プレゼント』の作文集

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プレゼント』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/24/2024, 4:13:26 PM

「これ、あげる」

手渡されたのは透明な石。
困惑する少女に笑って、少年はずい、と顔を近づけた。

「これは?どう。気に入った?」
「えっと。あの」
「やっぱ、気に入らない?」

このやり取りは、何度目になるのか。少女はもう覚えてはいない。
気づけば側にいた彼。常に笑顔を湛え、こうして時折プレゼントと称して少女に手渡してくる。
何を考えているのか。手渡す石に意味はあるのか。
少女がいくら訪ねても、少年は笑うだけで何も答えなかった。
少女は、少年の名前すら知らない。


「綺麗だと、思います」
「へぇ、気に入ったんだ。じゃあ、今度こそもらってくれる?」

少女の答えに、少年の笑みが深くなる。

「や。でも、それは」
「駄目なの?気に入ったのに?」
「そう、ですけど。でも」

戸惑い視線が彷徨う少女の手を、渡した石ごと軽く握る。そのまま上へと持ち上げて、少女の目の前にかざした。

「欲しい、と。一度でも思ったのならば、迷わずに受け取ればいい」

息を呑む音。僅かな怯えを浮かべた少女の目に、少年の浮かべる笑みが優しさを孕む。
改めて少女に石を握らせる。怖くはないのだと、震える少女の手を宥めるように撫ぜた。

「どうして。なんで、いつも」
「大切にしたい人に、プレゼントをあげたいと思うのは変?折角のプレゼントを、喜んでもらいたいとあれこれ考えるのは意味のない事?」

少年の言葉に、少女の頬に赤みが差す。
それ以上は何も言えなくなってしまう少女の手を一撫でして、手を離す。返される事のなくなった石を、少年は満足そうに見つめた。

「この石って、一体何なんですか?」
「これはね、本物だよ」

少女の問いに、少年は得意げに答える。
本物。その意味を分かりかねて少女は首を傾げれば、少年はくすくす笑いながら、口を開いた。

「今までは、近いものや似たものだったから、気に入らなかったんだね。やっぱり本物でないと駄目か」
「何、言って」
「だって今まで上げてきたやつは、全然嬉しそうじゃなかった」

少しだけ拗ねたような声に、少女は確かに、と今までの石を思い返す。
小さなもの。大きなもの。歪な形。様々あったが、そのどれもが、黒く濁っていた。
綺麗だと、ここまで強く惹かれたものはなく。この石を手渡されるまでは、どう断れば石を渡す事を止めてくれるのかばかりを少女は考えていた。

「え、と…ありがとう、ございます」
「どう致しまして。やっと喜んでくれた」

心から嬉しそうな少年の笑顔に気恥ずかしくなる。石を見る事で、少女は少年から視線を逸らした。
きらきらと、光を反射する。澄んだ水のように、透明さを保つ石に目を奪われる。
何故こうも心を奪われるのか。少女にも理由は分からない。
飽く事なく見つめ。手の中で転がして。

「綺麗」

思わず溢れ落ちた言葉に、少年の目が愛おしげに細められるのを見てしまい。少女ははっと、我に返る。

「あ。すみません。もらってばかりなのに、私何もお返しが出来なくて」
「いいよ。俺があげたいんだから、気にしないで」
「でも」
「君が飢える事も、病に苦しむ事もなく。笑ってくれているのが、俺にとっての一番のプレゼントだよ」

少女を見つめながらも、少年はどこか遠くの何かを見るようにして微笑む。
少年の手が頬に伸ばされるのを、少女はどこかぼんやりと、当然の事のように受け入れた。

「あぁ、少し冷えてしまっているね。そろそろ戻ろうか」

どこへ、と微かな疑問は直ぐに消え。少年に促されるままに、少女は歩き出す。
そもそも、ここは何処であるのか。少女は思い出す事はなく、少年に寄り添い歩く。

長い廊下の先。扉を開け入った部屋は、少女の私室であった。
手を引かれ、ベッドへと向かう。少年に促されるままに横になれば、優しい手が良い子と少女の髪を撫でた。
その手を、少女は知っている気がした。熱にうなされている時に、ずっと撫でてくれていた愛しい手。
目を細め擦り寄れば、撫でる手はさらに優しくなる。


