『ベルの音』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
聞こえてきた
遠くに微かだった音が
はっきり
確実に
耳元へ
そして声となって
語りかける
「時間です
用意はいいですか?」
新しいスタートのベルが
鳴り響く
『ごめんなさい、わたしもう帰らないといけないの……!』
そう言いながら王子様の手を離して、出口を真っ先に見つけて駆けた───────
「お前、なんで舞踏会にいたんだ?」
継母は言った。わたしは城を出る前に12時の魔法が解けて、その瞬間を義姉に見つかってしまった。
「部屋の掃除と皿洗いを命じただろ。何勝手に舞踏会行ってんだよ」
ごめんなさい、としか言いようがない。いくら舞踏会に行きたかったとはいえ、仕事はきちんと済ましておくべきだった。いや、義姉に見つかってはならなかった。
とその時、コンコンとノックの音がした。聞くに、その舞踏会で靴を落とした人を探しているらしい。その靴の持ち主が、王子様のお気に入りの人だと。
「履いてみてもいいかしら?」
義姉は言う。
「いや履かなくても分かります。あなたの家で最後なので」
義姉の顔が明るくなった。わたしの顔は絶望に染まった。
#ベルの音
シングルベールジングルベール鈴がなルゥーーー🎵
ふぁっきゅー
クリスマスファっキュー!
クリスマスというだけでわざわざ寒いところにイルミネーションを見に行くカップルファっキュー!
この後することしか考えてねーだろ!!!
友達とチョコフォンデュとかした方が楽しいに決まってる!
この前LINEほしいって言われて一日遊んぶことになったから、帰り際にはセブンのラーメンも「おすすめだからたべてね!」って買ってあげたやつ持たせて帰らしたり、結構いい男アピールはできたと思うんだが、この前LINEした時、まず47分後くらいに返信来てその時点で、ん?ってなったけどなんか文の内容もちょっとそっけなかった気がする。
詳しいラインの内容はまた書き記そうと思う。
『ベルの音』
あの人から届く秘密の通知音。今日もメッセージが届くたびに特徴的なベルの音が部屋に鳴り響く。その音色は私の心の中も明るくしてくれる。いつからか私はこの音が大好きだ。
______やまとゆう
ベルの音
24日・25日
(クリスマスイヴ・クリスマス) この
二日間は、毎年かき入れ時 私の仕事の
本番と言って良い。
世界中から届いた 子供達からの手紙を読み プレゼントのリストを確認し
それぞれの地域 国に選りわけ
白い大袋に入れる。
私の助手達である 小人達が 小さく
細かく 忙しなく動く
それぞれの担当のそりに大袋を積み
多頭で群れている トナカイを それぞれの決まったそりに繋ぐ
たくさんの私が たくさんのプレゼントを
詰め込んだ 大量の大袋を積んだ そりに
それぞれ乗る。
最後に私の助手達である 小人達がそりに
備え付けられてある ベルを磨く
そして それぞれの私が手綱を打ち
トナカイ達に合図を送る。
トナカイ達は前足を踏み出し 夜空を
昇って行く
その際 シャンシャンとベルの音が
軽やかに夜空に響く
私サンタが 子供達にプレゼントを配る
これが 毎年の私の仕事
子供達の寝顔を見ながら 見つからない
様に プレゼントを配る。
最後にベルの音を軽やかに 微かに
乗せて 子供達に 夢の余韻を
残しながら.......
「ベルの音」
……何を知らせるベルの音
はいはい、今すぐ行きまーす!
敵 味方 を いつ人類に
できた だろうか
全ての ベルの音色が
平和をもたらす 音色でありますように
ベルの音が鳴り、来客を告げる。のろのろと箒を動かしていた黒髪の女は「いらっしゃいませぇ」と気怠げに声を上げた。
「すいませーん、店長は今に留守にしてるんすよ。すぐ戻ってくるとは思いますけど」
「あー、じゃあ水だけくれ」
「はぁい」
ベルの音
────…リン……リン………リン……
不気味なベルの音。
僕は何処にいるのかも知らない。
記憶がある筈なのに、まるで霧がかかったかのように思い出せない。
真っ暗な暗闇の中、ベルの音を頼りに歩いていく。
───…リン
一つ鳴ると、水の流れる音がする。
何故だろうか?頭が真っ白になってしまう。
───……リン…リン
二つ鳴ると、波の音がする。
異様な雰囲気が漂ってきて身体が震えてしまう。
海が近いのか?どうして真っ暗なんだ?
