『バレンタイン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
紅く染まった街
紅く染まる人々の間を
藍色の気分をした私が
誰も歩かない歩道の真ん中を歩く
乾燥した空気に触れて仄かに染まる頬
鮮やかなリップに彩られた唇の紅
イルミネーションを反射する鳶色の瞳
それは血の通ったナチュラル
コートのポケットに突っ込まれたまま冷えた手
ショーウィンドウに映る薄暗い表情
俯きがちに歩く視線の先でチラチラと揺れる
インディゴブルーなデニムパンツの裾
それは冷えたアンナチュラル
スローモーションな雪に気がついて
顔を上げると見えた空は
突き刺すような深い藍色で
幽霊みたいな私を見下ろしている
ただ息をしているだけでは
ナチュラルにはなれない夜に
紅く染まったショッピングモールを
彷徨う気まずいアンナチュラル
「−バレンタイン−」
「バレンタイン」
初めて好きな人を思い
小さなチョコを買った
好きだなんて
言った事すらない相手なのに
そんな相手に渡せる訳ないよ
相手がどう思うか考えたら
もうそれだけで足が震える
第一今日のその日に
会えるとも限らないのに
私はあなたを好きでいても
あなたから見たら
私はただの子供なんだろうな
そんな相手に渡せる訳ないよ
相手が私なんて相手にしないよ
もうそれだけで惨敗さ
カバンにひっそり忍ばせたチョコは
渡せないままだった
カバンの奥の方で
寂しそうにただ私を見つめている
渡せなかったけど
渡せなかったけど
好きです
届かないけど
届かないけど
好きです
切ない一人きりのバレンタイン
2023年 27
バレンタイン
最悪だ
好きだけじゃだめなん
告ったわけじゃない
OKもらえないのわかってるから
付き合いたい気持ちはないわけじゃない
でも付き合いたいわけでもない
ただ一緒にいたいだけなのにそれだけじゃだめなのかな
あなたの気持ちがわからない
気にかけてくれてるのもわかる
心配してくれてるのもわかる
でもそういう対象じゃないのもわかる
じゃあ何なのかな私って
しんどいだけ
でも嫌いになれない
一緒にいたい
どうしたらいいんだろう
闇から一向に抜け出せない
最悪なバレンタイン…
どこか落ち着かないのはオレもきみも同じ。
揺れる視線が交わって、同時に口をひらく。
近づくきみから、甘い香りが漂っていた。
テーマ“バレンタイン”
女の子「明日バレンタインだから、大好きな人にチョコ渡すんだ」
ウキウキしながら学校に向かった。
けれど、好きな男の子は、その日は休みだった。
どうやら風邪を引いたらしい。
その女の子は、ランドセルにチョコを入れたまま、落ち込んで帰った。
次の日も、その次の日も、好きな男の子は学校を休んでいた。
1週間後、好きな男の子は元気になって、学校に来たけれど、女の子はもう、バレンタインのチョコを渡す機会を無くしていた。
…そもそも、バレンタイン当日休まれた影響で、もう、どうでも良くなり、特に好きでも無い男の子に「俺誰からも貰えなかった」
と泣かれたせいで、仕方なくチョコを渡していた。
渡したあとに、やっぱ返して!と追いかけたけれど、その男の子は返してくれず
泣きながら、女の子は帰った。
そんなに安くなかったチョコ(小学生にしては)好きな子に渡したかったのに…
後悔しか残っていない。
風邪を引いた子が悪い訳でも
チョコを貰えないと泣いた男の子が悪い訳でも無い(返してくれなかったのはムカついたけれど)
ランドセルにチョコ持ってきたと言ってしまった私が結局は悪いのだと、女の子は項垂れる。
その時から、その女の子はバレンタインが嫌いになった。
…実話。
バレンタイン
私は気になる人がいる。
仕事上、そこまで付き合いはないが、
友達が知り合いだ。
ある日、仲のいい友達の誘いでご飯を食べに行くことにした。
友達は彼氏がいなく、1人男性つれてきてくれるらしい。
当日、友達からlineが入った。
行けなくなったと。連れてきてくれる男性と二人でご飯に行くとのこと。あとで聞くと、連絡をとってたらしい。
ありえないと思いながらも、ドキドキしていた。
予約してたお店についたら、彼は待っていた。
事前に好きなものとか話をしていたため、
先に注文をしてくれていた。
食べながら話しているとお互い野球好きで意気投合。
今度見に行こうと誘われた。