「そういえば、今日はクリスマスイブだったね。良い子にはプレゼントをあげないと」

プレゼント。首を傾げ、少年を見上げた。
少女は既に石をもらっている。それ以上にもらう事は出来ないと、口を開きかけ。

「メリークリスマス。プレゼント代わりに、いい事を教えてあげようね」

しかし歌うような声と、いつの間にか少年の手に渡っていた石を唇に触れさせられて。少女の否定の言葉は声にならず消えた。

「今回は偶然手に入れる事が出来たけど、次はないかもしれない。だからよく味わって食べて」

触れた唇の熱で石が溶け、僅かに開いた隙間から少女の口腔内へ流れ込む。反射で飲み込んだ少女の目が、驚きと、苦しさと、怯えに見開かれた。

知っている味だった。
吐き出したくなるほど不味く、泣き叫んでしまいたくなるほど美味であるその味。
少女はよく知っていた。思い出してしまった。
綺麗だと思った石が、本当は何であるのか。
少年は誰だったのか。彼が何をしたのか。

「あの時は無理矢理だったけれど、気に入ってくれていたみたいで安心した」

触れているだけだった石が、押し込まれる。
拒もうと唇を閉ざそうとすれど、衰弱した体は思うように動かす事は出来ない。
唇を割り、舌を滑り、喉奥へと転がり落ちる石。
諦めて飲み込む。一筋零れた涙を指先で拭い、彼は笑った。

「今度はちゃんと年を越えられる。年を越して春になったら、きっと良くなるよ。そうしたら、また桜を見に行こう」

笑う少年の姿に、痩せぎすの男の姿が重なる。
あぁ、と掠れた声を漏らす。

狭く、寒い部屋。薄い布団。

部屋が変わる。時が反転していく。

「おやすみ。愛しい人」

冷たい手に目を覆われ、おとなしく目を閉じた。



20241224 『プレゼント』

12/24/2024, 3:55:54 PM

プレゼントをもらった。それは、親だった。振り返ると、みんなが言うより過保護で一人だけだから、自分に依存しているらしいことが分かった。けど、これは贈り物だ、神聖なものらしい。
 プレゼントをもらった。それは、身体だった。振り返ると、みんなが言っていたようにケアが大切らしい。私は少し失敗したみたいだ。右耳の機能に不具合が発生した。とても神聖なものには見えない見た目となってしまった。しかし、必要不可欠な、自分にとって高い価値があるものには違いない。そういえば、さっき期限を確認したがそろそろガタが来てもおかしくないらしかった。
 プレゼントをもらった。それは、言葉だった。振り返ると、みんなが言うよりも便利ではなかった。私には扱い方と知識が不足しており、みんなに「私」を正しく伝えられなかった。「私」を正確に捉えられないみんなは困っているらしかった。この贈り物は私には分不相応だったらしい。
 プレゼントをもらった。それは、正義だった。振り返るとみんなが言うような輝かしいものではなかった。私にはそれはとても透明で一見すると空気のようだが攻撃力は抜群にある不可思議のものに見えた。私のそばをそれに乗って何かを探すように素通りするみんなはとても輝いていた。この贈り物は自分を篩にかけたらしい。
 プレゼントをもらった。それは、友人だった。これは一回でわなく、度々もらえるものだった。振り返ると、みんなが言うように優しく、長づきするものは稀でそれに近づけるのは大変な努力がいるらしかった。私は、努力が苦手なので、プレゼントは貰うたびに逃げてしまった。この贈り物は人を選ぶらしい。
 プレゼントをもらった。それは、先生だった。これは世界に溢れているもので選択式だった。選択式である事を知ったのは最近だが、私には、石炭のプレゼントのように思えた。初めてそれに「良い子」と言われた私はそれになる為に努力をしたが役割をただ言われたらしかった。そして、初めて叱責はとても理解できるものではなかった。しかし、振り返って見るとみんなが言うように役に立つものらしかった。この贈り物は尊敬するべきものだが、とても皮肉的なものらしい。
 プレゼントをもらった。それは趣味だった。振り返ってみるとみんなの言うように素晴らしいものだった。私はこれに人生を捧げたいと思った。しかし、この贈り物は生き急ぐ世間に良く見られていないらしい。
 プレゼントをもらったら、感謝を示すのがルールらしい。私は色々はプレゼントをもらったが未だに感謝をしたいとは思えない。プレゼントは人間性を示すらしい。とりあげられるなら、仰せのままに。