───……リン………リン……リン…………ポン
三つ鳴ると、ポンと聞き慣れない音が聞こえてくる。
よく聞いてみると安心するような…?そんな感じがした。
…………ポン………ポン……ポン…ポンポンポン
辺りは霧が晴れるように明るくなっていく。
ポンポンとなる音と共に記憶が流れてくる。
何故か涙がこぼれて、その時僕は悟った。
そうダ…ぼクは……岸からお千て…死ンだんだナ。
ベルの音
ベルが鳴らなくなってから、もう20年は経つ。
かの祝福を受けることなくこの世に生まれた彼もまた、ベルの音を聞いたことのない一人だ。
ベルとは何か?
ベルが鳴るとどうなる?
すでに祝福の意味を失ったこの世界では、その質問さえ無意味である。
音が鳴るという伝承だけが伝えられたこの世界で、いくつもの『ベル候補』が集められているが未だ新たな祝福を受けた者はいない。
ベルがどんな音か、知っている者がいないから。
非常ベルが鳴り響く
サンタの格好をした俺は子供を抱えて走っていた
「くっそー!絶対に死なせねぇぞっ」
クリスマスに火事だなんて有り得ねぇ…
イルミネーションを台無しにする黒煙と業火に
舌打ちする
「お兄ちゃん…怖いよぉ」
「大丈夫だよ。パパやママに喜びを届けるのは
サンタクロースの仕事なんだから!俺を信じてくれ」
突破口はもう見えている
あと少しの辛抱だ
#ベルの音
【ベルの音】
ぜんまい仕掛けのからくり時計
正時のベルが鳴るたびに
文字盤下の扉が開く
左手からは男の子、右手からは女の子
カタカタ歩いて二人は出会う
刻の数だけベルが鳴り
刻の数だけ口づけを
ベルの音が止まるとすぐに
二人は回れ右をして
元の扉に戻って行く
時計の針が正時を指せば
二人は何度も再会し
刻の数だけキスをする
いつしかぜんまい巻き切れた
時計は動きを停止して
静かに静かに時を止めた
二人は口づけを交わしたまま
静かに静かに時を止めた
ベルの音はもう鳴らない
永遠に二人の愛を閉じ込めて
ベルの音が聞こえて
鳩たちが飛び去っていく
天使の羽の音のような音で
とある一室。
目覚まし時計のベルが鳴り響く。
そのベルは、昼を過ぎても夜になっても、ずうっと鳴り続けていた。
その横には、二度とそれを止めることはない手が横たわっている。
ベルは鳴り続けた。
まるで、本当はまだ生きていたかったのだ、と代わりに告げているように。
という妄想で、今日も生きるか、と思っている。
そんな朝。
「ベルの音」
太陽光パネルのついた紺色の屋根とクリーム色の壁の古びた一軒家に長蛇の列。
扉横の看板に白い文字で、“お代はいりません。線香に火をつけて、席に座ってお待ち下さい。”と書かれてある。
線香は、さっき受付でもらったコレのことだろう。
どこかの遊園地的なところに来たと思ったが、やはり少しずれている。
2時間ほど並んで、ようやく中に入れた。
店主は若い女性に視えたが、見る者によって老婆や大男に視えるらしい。
“メニューはこちらで”
三角に折った画用紙の筒と、奥には線香立てが置かれている。
なるほど。此処に設置すると自動的に注文したことになるのだな。
それにしても、この店に小学校時代の友達の家に遊びに行った時の感覚。いえば懐かしいものを感じるな。
「はぁ~……最高」
クリスマスイブの夜。目の前では彼女が酔い潰れている。家飲みだからと、甘いワインを調子に乗って何杯も飲むからである。
でも幸せそうな顔をして横になっている姿を見ると、このワインにして良かったなという気持ちになる。
「そのままそこで寝たら風邪引くよ」
起こそうと彼女の肩を軽く揺らす。
「うぅん……」と小さく呟くと、彼女はこちらに向かって両手を広げた。「抱っこー」
子供か! でもかわいい!
