『スリル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
彼は意外にも大胆だった。
文化祭の演劇の合間に、私達は暗幕に隠れてキスをする。
物陰に隠れる為に腰をぐっと寄せられて大人みたいなキス。
「ダメだってば」
「誰も見てないよ」
小さな声でダメと言いながら、真っ黒いマントに包まれているみたいでドキドキした。
世界からふたりだけ切り離されている。今度は私からキスをした。
幕開けのブザーが鳴るけど、きっと誰も見ていない。
玉ねぎを粗いみじん切り、鶏もも肉を一口大にカット
鍋を中火で熱したら、油をひいて肉を炒める
焼き色がついたらお皿に移し、次は玉ねぎを飴色に
さっきのお肉とトマト缶
今日は酸味が欲しいから、トマト缶はイタリア産を選んだ
ニンニクと生姜でコクを
ヨーグルトでまろやかさを
ここまで来たらいよいよお楽しみの時間
クミンにカルダモン
色付けにはターメリック
チリペッパー、多めに入れてみようかな
私が感じるスリルなんか、
新しい味つけに挑戦したときくらいでじゅうぶん
かなう見込みのない恋心を煮込まなくてもよかったのにね
中火のまま20分
鶏肉の中に火が通るまで
ここはスリルを求めちゃだめ
お気に入りのお皿に盛り付けたらできあがり
いいにおい
2日目のカレーも美味しいけれど、
今回はすべて今日中に食べ終えてしまおう
酸いも辛いも、今日のうちに
湧いて出てくる背徳感。自分の不幸が蜜の味。
喉に落ちていく血の味と、自責に駆られる貴方の顔。
「大丈夫、貴方は何も悪くない。」
そう言って抱きしめてあげたら縋るみたいに泣きついて、熱の残る右頬を「ごめん、ごめん」って撫でてくる。
完璧で、優しくて、誰にも好かれる貴方の、誰にも言えない秘め事を、自分だけが知っている。
焦燥感に煽られるまま、欲望の赴くまま。
貴方が人間らしく居られるのは、俺の前だけでしょ?
本当の貴方を知っているのは、俺だけだよね?
「俺……——が居ないと駄目なんだ。」
震える声で絞り出したその言葉は、すぐ嗚咽に戻る。
全身が内側から熱くなり、どうしようもなく愛おしい薄く骨っぽい貴方の身体を強く、強く抱きしめる。
「俺も、貴方が居ないと駄目なんです。」
貴方が居ないと。
「俺たち、ほんと終わってますね。」
誰が俺を罰してくれる?
「でも、それでいいじゃないですか。それで生きていけるなら。」
誰が俺の為に苦しんでくれる?
どうしようもない衝動を、俺だけに向けてほしい。
劣等感も全部、ぶつけてほしい。
「……ごめんなさい、自分勝手で。」
貴方の不幸が、蜜の味。
私の周りに来る人間はスリルを求めているようだ。私は、普通の人間に比べたら、感情の起伏があまりない。普通なら、怒るような事を笑って許してしまう。
だから、変な人間に好かれる。リストカットをしているのだと明かしてきた高校時代の知り合いが、どんな言葉を求めていたのかは知らないが、私は消毒だけは忘れずにしなよと行為そのものを否定する事はしなかった。
次の日から、その知り合いに付き纏われる事が増えた。他の人間と話していると割り込んで、私に話しかけるなとその口で吠えていた。
私は、心の中でうるさいなと思うばかりだったが、現実では急用でもあったのと、気付かないふりを装う言葉を口にした。知り合いは嬉しそうに、私の手を握り外で2人っきりで話をしようと持ちかけてきた。私が、返事をするより先に知り合いは私の体を引き摺っていたが、私は何も言わず流れるままに身を任せた。
知り合いは、私の許容範囲にスリルを感じている。
お終い
「スリルはたまに味わうから楽しいんだよ」
そう彼女は一歩も動かなくなった。
行楽日和の遊園地。それぞれがそれぞれの楽しんでいるのがわかる。
「そうだね。ところで今日はどんな目的でここに来たんだっけ」
「人って変わってくものだから」
「今日は絶対ジェットコースター乗るって言ったよね」
彼女の両手を掴んだ。少し手が汗ばんでいた。
「言ったっけ……」
「言ったね」
そのまま力を込めれば足をふんじばっている。
正直ジェットコースターはどうでも良かった。だがこんな反応が見れるのはなかなか愉快だ。もう少し楽しんでから乗り込んでもいいかもしれない。
ネットで知り合った人と会うのがスリルになった。
親や友達にバレないかというハラハラ感。
相手の人がどんな人かというワクワク感。
それっぽい人が現れたときのドキドキ感。
ネットの人と話してはいけない。会ってはいけない。
という約束を破った罪悪感。
すべてが重なってスリルになっている。
このスリルを楽しんでるわたしってちょーさいこう!
