セーター』の作文集

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セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/24/2024, 11:54:42 AM

【セーター】
あの子のために
セーターを編む
あの子の顔を思い浮かべながら
セーターを編む
あの子が着るだろう
セーターを編む
寒い冬が来る前に
セーターを編む
一本の糸から
セーターを編む

おばあちゃんが
セーターを編んだ
毎年毎年、セーターを編んでは送ってくる
“余計なお世話だ”
“いらない”
なんて思ってしまうのは
悪いことなのだろうか

家には可愛い服が沢山あるから
おばあちゃんのセーターは
袋に入れてクローゼットの奥に閉まってしまう
“おばあちゃん、着てあげられなくてごめんなさい”

ある日、スマホが鳴る
母からのメールにはひと言
〔おばあちゃんが亡くなった〕
とだけ

私の中に後悔が込み上げる
“もっと連絡を取れば良かった…
 もっと話せば良かった…
  もっと…!        ”
次々と後悔の言葉が溢れてくる

そんな私も結婚して娘ができた
おばあちゃんのセーターは
今は娘が着ている

私もこれを機に編み物を始めた
やってみるとこれが中々難しい
編めたと思ったら解けて糸に戻ってしまう
そして、一本一本編むごとに
おばあちゃんの凄さを感じる
おばあちゃんは編み物でなんでも作っていたのに
私は真っ直ぐ編むのが精一杯
少し不恰好になりながら
なんとか編み切る
少しは返せているのかな

11/24/2024, 11:52:52 AM

毛糸と棒針を用意して、レッツ編み編み!
目指すはセーター!
……と意気込んだはいいものの、なんか上手くいかない。
おかしいな……お姉ちゃんはチョチョイのちょいって編んでたのに。
何がいけないのかな? お姉ちゃんから貰ったお手本のセーターはあるのに……
棒針に問題があるのかなあ? それとも毛糸?
でもどっちもお姉ちゃんから借りたやつだし……
そういえば、初心者さん必見〜棒針編みのいろは~っていう作り方の本もくれたっけ。
……まあでも読まなくてもなんとかなるなる!
だってお姉ちゃんの妹だもん。お姉ちゃんに出来て私に出来ないことなんてない!
さあ、やってやるぞー! それで出来たセーターをお姉ちゃんにプレゼントするんだ!

11/24/2024, 11:52:14 AM

12月24日
クリスマスの日

夜彼氏とプレゼント交換をした。
私は、前2人で出かけた時君の大好きなブランドのお店にあったマフラーをプレゼントした。君が思っていた以上に値段が高かくて断念してたからね。笑
君は、私に「セーター」をくれたよね。
でも、明らかにいつもと違う様子だった。
モジモジしてた。
はいっ!って渡されてびっくりしたけどそれ以上にびっくりしたのは君の言葉だったよ。
「僕の手作りなんだ」
心が高鳴って高鳴って仕方なかった。
不器用な君を知っているから余計心臓の鼓動が早いのを感じた。
箱を開けると、私の大好きな緑色のセーターだった。
君は、頬や耳、鼻を赤くしてすごく心配そうな顔してた。
でも、私の「嬉しい」を聞いた瞬間、君はすっごく笑顔になったね。
私も、本当に心から嬉しかったよ。

普通のその辺で売っているセーターとは全く違う。
セーターを抱いた瞬間、君の温もりを感じた。

すっごく、暖かかった。

11/24/2024, 11:50:41 AM

着膨れが似合うと悪気なく言われたことがある。
シルエットの大きくなる冬が似合うと解釈している。
#セーター

11/24/2024, 11:46:43 AM

セーターたくさんもってるけど、、あんまり着ないなあ

11/24/2024, 11:43:09 AM

くるくる



まきまき



あみあみ



きゅっきゅっ



ふわふわ



すぽっすぽっ



もこもこ



ぬぎぬぎ



ぱちぱち



あったか〜い



セーター

11/24/2024, 11:41:46 AM

【セーター】
肌が弱くて一度も着た事ない。洋服、靴、その他諸々の身に纏うもの。素敵だと思う思考はあるけれど着用しようとは…というか出来ない。かぶれる、腫れる。そんな感じ。

