『スリル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
スリル
彼をスリルジャンキーだと言ったことは嘘ではないが全くの真実というわけでもない。それは彼の一側面に過ぎず、彼は実際には死線を掻い潜るスリルなどとは無縁な、平穏でありふれた幸福な人生を問題なく受け入れることができることを僕は確信している。しかしそれを口にすることは決してない。このような、彼が僕のそばを離れない理由を一つでも失うまいとする僕の卑しい策略は数えきれないほどあり、さらに日々更新を続けている。
僕が僕である限り彼を繋ぎ留めるために策略は不可欠だ。或いは、僕がありふれた幸福を愛せる人間であったなら策略など不要だったかもしれない。実際には、何もなしで彼が僕のそばに居続けることは全く非現実的にしか思われない。彼にそのことについて尋ねたことは一度もないが、彼が僕の元から去る理由はいくらでもあるのだから、聞くまでもない。
だから僕は今日も彼に言うだろう。「君にはスリルが必要だろう?」そうであってほしいと祈るように。
美しい人は、皆、好きだ。
綺麗な人は多いが、美しい人は少ないと思う。
美しい人は、皆、心の礎がある。
苦しみに翻弄されても、未来を、生き抜くことを、諦めない。
苦しみを、乗り越えた人は、皆、本当に美しい。
私が思う…美しい人は、皆、過去に苦しみを乗り越えた先の人だった。
誰よりも、美しい。
いつか、そう言われてみたいし、言いたい言葉だ。
まぁ、こう思う…うちは、言われないだろうけど。
もう、苦しみなんて御免だ。
私は、今、苦しみを乗り越える、最中だ。
きっと、大抵の人は、そうなのだろう。
大抵、皆、何かと戦っている。
そう思うと、何だか、嫌な気持ちになった。
まるで、私は特別で無いと言われたみたいに…。
いつか、その言葉を受け入れられたらな。
きっと、その言葉を受け入れられる時には、
その苦しみを越えられているのだろうか。
深夜の樹海を一人の男が走っていた。
時々、背後を気にしながら全力で枯れ木を踏みつけて走る。
【ソレ】から逃れないと、死ぬのだから……。
「うわっ」
何かにつまずいて男性が倒れる。何につまずいたのか足元へ目を向ける。そこにはーー人の頭蓋骨が転がっていた。
男性は絶叫した。恐怖と混乱でうまく体を起こすことができず、赤子のようにハイハイしながらその場から離れた。
「ピギャアア!」
樹海の奥から悲鳴のような叫び声が響いた。樹海に棲む動物や鳥が慌ただしく逃げていく。
男性は、木の影に隠れた。
声が出ないように両手で口を押さえつける。
バサバサ、バサバサッ
羽の音が近づいてくる。普通の鳥が鳴らすような音ではない。大きく重量のあるような重たい音だ。
「ピギャアア」
また甲高い悲鳴が上がった。静かな樹海に不快な風が吹いた。【ソレ】が起こした風だ。
カサッ、【ソレ】が地面に降りた。男性は木の影から【ソレ】を覗き見する。
胴体は鷹のような体。首から頭は人の顔だ。だけど、口は鋭い黄色い嘴(くちばし)をしていた。
なんとも面妖な不気味な怪物だ。
【ソレ】は嘴で羽を繕っていた。鳥のような動きに男性は吐き気を催す。しかし、ここで吐けば確実に自分の存在を知らせるようなものだ。男性は、喉から上がってくる液体を無理やり飲み込んだ。
【ソレ】が男性の隠れている木へ視線を向けた。
男性はすぐに顔を引っ込め、息を殺す。
【ソレ】がゆっくりと歩いて来た。
カサ、カサと枯れ葉を踏みつける音がする。
一歩、また一歩と、男性を弄ぶかのように時間をかけて近づいて来る。
そして、【ソレ】が木の前に来た。鼻息が真後ろで聞こえる。
男性は、神に祈った。
『この化け物がどこかへ行って欲しい』
切実に願ったのも束の間。男性の真横に顔がきた。
黄色い嘴、人の顔をした化け物がいた。
「あ、あぁ……」
男性は絶叫する力もなく、目の前にいる【ソレ】をただ見るしか出来なかった。
【ソレ】の口が開き、細い舌が出てきた。男性の頬をベロリと舐めた。
そして、【ソレ】は歓喜の声を上げた。
そこで、男性の意識が遠のいた。
* * *
『次のニュースです。○月○日に行方不明の男性が樹海で発見されました。男性はすでに死亡しており、警察の話によりますと、何かの動物に食われた痕跡があるとのことで、詳しく捜査をしていく方針です』
『スリル』 ♡10
ゆっくりと手を伸ばし、呻き声をあげる。
すると、叫び声が辺りを包み、バタバタと足音が遠ざかっていく。
しばらくすると、再び人が来る気配がした。
私は息を殺し、じっくりとその時を待つ。
今だ!
