、彼より十歳は年下とおぼしき妹たる少女は、ぷぅと頬を膨らましてどんどん少なくなるカードを睨んでいる。
「あー、これはどうだったかな。これか? うわ、マジかよ外した!」
兄は額を押さえて妹を見る。
「残り4枚か〜、もう全部当てられちゃいそうだな」
最後に花を持たせよう——という意図でもあるまいが。
しかし残り枚数を得たところで、兄と妹の当てた枚数の差は歴然で、妹に勝ち目はない。
見るからに悔しげな風情の妹の腹の虫がおさまるはずもなかった。
「お兄ちゃん、ズルい!」
「えぇ……? ズルなんか、してないぞ」
眉を八の字に下げて、弱々しく兄は言う。
友達の家で覚えてきたらしい、トランプゲームの神経衰弱。
同年代数名でやったゲームを妹はとても気に入ったらしく、家でもこうして兄相手に勝負を挑んでくる。
……多少、気を使ってプレイすればそこは鋭く見抜いて『真剣にやって!』と怒るくせに。
真面目にプレイして連勝を重ねてしまえば、これだ。
どうしたものか、と兄は項垂れる。
——しかし。
「もう、お兄ちゃんは最初に2回間違えてからじゃなきゃ、正解をひいちゃダメ!」
全てのカードを伏せて、絨毯の上で洗濯機よろしくグルグルとかき回しながら、妹が宣言した。
「えっ、何だよそのルール」
圧倒的に兄ちゃんが不利じゃん。
そんなのゲームじゃないだろーと抗議すると。
「ここでは私がルールなの!」
妹はぐいと偉そうに顎を引き上げ、胸まで張った。
「……どこでそんなセリフ覚えて来た——兄ちゃんだから許すけど、外で言うなよ絶対」
「お兄ちゃんだから?」
「そう。兄ちゃんだから、お前の我儘発言もできる限りは聞いてやるよ。
それが、兄ちゃんのルールだからな」
でも外では、絶対そういうことを言ってはダメだと念押しする兄の言葉を聞いているのかいないのか。
妹は嬉しそうに、
「そっかー、お兄ちゃんだからいいのかぁ」
……と。
ニコニコ笑って、伏したカードが重ならないよう広げるのだった。
これもだめ、あれもだめ、
ルール、ルール、ルール。
そんななか、なんでこんな
素直に育ってくれているの?
母は自分のなかのルールに
縛られてガッチガチだぜ?
ルール課す無意識の癖ほどかれる気づかなかった優しい ひとは
この国のルールは、決して空を見上げないこと。
何故かは誰にも分からない。
いや、厳密に言えば、大人は知っている。
でも、僕ら子供には空を見上げてはならない理由が分からない。
だから、僕らは空に大きな憧れを抱いて過ごしてきた。
───空を見上げてはならない。それは、現実を知って自死する人が増えたから。
私は今年、20歳になった。
20歳になると、子供の頃に夢描いた空の事実を知らされる。
この国では、空を見てはならないどころか、飛行機にさえ乗ることは出来ない。
なぜなのだろうか、と疑問に思ったことはあるが、誰一人として教えてくれる人はいなかった。
20歳になると、1度だけ、空を見せてもらえる。
私たちが夢見た空は、絵本で書いてあるような青い空ではなかった。
真っ黒だった。
光は人口のものを当てているだけ。
1度、一瞬の方が正しいかもしれない。
それからは、もう二度と見せて貰えない。
真っ黒な上に、空には透明の覆いがされていた。
この国をドーム型に包み込んでいるのだとか。
真っ黒な汚染された空気から私たち人間を、生物を守っているのだという説明を受けたが、きっと違うのだろう。
確かに、幼い子供が聞けば、絶望を感じるに違いない。
実際、私たち20歳になった人間が、事実を知らされた日と、その次の日は、その人たちだけは休日になる。
仕事に身が入らないからだ。
無論、私も何も考えられなかった。
