『モンシロチョウ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
疲れたなぁ。とにかく疲れた。
この疲れはなんだろうか。
受験勉強かバイトか色々と疲れたなぁ。
話変わるけど、
女性って綺麗ですよね。
あ。変態じゃないですよ?変な意味ではありませんよ?
変態ではないです。ド変態です
まぁとにかく、女性って綺麗ですよね。
自分も生まれ変われるのなら女性になりたいです。
だってですよ?マジで綺麗じゃないですか?
女性ってだけで個人的に綺麗ですもん。
見た目とか大事かもしれないですけど、
それ以前に女性であることに誇りを持って欲しいですね
(何様)
逆に自分からしたら女性自体が尊すぎて話しかける勇気もないです。分かりやすく言うと、
コンビニに行って急に寝っ転がるぐらい無理です。
そのぐらいです。
人生楽しく生きたいなぁ。
大学生になったら変われっかなぁー。
まぁ頑張りますよ。
あ、お題はモンシロチョウか。
モンシロチョウみたいに優しく飛び回りたい
#モンシロチョウ
¿?
紋白蝶が飛んでた。
別にそんな特別じゃないけど…。
ひらひら飛んでいるその蝶はすぐに何処かに行った。
けど 道路に出た瞬間に轢かれた。
呆気ないその終わり方に
私は少し羨ましくも思った。
その日、蝶が春の空を泳ぐのを僕は窓越しに眺めていた。
すっかり見慣れた病室の白。それはあまりにも潔癖で、自分が異質な黒い染みの様に感じた事を覚えている。あれから何日が過ぎたのだろう。僕の足は未だに動かないし、意識ははっきりとしているというのに、声は形を作らない。病室を忙しなく動き回る看護師さんを見て、自分は何処か別の世界に迷い込んでしまったのかと錯覚してしまう。今日はいい天気ですよ、と厚めのカーテンが開かれた窓の外には、陽の光をいっぱいに浴びた黄緑色の木の葉たちが、ぐんと背を伸ばして風に身を揺られている。チチチ……と鳥の囀りが聞こえ、僕は猛烈に外が恋しくなって……、されども、動かない身体に絶望した。
何とか動く首を窓の方にもたげて外を覗く。すぅっと窓の外をよぎった白に、僕ははっと目を見開いた。それは、蝶だった。僕を包む白い空間よりも、幾分か自然に塗れた白色。春の空を泳ぐ名も白い蝶……あれは、モンシロチョウだ。蝶は白い羽根をちらちらと羽ばたかせ、窓の近くを舞っていた。窓からは花の一輪も見えない。自由なのに、何処か縛られた様な蝶を見て、僕は何とも言えない思いを胸に抱いた。
迷い込んだ蝶は、しばらく病室の窓の外を円を描くように飛ぶと、やがて陽に向かって飛び立っていった。窓の向こうに映るのは、水々しい葉と、青に染まった空。跡も残さなかった蝶を想って、僕は優しい日の光に身を委ねる。いつか、空の下でまた逢えるように、と願いながら。
モンシロチョウ
あなたは美しい
あなたの美しさは中身にあり
あなたの品性はツバサにある
あなたは目につかないところまで白く
あなたには汚れがない
仕事帰りのバス停。田舎のバスは遅い。今日も待ちぼうけ。
向こう側には畑があって、いつも眺めてる。そこは春になると、わぁーっと菜の花が咲いて、
モンシロチョウがひらりひらりと春を教えてくれる。今年もそんな時期か。
昔の記憶がよみがえる。あの子と虫かごにたくさんモンシロチョウをつかまえた。
可愛いから、綺麗だからって、楽しくて。そしたら虫かごいっぱいになっちゃって。
最初は可愛いと思ったのに、綺麗と思ったのに。どうしたことか恐くなったんだよ。
たくさんの目、せまいかご。息苦しい。美しいものがたくさんあつまれば綺麗だと思ってたかな?