11/24/2024, 11:40:56 AM

人肌が恋しくなる季節
その名は冬

彼はセーターを着て私に抱きつく
母の実家から送られてきたリンゴを彼におすそ分けして
一緒に皮剥きして食べたら
彼は子供のように目を丸くして家の中を走り回ってた
とても喜ぶ彼の姿を見て私はとても嬉しかった

普段カッコよくて歌も上手い彼の可愛らしい姿は
頭を抱えるほど心で叫ばせてください
「私の彼はなぜこんなに可愛くて愛おしいのだろう!?!」
はい、限界オタクを迎える私です

ゲームをする時は全力で勝負してくれる彼といい
コロコロと表情を変えてく彼
不安なことを打ち明けてくれる彼
好きな事を仕事にしたいと考えてビジョンを語る彼

どんな彼も私にとって素敵で尊敬してます

私も彼に負けぬよう良い関係で信頼を築いていきたい

11/24/2024, 11:36:36 AM

「セーター」

昔は洗濯機でセーターを
洗うたびドキドキしてたな。

洗う前後のサイズが
違ったりしてさ。

11/24/2024, 11:35:42 AM

第二幕:謎の連鎖



浅井 彩香に続いて、坂井 美香が倒れるという二つの不可解な事件が起きたことで、学園内は不安と混乱に包まれていた。教師たちは表向き「偶然」と説明していたが、生徒たちの間では「次はCの名前がつく生徒が襲われるのではないか」といった噂が飛び交い、緊張感が高まっていた。

そんな中、神崎 光はひとり図書室にこもり、事件の手がかりを探り続けていた。光は、アルファベット順に襲われているという事実から、犯人が何らかの意図を持ってこの順番を選んでいると確信していた。


光は図書館の一角で事件に関するメモを取りながら、自分なりの推理を進めていた。彼が着目していたのは、被害者同士に何かしらの繋がりがあるのではないかという点だ。浅井 彩香と坂井 美香——二人は特に親しい友人でもなく、普段関わりのない生徒同士だった。しかし、ふとした瞬間、光の頭の中で二人の共通点が浮かび上がった。

「そうだ、二人とも去年の学園祭で同じ実行委員会にいたはずだ…」

光はその記憶に従い、学園祭の記録が保管されている資料を調べ始めた。やはり、浅井と坂井は昨年の学園祭の運営委員として同じチームに所属していたことがわかった。しかも、そのチームにはもう一人、「C」から始まる名字の生徒がいたことも突き止める。それは、2年生の**千葉 慎太郎(ちば しんたろう)**という男子生徒だった。


光は直感的に、犯人が次に千葉を狙う可能性が高いと考えた。千葉は元々目立つタイプではなかったが、無邪気で友達思いな性格でクラスの中でも好かれていた。しかし、もし光の推理が正しいとすれば、彼もまたこの奇妙な連鎖の犠牲になるかもしれない。

「このままでは千葉が襲われる…」

光は一人で犯人に立ち向かうことを決意し、千葉を守るために動き出すことにした。彼は友人の陽太を巻き込むことも考えたが、危険な状況に無闇に巻き込むのもためらわれた。そうして、光は単独で千葉の周辺を注意深く観察することにした。


その日の放課後、光は校舎内の人気(ひとけ)が少なくなった廊下で、千葉を見かけた。光は密かに距離をとりながら千葉を見守ることにする。千葉は友人たちと談笑しながら、ゆっくりと下駄箱へ向かっていた。

しかし、その瞬間、光は廊下の端に人影が一瞬だけ見えたのに気づいた。それはあたかも、千葉の動きを見計らっているような、不自然な立ち振る舞いだった。光は警戒心を強め、千葉に気づかれないように近づきながら、その人影を追いかけた。