私たちは一生、この暗闇に包まれたこの国で生きていかなければならないのか。
僕は20歳になったときの空を見るときを夢見て生きていくんだ
───私はこの現実からどうやって立ち直ったらいいんだろうか
朝方、薄暗いリビングで目が覚めた
どうやらソファで寝てたみたいだ。
ふと電気がついて、ドアの方に顔を向けると眠そうな母が立っていた。
おはよう、とあいさつをする。父の弁当を作るらしい。
料理をする母を眺めていると、安心してボンヤリとしてくる。
僕はそのまま眠りについていた。
僕は家族のルールを守ってきた。子どもとして。
遊園地に行ったら楽しそうにする。
サンタがいなくてもいる振りをする。
家族で食べる夕飯の時はいっぱい話をする。なのに。
ルールを破ったのは父さんと母さんだ。
いつまでも一緒って言ったのに。
三人でいる時間は楽しいって言ったのに。
気づいたら夕飯は二人になって、
三人の時間は父さんたちのケンカの時間になった。
僕は確信した。
ルールなんて守るもんじゃない。
守った方が負けなんだ。
なので僕は何も言わない。
どうせ大人は聞きやしない。
だから無駄なことは口にしない。
それが僕のルール。
正史とは少し違う歴史を歩んだ国、その名は大日本帝国、二度の大戦に勝利しアメリカ、イギリスに次ぐ経済大国となっていた。
1960年代後半、ある日欧州で内乱が勃発した。内乱鎮圧に困ったイギリスは同盟国である、アメリカ、日本などの国々に協力要請をする。大本営はこの要請を聞き軍を派遣することになったのだった。
明朝、まだ夜空が暗い時・・・ある部隊が欧州派遣隊の集合場所に向かう部隊の姿があった。
「大佐。あと2時間で集合地点につきます」
「そうか・・・・・」
大隊の先頭にあるジープに二人の人物が話していた。大佐と呼ばれた人物は短い黒髪に少し幼い感じの顔をした少年だった。その小型トラックを運転していて大佐と呼ばれた少年に話しかけたのは長い銀髪で目がきりっとした少女だった。そしてその後ろにはトラックとハーフトラックなど多数の車両が走っていた。そしてそのトラックの中では歩兵たちが話をしていた。
「とうとう欧州派遣か…腕が鳴るな」
「ああ、そうだなだけどな~それにしても大本営上層部もケチだよな・・・・」
「まったくだ。ほかの部隊は新型の武器ばっかり。それに比べ俺たちなんか大戦中のものんばかりだぜ・・・」
そう言う兵隊の一人。今彼らが持っているのは第二次大戦に使用された九九式小銃や史実では試作で終わった四式半自動小銃だ。ほかには大戦中に使われたサブマシンガンや機関銃までもある
「そう言えば確かにな…なあ聞いたか?俺たちと同じ欧州へ派遣される第三戦車中隊の連中も大戦中に使用された戦車らしいぜ」
「まじかよ…旧式の武器を使うのは俺たちだけじゃないんだな・・・・」
「あ、あの・・・・少尉」
すると一人の女性が手を挙げる。ちなみにこの世界の日本軍では女性兵士はさほど珍しくもない。
「ん?なんだよ宮藤軍曹?」
「え?あ、あの・・・・ずっと前から気に合っていたんですけど桐ケ谷大佐って確か17歳でしたよね」
「ああ。そうだよ」
「あの歳で大佐ってすごくないですか?っというかあの歳で大佐になれるんですか?」
と、宮藤と呼ばれた少女はそう言う。まあ彼女の言うことはごもっともだ。普通、軍隊に入れるのは16歳。そのあとは訓練を受けるためたとえ最短で士官を卒業しても少尉からなはずだ。それを佐官の最高位である大佐なんだから彼女が不思議がるのも無理はない。
「そうか宮藤はこの部隊では新人か。それなら知らないはずだよな・・・・実はな大佐は昔、陛下の護衛する特殊部隊の隊長だったんだよ。で、なんかそれでその時の功績で大佐になったって聞いたぞ」
