『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ブランコ
小さい頃は
靴を遠くに飛ばしたり
柵を越えるように
飛び降りたり
どこまで高くこげるか
立ちこぎで試してみてた
最近は押すことはあっても
乗ることはない
乗ったら壊れるんじゃないか
そんなドキドキがある
ゆらゆら
ゆらゆら
青空の下に
ゆらゆら
子供たちの笑い声
鳥がさえずり
風は、優しく頬を撫で。
気持ち良い春のいちにち。
ぶらんこ
ゆらゆら。
ブランコを漕いでいる時の感覚は忘れられない。
もう漕ぐことはないが、あの感覚は鮮明に覚えている。
頂点に達したときの浮く感覚。
勢いよく前後移動するときの風。
この2つが、ずっと僕の中にある。
無意識に足に勢いをつけて、どんどん景色が高くなっていくときの恐怖。
前に飛ばされるのではないかという恐怖。
これらもずっと、僕の中にある。
あの感覚を、もう一度味わいたい。
公園にあるようなブランコでは、もう僕の体は大きくなっている。
どこかに大きなブランコはないものか。
ないとは言わせない。
覚えていても、いくら鮮明に覚えていても、実際にやるのとでは天と地の差くらいに違うものだ。
もう一度漕ぎたい。
あの感覚を、もう一度。
ブランコ
夜の公園
ふたりで乗ったよね
覚えてる?
あの日あなたはすっかり変わった風貌で
新しいにおいを纏っていた
だけど幸せそうに微笑むその顔
4年前のあの頃と変わらない
気持ちもすっかり消えてしまったの
そんなふうに感じて寂しくなった私が
嘘かのように笑顔になった
あなたのその顔が大好きで
好きで好きで好きで
その顔をいつまで向けてくれるかな?
4年後はそばで見られるようになってたらな
そんなわがままを言っとくよ
ブランコ
あの、腹のみぞおちが抜ける感覚、
いくつになっても忘れられません
あの頃、一日中遊んで結局最後はいつもの公園に。
オレンジ色に染まる景色の中ブランコに乗りながら大声で歌ってたよね。
今も時々その時のオレンジ色、声思い出すんだ。
モヤモヤで息苦しくて外に出て
蹴っ飛ばすよう夜のブランコ
お題:ブランコ
私達が出会ったときのこと覚えてる?
転入してきた幼稚園になかなか馴染めず、一人でブランコをこいでいた私に、声をかけてくれたよね。
私、すごい嬉しかったんだよ。もう涙が出そうなくらい。
あのとき声をかけてくれてありがとう。そしてこれからもよろしくね。
ブランコ…ね。私は先輩と2人ブランコに乗って地上に降りることはない。お互いに一生交わることの出来ない恋なのである。ずっと私だけが一方的に愛を注ぎ続けて、今やもうフラれた想いは行き場を失ってしまった。
自習時間、陸上部が待機する教室で私はペンを走らせた。でも、どうしても先輩の勉強する姿に目が行ってしまう。隣の同じ種目の先輩はタブレットで動画を見ていた。一見釣り合ってないように見えて、2人とも楽しそうだった。青春、楽しんでるんだな。私は先輩から目が離せずにいた。先輩は私の視線に気づいたのか、体を後ろに動かした。
あ、ヤバい、ダメだこれ…
焦っていても魔法をかけられたように私は動けなかった。そして、先輩は笑った。口元に人差し指をあてながら。先輩は私のブランコを直接ではなくとも押している。心を揺さぶっているのだ。私たちはもう交わらない…交われない。
「君さ、好きな人とか作らないの?」
私は戻ってきた幼馴染くんに問いかけた。私は、多分心配だった。
幼馴染くんのアピールに気づいていたのに何もしなかった私。私、好きな人いるんだ…そう女子本人から伝えられた。それから、その子は同じ部活の子を通してちょっかいを出すようになった。
ー取られたくないー
近くにあるものほど失いたくないと思うのは私だけ?ずっとそばにいたのに…複雑な感情が心の中にある。
「俺が?彼女作る気ないんで。その方が楽だし」
嘘つき。私だってわかってて聞いた。でも、幼馴染くんだって思ってもないことを…なんでこんなに私たちって素直になれないのかな?