「スリル」
私はジェットコースターに
彼氏と一緒に乗った。私は絶叫系がとても苦手だ。
なのに、なぜ乗ったのか、
それは彼氏の前で強がったからだ。後悔しかない。
今、私は安全ベルトを付け終わった。
怖い。怖すぎる。子供用でも恐怖なのに。
彼氏は横から「楽しみだね」と話しかけてきた。
うるさい。話しかけるな。そう思いながら彼氏の方に目をやった。
ドンッ!!ガラガラ〜
ついに、、動き出した。
上に上がっていく。頭が重い。
空が見えてきた。私はどうなるんだ。
そして、、、下に、、落ちた。
私は一瞬意識が飛び、走馬灯が蘇ってきた。
しかも、その走馬灯はいい思い出ではなかった。
3代目の彼氏に浮気をされ、(現在は5代目)階段に八つ当たりをしたところ、小指をおもっいきりぶつけたという悲劇だ。なぜ今思い出す。
そして、私は地上に下りてきた。
横に居るであろう彼氏の方向に目を向けた。
彼氏は気絶していた。痩せ我慢だったんだな。
私の今の感情は複雑だ。元彼へのさらなる恨み。
小指の苦痛。その中でも良い感情が一つある。
一番は、スリルを味わったことだ。
浮気の修羅場やバイト先で皿を5枚割ったときですら
スリルを味わなかったのに、
今日初めて味わうことができた。悪くないな。
(走馬灯は嫌だけど)
胸のときめき、いやドキドキ、手汗を握りテストを開始。
その後はイキイキ、頭を使った分つぎは体を使う。さぁ、次へ行こう。
#スリル
孤独を抱えて駅のホームに立ってはいけない。
一歩と言わず充分に後ろに下がりなさい。
踏切も同様。
ひいては全ての線から充分に距離を取りなさい。
それはしっかり手綱を握るべき物。
楽しめる内は良いのです。
空想であると言い切れる様になるまで待ちなさい。
スリルとは決して
冷や汗と命で味わう物では無いのです。
不安
恐怖
緊張感
罪悪感
それを上回る
刺激
快楽
背徳感
優越感
すべてが混ざって
あなたと私の
左薬指に焼きついてる
【スリル】
【スリル】
命はふたつあれば足りる。
僕はそう思う。
生きていくための1つと、1度死ぬための1つ。
理由は簡単。
1度死ねば怖さ、痛さが分かる。
どれだけ自分が愛されているか分かる。
だからふたつ。
1つだから足りないわけじゃない。
1つだからいいことがある。
1つだから死が怖いんだ。
でも、1度死んでみたくないか?
