『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキのイメージは…
縁側にお団子…花瓶にススキがあって
満月の夜空を皆で眺めている
……そんな感じかな
しかし、現実の私は違う…
何故ならば、ひどい花粉症だからだ
その原因の1つは、イネ科の植物だ
春先から秋口までず〜っと悩まされる
ススキもしっかりイネ科だ…
おまけに、日本人の主食である稲穂に
花が咲いた時なんかも、もちろん鼻水と
くしゃみの連発となる…
だから寝る前のルーティーンは忙しい
痒み止めに目薬·鼻づまりに鼻炎スプレー
イジイジと違和感がある顔にはクリーム
イガイガの喉には、のどぬ〜るとのど飴
布団に入る前にやる事が多すぎて疲れる
昔は、花粉症とかなかった気がするが
今のデリケートな体質がホント煩わしい
さて……今からやるとするか
僕達の大嫌いな思い出の場所で一緒に死のう。
音楽なんか大っ嫌いなんだ。
昔から父さんと母さんにはよく言われたさ。
「お前は音楽の才能に恵まれているんだ。音楽をしなきゃ勿体ない。」
好きでも無いピアノを続けさせられて、それも暴力を受けながら。
俺はずっと友達と外で遊びたかったのに。
だけど俺の好きな人は音楽が大の好きだった。
音楽室、放課後の音楽室はいつにも増して静かだった。
俺と好きな人は2人きり。
夕焼けが音楽室の物たちを窓から照らしていた。
好きな人はピアノを軽く弾いていた。
「……………………音楽、好きなんだっけ。」
「うん。好きだよ。」
俺は静かにピアノを弾いている好きな人の手を取った。
好きな人の手は小さくて、俺の手は震えてて。
「…………音楽が好きなの、憧れるよ。」
「ふふっ、ほら、震えてる。怖いんでしょ、音楽が。」
好きな人はそう言って俺の事を優しく抱き締めてくれたんだ。
「無理に聞かなくても良い、私のことを好きにならなくても良い。ただ、私と__________」
「あぁ、良いよ。ただ、アンタは後悔しないの?」
「…勿論、後悔しない覚悟で言ってる。だってこれが、愛の告白なんだから。」
手繋ぎ歩く 黄金色の線路沿い
若き日の貴女と幼き日のわたし
「ススキ」
母の誕生日に
ススキを見ると、秋なんだなぁって実感が湧く。
秋って、暑すぎず寒すぎずちょっといい気温だから好きだな。
でも、もうすぐ冬が来るんだよね。
嫌だなぁ、寒いの。
ススキとて 夜はひとりよ 目をつむり
なんとなく俳句が書きたくて
でも書けないのでススキについて調べていたら
群生するススキの画像ばかりが出てきたもんで
たまには寂しくなりやがれと思ったのです
月光に照らされて、ススキ野原は銀色に光る。
ところどころ金色のセイタカアワダチソウが揺れる。
カサカサッ
子狐が出てきて、前足を揃えて白い月を眺める。
後ろの方で、ススキを超える高さで大人の狐がぴょんっ、と跳ぶ。
お母さん狐だ。
カヤネズミでも獲っているのだろう。
どこかでアオサギがグワーッと鳴いた。
「ススキ」
ススキの葉が天に向かって咲いている
秋から冬へ移り変わるその様は
きっと自然ともの寂しくも感じるだろう
綺麗だと笑うことさえ叶わなかった僕だ
優しさを優しさと理解出来なかった私だ
僕が私がいつか天高く飛べる様を
誰かは願っているのだろうか
ふわふわと風にゆれる穂が秋を告げていた。
良い思い出はいつもススキと共にあったように思う。
田舎暮らしは存外良いものだ。
テレビに映る高いビルやたくさんの店なんかはないけれど、文字通り自然だけが取り巻いている環境も悪くはない。あるがままの全てを受け入れるというのもまた人間の一つの当たり前の姿なのだ。そんな田舎暮らしも、のんびりと時間がすぎているわけではなく、案外常に忙しい。
特に、秋は。食欲の秋と言われるように、それらを作るものたちは一年で一番忙しい時期なのだ。
わたしはそんな忙しい秋が好きだ。農家は汚くて古臭くて良い印象を持たれないが、きっとあなたも農家に生まれていたら汚いからと簡単に捨て去るのは難しいだろう。生まれ育った場所を売り払うのは勇気がいる。捨てる勇気がなかったから、わたしは今もひとりで続けている。少しずつ、少しずつ思い出の場所を削りながら。
失ってゆくのが怖いだけだ。
冬は枝を切る。大きな鋏も今は手に馴染む。