素直になれない私たちは今日もまたブランコのようにすれ違う。交わっては離れていく、宙に浮いた想いよ…
1番遠くまで靴を飛ばせた人が優勝ね。
人気のあの子が楽しげに言うのを、僕はすこし離れた、1番後ろで聞いている。
先生がここにいたら、そんな危ない遊びはやめなさいっていつもの狐顔で言うんだろうな。
次々と2個ずつ宙を舞う鮮やかな魚、鳥、あれは…蛙みたいだ。
勢いをつけて、えいっ。
あ。
僕の魚は元いた場所に帰りたかったらしい。
隣の子に苦笑いを向けようにも、透明人間の顔の位置は分からないや。
『ブランコ』
ブランコ
ぶらぶら、ぶらぶら
ゆっくりでもいいし、勢いをつけてもいい。
どんどん高くなって。
あの空まで届くかな。
悲しいことも振り切って
きっと気持ちいいはず。
夕暮れ時、日が沈む直前の黄昏。公園にあるブランコから、ギコギコと金属が軋む特有の音が響いてくる。あれは、小学生の時だっただろうか。初恋の女の子と放課後によく一緒に漕いでいた頃を思い出した。
あの頃の純真さはどこへ行ったのか。今のぼくは、片思いだった相手に振られ、上司にはミスを責められ、自分の不甲斐なさから目を逸らしたくなって公園へと赴いた。
土を払ってブランコへと腰掛ける。窮屈だと思えたのは、暗にぼくがもう子供じゃないと拒絶されているようで少し胸が苦しくなった。
何とか乗ってブラブラと手を引いて漕いでみた。ギコ、ギコ、ギコ……。
「ゆうちゃん?」
そこは、出張が続いて生まれ故郷から遠く離れた土地。耳に馴染んだその声は、まるであの頃の情景が鮮明に思い浮かぶ程に懐かしく愛おしい響きだった。
「さっちゃん……!?」
これは、幼馴染との再開の物語。
「はぁ…」
俺は深夜の公園で一人ブランコに座り、うなだれていた。
まさか会社をクビにされるとは。
ため息しか出ない。何も考えたくない。
無心でブランコを漕いでいた。大の大人が。
しかし、不思議なものでブランコを漕いでいると童心に帰れたように感じしばらく夢中になって漕いでいた。
傍から見たら頭のおかしいやつだろう。
そんなことはどうでも良かった。
ブランコに振られるごとに遠心力で負の感情が吹き飛ばされている…ように感じた。
―――大丈夫。
俺はまだ頑張れる。
テーマ:ブランコ
私の心は
ブランコのように
ゆらゆら揺れているの
昔、近所のお宮にはちょっとした遊具が揃っていた。滑り台にブランコ、回転遊具。そのどれもが所々塗装の剥げた年期もの。
お宮のブランコは両端の鎖がとても長くて、台が地面に付きそうなほどで、そのままじゃ乗れないから両端の鎖を輪にして台の所に巻き付けて鎖の長さを調節しながら乗っていた。
ちょっと面倒だったのを覚えている。
でも、丁度いい高さにして乗ると楽しかった。
お宮は鬱蒼とした森の中にあったから、まるで緑の中を飛んでいるような気分になれて、私はその場所が好きだった。
けれどそれは、小さい頃の話。
小学校も高学年になりお宮に行く機会もめっきり減った頃、いつの間にかお宮の遊具は全て撤去されていた。
多分私と同じで、近所の子も大きくなって遊ぶ子が減ったからだと思う。遊具はどれも錆びついていたし、危険との判断もあったのだろう。
今はもう、記憶の中だけのブランコ。
小学校にもブランコはあったけれど、私がブランコと言って思い出すのは、この、緑生い茂るお宮の、古びた茶色いブランコだ。
届いた。
久しぶりにブランコに乗ったら葉に。
今度はもっと沢山触れる気がして、もう一回漕ぎ始めた。
無機質な音が響く
ピッ
ピッ
ピッ