彼女を優しく抱き上げ、寝室へ入り、ベッドの上にそっと置く。
「おやすみ。寝たらサンタが来るかもしれないよ」
「この歳で?」
「そうそう。サンタは良い子にしてた人のところに来るから」
「……欲しいもの、あるよ」
彼女がまたこちらに両手を広げた。
その肩の下に両手を滑り込ませ、ぎゅっと力強く抱き締めた。
隣の部屋のテーブルの上には、寝ている間に置いておこうと思っていた、小さな箱に入ったプレゼントが用意してある。
まぁ、それはまた明日渡せばいいか。
欲しいもの、サンタが連れてきてくれるといいな。
遠くからベルの音が聞こえた気がした。
『ベルの音』
毎日同じ時間、同じ音とともに出発の時を迎える。
朝のホームはひんやりと冷たくて、眠気でとろけそうになっていた自分の体を元に戻してくれる。
思えばベルの音で一喜一憂している。
乗り遅れたことも、ちゃんと乗れたことも示してくれるベルの音。ギリギリの時間に着く電車に乗っているので毎日極限状態なのだ。同じ電車に乗っていると、見知った顔が増えていく。
わたしの使う沿線は、ご老人や、身体、または精神的に障がいを持っている方が多く使っている。だから毎朝何かがおこる。あるときはご老人の昔話に耳を傾けたり、閉所恐怖症の男性と会話して気を紛らわせたり、綺麗なご婦人に声をかけられて舞い上がったり、二重人格っぽい男性のわたしには見えない誰かとの会話を聞いていたり…。
なんだかちょっとヘンテコな毎日
たまに怖いと思う時もあるけれど、人が人といることで人になれるなら、わたしは今日も寄り添おう。
ベルの音
クリスマスが近くなると思い出す音がある
ハンドベルで奏でるクリスマスソングだ
小学校のクリスマス会の出し物での演奏だった
無邪気にクリスマスを楽しんでた日々
遥か遠くなった日々を思い出すとき
ハンドベルの音が微かに聞こえる
ウェディングベルの音が村中に響きわたっていた。
幸せな音がする。
街の人は皆笑顔でお祝いをしていた。
私は笑顔を取り繕ったけど
しっかりできていたのだろうか。
ウェディングドレスを着ている女性は
この中の誰よりも輝いていて
タキシードを着た君は
誰よりも凛としてかっこよかった。
私はそんな君が昔から大好きだった。
君に好きな人がいること知ってたし応援もした手前
私が告白する選択肢は選んじゃいけなかった。
ウェディングベルの音が町中に響き渡った時
2人が誓いのキスをした時
2人が側にいて話してる時
2人に好きが見えて愛もみえて
いつまでもこの気持ちこの片想いを
終わらせないといけないことを感じた。
2人のなかに笑顔が途切れませんように
末永くお幸せに!!
─────『ベルの音』
【ベルの音】
朝焼けに染まる空を眺めながら、白い息を吐き出した。目の前のプラットホームには、時間調整のために電車が停まっている。これに乗れば、もう。私はこの町には帰ってこられない。
生まれ育ったこの町も、両親も、友人たちも、決して嫌いなわけじゃない。だけどそれでも、全ての道を決められた選択肢のカケラもない人生なんてごめんだ。自分の足で、自由に、私は歩いていきたい。
ジリジリと鳴り響く発車ベルの音。それに促されるように、私は電車へと乗り込む。ゆっくりと電車は発車した。やがて速度を上げ、私の生まれ故郷を遥か彼方へと置き去りにしていく。
ほんの少しの寂しさと、それ以上の清々しさを感じながら。私は電車の揺れに身を預けた。