「えっ!?大佐が!?」
「ああ、しかも1000年に1度のぐらいまれに現れる天才少年でよ。確か噂じゃあ5歳で東大の問題を解いたとか、または10歳で特殊部隊の隊長になったって聞いたぞ・・・・それだけじゃない各国で起こった紛争で義勇兵として参加してかなりの戦果を挙げてきたって話らしいぜ」
「え?それまじか。そんな歳ですごいな大佐は」
「ああ、マジだよ。しかもだよ。少佐と陛下は子供のころからの幼馴染であり、ともに剣術を学んだ仲だとか・・・」
「坂口お前はいろんなことが耳に入るんだな・・・・耳垢たまっているんじゃないのか?」
と、陸軍曹長である堀がそう言うとほかの皆はくすくすと笑う
「それにしても、なんで大佐が陛下のそばにいるんだ?もしかして少佐って華族か皇族の家柄なのかな?」
「わからねえよ。そんなこと」
「うちの大佐って謎が多いっすからね・・・」
「でも、なんで大本営とか軍部の連中はまだ幼い大佐を特殊部隊。それも隊長格にいれたんでしょうか?」
「さあな。それは俺にもわからないよ。大佐本人に訊けば?」
とまあこんな会話がトラック内で話されていた。
「なあ、今何時?、俺の腕時計なんだか壊れてんだよ。5時18分で止まってる」
「しょうがねえな・・・・・・あれ?俺も5時18分止まってる」
「俺もだ」
「少尉や曹長もですか?私もです。5時18分で止まっています。それに星の位置も変ですよ?」
「はあ?星?星がどうかしたのかよ」
「はい。あそこに輝いている金星の位置が昨夜と全く違います。一晩のうちに移動するなんてありえません」
「そうか?星の位置なんてみんな同じに見えるんだがな・・・・」
そんなことを言いながらも兵隊を乗せたトラックはどんどん先へと進む
一方先頭を走るジープでは・・・
「だんだん空が明るくなってきましたね大佐」
「ああ、それにしてもなんだか後ろから話声が聞こえるな。隊員たちが話しているのだろうか・・・なあ辻」
「そうですね。しかも今は誰一人いませんし声がよく聞こえます。そう言えばここからすぐそこには小さいながらも陸海共通の飛行基地がありましたね。」
「そうだな・・・・・それにしても明るくなったとはいえ雲行きが悪いなこれは一雨降るんじゃないか?」
「そうですね私も軍隊経験は長い方ですが、こんな雲行きは初めてです。なんだか嫌な予感がします・・・・・大佐あれは・・・」
と辻と呼ばれた少女が指を刺したところに鉄の塊が止まっていた。
「あれは……戦車だな」
「しかもあれ、大戦中のM24軽戦車ですね。それにほかの戦車も大戦中のもの・・・・私たちと同じく欧州に派遣される第三戦車中隊の連中ですね」
そう言い二人を乗せた小型トラックは停車している戦車のもとに止まり降りてその戦車隊のもとへ行く、戦車兵もこちらに気が付いたのか互いに敬礼をする。
「第四十二歩兵連隊、先遣隊連隊長の相良義晴大佐だ。こんなところに止まってどうかしたのか?」
「戦車第三中隊、中隊長の西住まほ少佐だ。実は集合地点へ向かう最中に戦車が急に止まったんだ」
「全車両か?」
「ああ」
「もしかしてエンストしたのか?」
「いや、原因不明の急停車だ、まったくもって不思議なもんだ」
そう話していると、今度は別の方角から少数の軍事トラックがやってくる。その後ろには大砲が引っ張らてあった。そしてそのトラックもまたそこに止まり、二人の人物がやってきて敬礼する
「野戦砲連隊の新島達也大尉です」
「同じく第三十二補給及び整備部隊の中嶋悟子大尉です。一体どうしたんですか?」
「ああ、実は私の部隊の戦車がエンストしたみたいでな。中島大尉は整備隊なのだろ?ちょっと見てくれないか?」
「わかりました早速やります」