突然、千葉が靴箱を開けた瞬間、大きな音と共に何かが爆ぜるような音が響き渡った。千葉は驚いて後ろに飛び退り、光も思わず息を呑む。その瞬間、足元には粉々になった花火のようなものが散らばっていた。幸いにも千葉には怪我はなかったが、明らかに誰かが意図的に仕掛けた罠であった。

「なんだよ、これ…?」

千葉が戸惑いの表情を浮かべる一方で、光はその場に急いで駆け寄り、千葉の無事を確認した。しかし、その場にはまたしても「C」と書かれたメモが残されていた。それを見た千葉は青ざめ、光もまた、この連鎖がただの偶然ではなく、誰かの計画的な犯行であると確信を強めた。


千葉を守りつつ、光はその場で状況を整理し始めた。これで「A」「B」「C」とアルファベット順に襲撃されている生徒が繋がりを持つことが明らかになった。そして、その全員が去年の学園祭の実行委員会に参加していたことも、偶然ではない。

光の中で次第に、犯人の意図が見えてきた。学園祭で何かが起き、その出来事が犯人にとって深い恨みを抱かせるきっかけになったのかもしれない。犯人は、学園祭に関わった者たちをアルファベット順に襲うことで、何かを訴えようとしているのだ。

「この事件には、まだ知らない裏がある…」

光はそう呟き、次の標的が誰になるかを予測しながら、事件の核心に迫るべく、さらに調査を進める決意を固めた。

こうして光は、学園での不穏な連鎖事件に巻き込まれながらも、次の展開へと一歩踏み出すことになるのだった。

11/24/2024, 11:35:38 AM

流れる縦の網目模様

無限の一本から織り成す

滑らかな手触りで

綺麗に写す凹凸

その温もりは君だけじゃない

誰かの手元から伝わるもの

特に、その首にかかる物は、

温かいのはどっち?

――サメの言うことにゃ、

セーター

11/24/2024, 11:35:35 AM

題 セーター

あのね、セーターって苦手。

どうしてって?だって素材がチクチクするでしょ?

それから、熱くなりすぎちゃうの。

冬なんかセンターにコートじゃ暑がりな私には暑すぎて、コート脱ぎたくなっちゃう。
置き場もないのにね。

で、手で持たないといけなくなるのよ。

あとはね、洗濯すると縮むのもよくないわよね。

縮むと着れないもの。

そして最大の敵はね、静電気なの。

パチパチパチパチ、火花みたいにパチっとして痛い。
 
地味な痛さが精神的ダメージを増やす。

だから、私は冬にセーターは着ないんだ。

私のクローゼットには1枚もセーターがないの。

冬のセーターは私よりも寒がりさんのものだと思っているわ。

11/24/2024, 11:35:29 AM

セーター


寒くなってきた。
冬服を取り出し並べてみる。
カーキーのカーディガン、黒のトレーナー、
グレイの裏起毛シャツ、グレイのダッフルコート、グレイのダウンコート、グレイのチェックパンツ、グレイのセーター。
気が付いた。とにかくグレイが多い。

自分はこんなにグレイが好きだったろうか問うてみたが、別にそんなに好きじゃない。
なぜこんなにグレイばかり増えたのだろうか記憶を探ってみる。


“気温で上着を変えましょう”
“毎日違う色を身にまとい、いつでも新しい自分でいましょう”
“パーソナルカラーは大事です。わからないなら診断士に依頼してみてもらいましょう”
“身だしなみはとても大切です、服のメンテナンスをしましょう”
“自分はどんな人かを考え、どう見られたいのか意識しましょう”
“姿勢は?”
“こんなにみっともない姿をしていませんか?”
“恥ずかしくない姿になりましょう”


おおおおお、思い出した。
どこだったろう、何がきっかけだったろう。
そうだ、SNSだ。
なんとなくみてた時に間違えていいねをタップしたら、
やたらとファッションの記事が流れてくるようになり、
記事をなんとなく読んでるうちに、
インパクトのある写真やイラストを見るうちに。
今まで何も考えてなかった自分が大罪人みたいに感じるようになり、
慌てて服を買いに行った。
パーソナルカラー診断士とやらにも合う色を探してもらった。自分はブルベの冬らしい。
ブルベ冬さんに似合う色はこれです!と並べられた色を見て、一つも好きじゃないことに気がついた。