それから何度か野球観戦や、他のスポーツ観戦にも行った。
お互い気にしてるんだろうなって感じはあった。
楽しかったし。
数ヶ月のバレンタインの日、仕事終わり一緒に帰っていたら
彼は立ち止まり。「好きなんです。付き合ってもらえませんか」と言った。
私はすぐさま、「お願いします」と返事した。
縁が無かった 暇が無かったから
有っても 特別じゃあ無かったはず
昼とは又違った景色
ネオンの点滅 暗がりの恐怖
ぱしゅ
残像 矢は核に刺さり
恐怖は封じられる
青年と少年が 追いつく
“傍に居るだから傍に居て”
2人の言の葉に揺れる
嗚呼 コレは
チョコレイトより甘美な 贈り物
月は淡く照らす
お題【バレンタイン】
タイトル【欠片拾い】
それは、遠い記憶。
返事を聞けなかった小学生。
からかわれることを気にしてた大学生。
仕方ないな、なんてフォローしていた社会人。
身近すぎてどうしても素直にできなかった幼馴染み。
どれも大切で、少しもどかしい思い出だけれど。
からからと楽しげな笑い声と、頭を撫でてくれた大きな手。
絶望を絶望と知らずに必死で縋り付いていた私を見つけてくれた、あの人。
やっぱり、その人に渡したかったなぁ。
ーーーなんて思いながら、ビターチョコを頬張った。
バレンタイン
今日はバレンタイン。
と言っても終わりかけ。
俺はこの行事をわすれかけている。
誰もくれないし自分もあげない。
バレンタインはいつも、
女子が男子にチョコを渡したり、
男子が女子にチョコを渡したり、
友達にあげたり貰ったり、
色んなものをあげ合う日。
俺はいつもぼっちで真っ先に家に帰る。
あれは恋愛を夢みている男女がする行事だ。
俺は絶対にしたくない。
結婚願望もないし、彼女なんて欲しくない。
自分の人生の邪魔になるだけだ。
なんでみんな欲しがるのかが分からない。
彼女なんて居なくたって生きていけるさ。
あ、だから俺には彼女が出来ないのか。
38テーマ【バレンタイン】
―青雲の独白―
2月14日はバレンタインデーと呼ばれ、愛を祝う日なんだと知った。私は大型ショッピングモールで一袋289円、二袋だと500円になる大袋のチョコレート菓子を6つ買かごに入れた。日付は2月13日19時57分、こんなぎりぎりになってしまったが、仕方がない。何をあげれば気を遣わせずに済むのか悩んでいたら前日になっていた。
結局は、ありきたりなものをレジに持っていく。買った商品をエコバッグにいれ、車に戻ろうと足を踏み出すが、ふと特設コーナに目が止まった。ほとんど売り切れてガラガラの商品棚の中、ぽつんと一つだけ赤い包装紙に包まれた小さな箱が残っていた。私はその箱を手に取り、中身が何なのかも確認せずに特設レジに持っていった。
“1350円”
高いのか、安いのかも分からないそのチョコレートはなぜかしっくりと私の手に収まっていた。私は携帯電話を取り出すと素早くメッセージを打ち込み、送信した。
『やっほー蒼原。実はさ、バレンタインデーなんていうチョコレート会社の策略に乗ってみたんだけど、明日…』
📨 ⌒
ーーーーーーーーーー
_____ へ
ずっと貴方を見ていた
愛してる
______より
ーーーーーーーーーーー
🎁 ⌒
『 バームクーヘン : 千日紅 ヲ 添えて __ ⚘ * 』
「ねむい…ねえカイト。寝かせて。チョコ渡すのはまた明日」
なあなあ、とチョコをねだる隣の席の男にいい聞かせる。むぅ、と頬を膨らませたカイトはやだやだと今度は駄々をこね始めた。
「いや!だって明日のチョコはバレンタインチョコじゃないじゃん!」
カイトがいうことは少しわかるが、ただまあ、私の眠気にも付き合ってもらいたいものだ。
「いい?女の子があげる約束をするってことはそうそうないんだからね?とくにバレンタインなんかは特別だよ」
わかった?私はカイトにもい一度言い聞かせる。カイトはしぶしぶというように引き下がってくれたが、このようすだとわかっていない。はあ、私はため息をついて眠りについた。
お題 バレンタイン