今はつかまえたりしないよ。ね、また春が来たら教えてね。
モンシロチョウの羽根を背中につけている妖精は、秋になったらピタリと姿を見せなくなってしまう。どうしてなんだだろう。まさか彼らは本物の蝶々と同じくらいに寿命が短いのだろうか。それとも寒くなる前に渡り鳥の背中に乗って南の国へ旅に出てしまうのだろうか。
妖精たちは目が合うといつも草陰に隠れてしまうから、問いかけることもできないまま僕は学校帰りに毎日公園のベンチに座り、ひらひらと飛ぶ羽根の軌跡を目で追いかけていた。
そして僕が大人になるよりも先に、宅地造成のために公園が潰されてしまい、そのまま妖精たちはぱったりと居なくなってしまった。
こんな形で会えなくなってしまうのなら、怖がられても驚かれても、話し掛けてみれば良かったと思ったりした。でも、嫌われたくはなかったから。
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モンシロチョウ
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所感:
モンシロチョウ、場所によっては秋にもいたと思うので妖精達は寿命ではなくやっぱり南の国へ行ったのではなかったかと。
モンシロチョウ。ひらりひらりと舞い遊ぶようにはアゲハチョウ。ポルノグラフィティだっけか。
蝶というと標本のイメージがあるな。ああいう標本ってかっこいいけどインテリアに金を出せるほど余裕はない。
そういえば蝶々と蛾ってなにが違うんだろ。蝶々は優雅で女性が指先に止めてそうなイメージだけど蛾はばっちいというか不快害虫寄りなイメージだ。
虫繋がりの話題だとちょい前にコオロギが話題になったな。コオロギを食用にってやつ。
虫食は興味あるけど健康被害あるかもってんじゃ食いたくないわ。食べ物は安全性が一番大事ですからな。
それと虫食で問題なのはコストだな。一言で言って高い。興味本意で買うには結構なお値段するんだよな。
虫食も色々あるけど一番気になっているのは蜂の子だ。あれ美味いらしいから一度食べてみたい。
でも通販で缶詰めが1000円越える値段なのよね。たっけ!スーパーでステーキとデザート買えるわ!
そんな感じで興味はあるけど高すぎて結局普通の食事をする毎日なのであった。
モンシロチョウ
白く輝く羽に
青く眩しい空へと飛び立つ
なんて、綺麗なんだろう
私もあのように輝きたい
青く眩しい世界に飛び立ちたい
〈モンシロチョウ〉
~モンシロチョウ~
紋白蝶を模した衣装に
まぁかわいい
その声を聞き
そうでしょう、そうですとも
この方をかわいくするのは私の役目ですもの
56文字の黒の史書
モンシロチョウ
初めて幼虫を見た時気持ち悪いと思った。
2回目に卵を見たら発狂した。
うにょうにょ動き出すソレは私の心を不快にさせ、ぶすぶすと包丁を突き立てたくなった。
けれども、そんなことをしたら包丁が汚れるからしなかった。
だから私は知らないフリをした。
でも、むしゃむしゃと小さい口で頑張っている姿は何故か愛嬌を感じた。
私はその子を捕まえ、食べる様子をもっと近くで観察することにした。
きゅうりを与えてみたり、トマトや人参の皮。
でも、1番食べたのはやっぱりキャベツだった。
その子はサナギになったまま旅立った。
あの可愛らしいフォルムをしている蝶にはなれなかった。
私はごめん。そう謝り、庭の隅にそれを埋めた。
翌年、キャベツ畑の周りを飛ぶモンシロチョウが目に入った。
なぜか、自然と涙が出た。
#82 モンシロチョウ
季節外れの暑さが
やっと落ち着いた夕暮れ
色褪せた菜の花畑で
白い春のなごりが
弱々しく
でも妖しく
闇に舞っている。
お題「モンシロチョウ」
ヒラリヒラリと蝶は舞う
優雅に、美しく
色とりどりの花の上を舞い踊るように飛んでいる
蝶にも色んな色がある
どれも綺麗で、美しい
けれど私は、白が一番綺麗に見える
どれが綺麗かなんて人それぞれ
人の数ほど様々な見方がある
私は白がどんな色にも合うから、一番
花は色とりどりだから、どんな花にも合うのは白
白は何色にも染まるから
私も、あんな風に
自由に、そして優雅で美しく飛んでみたい
飛べなくてもいい、あんな風に生きてみたい
どんな色にも合う様な人になりたい
さて、私の一番好きな蝶は、何でしょう?