しかし、自分の好きより似合うことが大事だと
並べられた色や薦められる模様の服を買った。
沢山買った。薄給が飛んだ。
そしてスキンケア用品も買った。
日焼け止めも買った。
靴も買い直した。
全部店の人に相談して決めた。

そうやって買い揃えたものを眺めて改めて気が付いた。
自分、こいつらが全然好きじゃない。
しかし、自分の好きより似合うことが大事だと気が付いたじゃないか。


努力した。
毎日まわりを見渡して研究した。
自分には何が似合うのか、周りはどんな服を着ているのか、髪型は、髪質は、眉の形は。
どうすれば馴染むのか。

研究して気が付いた。
これ、全然面白くないな。

普通、服を買い揃えることも着飾ることも楽しいものらしい。
SNSのキラキラは好きなことを楽しんでるから輝いてるようだが、自分全然楽しくない。

ビルのガラスに映った自分を眺めると、多分前より周りに馴染んで小洒落た自分なのだろう。
でもこれが本当に自分か?と自分に問うてみたら、
偽物だ、という答えが返ってきた。

それでも頑張った。
アホ毛を許すな、爪を揃えて磨け。
今日はオリーブのコート、足元はベージュ。
今日は差し色にオレンジのボタンが付いた黒シャツ。
白は汚れやすい、気を遣え。
柄物も取り入れろ、靴を磨け、磨き方にも気を配れ。
周りの評判は上がった。
ニコニコしてもらえる人が増え、会話も増えた。
世界がうまく回り始めた手応えを感じ、
身につけているアイテムの何もかもが全然好きじゃない事に蓋をした。


毎日毎晩、外から見える自分のことを考えた。
今日はこれを着る、明日ははこれを着る。
眉を切り揃えているか、鼻の下の産毛は剃ってあるか、
毛穴は?日焼けは?

ひたすら考えて、毎日を過ごし、季節の変わり目を迎えた。
新しく服を買い直す時、ふとグレイのセーターが目に入った。
自分には似合わない系統、イエベ春向きのグレイ。


あ、この色が好きだ。


そう思ったら全てがどうでも良くなった。

ひたすらグレイと黒い服を買った。たまに白も買った。
色を無視するように白黒グレイで全てを揃えた。


爪は切ろう、肌も整えよう。
髪の毛も気を遣い、眉毛指毛もチェックしよう。
毛穴も引き締めよう、ムダ毛は脱毛しよう。
形が崩れてきた服は着ない。靴もシーンごとに取り替える。
体型を維持して筋肉を付ける。


だけどもう好きでもない色を選びたくない。


その思いで服以外をキメにキメた。
買い込んだ服は捨てた。
一気に灰色になった自分に誰も何も聞かなかった。
周りの態度も変わらなかった。
なんだ、何着てても良いんじゃん。
憑き物が落ちた。


あー、思い出した。
モノトーンでワンシーズン過ごしたらスッキリしたのか、
春には春っぽい緑のシャツに自然と手が伸びた。
夏には濃い青のパンツを買った。
秋には煉瓦色のベストを初めて買ってみた。
季節を感じる色を手に取るのは楽しかった。


そして思い出した。


この時は好きじゃないものを選ぶのがとにかく楽しくなかった。
楽しくないのに金が飛び、好きじゃない事に時間と頭を使い、嬉しくないのに褒められるのがストレスだった。
ふとスマホを開き、去年写真を探してみる。
あった。飲み会の写真だ。
好きじゃない色を身につけた、悪くない自分がそこにいる。