12/24/2024, 11:20:16 AM

プレゼント

《プレゼント》
 うちの子がそう書いて寄越した。かれは声が出せない。
「そうだね、何かほしいものはあるかな?」
《よいこです》
「うん、きみはとってもいい子だよ」
《サンタさんがきます》そう書いてこちらを指差す。
「えーと、まずはありがとう。でもサンタさんは子どもの為にいるから、僕は何も要らないかなぁ」
 しゅん、とかれは下を向いてしまった。頭からすっぽりとシーツを被っているので、顔の角度で気持ちを推測するしかない。何かくれるつもりだったのだろうか。これはまずい。
「サンタさんじゃなくても、誰でもいつでもプレゼントはしていいんだよ」
 かれは笑顔のマークを書いて寄越した。楽しみにしていよう。

 エッグノッグを作ろう、そのためにはミルクと卵を買わないと。そういう名目で街まで連れ出した。
 村外れの家を出て、目指すは食料品店の手前にある玩具屋である。
 さりげなく立ち止まると、かれは巨大なクマのぬいぐるみが鎮座するショーウィンドウに張り付いてしまった。多分、こんなにたくさんのおもちゃを見たのは初めてだろう。横にしゃがんで、目線の高さを共有する。かれがこちらを向いた。
「仲良くなりたいおもちゃはいるかな」
 かれはおずおずと、目線の先にある、自分の胴体くらいのクマを指差した。

 店主は見事な髭をたくわえた白髪の老人である。
「包みましょうか、それとも抱っこして帰るかい?」
 話しかけられたかれは小さく飛び上がって、自分の後ろに隠れてしまった。
「…見えるんですか」
「人生で二度目ですが、はっきり見えますよ。お差し支えなければ…お子さんですか?」
「いいえ。でも、うちの子です」
 ちょっとだけ、お店のおじさんとお話ししてもいいかな。うん、お店の中、見えるところにいてね。

 店主が初めて見た幽霊は、姪の子どもだったという。贈るはずだったプレゼントを棺に入れてやりたい、と目を泣き腫らして来た彼女の後ろで、その子は目を輝かせてお人形を見つめていた。
 「まだ遠くには行っていないらしい」ということが、いいことなのかどうか今でもわからない。自分の頭がおかしくなったのかとも思い、見たことを伝えられずにいるという。
「お辛かったでしょう。…僕のほうは実際、あの子の縁者ではないんです。丘の向こうの…あのスレート葺きの家をご存じでしょう? 今でも身元が分からないのがあの子です。あの丘で寝転んでたら出会いました」
「あの子が…こう言ってはなんですが、今はとても幸せそうだ」
「そうあってほしいです。あ、やっぱり包んでいただけますか? 包みを破くのは楽しいですからね」
 深緑の包み紙に赤いリボン。季節にふさわしいものが出来上がった。
 帰ろうと振り返ると、かれはこう書いて寄越した。
《おじさんは サンタさんですか》
 確かに、そう見える。
「ああ、よい子はいつでも大歓迎だよ」
 店主は微笑んでこう付け加えた。
「あの子もこんな風に過ごしているかもしれない。そう思うようにしてみますよ」

 僕たちの家の先、丘の向こうのスレート葺きの一軒家は、子どもばかりを狙った連続殺人の現場である。被害者の一人は頭部がない状態で発見され、その頭部は何年も経って、丘の上から見つかった。丘の反対側に引っ越してきた男性が、子どもの頃、一夏だけ過ごした時に埋めた宝物の缶を掘り出そうとして見つけた、と報道されている。この「男性」が僕で、かれと知り合ったのはその丘の上である。
 かれは頭に紙袋を被って、カボチャのランタンを抱えていた。僕がいると現れるが、必ず丘の向こうに帰って行く。送って行っても家族らしき人はいない。
 出会って数回目、警察に相談しようと思ったころに、「それ」を見つけた。
 紙袋以外の服装は、記録に残っていたものと同じだった。子どもたちを閉じ込めていた家の出窓には、カボチャのランタンがあったという。