今日はバレンタイン。街中でチョコレートの広告で溢れかえっている。しかし、俺はきっと今年もチョコをもらえない。俺は今まで母親以外からチョコをもらった事がないのだ。いい加減、今年も結果は同じなのは分かりきっていた。それでも俺は学校に着くなり下駄箱を漁り、ロッカーを漁り、引き出しを漁り、帰りにも下駄箱を確認した。予想通り、チョコレートなんてなかった。俺は肩を落として下校路を辿った。俺は慰め用のチョコでも買おうかとスーパーに足を運び、安い袋詰めの物を一袋買って店を出た。その道の途中で父さんのいる会社が見えた。ここから家に帰るまでは会社の道を通るのが最短ということを知っていた俺は、会社を眺めながら通り過ぎようとした。すると、俺の視界には、若い女性と父さんが一緒にいる光景が飛びこんで来た。俺は最近不倫だなんだとよく聞くので、妙な勘繰りをしてしまい。そのまま後をついて行くことにした。
2人は裏路地に入った。俺は気づかれないようにそっと後をつけた。2人は周りを気にしながら、濃厚な接吻をして。抱きしめてを、甘い言葉を囁きながら繰り返した。あまりの光景に俺は、見ているのが辛くなった。何より、毎年チョコレートを俺と父さんに作って待っている母さんが気の毒でならなかった。そして最後に女は
「ハッピーバレンタイン。」
と言って、父さんにピンク色の紙袋を渡して、こっちに向かって来た。俺は足早にその場を立ち去り、家に戻った。リビングに行くと、母さんがチョコレートをくれた。何か飲もうと冷蔵庫を開けると、そこには毎年あるチョコレートの箱が見当たらなかった。母さんに話を聞くと一言
「義理チョコはあげない主義なの。」
と調査結果報告書と書かれた紙を見つめながら呟いた。俺はそれ以上何も聞けなかった。
そんなショッキングな出来事から一年たち再びバレンタインがやって来た。相変わらず俺は母さん以外からのチョコは貰えていない。しかし、今噛み締めた、その一つのチョコが苦い記憶を甘く塗り替えてくれている。そんな気がした。
君から貰ったチョコレート
君に あげたチョコレート
人から人へ幸せを。
はっぴーばれんたいんでー
向春の候
世間では悲喜交々ある人もいるらしい
わたしの周りではそんな話
聞いたことが無いけれど
はっぴーばれんたいんでー
チョコ会社の陰謀とやらに
進んで踊らされる人
踊らない人
勝ち負けの基準は人それぞれ
はっぴーばれんたいんでー
特別仕様に可愛らしいチョコたち
飢えたハイエナの目で眺める
また後日、
値引きのシールが貼られた頃に
うぃる ゆー びー まい ばれんたいん?
真っ赤なハートで埋め尽くされた売り場は
どうにもむず痒くて飛び込みづらい
そんなこと気にしなければ
ここに書けることもあったのかも
はっぴーばれんたいんでー
心躍る人も 躍らない人も
躍れない人も 食いしん坊さんも
はっぴーばれんたいんでー
『バレンタイン』
#バレンタイン
チョコを届けたい君には受け取って貰えないけど(推しなので)気持ちは届いたかな…(他の人から貰ってないこと願って…)
って届くわけない(笑)
届いたらエスパーか!!ってなるよね(笑)
ホワイトデーはお手紙送ります♡
バレンタイン
うちの学校、チョコ持ち込み禁止で
見つかったら没収
だから、バレンタインなんて
縁もございまん
とうとうチョコを渡す時間。
最後に配る君の家
味の保証は一切無し
「バターが溶けてないかも!」
何て綺麗な嘘をつく。
私の脳内は貴方でいっぱい
溶けちゃいそう。
#バレンタイン
※いつか書いた使いまわしです。そして恐らく普段の麦粉の雰囲気とは全く異なります。ご承知下さいませm(_ _)m
バレンタインデー。
それは歴とした日本の文化のひとつであり、女性が想いを寄せる男性にチョコレートを贈る日として知られている。
近年は、この想いを寄せる、と言うものが拡大解釈されていき、普段の感謝を伝える云々と言う名目のもと、女性のみならず男性でさえも同性、異性関わらず義理チョコを贈り合うただのチョコ交換イベントとなり下がっているのだが、まあそれはさておき──
「どうして、あげるのはチョコじゃないといけないの?」
今、私の目の前にいる五歳の少年の問いに、私は何て答えたものかと思案する。
……というか、思案の果てに答えが思い付かなかったから冒頭に現実逃避を兼ねてバレンタインデーとは何ぞや、という説明を長ったらしくしていた訳だが。
「……チョコは……チョコは、そう! 甘くて美味しいよね? 貰ったら嬉しいじゃん。だから、みんなチョコをあげるんだよ」
「でも、お煎餅貰っても嬉しいよ? 何でお煎餅じゃ駄目なの?」
…………煎餅、ときたか。
いやね、我ながら苦しい説明だとは思ったよ? しょっぱい系でも良いじゃん的な反論されたらどうしようって思ったよ?