お題〚モンシロチョウ〛
土が滲みた軍手につっと止まるはモンシロチョウ。
白地に2つ並んだ黒い紋様が、ちょっとハートみたいだ。
そこに蜜はないぞと笑いかけても、通じていないのか飛び立たない。
ときにこれは本当にモンシロチョウだろうか。
やあそこの昆虫博士、ちょいと教えてくれないかい。
土から引っ張り出したミミズと戯れる我が家の小さな虫博士に寄っていく。
チョウが飛んでいかないように、そおっと。
「ねぇねぇ、このちょうちょさんの名前ってなあに?」
娘が買ってもらったばかりの図鑑を指差しながら、俺にみせてきた。そこには小さくて可愛らしい蝶々が一匹。真っ白な羽に黒い模様がぽつんとある。写真の下には“モンシロチョウ”と記載されているのだが、小学校にあがったばかりの娘には読めなかったらしい。
「モンシロチョウだよ。モンシロチョウ」
俺は引き出しからメモを取り出して、ひらがなで“もんしろちょう”と書いた。すると娘は「そうなんだあ!」」と嬉しそうに目を輝かせた。
「今日ね、この子がっこうで見たの! ひらひら〜ってね!」
そうして娘は今日あったことを話してくれた。誰それと昼休みに遊んだとか、宿題ノートに花丸貰えたとか。身振り手振りしながら楽しそうに話す姿がとても愛らしかった。
「そうだ! 今度の日曜日に公園に行ったらこの子に会えるかな?」
「あぁ、会えるかも────」
────と、言葉にして、ハッとする。
「やったぁ! じゃあ今度の日曜日はぁ、絶対公園行こうね!」
なんとも巧妙な手口で週末のおでかけを約束してしまった。妻になんて言われるだろうか。しかし、娘の笑顔を見ると何も言えるわけがないのだ。
俺は妻にどう言い訳しようか考えながら、娘と妻の帰りを待っていた。
24 モンシロチョウ
モンシロチョウは好きだけど、青虫は嫌いなの
それが母の口癖でした。
健康のために穴だらけの無農薬キャベツを買ってきては、うぞうぞと出てくる青虫をそれはそれは嫌な顔でティッシュで潰して捨てていた。私はそのキャベツが嫌いでした。まるで虫たちに栄養を吸われてしまったように、苦いだけのスカスカした味しかしなかった。それを大地の恵みの味だという母親とは、気が合わないとずっと感じていたんです。私の容姿が良くないことをよく「大切なのは中身よ」と慰めてくれましたが、あのキャベツは見た目ばかりでなく、中身である味さえも悪かった。だいいち、お母さんはモンシロチョウが好きなのにアオムシは潰すじゃないか。それは見た目が良くないからではないの?子供なりに、そんなことを考えてもいたんです。
私は20歳のころ、就活に備えて整形をしました。
美しくなった自分を鏡で見るのは楽しく、実際に大手に内定も取れた。母に? 言いませんでした。事後報告です。結果としては大変に泣いて暴れて「軽薄」と罵られ、その頃から、彼女とは疎遠になっています。母が所属していた「大自然の免疫と健康食の会」も、正直狂信者の集まりのようにしか見えませんでしたし、距離を置きたかった。
ですから、母の死についても何も知りません。明らかに流行りの感染症の症状がでているのに、海草や漢方薬を煎じたお風呂につかって、そのまま亡くなって体が溶けた。よくある話…ではないのかもしれませんが、自然の恵みへの信仰に殉じすぎる人というのは、いつの世も一定数いるものでしょう。溶けた母の体は、状態がひどすぎて確認ができませんでした。青虫とどちらが美しかったのでしょうね? などと言ってはあんまりですが、私はあまり、母がかわいそうだとも思わないんです。私が鏡の中の美しくなった自分を見て感じるのと同じ幸福感を、お風呂でゆだりながら、母も感じていたのではないかと思うからです。