 ハロウィンの夕暮れに、かれはシーツを被ってやって来た。
《おかし か いたずら》
「今クッキーを焼いてるから、少し待ってくれたらあげられるよ」
 この子は本当に此処にいるんだろうか。何か幻覚でも見てるんだろうか。
《おかし いらないから このおうちがいい》
 どうでもよくなった。あの寂しい場所に居させたくない。
「分かった。じゃあ、きみはこのうちの子だよ」
 それで、かれはうちの子になった。ちなみに、素顔は《まだ ひみつ》とのことである。

 新しいむくむくした友達が来た翌朝。枕元にプレゼントが置いてあった。
 大きな松ぼっくりが一つと、つやつやの団栗が三つ。お礼を言って、虫が出ないよう塩水できっちり下処理をした。
 今、松ぼっくりと団栗二つは書物机に飾ってあり、残り一つはコマになってテーブルの上で回っている。
《サンタさんには またあえますか》
「うん、今度会いに行こう」
 きみが此処に居られるあいだ、せめて素敵なプレゼントに囲まれていられるように。

12/24/2024, 10:34:15 AM

31プレゼント

最近意識することが無くなった

貰い物を貰うという意識がなく

ただ嬉しいと思うだけそこに

自身の感情はなかった

12/24/2024, 10:33:46 AM

「そろそろ起きてください。間に合わなくなりますよ」
トナカイのダーシャがサンタクロースの肩を揺する。
「もう少し寝かせておくれ」と布団を顔にかけるサンタクロース。
「全くうちのサンタクロースはなんでこんなにネボスケなんだ」と呆れたように別のトナカイ、ドミーが言う。
「荷物の準備はできてるかい?」ダーシャはドミーに尋ねる。
「もちろん、キューピたちがしっかりやってくれているよ」

 ダーシャはもう一度サンタクロースを起こしにかかる。
「今日はクリスマスですよ。みんながあなたを待っているんですよ」
 サンタクロースはしぶしぶ布団から起き出し、ノロノロと準備を始める。赤いズボンに脚を入れながら、「おや、ちょっと太ったかな。ズボンがきつくなってるぞ」なんてぼやきながら。

「サンタさん、もう行きますよ」
家の外でトナカイたちはそわそわしている。サンタクロースは上着を着て玄関から外にでる。外はすっかり雪の積もり、冷たい風がサンタクロースの顔にあたる。もう日付が変わる時間になっている。
「おお、寒い。早くプレゼントを配り終えて温かい布団でもうひと眠りしたいものだ」

 トナカイの引くソリに乗り街へ着く頃には、空がうっすらと白み始めている。
「困ったなぁ、一軒ずつ回っていたらみんな起き出してしまうぞ…」とサンタクロース。
「だから、早く起きてくださいって言ったんですよ」ダーシャは呆れたように言う。
「そうだ!みんなにプレゼントを取りに来てもらおう!」サンタクロースは名案だと言うように声をあげる。

 街で一番大きなクリスマスツリーの飾ってある広場へ向かう。そして、そりに積んできたプレゼントひとつひとつに名前を書いていく。それをクリスマスツリーの下に並べていく。
 朝日が顔を出す頃、ようやく全てのプレゼントを並び終える事ができた。

 クリスマスの朝、目が覚めた子どもたち、待ち望んでいたプレゼントは届いていない。落胆の気持ち、不思議な気持ち、悲しい気持ち。みんな元気のない様子でいると街の広場から楽しそうな音楽が聴こえてくる。トナカイたちがベルでクリスマスの音楽を奏でる。誘われるように広場に子どもたちが集まる。

 人が来るのがわかるとトナカイとサンタクロースは広場の奥にある木立の影に身を潜めた。
 子どもたちがプレゼントに気がつく。
 「僕の名前が書いてある!」「私のはこれだわ!」
 次々にプレゼントを開ける。子どもたちの歓喜の声が広場に響き渡る。友達とプレゼントを見せ合う子どもたち。プレゼントを抱きしめる子どもたち。すぐに遊び始める子どもたち。どの子の顔もキラキラと輝いている。しばらくして子どもたちは広場を後にする。

 全てのプレゼントが行き渡った事を確認して、サンタクロースとトナカイも家路に着く。サンタクロースは独り言のように呟く。
「子どもたちはみんな、あんなに喜んでくれていたんだね。いつも運んで終わりだったから、全然知らなかったよ。来年からも頑張らないとな」


————————
お題:プレゼント

12/24/2024, 10:16:35 AM

「プレゼント」

やあ!!「人間」のみんなー!!!
ボクだよー!マッドサイエンティストだよー!!