そう言って中嶋大尉は仲間に命じてさっそく戦車の整備へとはいる
「しかし・・・・このままでは集合時間に間に合わないな・・・・相良大佐。すまないが今何時だ?」
「今か?結構明るいからな・・・・」
そう言って政宗は腕時計を見るが
「あれ?止まってるな・・・・」
「大佐。時計は何時に止まってるんだ?」
「ああ、5時18分だ」
桐ケ谷がそう言うとまほは目を大きく見開く
「今5時18分っといったか大佐?」
「ああ、」
「実は私の腕時計も5時18分でとまっているんだ」
「実は私の時計も同じ時間に止まっています」
するとそばにいた新島も腕時計を見せる見ると確かに5時18分で止まっていた。
「一体どうなっているんだ?同じ時間にみんなの時計が止まるなんて・・・・」
すると、戦車の整備をしていた中島大尉がやってくる
「大尉。戦車はどうだったんだ?」
「いや少佐、点検したのですが別に以上はありませんでしたよ?それより誰か時間教えてくれませんか?私の時計壊れていて止まっているんですよ」
その言葉を聞き3人は顔を見合わせ
「中島大尉。ちなみに何時に止まっているんだ?」
「え?確か・・・・・5時18分です」
「やっぱりか・・・・」
「え?何かあったんですか?」
政宗は中嶋にみんなの時計がなぜか5時18分で止まっていることを話した。
「確かにこんな偶然はありませんね・・・・・・」
中嶋がそう言った瞬間
ゴゴゴゴゴゴゴォ!!!
急に地面が揺れ始めた。
「な、なんだ!?」
「地震だ!」
「何が起きたんだ!?」
「落ち着け!慌てるな!」
彼らがいるあたりに大きな地震が起き始めた。その場にいた隊員はトラックに入ったり戦車に逃げ込んだりとパニック状態になっていた。そして・・・・・
ビキビキビキっ!!!!
彼らがいた地点にいきなりの地割れが起きその場にいた大隊くらいの人数が地面にへと吸い込まれていったのだった。そしてその揺れが収まった時その場所は何もなくまるで何事もなかったかのように静かだったのだった。
そしてその地揺れが起きた数時間後、欧州で派遣されるはずだった10個師団のうち五個師団とその近くにあった小型航空基地、そしてその派遣されるはずであった海軍の軍艦数隻が突然消えたっというニュースが流れたのであった。
おそらくは、妙なところで強情な彼なりの気遣いである。掃除や料理は家主の許可なく好きにするのに、ベッドで一緒に寝ることだけは彼から絶対に言い出さない。他人の寝室に入るのを躊躇う気持ちはわかるが、一応恋人同士であり釈然としないものがある。今日も既に夜が深い。ソファで半分寝落ちしている彼の手を引く。眠いならでベッドで寝るように、と寝室へ連行しながら何度目かの小言。後ろを向かずに、嫌か、と短く問えば、小さく首を横に振る気配。嫌ではないらしい。なら良かった。扉を閉めて抱きしめれば大人しく懐いてくる。これ以上を、と一瞬思ったが既に彼はほぼ寝ている。歯痒いけれど一応、前進ということで。
(題:ルール)
「ルール」
「最近の人間どもは図に乗っている」
退屈による涙が頬杖をしている左拳を濡らす。
もう片方の手でミニチュア状の地球を回し、眉間にシワを寄せ人間の動向を観察している。
「見たところ平和ボケしているようだしそろそろ手を加えても良い頃合いだな」
この者は空気を読むことを知らない虫ですら怖気づくほどに悪意に満ちた顔をしていた。
するとこの者はOKの形をした指を地球に当て指を離し地球を拡大させるとそこにはこちらを見てたじろぐ人間が一人いた。
「おい!そこの人間!私のことが見えているのであろう?」
「おっ、おっ!うぉぉぉ!」
人間は超自然的な物を目にして激しく驚き尻餅をついた。