でもなあ。


お前、悪くないけど好きじゃねえんだわ。

グレイのセーターに触れる。
自分には似合わない、イエベ春に似合うグレイ。

お前のこと好きだわ。

セーターを抱きしめた。
合う合わないじゃない、お前が好きなんだよ。
とてもとても幸せになれた。

11/24/2024, 11:31:15 AM

「セーター」

着なくなってから10年が経った、
セーターと制服。

沢山の思い出が染み付いてるようで、
ずっと、どうしても捨てられなかった。

たしかに、思い出が詰まってるけど、
物を捨てても思い出は消えない。

やっと、本気でそう思えた。

11/24/2024, 11:30:31 AM

奴の屋敷に着いて真っ先に向かったのは奴の使い魔のコウモリの小屋だ。
だがここには居なかったようで、屋敷の玄関へ向かう。
ドアを開けると黒い影が覆い被さってきた。
自宅での飛んでくるフライパンを思い出す。
が、その影は頭の上に力無く乗っている。コウモリだった。
リビングへ行くと相変わらずテーブルの上に奴の首が置かれている。
周りに皿やスプーンが散らばっているのはこのコウモリが主の世話をした後の痕跡だろう。
首は窓の方に向けられており、自分たちは真後ろに居る状態だ。
死んではないだろうから奴は後回しにするとして、コウモリを頭から下ろす。
そしてカバンから1枚のセーターを出すとコウモリを包むように巻き付けた。
それから暖炉に向かい火をつける。
この前準備したばかりのロッキングチェアにコウモリを移動させ、ようやく奴の顔を見る。
目がガッツリと合った。起きていやがった。
すまんが、ワタシも暖炉のところに連れて行ってくれないか?
そう言ってどうやっているのか、ちょこちょこと回って暖炉の方を向く。
仕方ないので奴の首を持ち上げ暖炉前のサイドテーブルに置いてこちらにもセーターを被せる。
自分もセーターを着込み、もうひとつのロッキングチェアに腰掛ける。

今日はこのまま暖炉とセーターの暖かさに寝てしまいそうだ。
全く、いつになったらこの吸血鬼は回復するんだ。
(セーター)

ちゃんと戻ってきてくれた事に感謝してるんだろうな。

11/24/2024, 11:29:06 AM

目の粗いセーターは少し苦手です


/お題「セーター」より

11/24/2024, 11:27:08 AM

パチッ

彼との数センチの間に
起こってしまった電気

二人の距離を
作るように感じてしまった

これだから
セーターは嫌いなんだ

君と別れた
駅のホーム

泣きそうな顔を
セーターの袖で拭った

『○○番線、快速列車が…』

駅のアナウンスが聞こえなくなるまで、

その時まで、

まだ、
あの時の二人だから

彼と迎えた、二度目の誕生日
お気に入りのカフェでデートをした
その帰り道で
プレゼントされたセーター

きっと
終わりだったんだろうな

ヨレヨレになったセーターは
こんな終わりに相応しかった

11/24/2024, 11:26:35 AM

そろそろ息も白くなってきたので、
彼にニット帽とマフラー、
そして、セーターをプレゼントした。

「嬉しいけど、これだと手だけ冷たいな」

「じゃ、私があっためてあげる」

その日の帰り道は、
顔と手が今にも光りそうなほど熱かった。

11/24/2024, 11:15:25 AM

セーター

着てはもらえぬセーターを涙こらえて編んでますなんて、恐ろしい歌が流行ったのよ昭和って(笑) 今時好きな人に手編みのセーター贈る女の子って居るのかしら?私たちの頃は流行ったもんだ、中学生くらいから二十代のクリスマス過ぎて大晦日で崖っぷちになる頃まで(この言い回し分かる人は昭和よ、分からない人はお母さんに聞いてね、説明はしないw)

紅葉が満点に色づいて枯れ葉が舞って来たら、「彼のセーター」「彼のマフラー」なんて見出しの本なんか買って来て、毛糸玉を買いに出かけるの、これも一大イベントであるのだ、冬が来る前の一大イベント友達たちとキャワキャワやりながら、時にひとりで真顔のド真剣で毛糸玉は選ばれる。

