『ミッドナイト』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【182,お題:ミッドナイト】
初めてお母様の言いつけを守らなかった日
生まれて初めて門限を無視して、手を引かれるままに塀の外に踏み出した
ずっと窓枠の中から見ていた景色、額縁に飾られた綺麗な絵画のような星空が
自分の目の前に存在することが信じられなくて、前を歩く彼を追いかけながらずっと上を見上げていた
「すごい...初めて暗い時間にお外に出た...」
「おりこーさんは夜更かしも禁止なのか?子供は夜更かししてなんぼだろーよ」
数歩先を歩く彼がぐんと伸びをして、これからどうしたいー?と振り返って笑った
「どう...したい?どうだろう...まずは寝るとことか、...?」
「...はぁ?お前まさか、これから寝る気でいんの?」
「えっ?だって早く寝ないと身体に悪いって...」
はぁぁ、と心底呆れましたみたい溜め息を付くと、彼はこっちに駆けてきて
ひょいと脇に手をいれると、そのまま私を上に持ち上げた
何事かとフリーズしているとそのまま頭付近に下ろされ肩車の形になる
「ほら行くぞ」
「どこに?お家?」
「違うわ優等生、遊びにだよ」
夜は自由な時間なんだ、と彼は言った
「ミッドナイトシティ、ってとこかな、変な奴ばっかで逆に楽しいぞ」
くくく、と笑いを堪えるような様子に、何となく釣られて笑みをこぼす
いつもはとっくに布団に入る時間だが全く眠くない
まるで魔法のようだと、ふと思いながら薄く微笑みをこぼした。
"ミッドナイト"
「今日満月だってよ」
聖都大附属病院の、人通りの少ない箇所に位置する廊下に面する休憩スペースで、片手に持つスマホの天気予報に目を向けたまま、カップのホットコーヒーを啜って、テーブルを挟んで向かいに座る飛彩に向けて言う。
「しかも今夜は晴れらしい」
そう話を続ける。だが何も帰ってこない。いつもなら「そうか」とか短くとも何かしら言葉を返してくる。何かあったのかと不思議に思い、視線をスマホから離して飛彩を見る。何やら物思いにふけっているようで、目は彼の手前に置いているカップの中だが別の、どこか遠くを見ているような目をしている。
──何か思い悩んでんのか?
なんだか嫌な予感がした為、口を開く。
「おい」
何も返事が無く、微動だにしない。気付いていない。これは相当だと見た。
「おい」
今度は少し怒気を込める。耳に入ったようで、目の焦点が合い、その後すぐパッと顔を上げてこちらに目を向ける。「済まない」と小さく謝ると、ホットコーヒー──飛彩はカフェオレ──を啜る。
「何の話だ?」
「……どこまで聞いてた?」
「今夜は満月だ、という所まで……」
やはり、そこまでははっきりと聞いていたようだ。更に聞き出そうと口を開いて再び問いかける。
「寝不足か?」
「違う。毎夜睡眠時間はしっかり確保しているし、夜勤での仮眠も適度に取っている」
やはり違うようだ。あの虚ろな目は、明らかに睡眠不足から来るような目ではなかった。
「……満月に何か嫌な思い出でもあんのか?」
──当たりか。
言いづらい事だろうとコーヒーをゆっくりと啜り、言葉を待つ。
数秒程静寂に包まれる。そしてゆっくりと飛彩の口が開かれて、静寂を切るように言葉を発する。
「高校生の頃の事を思い出した。二年の時に、不思議な症状で運ばれてくる患者が出てきた」
「《無気力症》」
「そうだ。やはり知っていたか」
「当たり前だ。新聞記事に載ったり、ニュースになって、騒がれてたんだから、知らねぇって言う方が無理だろ。特に十二月とか、その二ヶ月後」
当時、《無気力症》というものが突如流行りだした。初めはストレスから来る精神病だと思われていたが、《無気力症》の患者は日に日に増えていき、何かしらの陰謀が囁かれていたりした。