「あっ貴方様は一体?」
「神のような者と思えば良い。いきなりだがお前に大義を与えてやる。お前の行動次第で人間の運命が変わる。心して聞け!」
人間は今だに地に座ったまま立ち上がられずにいた。
「失礼ですが何を仰っているのですか?私めなどに大義など耐えられません」
人間は首を激しく横に振り必死の抵抗をしている。
「許さぬ。わしが一度決めたことは変えない。そなたに一つルールを与える。それは今後の食事の一切を禁ずる」
人間は目を大きく見開き驚愕といった顔をしている。
「そんな。それでは私は死んでしまうではないですか。あまりにも無茶ですよ」
「そなたが禁を破れば人類の歴史は途絶えることになる。私の期待に答えてくれよ人間」
この者は不気味に口角を上げていた。
その後この不運な男は一人で戦い続けた。現在の人々は与えられた大義に押しつぶされそうで周りからはおかしくなったと奇異の目を向けられた男の孤独な戦いはいざ知らず呑気に暮らしている。こうやって今暮らせているのは孤独な戦いに勝利したとある男のおかげなのに。
もしかしたら今もどこかで孤独な戦いを繰り広げている者がいるのかもしれない。たとえその功績が歴史に残らなくとも、人々の記憶に残るどころか知られていなくとも。
たとえばトランプの大富豪、いえ、大貧民でしょうか。呼び方もその場所で違うこの遊びは、ご当地ルールも数多く存在します。毎度みんなで確認をしつつ、楽しく遊んだ思い出がございますが、あのルールたちは、いつどこで、誰がどうやって決めたものなのでしょうか。
何となく、とかあの人が言っていた、とか、あの時はそうだった、とか。そんな風にして出来上がった『きまり』が、この世にはたくさんあるように思います。やわらかいものも、こりかたまったものも、大小も様々です。人として生きていると、守らなければならないことがたくさんあって大変ですね。
ああ、面倒くさい!
68+57=5
「規則は行為の仕方を決定できない、なぜなら、いかなる行為の仕方もその規則と一致させられ得るから」
ウィトゲンシュタイン 哲学探求 第201節
ある程度の倫理に則ったルールなら。
親、先生、校則。
私は、守ってさえいれば、従ってさえいれば、
いい子でいられたし楽に生きられた。
もちろん自由は無いし、楽しみや喜びも特に無かった。
でも大きく苦しむことも無かった。
それに比べて、社会は自由だ。
自分で選べるし自分で決めることができる。
しかし、自由を手に入れた分、責任が伴う。
上手くいかないことも多くある。
この選択が誤りだったらどうしよう、と不安で押し潰されそうになることも多い。
子どもの頃は、親や先生、校則、そんなルールが
私を縛ると同時に私を守っていたのだろうか。
楽しくは無かったが楽だったあの頃にふと戻りたくなる。
親や先生、学校、そんなルールがなくなった今では
まるで "俺がルールである" かのごとく
「もっとこうあるべき。」「もっとこういう人間になれ。」
と私を縛る存在が出てきたりもする。
しかし本来、私のルールは私にあり私が決めることである。
私の人生に責任をとれるのは私だけなのだから。
誰かに従い、失敗したとして誰も責任をとらない。
故に、私のルールは私が決めるべきなんだ。
こんな私は
正しいだろうか。正しくないだろうか。
いつか私の人生も誰かにジャッジされるのだろうか。
『ルール』
横断歩道の白いところだけ渡れるルールに、灰色のレンガしか踏んではいけないルール。こどもは歩いているだけでたくさんのルールを創り、遊びに変えていく。
「ルールを破るとどうなるの」
「しぬけど生き返るから大丈夫」