何に幸せを感じるどう生きるかなんて、母娘であっても重ならないものですよ。私は、そんなものだと思います。ただ今でも、公園などでひらひらと飛んでいるモンシロチョウを見ると、母の口癖を思い出すんです。完全な他人には絶対になれない。これもまた「そんなもの」だと思います。母については、以上です。
#モンシロチョウ
君もモンシロチョウみたいに飛んで行けたら。
君もモンシロチョウみたいに蛹になって生まれ変われたら。
君は、上から飛ばずにいられましたか。
棺桶に聞いても、仕方ないね。
「貴方はいいわね、綺麗になることが決まっていて」
ケースの中でキャベツの葉を食べる幼虫に声をかける。
「そうでもないよ。ご飯を食べられなければ大きくなる前に死んじゃうし、サナギのうちに鳥に食べられることだってある」
大きな葉っぱを飲み込むと彼は私に話しかけてきた。
「それでも大きくなれば綺麗だって持て囃されるでしょ?」
「とんでもない!うまく成虫になれたって柄が綺麗に出なきゃみんなに嘲笑われるだけさ!」
小さな手足を動かして彼は抗議する。彼の表情は分からないはずだが、私にはとても怒っているように感じた。
「そっか、貴方も大変なのね。ごめんなさい」
「分かってくれたらいいんだ。それに僕にとっては君たちニンゲンの方が羨ましいね」
「あら、どうして?」
彼の意見に首を傾げ尋ねる。
「オカネというものがあればいくらでも姿を変えられるんだろ?」
「そうね。でも、お金で変わった身体は本当の自分じゃないと思う人もいるわ」
「そうなのかい?繁殖できるのであれば手段なんて関係ないと思うけれど」
「人間も複雑なのよ」
「ふーん」
私の話を理解していないであろう彼の言葉を聞きながら、冷めた紅茶に口をつけた。
「ところでキャベツのおかわりはどうかしら?」
「喜んでいただこう!」
将来がどうであれ大きくなれなければ綺麗もなにもないからね!
小さな幼虫は胸を張ってそう言った。
野原を白い蝶がふわふわと舞っている
私は寝そべりながらそれを見る
風に揺られ
あっちへふわふわ
こっちへふわふわ
花を探して舞っている
あぁなんて気持ちよさそうなんだ
私も飛べたらどんなに気持ちいいことか
風を身にまとい
空高く舞い
花と戯れてみたいものだ
ふと白い蝶が私の鼻に止まった
おやおや
そこは“ハナ”違いですよ
そう話しても
蝶は何食わぬ顔で鼻にとどまっている
私は蝶が驚かないように
わずかに上げた耳をゆっくり下ろした
私の黒い鼻先にいる白い蝶
なんて綺麗で可愛いのだろう
毛並みを風に撫でられながら
私はゆっくりと目を閉じた
『モンシロチョウ』より
[モンシロチョウ]
「おいで、そう……良い子だね」
彼女の指に一匹の紋白蝶が止まる。
「うわぁ、よく触れんね。俺には無理」
「なんで? 可愛いじゃん」
そう言いながらお前は俺の目の前に蝶の止まった指を持ってくる。
「うわっ、え、いやマジで虫無理だから指近寄らせないで」
目の前に差し出された手を蝶に触れないよう恐る恐る遠退かせる。
「言い方酷いって」
「蝶だって分類的には虫じゃん。ちょっと見栄えが他と違うからって調子乗ってると思うんだわ」