メリークリスマスイブ!!!

ボクからほんの気持ちだが、プレゼントをしようと思うんだ!

……ところで、キミ達には何を渡せば喜ぶんだい?
100点満点のテスト?美しい恋人?高価なもの?美味しい桜餅?
それとも……?

いやあ、キミ達が喜んでいるところを想像するだけでボクは幸せだよ!

宇宙を管理する側としては、個々の宇宙を幸せに長生きさせること以上に良いことはないのさ!

ところで……。

こちらを「見る」側のキミ達はどうなんだい?
このストーリーの結末を、どんな気持ちで迎えるのだろうか。

……ボク達の幸せを望み、祈ってくれているのかい?
それとも、全く逆をお望みかい?

まあいい。

……とにかく!今日はめでたい日だ!

ボクは、キミ達の幸せも祈っているからね!
そう、明日はクリスマスだ!
暖かくして、楽しく過ごしたまえよ!

それじゃあ、また会おうね!

12/24/2024, 9:58:44 AM

『プレゼント』

何軒か先に、おっとりとしたWさんというおばあちゃんが住んでいる。
いつも顔を合わせると、にこやかに微笑んでくれるやさしげな人だ。

一人暮らしのようなので、折にふれて声をかけるようにしているのだが、今日はいつにもましてにこやかだった。

「孫がね、そろそろ帰ってくるんじゃないかと思って」

聞けば、年末なのでお孫さんの帰省を楽しみにしているらしい。
ぶっきらぼうだけど優しい子なの、と微笑んでいる。

「クリスマスに間に合えば、プレゼントを渡せるのだけどねぇ」

なにか用意したんですか?と聞くと、一旦家の中へ入って「他の人には内緒よ?」と言いながら小さな小瓶を見せてくれた。

目を凝らしてよく見ると、瓶の中に銀色の小さな小さな羽の生えた人のようなものがいっぱい詰め込まれて、モゾモゾ動いている。
え、と顔を上げた時には小瓶は仕舞われていて、「うちの庭にいっぱいいるのよ」と笑っていた。

曰く、ソレを撒くと草花が美しく育つらしい。野菜の苗なら、実ったものは栄養価が上がり、薬草なら薬効が高くなるのだとか。
ちょっと面倒だが、名前をつければ言うことを聞くようにもなるらしい。

言葉が見つからない私に、Wさんは「やっぱり若い人は喜ばないかしら」としょんぼりしてしまった。

いえ、そういうことではなく。
それは……

「小さい頃は、あの子がよく捕まえてきてくれたのよ。飼い方も教えてくれてね。やっぱり大人になったらもう要らないかしら」

どうだろう。
もしかしたら、お孫さんはもっと大物を捕まえているかもしれないな、と思った。

12/24/2024, 9:54:29 AM

プレゼントの箱の赤い紐を紐解くと、その中には恋人が入っていた。
「メリー・クリスマス! プレゼントは私自身だよ」
と、ろくに着ないサンタコスのふしだらな姿でデコレーションされた、未成年の女子が笑顔を見せていた。
今夜はクリスマスイブ。男を喜ばせるために準備万端だ。
しかし、不運なことに、プレゼントの蓋を開けた男性は複数人いた。複数人が居合わせた。

「……いやちょっと待てよ」
男の一人が異を唱えた。
「俺の恋人をこんなにしたのはどこのどいつだ。ええおい」と。
恋人ヅラをしているが、これでもこの女子の恋人である。正直頭のレベルは低い方である。工業高校卒業後、将来の夢は行方をくらませた。
金髪にピアス。今年の夏に目一杯焦がした肌が、周囲を睨みつける。部屋の中でも黒いサングラスを掛けている。
たぶん女の子の遊び方も一人では無理だ。
きっと浮気している。そうに違いない。

