NoName

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それは、遠い記憶。

返事を聞けなかった小学生。
からかわれることを気にしてた大学生。
仕方ないな、なんてフォローしていた社会人。
身近すぎてどうしても素直にできなかった幼馴染み。

どれも大切で、少しもどかしい思い出だけれど。

からからと楽しげな笑い声と、頭を撫でてくれた大きな手。
絶望を絶望と知らずに必死で縋り付いていた私を見つけてくれた、あの人。

やっぱり、その人に渡したかったなぁ。

ーーーなんて思いながら、ビターチョコを頬張った。


バレンタイン

2/14/2023, 2:41:54 PM