「え、ダジャレ?」
「違うし。ていうかダジャレって言い方やめてくんない? 韻踏んでるって言って。そっちのが格好いいし」
「はいはい。あ、写真撮った?」
「ん」
「うん、ありがとう。もういいよ、行っておいで」
風が吹いたタイミングでお前は指をゆっくりと跳ねさせて、蝶は風に乗って空に飛び立つ。
「どんな感じ?……お、上手く撮れてる。流石プロ」
「WPCで優勝経験のある俺に無償で蝶の写真撮らせるのなんてお前くらいなもんだわ」
「よっ、世界王者。いつもお世話になってます」
「舐めんなって、うおっ」
彼女が5枚目をスライドしようとした瞬間カメラを取り上げる。あっぶな。
「資料としてならこれだけでも十分だろ」
「まぁ、そうだね。ありがとう、帰ろ。帰りは私が運転してあげる」
「あ。じゃあ腹減ったから途中にあった中華屋寄らん?」
「それいいね。ていうかもうお昼なんだね今気付いた」
「蝶に夢中になりすぎなんだよ、お前は。どんだけ好きだよ」
彼女の頭を豪快に撫でると髪がぐしゃぐしゃになったお前は拗ねながら髪を手ぐしで直す。左肩に掛けているカメラの数枚を思い出す。一面の花園で蝶を指に止めようとするお前の姿。白いワンピース姿で指に蝶を止めて微笑みかけるお前の姿はこの世の何よりも綺麗だ。
まるで天使が舞い降りたかと錯覚してしまいそうになるほど。大嫌いな蝶でさえも写真の中では美しさを感じてしまうほどに写真の中のお前に恋い焦がれる。
「なんか考えるとさ、世界を取った写真家に無償で依頼してるの申し訳なさ強いね」
「なら金払うか? 俺結構高いけど」
「うぐっ……研究者は孤高なもんで……」
「おう、随分と良いように言い換えたな」
「ま、まぁ。今日は奢る!」
「朝飯は俺が奢ったんだよなぁ。って冗談だよ、気にすんなって」
「いつもご迷惑お掛けします」
「別にいいけど。あ、じゃあ今度ポートフォリオの制作手伝ってよ。それでチャラでいいから」
「なんでもお手伝いさせてもらいます!」
「よし、言ったな? 前言撤回とか無しだからな」
「え? え? 何させる気? ねぇ!?」
「足止めんな、ほら。早く戻って飯食いに行くぞー」
全く、次の制作が今から楽しみで仕方がない。今まではずっと恥ずかしがって被写体になってくれなかったけど俺は今言質を取った。ようやくちゃんとお前を撮ることが出来る。早く構成を考えて指示書を作り上げないと。
「知ってるか? 写真ってのはその時間、その瞬間を残酷なまでにありのまま映し出すんだ」
そして、写真を撮った人間の心も簡単に映してしまうものでもあるんだ。
お前を撮った俺の写真を見たら、お前の目にはどう映るんだろうか。
モンシロチョウ
ひらひらと空を舞う蝶々。
黄色に青に白の羽。
粉を残して去って行く。
肩に白い蝶が止まった。
…彼女の羽も白く美しかったことを、覚えている。
僕は、誰もいない図書室で夕焼けに照らされながら、本を読むのが至福だった。誰にも邪魔されないように、自ら図書委員に志願したが、利用者が少ないのもあり、殆ど一人きりの時間を過ごしていた。
「あ、このシリーズの本、新しく出たんだ…。ちょっとだけ読んじゃおっと」
人気作であろうが、一番初めに読めるのが図書委員の強みでもある。ただ、作業が進まなくなってしまう時もあるので、本好きにはただの誘惑になるのだが。
「やべ!もうこんな時間?!…んーっ…また夢中になりすぎた……」