「一人でやったんだろ」
そう心のなかで分析をしている男の一人が言葉を返した。
「ったく、姉はバカだからさ。ネットの浅い知識で、自分自身を……ってとこだろ」
「いいや! それは違う」
ガングロの恋人は言った。弟はこれを露骨に睨んでみせた。姉の年齢より5歳ほど年下だが、思いは強い。シスコンだからである。
「だったら誰がこれの蓋を閉めたんだ」
「それは姉だろ」
「話は最後まで聞けよ。……誰が赤い紐を結んだんだって言ってるんだよ。一人でこんなかに入るなら、別の誰かが蓋をして、紐を結ばなきゃ無理だ」
「そうですね」
もう一人が相槌を打った。
「そうじゃなければ、紐を解く必要はありませんから」
この男は姉の幼馴染である。
腐れ縁だと姉は言っていた。もうずっと脈なしだと分かっているはずだが、認められないでいる。
髪は当然のように黒い。
鉛筆、シャーペン、ボールペン。受験の色がこびりつく。
自分は高学歴であるのに、こんな、こんな……低学歴に靡くなんて、と思っているに違いない。
青いメガネを掛けており、真面目な大学生活を送っているらしい。酒は避けるように遠慮している気がした。

「こんなかに犯人がいるはずだ! 誰だ、誰がやった!?」
「俺じゃないよ」
「私もだ、誰がやった? 誰の差し金だ。小学生以来の幼馴染のこんな姿、もう見たくない!」
「おいしれっと付き合い年数でマウント取ってんじゃねー! たまたま隣同士だっただけだろーが」
「うるさい、幼稚園の頃のファーストキスは私だけのものだ」

(あ、あれ……?)

サンタ姿の女の子は、雑言飛び交う部屋の隅で一人取り残されていた。

実はこのアイデアの発案者は、本人ではない。
女の子が夜間、居酒屋バイトをしている人が立案した。彼女はプレゼントの中身が決められず、どうしようかと思って、コソッと相談していたのである。

ちなみにそのバイト仲間は男性だった。
だからこんなカオスとなっている。彼女とバイト仲間が咄嗟に考えた代物だ。
彼女は秘密を背負っていた。ここに恋人警察がいたら現行犯逮捕である。
それはバレてはならないと心得ている。
何としてでも自白だけはしたくない。でもどう逃げようか、考えあぐねている。

12/24/2024, 9:48:39 AM

サンタさんを信じていたのは小5までです。
小5の時のプレゼントはニンテンドースイッチでした。
 いざ開封!となったのですが、なんとコジマの保証書が貼ってあったのです。
 あ、パパだったんだと気づき萎えました。