医大で、勿論病院の近くという事もあり、授業中に救急車のサイレンが響き渡るのは普通だったが、午前の授業一つに何度も何度も響き渡る事まではなかった。
最初は授業どころではなかったが、いつの間にか日常茶飯事となっていた。学年が上がった時、救急車のサイレンが時折響き渡る程度に戻った時は、不謹慎だが、ちょっと寂しさを覚えていたのを思い出す。
「あぁ。だが、父の言伝での印象だが、《無気力症》で運ばれてくる患者が、満月の次の日に多かったなと」
「あぁ……そういや……」
当時の記憶を巡らせる。確かに、二月頃の比ではないが、満月の次の日の午前授業の時は特にサイレンの音が多かった。まるでコーラスのように、何度も重なって聞こえていた。その時が一番授業どころではなく、やむを得ず自習になったりして、その年の定期試験対策が大変だった。
「それと、妙な感覚があった」
「妙な感覚?」
単語をそのまま聞き返す。すると「あぁ」と小さく頷いて言葉を続けた。
「はっきりとは覚えていないが……、確か……梅雨の時期、だった気がする。その時から妙な感覚が……」
顔を伏せて、当時の記憶を思い起こしながら、つらつらと語り出す。
「具体的にどんな感覚だ?」
「ぼんやりとだが……なんだか、夜がとても長く感じた」
「夜更かししてっと長く感じて当然だろ」
軽い口調で言葉を返す。すると首をゆっくり横に振って話を続けた。
「いや、高校生の頃は今より睡眠時間が長かった。夜遅くより朝の方が記憶しやすいからな。宿題と復習は夕飯前に済ませて、予習は朝の支度を終わらせてからやっていた」
「意外だな。てめぇなら夜遅くまで勉強してそうなのに」
「睡眠も生命活動の為に大切な事だ。それに高校生、成長期だ。身体の成長は睡眠時に起きる。早めに寝た方が身体の成長が早い」
そこまで話すと「それより」と言葉を切って軌道修正し、続きを話し始める。「悪い」と小さく謝る。
「特に満月の夜は、窓から距離をとっていた記憶がある」
「距離をとっていた?」
「窓の外から見える景色は満月の夜もそれ以外の夜も同じだったが、満月の夜は……何故か窓に近づく事を身体が拒んでいた」
そこまで聞いて「ふーん」とそれ以上は聞かずに残りのコーヒーを啜って嚥下する。
「そろそろ時間だ。変な話させて悪かった」
そう言って立ち上がり、カップをゴミ箱に捨てる。立ち上がるのを見ると、飛彩は自身の左手首に巻かれている腕時計を見て「もう時間か」と小さく呟いて、飛彩もカップを仰り残りのコーヒーを飲んで立ち上がって、俺の後にカップをゴミ箱に捨てる。
「いや。こんな話をし始めてすまなかった。夜空を見ながら帰るのも、悪くないな。澄んだ空気のよく晴れた冬空に浮かぶ満月は綺麗だろうな」
そう言うと、すたすた歩いて廊下に出る。その後ろに続くように、俺も廊下に出る。
「ここでいい」
「そうか。ではまた」
「おう。またな」
そう言って、お互い背を向けて反対方向に歩き出して別れた。
──あいつが言ってた『妙な感覚』……。そういや、俺も似たような感覚があったような……。
朧げに思い出したが、『考えても無駄』だと考えるのを止めて病院の外に出た。
あの角からゾンビが
電灯の影から幽霊が
頭の上から宇宙船が
現れたっておかしくない頃
電車もお金も消えて
帰り道が失くなった時間帯
1人になった孤独より
わくわくが止まらない時分
『ミッドナイト』2024/01/2720
皆が寝静まった頃
自分の心が
私に
語りかける
「それでよかったの?」
ううん、
違う
このままでは
何も変わらない
以前の私だ
変化を恐れるな
周りの反応を気にするな
ありのままに生きることに
躊躇するな
今はまだ見えない
その着地点に
恐れることなく
一歩を踏み出そう
子供の頃は、真夜中って特別な世界のような気がしていたけど、いつしか当たり前のものになってしまった
時間の流れの一部分