影しか踏めないルールに挑戦する子の前に街路樹から木漏れ日が差して手助けをする。影一つない道を渡るときには影を踏まないルールに切り替えて楽しげに先を行く。
「いつまで経ってもしなないね」
「だってルール破ってないから!」
自慢げにこちらを振り返る子の前を車が走る。ぶつかるかと思われたこどもの姿を車は素通りして走り去っていく。
「ちゃんと前見て」
「はぁい」
血の一つも流れないこどもは遊びに夢中で、もうずっと昔に私と自分が死んだことにも気づかない。創られたたくさんのルールに囲まれながら、死なないこどもと歩き続けている。
この世にはルールがある。
秩序を保つため、効率化を図るため、
公平に事を進めるため……。
このように様々な事由で用意されるが、
あらゆる物事にはルールが必要なのだ。
そう、このデスゲームにさえ。
「ハァ……」
山と積まれた手元の資料にため息を吐く。
頭上を見上げると、コンクリートで囲われた薄暗い部屋に、唯一小さく開いた窓が採光の役割らしい働きをしている。
次の開催で何度目かになるこのデスゲーム「天使の交わり」は金持ちの道楽で成り立っている。
金持ち達は自分を「神」と称し、駒として訳アリの人間を拾ってきては「天使」と呼び、デスゲームに参加させる。
そこには漫画やドラマ等でよくあるようなドラマチックな展開はほぼない。
大抵は全てを支配したがる「神」と、必ず生き残って帰るという「天使」の思惑だけだ。
極稀に過去に参加した「天使」の仇討ちに来た参加者もいたが、そんな状況は事前に用意できるものではない。
そうなると、退屈してくるのはゲーム参加者の金持ち――スポンサーだ。
彼らを満足させねばならないが、面白いからといって言い分を全て叶えていてはゲームが破綻する。
しかし、毎回同じ内容ではつまらないからと、定期的にルールの変更を要求までしてくる。
流石にゲーム中の大きなルール変更は参加者全会一致で禁止になったが、では事前に用意するルールは誰が決めるのか。
そのためにゲームの管理委員は存在する。
ルールの中にも態と穴を作る者、
その穴を突くつもりだろうと指摘する者、
しかしガチガチに固めては面白くないだろうと、妙な提案をして享楽に耽る者……。
スポンサーが提案、意見した内容と、ゲーム進行のため差し出された権利書諸々の資料が目の前の山だった。
さしずめルールの宝庫、もしくは「神」の言葉――神託というわけだ。
これら全てに目を通し、今回または次回以降開催のゲームに適用した内容とルールを決め、「神」達のご機嫌を伺う。
嫌な持ち回りだが、命があり、金が貰えるならと諦めて山に手を出す。
「墜ちた天使は人と成り、ってね……」
そうぼやいた 元「天使」は、今日も帰れそうにない。
「天使は人に成ってさえ」
⊕ルール
ルール、となるものにはすべて同意がある。
不本意だろうが賛同だろうが、容認という同意が。
rule 規則・規約・支配
おおもとは木の棒を意味する言葉が語源らしい。木の棒で長さを測ったところから派生した語とか。そういえば「~~といった空気が支配的であり」なんて、ニュースでたまに聞く。「暗黙のルール」なんてのも、そういう文脈・背景からにょきにょき生えて来るのだろう。実体のない「空気」を「バケモノじみた支配力」として練り上げてしまうものは、たぶん「容認」なのだ。
いたるところにルールがある。
歪みがルールになることも多々ある。
小学校の教室から国会議事堂に至るまで、「個人の都合」と書かれた木の棒が理不尽にあてがわれることも珍しくないようだ。容認するべからずと掴みに行けば棒の持ち主は逃げる。自分の棒が捻曲がっていることに自覚があるようだ。
そんな木の棒捨てちゃえばいいのに。
えっ、じゃあ何で測るんだ、って?