ずっとパソコンばかりで体力が落ちているのか、胸が痛む
休もう、少し
どこからともなく声が聴こえた
声の方へとふと顔を上げる
小学生のときに、目の前で死んだ
友達だった
事故で呆気なく消えた命。
手を伸ばすとまだ届かなかった
あと少し
なにかに取り憑かれたように漕ぐ。
休んで漕ぐ。
漕ぐ、また。
漕ぐ、漕げ、まだ。
手を伸ばすとやっと届いた
私の歓喜に満ちた表情とは対称に
今にも泣き叫びそうな顔をしていた
微かに聴こえた。
まだ
来ちゃ駄目
その必死な雰囲気に怖気づくとつい、手を離してしまった
友達はどこか、淋しそうな
そして安堵したような表情で笑った
その瞬間、一気に鉛が伸し掛かってきた
そのまま下へ落ちてゆく
ハッとし起き上がると知らない天井だった
無機質な音が響く
心電図だ
体に痛みを感じて見ると、包帯だらけの体
違和感を感じて押さえる。
聞こえない片耳
そうだ
事故で
私はどこか遠くへ行きかけたのだ
そう思うと全身に鳥肌が立った
友人に2度も助けられるとは
モノクロの映像に鮮明に色付いていく赤
掌に染み付いた友人の背の温もり
窓の外には大樹に乗って、目を見開いた友人がいた
友人の体は所々黄ばんだ白が出ていて、絵の具のチューブのような色が散りばめられていた
サプライズだろう
なんて優しい友人なんだ
私は手を振った
内蔵が背中から飛び出しそうで、吐き気がし、体が地面にぶつかりそうになる。
その瞬間、フワッと浮いた。
今度は足から体が投げ出されそうになる。
手を離したらどこまでも飛んでいけるかもしれない。
どこまでもどこまでも
あの雲の向こうへ
どこまでもどこまでも
国境を越え、見知らぬ街まで
「おじさーん、ブランコ替わって」
隣には少年が立っていた。
春の陽気のせいか、知らぬ間にブランコで寝ていたようだ。
行くあてもなく、近くのベンチに座った。
少年がブランコを大きくこいでいる。
私はただそれを目を細めて見ていた。
#18 『ブランコ』
『ブランコ』
すごく不思議なんです
私の投稿に
🖤もっと読みたいに
ポチってしてくれるのが
嬉しい気持ちと
なんで私の投稿に?
もっと良い作品はいっぱいあるのに
物好きな人もいるものだなぁ~
なんてひねくれた気持ちと
行ったり来たり
ゆらゆら揺れて
それでも
投稿を始めてから
毎日書くことをやめられない
みんなの投稿を読むのが
習慣になってきた
気持ちはゆらゆら揺れて
書きたいことがまとまらなくて
とっちらかった文章も
これはこれで
私の存在意義を示す言葉なのだと
まだ
胸を張っては言えないけど…
一日の終わりに
こんな時間を過ごせるのが
なんか楽しんだもんと思える
今日この頃
皆様 今後もよろしくお願いします
僕が化け物になればなるほど、1人でも生きていけるようになった。
純真を持ち、無邪気で美しかった、真っ白な頃。僕は1人では何もすることが出来なかった。いつもなにか、黒くて、ドロドロで、醜いものに押されていた。
そんな日々が続けば続くほど、僕も醜くなっていった。
僕が真っ黒になった頃には僕は1人だった。そして純潔の少年が現れた。
嗚呼、次は僕が、この子を汚さなくてはならないのか。
ブランコは嫌いだ。いつもゆらゆら揺れている。
人に漕がれてゆらゆらゆらゆら揺れているブランコは自分を移されているようで、見透かされているようで。どうしようもない劣等感に包まれる。
ブランコは、嫌いだ。
まるで俺のように揺れるから。人に流されて思いのままに動かされるから。
必要なくなってしまえば、飽きてしまえばすぐにどこかへ行かれてしまうから。