大人になった今は、もうオバケも怖くない
でも、夜中に一人ぼっちでいるのが当たり前になってしまったことは、少し怖いかな
一生このままなのかと思うと、かなり怖いかも
二人っきりのミッドナイトだね
うーーわ
なんだよ
厨二病じゃん
おい
はいはい
でも好きだよ
こういうの
……おう
お題『ミッドナイト』
都会にミッドナイトと言うスポットライトは、眩しくも眩くもあり、魅惑的で人を惑わせる。
僕もそのミッドナイトを浴びて酔い痴れた。
時が経って、僕は満天の星空を浴びる田舎に住んでいる。
ここにミッドナイトは無い。
静かで哀しいくらい闇が続いている。
ここにミッドナイトは無い。
今の僕には丁度いい夜が拡がっている。
ミッドナイト
真夜中をオシャレに英語で言う機会がありません。
ミッドナイトにトイレに行きたくて目が覚める、そんな日々です。
【ミッドナイト】
嫌なことがあった日はミッドナイトを満喫する。
普段の私のミッドナイトは大概夢の中だ。
自慢ではないが私の夜は短い。
爺さん婆さんに勝つことはできないが、そこら辺の若者には確実に勝てる。
嫌なことがあったとき。
私は誰とも会いたくないし語りたくもない。
励ましの言葉など要らぬ。
お前に私の気持ちはわからない。
このときの私は殺人事件の犯人そのものである。
ひとりで物思いに耽り、絶望の縁までに自分を追い込む。
そのときだけ私は心を鬼にする。イメージはハートマン軍曹である。
このままの気持ちで明日を迎えたくない。
嫌なことを嫌なままで終わらせたくない。
わざとポジティブにすると、私の気持ちは空回りして意味がないのだ。
ここまで気持ちを沈めると、不思議なことにいつの間にかまぁよいという心地になる。
パアッと気が軽くなるのは、自分次第であるのだなと嫌なことに真摯に向かい合った私を讃える。
眠気に耐えきれず布団に沈み込むと、私は布団の寛容さに感動する。
何時の時も暖かく私を包み込む布団は、何物にも代えがたい親友そのものだ。
私の目標は今日から布団である。
そう思ったのも束の間、目覚める頃には夜更かしをした昨日を悔やむのである。
こうしたルーティーンはいつからだったか思い出せない。
私はこうして下らないミッドナイトを過ごしている。
嫌なことがあったときはさっさと寝るほうが良いのだが、いつ悔やんでもこの習慣を辞めることなどできない。
私の気持ちはこの時間によって救われているのかもしれない。
そう思うと辞めることはできない。
タバコ常習者と同じである。
と思うと途端につまらぬことをしているなという気にもなる。
『ミッドナイト』
前がみえない。
自分の価値が良くわからない。
まるで深い闇。
自己肯定をしてあげろ?
出来てるならこんな風になってないだろ
生きている意味すらわからなくなる
こういう時はいったいなにをすればいいんだろう
深い深い闇。
誰かと話したいのに話せない。
誰か話をして。
俺を受入れて。
夜明けはいつ来るのだろう
ミッドナイト。
ミッドナイトの
カードが
本当に大好き。
ミッドナイトに
隠れながら
2人で
戯れたい。
300字小説
ミッドナイト通信
「……今夜もお送りします。ミッドナイト通信……」
土曜日の深夜、机の上のラジオが混線するような音を出すと始まるラジオ番組がある。
『ミッドナイト通信』。内容は、どこぞの猫が子猫を産んだ、どの家の柿が甘く熟れた、軒下に燕が巣を作った等、誰に需要があるのか解らない、町内のささやかなニュースばかりだ。
とはいえ、最近の現実のニュースには疲れ気味の私には調度良い。プチ贅沢な夜食を用意して、飼い猫のミケと毎週聞くのを楽しみにしていた。
「今夜のミッドナイト通信。最初のニュースは中村さんのお家のミケさんが猫又になりました! おめでとうございます!」
「えっ!?」
顔を上げる。
「にゃあ」