しかし、よりにもよって、煎餅。
バレンタインという甘い響きにこうもそぐわないお菓子があるのものなのか。初めて知ったよ。
何もそんなものをピンポイントで挙げなくてもさぁ。
──よってらっしゃいみてらっしゃい! バレンタインの贈り物にピッタリ、チョコ煎餅だよ! バリッとした固い食感に、あまじょっぱい醤油の芳醇な香り、仕上げにほろ苦いチョコの後味が…………やっぱりないな。
お願いだから、せめてポテチにして欲しい。あれならまだチョコに合わせられる。
「ねーねーなんでー?」
「……ね……ねー! なんで……なんでだろうねぇ!?」
勿論そんな下らない妄想でこの好奇心旺盛な五歳児の「なんでなんで」を止められる筈もなく。
やはり私は途方に暮れるのであった。
……いや、別に正直に話しても良い筈なのだ。私とて、この歳になってその由来を知らない訳でもない。
──ただ。今一度、童心に帰って考えて欲しい。
かつて私がまだこの少年のように純粋な心を持っていた頃。
私も同じ疑問を抱いたことがあった。
それは私に限らず、多くの人が、やはりバレンタインデーになんでチョコを贈るのか、その理由を知りたいと思ったことがあるのではなかろうか。
そしてそれは、きっと冬の多くのイベントに年の順に慣れ親しんでいた頃だった筈だ。
クリスマスは偉大なる父の子、イエスの誕生祭として。
お正月は過ぎ行く年を慈しみ、新年を迎え入れる歓迎として。
節分は旧暦の正月、新春を祝い、その年の邪気を払うものとして。
いずれも馬鹿騒ぎに落ち着くのが日本人の性ではあるが、しかしそれらには歴史があった。
だから、きっとバレンタインデーにも、そういうロマンスがあるのだと。そう信じて疑わなかった我々は、今日に至るまでのその日の歴史に胸を踊らせながら、両親や先生に尋ねた。
──バレンタインデーになんでチョコを贈るのか、と。
そんな我々に、大人たちがどんなに無慈悲かつ大人げない回答をもたらしたのか。それはもう皆の知るところだろう。
ある人はインテリぶった顔をして、またある人は苦笑いを浮かべて。
純粋な私たちに、揃いも揃ってこう答えた。
──それはね、チョコ屋の、チョコ屋による、チョコ屋のための販売戦略なのだよ、と。
それは私の純情を初めて汚された瞬間だった。
当時の私にとって、その純粋な夢を壊されることは、相当にショックな出来事であった。あの時の喪失感を、私は今でも覚えている。
──そんな我々は、まるで自分たちがやられたことをそのまま返すように、悪そうな顔をしてこの少年の夢を奪うことが果たして出来るのか?
否。断じて否である。
少年よ! 安心するのだ! 私が、そのロマンスに見合う話を作っ──
「あのねー? ママがね、ばれんたいんは、お菓子やさんがね、お金が欲しいからね、チョコを贈るといいよって、いったんだってー。ねぇねぇ、チョコを贈るんだよって言うと、お菓子やさんが、お金、もらえるの? なんでー?」
…………………………。
…………この時、この無邪気な少年の落とした爆弾の如き破壊力を持った『なんで』が、私にいかに衝撃と、絶望をもたらしたのか、それは想像に硬くないのではないか?
正しく。正しく私は唖然とした。リアクションなど出来ようものか。
既に、私にはクリティカルヒットを超えて改心の一撃が入っていたというのに、それなのに。
「はい! これ、あげる!!」
「…………え? チョコ? ……あ、ありがとう? でも、なんで」
「んー。ママがね! おねぇさんは、どうせあげる相手もいないだろうから、かわいそう? だからあげてって! おねぇさん、かわいそうなの? これ、食べて元気だして?」
じゃあね! そう言って元気な五才児は、駆け出していってしまった。
「……………………」
…………ああ、うん。貰ったチョコは、酷く甘くて……いや、甘かった。
断じて、そう、断じて。少し、しょっぱくなど無かったのだ。
《完(敗)》
【バレンタインデー】
P.S
チョコ煎餅あるそうです。 Σ(Д゚;/)/
筆者の無知故あのような書かれ方をしたチョコ煎餅氏ですが、当人には一切関係がありませんので、何卒、ご容赦ください。決して、断じて! チョコ煎餅を貶す意図はこざいません。
私の恋って認められないんだよね
人形が好きなんだ
周りからは
『 そろそろ目を覚ましない』『 え、人形に恋してんの?www』
とか言われる日々。
こんな言われて反論したくなるってことは、私薄々気づいているんだ
この恋を。
でも、わかっていると認めたくなくて、言い返しちゃうんだ
ところでバレンタインって好きな人に感謝の気持ちやこれからもずっと一緒にいてねという願いをこめて
チョコを渡すんだよね。
私はどうやって渡したらいいかな