そこから、先ずはクリスマスを目標に編み始める、別に寒さ堪えて編むほどメンヘラな人は極限られた人で、だいたいの女の子は友達で集まったりしながらお菓子食べながらお喋りの方が優先で、彼へのクリスマスプレゼント手編みのセーター&マフラープロジェクトはスタートする。彼が居るいないに関わらず、クリスマスに告白なんてことのお供にも使われた手編みのセーター&マフラー、その頃の少女漫画はみんなそんな感じで女の子は、すべからくそれに憧れた。

かくいう私も、これでも片想いではなくお付き合いしていた彼がおりました、当時憧れたのは二人で巻ける長いマフラーよ(笑)もちろんネタは少女漫画、気分は陸奥A子の世界よ(笑)
そして、これくらいの頃から始まるクリスマスに手編みのプレゼント大作戦。

はじめは、放課後のお喋り会で、そのうち深夜のラジオのお供になり、やがてクリスマス過ぎちゃうのよ…半分くらいになったクリスマスに渡すはずの手編みのセーター&マフラーは、期末テスト前でお休みしてクリスマスを過ぎて冬休に突入、なんだかんだで忙しい年末年始を過ぎて、初詣一緒に行こうと誘われて、なんとかその日に渡そうと結局寒さ堪えて夜なべするも寝落ちで間に合わず、新学期を迎えた、ついに年を越えた毛玉はコタツの横に転がり、バレンタインデーの前に探しあてると何故か出来上がっている、、何時も仕上げは婆ちゃんが知らぬ間にしていてくれた。

それを可愛くラッピングして、さも自分で仕上げましたと、あまり上手でもない手作りのチョコレートクッキーとをバレンタインデーに彼に贈る、それが1980年代田舎の女子高生の一大イベントだった。

「手編みのセーターとマフラーとわたし♪」


令和6年11月24日 

追記

てなこと、思春期の頃のメンヘラちゃんの想い出のヒトコマだよね😂 少女漫画の読み過ぎだと地味な大人しめのあざとさんか、何故だかクラス一軍男子のサッカー部なんてのを射止めて健気に仕上げるのよ、「頑張ったのよわたし」的に、80年代の中二病は可愛かったね🤣🤣

私の彼は陸奥A子よりハイティーンブギよりだったかなぁ、、ムッチせんぱーい😂 

 


               心幸

11/24/2024, 11:14:32 AM

セーター

「……昭和の婆ちゃんみたいなことしてる…?」
「編み物を嗜む全国の人に怒られてくださいまし」
「今年用にはちょっと遅くね」
「来年用ですわ、夏場に毛糸を触ると汗で張り付くんですのよ」

深い茶色。ちょうど中庭にある松の幹の様な。重厚な色。
落ち着いた雰囲気のパッとしない色の毛糸玉から糸が出ている。糸は毛糸玉から床を這い、辿れば白く細い指を経由してかぎ針に掬われ、着々と何かを形作っていく。巻かれたラベルに「団十郎茶」の文字が踊る。

「地味じゃね」
「尾上君には別の色ですので安心してください」
「えっ俺の分あんの!?!?」
「…………ありませんわ!!!」
「別の色あるっていったじゃん!!あるって言ったじゃん!!」
「気のせいですわ!幻聴です!」
「言った!!絶対言った!!」
「言ってません!言ってません!!」
「ついでにそれ誰のだよ!!」
「石蕗です、1番大きい。早めに手をつけないと気が重いので」
「お嬢、面倒臭そうな宿題最初にやるタイプだもんな…」

俺は宿題最後までやらない。やらないったらやらない。
話しながらでも慣れたもので、すいすいと編んでいく手元は淀みない。じっと見ていたら興味を持ったと勘違いされた。

「尾上君も良ければどうぞ、精神統一に良いですわよ」
「やだよ面倒臭い……」
「まぁまぁそう言わずに」
「毛糸ってあれだろ、羊とか牛とかウサギとか殺して剥いだ毛皮でできてんだろ、殺生じゃんだめじゃん陰陽師が」
「殺してませんわよ刈ってますのよ」
「狩ってるなら殺してるだろ」
「毛だけカットしてますのよ」
「……虐待じゃん!?」
「貴方だって髪の毛切るでしょう、一緒ですわよ」
「俺は俺を虐待していたのか…」
「まぁ今はうちの規則でのばしていますけど」
「呪術に使う用って言われてんだけど済んだらどうなんの?ハゲ?」
「全部は刈りませんわよ」
「で、お嬢は誰の髪の毛でセーター編んでんの?」
「尾上君のは全部尾上君の体毛で作りましょうか」
「……あったかい?」
「裸よりはマシかと」