ハートで測るんだ、ハートで。
…って、簡単にいけば良いんだけどね…
ルール
空は 綺麗で
僕たちは 自由に 歌を 歌いながら
羽ばたく 鳥たち
輝く ものが 好きで
珍しく 君を 遠い 空へと 運んだ
君の 知ってる 世界が 白くて
この世に 広げると
まだ 夕暮れに 染まった ように 見えなかった
君を 呼んでる もう一つの 声が
stay Free 僕らを 回帰する 晴れ渡る 空の ようだ
息を 吸って 透明な 気持ちで
この星に たどり着く 思いが 形に なるように
水の 中で 生まれてく 命が
純粋さ 溢れ出す 思いが 形を 作り出して
あぁ 昨日から こぼれだす 歌は
君を 叶わぬ 夢から
広がり 続けた 思いと なって
明日から どこを 見渡せば
わからなく なりそうな 世界でも
最大限の 星座を 描こう
夢が 一つ 崩れても また 一つ 作り出す
僕らは 永遠の 庭を 見つける まで ずっと
未完の 未来を 舞い続ける 銀の 炎と なって
終末が そこまで 来ても
澄み渡る 空を 響く 音色と なって
夢を 描く ルールを 知りたくて
飛び立つ あの そらが 見たくて
マイルール
書けない、どうにも書けない
いいネタが思いつかないとか、違う表現の仕方が見つからないとか、完成しないとか
書きたくない、残業して疲れたからムリなんてのも
ま、そんな日は
読むだけの人になってもよしとします
お題「ルール」
お題『ルール』
「こらっ、また化粧して! しかもネイルまで……次の授業までに落としてきなさい!」
「えー、化粧くらいいーじゃん。授業にカンケーあるわけぇ?」
「関係なくても今からルールを守らないと、将来ロクな大人になれないわよ!」
「なにそれ、意味わかんない」
「意味わからなくてもいいからこっちきなさい! 化粧落とすわよ!」
「えー」
クラスで騒がしいギャルたちが学年主任のおばさん先生に連れられて消えていく。私は普段から校則に則った服装をしている。ひとつ結びの黒い髪、眼鏡、ノーメイク、長いスカートに短い靴下。校則破ったら内申点下がるのにバカだなぁと遠目で見ながら思う。
私が普段から校則を守るのは、教師に気に入られるためだ。より気に入られるために成績を良くしておくことも欠かさない。ちなみに眼鏡は、「賢そうに見えるからつけてる」だけのオプションだ。
一日の授業をこなしてホームルームが終わった後、特に掃除当番でもなく、日直でもない時は誰よりも早く教室を出る。部活には入ってない。まわりのクラスメイトから、私は予備校に通うために早く帰ってるのだと思われてるらしい。
だが、私は大学は推薦で入学する気満々だ。予備校には保険でしか通ってない。それに今日の行き先は別のところにある。
私は、学校の最寄り駅から電車に乗り、しばらくして原宿で降りる。そこからトイレに入ると、眼鏡を外し、カツラを外し、ネクタイをゆるめ、スカートを短くする。頭につけたネットを外すと薄ピンクに染めたストレートヘアが解放される。それをブラシでといて、カバンから化粧ポーチを出して化粧する。ネイルをピンクに塗って
「よし、完璧!」
と小声でひとりごちた。皆が知らないところでルールを破る私の行き先は、原宿のライブハウスで、今日は推しの地下アイドルが出るライブの日だ。推しのメンバーカラーはピンク。私は推しが好きそうな可愛い女子高生に扮して会いに行く。