ボサボサの髪を振り乱し、血まみれの包帯に包まれた顔で声をかける。
短く叫んだその人は、腰を抜かしながらも必死で逃げていった。
あぁ、この瞬間がたまらなくいい。
恐怖に怯えて顔を歪ませ、一目散に逃げる背中を見るこの瞬間が。
この快楽に目覚めてもう五年。
来る日も来る日も前を通る人々を怯えさせてきたが、快楽が薄れることはない。
さぁ、次の獲物が来たようだ。
本日も我がテーマパークの名物お化け屋敷は
大盛況です。
バンジージャンプとか
絶叫マシーンとか
そんな大きなスリルじゃなくて
果たして次の信号に間に合うかとか
このレベルでステージボスを倒せるのかとか
そういう小さいスリルでいい
それだけでドキドキは止まらない
それだけで満ち足りてる
「スリル」20231112
スリルってなんだろう?
自分のとってのスリルってなんだ。
初恋の片思いの時かな?
告白出来ない
病気が治らなかったけどイベント行きたくて
親に内緒でチケット応募して当選して
条件付きてイベント参加⸜(*ˊᗜˋ*)⸝
ウキウキ∩^ω^∩ドキドキ(⑉• •⑉)
ただ遠くから見てるだけで精一杯。
帰りの電車幸せ気分だけど(*˘︶˘*).。.:*♡
幸せ過ぎてどこか不安(´・_・`)
#42 スリル
目があったら、はにかんで
話すときに顔のぞいて、
ただ小さくも大きな秘密を
共有しただけ
誰かの好きな人と共有しただけ
ただそれだけだよ
2023/11/13
お題 スリル
本来のわたしは優等生である。わたしは間違えた事は無い。優秀な人間なんだから。
だが、ある時それがつまらなくなった。百点満点の答案用紙がつまらない。
そこでわたしは、わざと合格ラインスレスレの解答をするようになった。
ギリギリの合格点を取る事に、最高のスリルを感じるようになっていった。
解答を解けるのにわざと間違えてみる。これぐらいの得点なら合格出来るだろう。
あの頃のわたしは、相当上から目線で、他の生徒達を見下していた。それほどわたしは、自惚れていたのだ。
だがそんなわたしにも挫折する時が来たのだ。大学センター試験という大事な時にも、いつものクセでわざとマークを間違えたのだった。
馬鹿な事をした。無論不合格だ。人生を決める大事な試験まで、スリルを求めて解答してしまった。
転がり落ちる無様なわたし。こんなスリルなんて味わいたくは無かった……
ないようであって。
あるようでなくて。
あれば楽しいんだろうけれど、正直リスクばかり気にしてしまう。
なければ平凡な生活に飽き飽きして、つまらないと感じてしまう。
だから、どっちとも言えない代わりに怖くもあるし、楽しくもある。
”スリル”はいくらでも探せる。
ただその先にあるのがリスクなのかメリットなのかは、たぶんきっと解らない。
スリル
Theme:スリル
俺は子どもの頃から冒険者になろうと決めていた。
生まれそだった村は平和だったが、俺にとっては退屈だった。
時おり村を訪れる冒険者の話しはスリルに満ちていて、毎日がとても刺激的に思えた。
俺は16歳になると家族や友人が引き留めるのを無視して、冒険者として旅に出た。
目的はもちろん刺激的な毎日だ。
旅先で知り合った他の冒険者達とパーティを組んで、魔物の討伐をしたりダンジョンでお宝を探し求めたり。時には随分と無謀なこともしたこともあったけれど、俺はそのスリリングな生活に満足していた。
ある日、長い間パーティを組んでいたプリーストから告白され、俺たちは生まれ故郷に戻ってささやかな式を上げた。
子どもができたことをきっかけに俺たちは冒険者を辞め、家族で静かに暮らすことを選んだ。
正直言って、またあのスリル溢れる冒険に出たいと思うこともある。
だけど、それ以上に今の穏やかな生活が続くことを願っている。
たまに村に訪れる冒険者の話を聞くことが、僅かに残るスリルを求める心を満たしてくれる。
スリル
大人のあなたとわたし
会社の誰にも秘密の恋
同僚の披露宴に出席したあの日に
何人かで乗り合ったタクシーでの帰路
あなたは先に後部座席に乗り込み
わたしを自分の隣へといざなう
他の誰も疑いようもないほどごく自然に
驚きながらもその目に魅入られて
抗うことなく隣に滑り込む
ほどなく
わたしの振袖の袖下で見えないのを良いことに
誰にも気づかれないようにそっと
あなたの左手はわたしの右手を探し出し
優しく指と指を絡ませてくる
驚いてあなたの方に顔を向けると
いたずらっ子のように満面の笑顔を返してくる
それも滅多に見せない反則級のヤツ
瞬時にわたしの鼓動は高鳴る
他の誰かに気づかれやしないかと思うほど
顔も身体もカッと赤く熱くなって
お互いのぬくもりで掌が汗ばんでくるのがわかる
皆と他愛もない会話をしながらも
わたしたちの指と指は
ひっそりと別の会話を続けているみたい
幾度となく触れたことのある指なのに
お酒のせい?
