「ねむい…ねえカイト。寝かせて。チョコ渡すのはまた明日」
なあなあ、とチョコをねだる隣の席の男にいい聞かせる。むぅ、と頬を膨らませたカイトはやだやだと今度は駄々をこね始めた。
「いや!だって明日のチョコはバレンタインチョコじゃないじゃん!」
カイトがいうことは少しわかるが、ただまあ、私の眠気にも付き合ってもらいたいものだ。
「いい?女の子があげる約束をするってことはそうそうないんだからね?とくにバレンタインなんかは特別だよ」
わかった?私はカイトにもい一度言い聞かせる。カイトはしぶしぶというように引き下がってくれたが、このようすだとわかっていない。はあ、私はため息をついて眠りについた。
2/14/2023, 2:35:26 PM