やっぱり私って狂ってるのかな。
―――――――――スリルを味わうためでは無い。
スリルを求めて殺人をした二人の男がいたらしい。
初めて聞いたときは理解に苦しんだ。そこまでのスリルを渇望することなど、あるだろうか。少なくとも、自分の人生にはなかった。スリルなんて必要ない。平穏であれば平穏であるだけ良い。
しかし、それを壊す存在が現れてしまった。彗星の如く現れたその人は恐ろしいほどに美しく、狂おしいほどに眩しかった。まるで神の最高傑作。目の前にいるはずなのに、どこか次元がズレているような気すら感じさせる。あの体には内臓なんてなくて、宇宙が秘められているのだと言われても納得してしまいそうだ。
信じ難い衝動を呼び起こされたことを自覚するのに時間はかからなかった。あの輝く姿をひと目見ただけで気がおかしくなる。平静を装うので精一杯だった。
壊したい。壊されたい。あの人を天界から引きずり下ろして、自分と同じ存在に落としてしまいたい。
いつか自制が効かなくなるとわかっている。わかっているのに離れたくなくて、なあなあに日々をやり過ごしている。この醜い本性を知られたくないと思いつつ、胸の底では暴かれたいとも願っていた。そのスリルが堪らなかった。
更なるスリルを求めたら、どうなってしまうのだろうか。
『スリル』
[スリル]
はぁはぁ、ここまでくれば大丈夫だろう
戸棚の下に隠れ、息をひそめる
遠くの方から小さな音で
コツ、コツ
靴の音が静かに響く
その足音は徐々に大きく聞こえ
だんだんと近づく
更に呼吸音をひそめ、ぐっと息を止めた
そのとき
「みぃつけた」
「うゎ、もう見つかっちゃった!次はパパが隠れてね!」
明日仕事そんなにだから有休つかおかなー
体キツいし
アナタたまにこれ言うけどね?
いいよね?
自分が休みたいから休む人は?
こっちは毎月いち子供の病院と
来月からの懇談会✖️2
年明けの進路相談✖️2
感染症なった時の連続休み想定
卒業式✖️2
入学準備✖️2
自分のための有休なんかいっこも入れられないんだよ!
いや、給料わたしはアナタの半分だし?
仕方ないかなとも思うよ?
いないより全然いいよ?
でもなんかさぁ…もちょっとさぁ…!
修学旅行の夜に見張り居ないか緊張しながらドアの外覗いて友達の部屋に移動したのたのしかったなー
欄干に身を乗り出して
底のない暗闇を見つめてみる
黄色い線の外側で
横切る車体を眺めてみる
割れたガラスを拾って
血管を刺してみる
ネクタイを巻きつけて
両手で横に引っ張ってみる
そうやって
ああ、生きている
なんて安心してみせる
『スリル』2023/11/1316
『スリル』
...送信っと。
遂に送ってしまった。このたかが十数文字を送るのに、僕は何分、いや、何時間かけたのだろう。あの人と出かけたいなんて思うのは簡単だが、行動するのはなかなかハードルが高い。この単語はどうとか、文末の形がどうとか、そんな普段は気にならないような、どうでもいい事まで気になって仕方がない。
返信が来ないか気になって仕方がない。そのくせ、もし今返信が来ても、少し時間が経ってから返すなんていうまねをする。いかにも落ち着いてる、こちらの方が一枚上手だとでも言わんばかりに。自分から誘っているのにも関わらず、だ。
聞き慣れた音がなる。画面が淡く光る。待ってましたと言わんばかりにスマホに飛びつく。が、開かない。というより開けないの方が正しい。今すぐ開いたら、鬱陶しいやつと思われてしまうかもしれない。そんなことが、頭を巡る。自分で自分を混乱の渦へといざなう。
何件かメッセージが来ているようだった。中身が知りたいが、何となく開けない。この時ほど、既読をつけずに内容を確認できる機能をアンドロイドにも搭載しとけと思ったことはない。深くため息をつく。無情に回り続ける時計の針を、ただ眺めていた。
ある人は、恋愛は付き合うまでのドキドキが一番楽しいという。相手との駆け引きなんかが醍醐味なのであろうか。当時の僕にそんなことを考える余裕など、微塵もなかった。が、確かに、あの時のスリルに近い感覚は、決して悪いものではなかった。
スリル
若い頃は、刺激的な日常に憬れていた…毎日、変化に飛んだ非日常生活を思っていた…それが何時からか、平穏な日常に、安らぎを感じるようになった…齢をとってきたからかも知れない…たまの冒険はいいけれど、ゆっくり過ぎてく、時間もいい…
あなたに隠れて 私は致す
バレてはいけない
私の秘密
貴方は知らない 私の秘密
あなたは知らない 私の秘密
密かな楽しみ あなたの致し
鼓動を抑えて
楽しむ私
貴女は知らない 私の秘密
バレてはいけない
気付かれてはいけない
今宵も致す 私の秘密
スリル
刺激は脳内麻薬にもなるよね。
一時の快感だけになるってことは、きちんと覚えておいたほうがいい。