優しく強く
そして今日はちょっと色っぽいその指が
いつもと違ったように感じられる
どれほどの時間が経っただろう
もうそろそろ降りなくちゃならないなんて
惜しむように指と指をほどくと
温かなものが失われていくみたいで切ない
すべてを離してしまうのが淋しくて
小指のほんの一部分だけをくっつけて
あなたの温もりを留める
ほんの数十分の
愛しくスリリングな時間
明日何もなかったような顔できるかな?
誰にも気づかれてないかな?
ニヤけてしまいそうで自信ないよ、わたし
あなたは余裕なんだろうな…
ズルい大人のあなた
スリル
目が合うたびに微笑みかける
ふとした瞬間肩に触れる
さらりと褒め言葉を唱える
一歩踏み込まれたら半歩退く
"好きになられたら負けゲーム"
恋のお遊び
『スリル 』
ただ、誰かが
すすんでくこの道に
けっして
手を出してはならい
スリルは人によって感じ方が違うと思う。
例えばスリルを楽しいと思う人もいれば怖いと思う人もいる。
私はどちらかというと後者側だが前者の気持ちに全力でなってみたい。
サガなんだよ。
佐賀?初めは分からなかった。
ああ、性。
理解したところで、そんな一言で許すわけ無いけど。
見た目に現れない塵芥の性は気づきにくくて厄介。
今まで自分が見てきたもの全てが一瞬で瓦解する音にあとの言葉全てが聞こえなくなる。
無論、何を言われたところで現実は変わってくれないわけだが。
枯れた花を捨てずに新しい花を加えた君を一生許さない。
過ごした時間の長さ分かってる?両手に花?黙れよ。
理解あるふりして背徳に浸ってるだけのお前も一生許すつもりは無い。
水平線を見て、溜息をつく。
もう何ヶ月血を見ていないか。
スリルが足りない。
欲求を抑えきれなくて、
同僚を殺した。
それから、何人も何人も殺した。
愉しさに震える。
これこそおれの求めていたもの。
『ブラックペッパー』
転がる石を気取っても 所詮テーブルの上から出られない 胡椒ひと振りのスリルを片手に 知らない世界を想像で埋めている 夢想家と呼ばれて 宙に浮く
ビールのお供に肉を焼く テーブルの端っこで私は自由だと日々息まく
【スリル】
ギリギリ、スレスレ、紙一重。
君の機嫌が悪くなりそうで、悪くはならない微妙なところ。
基本、構ってほしい俺は君と2人だとベタベタしてイチャイチャしてたい(真顔)。
でも君は真面目だから2人きりだとしても、そんなに甘くはない。
だからこそ俺は「構って構って」と後追いして、君の邪魔をしまくるわけだ。
君が料理を始めればエプロンの裾を引っ張り、君がテレビを見ようとすれば俺はソファに横たわって座れなくするし、君がお風呂に入ろうとした途端に俺も走って浴室に駆け込む。
君は優しいから、そんな俺に呆れながらも「はいはい」と構ってくれる。
でもやり過ぎれば君だって雲行きが怪しくなる。
だから、そうならないように加減しつつ「構って」攻撃を仕掛けるんだ。
こういうのってスリルって言うんだろ?違う?
ースリルー
バレるかバレないかギリギリの
あのこしょぐる感じ
わざわざ欲しがる自分が
かわいく思えるあの感じ
いや、僕はビビりでヘタレだから、スリルとサスペンスは苦手なほう
そういう小説が書けたらいいな、とは思うんだけどね
気づいたら、なぜかヘタレが主人公の作品ばっかり書いててさ
やっぱりそういうタイプのほうが気持ちがわかるっていうかw