12/24/2024, 9:42:43 AM

【プレゼント】
今日という特別な日に
あなたを一目見れただけでも
学校に来てよかったと思えた
私にとって
あなたが最高のプレゼントなんだよ

12/24/2024, 9:40:57 AM

今日はクリスマス。
サンタが家にやってくる。

でももう私たちは大人だからサンタさんはやってこない。
だから…

「ただいま〜」

夫がガチャリとドアを開けて帰ってきた。
その瞬間に走って出迎える。

「…っ、え!?」

夫が驚いたように声を上げた。
それもそのハズだ。

いま、私はセクシーなサンタのコスプレをしているのだから。

「今日はクリスマスイヴ!と、言う事でプレゼントは私でーす!」

そう言ってクルリと一周回って見せた。

夫は最初こそ目をぱちくりさせていた事だんだん目が据わってきた。

「…じゃあ、サンタさん。明日のクリスマス本番まで付き合ってね?」

「…え?」

その晩は自分の浅はかな誘惑に後悔することになるのだった。

ーーーーーー

プレゼント

12/24/2024, 9:40:33 AM

クリスマスプレゼントに

欲しいもの



随分減った。










一緒に住んでるし
結婚したし

アクセサリーも
洋服も
靴もカバンも
最低限で良い

ミニマリストチックな
わたしは

あまり
モノが
欲しくない。





なので

今年は

お菓子のプレゼント交換

をすることにした。





自分のため
じゃなくて
相手のために
選ぶのは

ドキドキ
ワクワクする。


#プレゼント

12/24/2024, 9:38:53 AM

イルミネーションが点る
賑やかな街並みを見下ろし
プレゼント満載のそりが
リゲル目掛けて駆けていく
クリスマスの夜半

12/24/2024, 9:36:58 AM

クリスマスイブ。
 とはいってもまあ普通の平日なので、社会人は仕事をしていました。
 自分へのプレゼントでも、買って帰ろうかな。

「プレゼント」

12/24/2024, 9:32:51 AM

【プレゼント】

イベント日には
喜んだ顔を見たいから
前もって色々と考えて
あげたい物を用意して
喜んで欲しいから手料理も頑張る

…そのはずが
計画通りにはなかなかいかない

隔離生活を余儀なくされた感染症…

身体が辛い…

温かい空間で
一緒にお祝いしたかったね

寂しい日にしてしまいごめんね

袋は開けたかな?
今、唯一してあげられる事

喜んだ顔が見たかったよ

12/24/2024, 9:29:02 AM

プレゼント
あの人が笑顔で、幸せでいてくれることが私にとってのプレゼントだよ

12/24/2024, 9:28:42 AM

プレゼント欲しいけど
誰からも、貰えない😭
でも今日、義理の姉が付いたお餅とお菓子を沢山送って頂いた。
丁度Christmasなので
プレゼントと思う
毎年、送ってくれる義理の姉に感謝しかありません
いつもありがとうございます🥰

12/24/2024, 9:27:18 AM

プレゼント

「ちょっと待って!!」
と走って友達を追いかけた

今渡さないと間に合わない!
もう年内は会えないからと私は必死だった

なぜこんなに急ぐことになったのかというと…


【1週間前】

友達の誕生日がありプレゼントやカ-ドを贈ろうと
準備をして渡す日を楽しみにしていた

しかし友達が体調不良で来れない日が続き
サプライズをしたかった私は
別の友達に
「どのくらいで来れそうとかわかる?」
と遠回しに聞いてもらっていた
「月曜日来れそうだって!」
と言われ
誕生日は過ぎているが、それでも渡したい
と思いその日まで大切に保管した

しかし月曜日に
「ごめん急に来れなくなったって!」
と報告され
「そっかあ、仕方ないよね」と残念だったが
また次来るまで持ってくれば良いよね!
と思い待つことにした

【水曜日】
「え?!年内に来れないかもしれない?」
「そうなの、来週ずっと用事あるらしくて」

年内に渡せないかもしれないと友達から報告され
誕生日プレゼントを1ヶ月後に渡すのは
さすがに遅すぎると感じ
家が近い友達に渡してもらうことにした

その後最後の授業が終わって
教室から戻ってくると
プレゼントを渡したい友達が来ていました
しかし、その友達は帰る寸前でもう荷物をまとめて
学校から出てしまいました

やばい!急がないと!
と思った私は
「ちょっと待って!」
と言って走って追いかけた

必死に走ってなんとか追いついた

幸いなことに先生と話しながら歩いていたので
間に合った

「遅れたけど誕生日おめでとう!」
と言って渡すと友達は
「え?!ありがとう!!」
とても喜んでくれた
やっと渡せて本当に嬉しかった
1ヶ月ほど体調を崩して
良くないことが続いていた友達に
少しでもいいことが起こるようにと思っていたから

その後に先生から
「りぃなさんからプレゼント渡された時、今日1番の笑顔だったよ!久しぶりにみた!」
と言われ
すごく嬉しかった


大切な友達に、直接渡せてよかった

最後に見た友達の笑顔が
私にとって今年1番の
プレゼントになったかもしれない

12/24/2024, 9:26:05 AM

プレゼント
開ければ思いが詰まってる?
あっそ、でも
残念、開けてしまえば詰まった思いも無くなるの
                        ✡

12/24/2024, 9:17:26 AM

《プレゼント》

保全させていただきます。
 いつも読んでいいねを下さっている皆様にはいつも本当に感謝しております。
 この場をお借りして、御礼を申し上げます。ありがとうございます。

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