冗談ですよ、とお嬢は笑った。
冗談で良かった、と俺も笑った。

しかしこうして見ていると、猫が毛糸玉に戯れる理由がわかる気がする。不規則な動き、永遠に延びる糸。猫に限らず人の赤ちゃんもテッシュ永遠に出すの好きって聞く。多分同じ分類の快楽だ。

「笹本さんにも編むの?」
「尾上君の前に編みます」
「何色?」
「萌黄色……明るい黄緑色ですわ、良い色があって良かった」
「俺は?」
「名前になぞらえて蓮色を考えましたが、なんとなくしっくり来なかったので躑躅色です」
「何色って言ったの今」
「躑躅色です」
「髑髏色?」
「ありませんでした、幻聴です」
「いやもう遅いだろ」
「驚かせようと思ったんですのよ…」
「来年渡されてもサイズ合わないと思うんだけど俺」
「…………合わせてください」
「無茶言うなよ!!」
「では今の体型を維持で」
「身長伸ばさせろや」

こちとら健全な17歳だぞ。成長期だぞ。
にしても一着編むのに随分な量いるんだな。8玉?ラーメンの替え玉かよ。それ人数分?気が遠いな。

「お嬢のは?」
「もう終わりました。やはり半年ぶりだと乱れていけませんわね」
「こっちのこれ?」
「そうです、鼠色の」
「くそ地味……」
「尾上君のはアクリルで編みましょうか」
「よくわからんけどなんかやだ」
「冗談ですわよ」

見せてもらったけど乱れが全然わからねぇ。どこ?
どこから始まってどこが終わりかすらわからん。模様かっけーくらいしかわからん。

「やわらけ」
「毛糸ですからね」
「便所の毛糸タワシと全然違う…」
「あれアクリルですからね、こっちはウール」
「俺のセータータワシになるところだったのかよさっき」
「しませんわよ冗談です」

他にもポリエステルとかあるらしい。誰?メンデル?

「……椿さんにも編んでんの?」
「毎年編んでいますわよ」
「何色?」
「黒です」
「キングオブ地味!!!!」
「まぁ大体の服に合いますからね黒は」

真っ赤とかかと思ってた。意外。サンタクロースみたいで愉快ぽいと思ったが残念。浮かれポンチ婚約者殿は幻想か。
灰色と黒、並ぶと地味だな。差し色お揃いか?カップルめ…
クリスマスとかいちゃつくのかな。
なんで今から俺が憂鬱になってんだろ。
知らん。世の中のカップルよ幸せになれ。

「クリスマスとかデートすんの?」
「年末こそ陰陽師は大忙しですわよ、師走は伊達ではありませんので」
「…………は?」
「尾上君も他人事じゃありませんわよ、陰陽師なので」
「聞いてないんですけど」
「でも尾上君はまだ初心者陰陽師なのである程度便宜が計れますわよ、今から申請だせばクリスマスは遊べます」
「お嬢は?」
「しっかりお仕事ですわよ」
「つ、石蕗さんは…?」
「がっつりお仕事ですわよ」

にこ、と微笑まれるけど目が笑ってねぇ。

「乗り切れば束の間休息です」
「束の間!?」
「新年明ければ行事は目白押し、2月と言えば?」
「……節分?」
「節分と言えば?」
「鬼……」
「よくできました」

偉いですね、と頭を撫でられる。いや嬉しくねぇ。

「来年も忙しいですわよ尾上君」

きっとセーターのことなんて忘れるくらい忙しい。
だからきっと年末、お嬢のサプライズにまんまと驚く。
その頃には、俺も年末頼りにされるくらいできる奴になってたいもんだなと思いました。

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