ミケが二股に分かれた尻尾を振った。
お題「ミッドナイト」
子供の頃、
真夜中は特別だった。
夜は出歩いちゃいけない、
暗くなる前に帰るのが当たり前だったから
夜の世界なんてあまり知らなかった。
大人になって
仕事して、
夜の世界が当たり前になった。
朝早くから仕事して、
夜遅くに帰る。
場合によっては
日付が変わっても帰れない。
昼の世界をあまり見なくなった。
さよならイエスタディ
悩んでいる私はキライ
あなたの瞳にバイバイ
ガラスの靴は必要ナイ
いつも生まれ変わるの
午前0時のシンデレラ
誰かが鐘を鳴らしてる
孤独が夜を照らしてる
強がりな私だけ残して
『ミッドナイト』
〝ミッドナイト〟
ミッドナイトでブルーバード、
サディスティックなライフライン。
深夜テンションでハイな今、
思いついた言葉をただただ書き連ねる。
ミッドナイトに唯一人、暴走は止まらない。
ミッドナイトというと、『ときめきトゥナイト』を思い出した。
今やスマホアプリでマンガを読む時代だけど、昔は、「りぼん」とか「なかよし」とか「ちゃお」とか、月間少女漫画誌が、当たり前のように女子たちの間で流行っていて、どの誌派かで、好みの傾向を判断する基準にまでなってて、友達付き合いなんかにも影響したりして、懐かしい。
その中の「りぼん」で連載されていたのが『ときめきトゥナイト』なのだけど、吸血鬼の父親と狼女の母親の間に、吸血鬼みたいに人に噛み付くと、相手の血で相手の姿に狼女みたいに変身する能力を持って生まれた天真爛漫な女の子が主人公(ヒロイン)の学園系ファンタジーラブコメディ。
人間界で素性を隠しながら過ごす学生生活から、ヒーローとヒロインの間に立ちふさがる禁断の恋、人間界と魔界で起こるトラブルなど、シリアスだったり、コミカルだったり、ドキドキ、ハラハラ、ケラケラ、とても懐かしい。
娘もアニメやマンガにハマり始めた年頃で、そんな娘と、昔の私を重ねて、なんだか、愛おしい気持ちになった。
「ミッドナイト」
親がすやすや眠る頃
ベッドから飛び起きて
玄関そおっと開けて
鍵カチャリと閉めて
そこまで来てる
あなたの車に駆け寄って
シートに乗り込みぎゅっとして
ミッドナイトドライブ
密やかにスタート
愛する彼に振られた深夜2時。
夜の公園に呼び出され、放たれたのは別れ話。
彼の顔は、憑き物が落ちたように晴れやかだった。
虚しい。寂しい。悲しい。
月は私を煌々と照らす。いつもより眩しく感じた。
心がぽっかり空いたような、何かを失ったような気分。
無意識に足を進めた先は、家ではなく夜の街だった。
ふらふらと酒も飲んでいないのに千鳥足で彷徨う。
肩をぶつけ、怒鳴られ、荷物があたり、
よろけた先に居た見知らぬ男。
誰でもいい。なんでもいい。
心に空いた空洞を埋めて欲しかった。
彼じゃなくても良かった。
目配せで伝わる夜の雰囲気。
相手の顔なんてろくに見てない。
ただ、この切なさを紛らわすための相手。
それ以上でも以下でもない。
この一夜だけの関係が、心地良かった。
月明かりの届かない所まで、手を絡めて歩き出す。
深夜の闇に溶け込んで、心の傷を塞いで欲しい。
彼のことを忘れてしまえるように。
彼以外でも愛せてしまえるように。
【ミッドナイト】
「ミッドナイトテンポキラリ☆」
ってソロで歌ってる莉犬くんの後ろに
他のメンバー出てきて踊ってた
そんなファンミーティングラストの想い出。
ふぁんみだからこそできた
はっちゃけたMidnight tempo
もうあの光景みれないんだろうな〜
次の現場いつですか…?
ミッドナイト
列車はもう来ない
手遅れだな
きっと前も後ろもない
行き先なんて
皆同じだと思った?
…バッカみたい
あんたもこれで終わりだね
私も少ししたら行く
先に行っといて
「さよなら、大好きな人」
「お願い…大嫌いって言ってっ…!」