やめられないとまらない、もうこれだけはしょうがないとすら思っている。
「あの…すみません、これ、お願いします」
「えっ?!わ!いつからそこに…。あっ、はい…どうぞ」
柔らかそうなサラサラとした黒髪が揺れる。目は丸く、白い頬に浮かぶ桃色は花弁が散っているよう。とても可愛らしい印象だ。
「今来たんですよ。ありがとうございます」
優しい声色が心をくすぐる。
「あっ!その本って、鴨平先生の新作ですよね?図書室にあったんだ〜」
「そっそうそう!今日入ったばかりなんです!…僕が一番に借りちゃってます…」
「うふふ、図書委員の特権ですね」
「へ、へへへ…」
彼女の笑い声が鈴の音のようで…とか、小説じみた感想を胸に、僕はこの好機を逃すまいと、一歩踏み込んでみた。
「あの、良かったら、一緒に帰りませんか?」
「…!良いですよ」
「実は図書室に来たの初めてだったけど、すごく静かだよね。もっと何人も居るのかと思ってた」
「お昼だと数人はいるんだけど、放課後はほとんど来ないんだ。テスト勉強してるところも、そんなに見た事ないかな」
「えーっ…漫画みたいに、こっそりカップルがお勉強とか、ちょっと憧れてたのに…現実は違うんだね〜」
いざ話してみると、彼女は気さくで分け隔てのない子だなと、思った。とてもいい子だ。
ただ、こんなに可愛ければ噂の一つや二つありそうだが特に聞いた事がなく、顔も初めて見る。たまたま、すれ違わなかったのだろうか。惜しいことをした気分だ。
「羽鳥くんは、彼女いるの?」
「えっ、い、いないよ…。横井さんこそ、どうなの?」
「私もいないよ」
「そうなの?絶対いると思った…!」
「うふふ、まだ一度もないんだよ」
彼女は少し恥ずかしそうに下を向いてしまった。
「実はね、私、羽鳥くんのこと知ってたんだ」
「えっ」
驚いて私を見つめる彼は、なんとも可愛い顔だと思う。
「猫に引っ掻かれそうになった時、助けてくれた」
「えっと…人違いじゃないかな?それ、僕じゃないよ」
「うふふ、合ってるよ。私、あの時のモンシロチョウなんだ」
背中から羽を出してみせると、舞った鱗粉が彼の顔に付いた。拭うように頬をなぞると、彼は赤面し、目を逸らされた。
「ごめん、理解できないよ…。そんな事、あるハズないじゃないか」
「ふふっ。可愛いんだから、羽鳥くん」
拭った頬にキスを落とすと、更に顔を紅く染める。
「今日はね、お礼と、告白をしに来たの。私のものになって欲しいな…って。…また来るから、考えといてね」
困惑している彼を置いて私は花畑へ飛び去った。
あの日、あのモンシロチョウが助けられているのを見てから私は、彼の事で頭がいっぱいだった。
あのチョウが私だったら良かったのにって何度も思った。
そんな時奇跡が起きた。
人間になれた私は、近づくほかないと、彼の事を調べあげた。
噂であのチョウが死んだ事も知っている私は、ラッキーだと、つくづく思う。
やっと、彼と…。
大好きな羽鳥くん、私を受け入れてくれるよね?
「あの時助けた、モンシロチョウ…?」
確かにそんな事をしたかもしれない。
だが、あのチョウは…
「…羽、もぎ取ったはずなんだけどな…」
まあいいか。
楽しめそうなチョウが現れたんだ。
遊ばないと失礼だよな。
「あの羽、取りがいがありそうだなー。でっかい天ぷらにしてもいいかも」
しばらく暇つぶしは、しなくて済みそうだ。
おわり