春は田に水を引き、種を植える。横を見れば隣で一年越しの日焼けをした祖父が笑っている。
夏は野菜を収穫し、強い日差しの中林檎に袋をかけたり、庭の見事な花たちの世話をする。雑草抜きはキリがないけれど、祖母と話していれば一瞬だった。
秋は米や林檎の収穫だ。最近そんなに高くは売れないけれど、愛を込めた果実が誰かの笑顔になれば良い。
秋は、忙しくて悲しみさえ吹き飛ばす。
冬まで一瞬だ。
脱穀や林檎の選定に疲れて、汚れた服のまま外に出る。
秋は月がよく見えて、ススキが冷たい風に揺れる。
耳を澄ますと虫や鳥や木々の囁く音が聞こえる。
大きく息を吸えば爽やかな林檎と木箱の香り、米から落ちたもみ殻の癖になる匂いが胸いっぱいに広がる。
月が綺麗で、ススキが揺れて、匂いがして。
そうすれば記憶の中の祖父母は頑張ってるなと笑う。
秋がすきだ。
愛されなかったわたしを愛してくれた人が好きだから。
世界でいちばんの幸せをくれた。
もの言わない植物たちに、思い出が水となって実りを与えてゆく。そしてそれらに触れたとき、また私の中に思い出が巡るのだ。
ほんとうは、こんな風にずっと過去に縋っていてはいけないんだろうけど、何もかも捨てられないでいる。もう農業をやるには厳しい世の中だ。知り合いの年老いた農家は皆、木を切って畑を焼いて売り払ってしまった。一回り上の世代でさえ継ぐ人間はいなくなってしまっている。それでも手放したく無いと思う。だって秋がこんなにも美しい。
忙しくて目が回っている間は辛くなんてないんじゃないかと思っていられる。何にも返せなかった、何にも持っていないわたしが作った物が誰かの喜びになれば救われるような気がする。ただの死までの時間稼ぎのような毎日だ。
月が綺麗で、ススキが揺れて、匂いがして。
私の秋は今年も、密やかに愛を告げている。
手を振っているのか、会いに来たのか枯れ尾花
愛しい人たちが作り上げた美しいものたちが失われていくのを必死に繋ぎ止めて生きています。他の人から見ればぐちゃぐちゃで統一性のない庭園も、虫や獣や泥ばかりの畑たちも、古臭い機械や家も。ぜんぶ私にとっては輝く宝物なのです。今は兼業してどうにか回していますが、きっと私ひとりきりでは歳をとって、いつかは駄目になってしまうでしょう。それまでには思い出を切り捨てる決心がついていれば良いなと思います。規模の大きな遺品整理をし続けているのです。秋くらいは人手が欲しいのでススキになって手伝いに来てくれないかな。会いたいな。
骨は語らない。石や木に書かれた文字は癒してはくれない。けれど、枝の切った跡や植えた植物たちは色濃く彼らの生きた証を示し続けてくれる。ここで生きていた事を。
ススキ
ススキ
やっぱり秋が1番好きだ。春よりも夏よりも冬よりも秋。夕暮れどき、あの人と歩いた道にそよ風が吹く。通り過ぎる度にススキがゆれて少しこそばゆい帰り道となった。
ススキをかき分け進んでいく。
自分がどこにいるのか、どこへ行こうとしているのか、ここがどこなのか全くわからない。
でも何か誘導されるように黄金のススキをかき分けて進む。進む。進む。
ススキの穂が頬を撫でる感覚がくすぐったく、次第に笑いが募る。
意味もなくススキをかき分ける自分がバカみたいで足を止めて大声で笑った。
「ぴぴぴぴぴ、ぴぴぴぴぴ、ぴ、」
「うーん...」
アラームの電子音がけたたましく鳴り響く音で目が覚める。いつもの朝。変わったことなんで何もない。
少し塗装が剥げた古い時計。面白みのない見慣れた白い壁。乱雑に畳まれずに置かれた洗濯物。そしていつも見るススキの夢。
なんてことない朝の始まりだ。
【ススキ】
新月の夜
野原でススキを集めた
束ねて括れば魔女のホウキになるのだ
今夜の出来は上々だ
ヒラリと跨がり蹴りあげる
真っ暗な夜空は人目につかずに好都合
今夜はどこへ行こうかな
今の季節だけの密かな楽しみ
だれにも内緒、孤独と一緒に夜を舞う
テーマ ススキ
学校の帰り道
道中にあるススキが
揺れているのを見つけた
長い夏が終わって
涼しくなって
もう秋なんだなと実感する
この秋がもっと長く続きますように、、
今日は十五夜の日ということで、私はススキを取りに行った。弟はお団子を買いに行ったが、きっとお菓子も買ってくるに違いない。下手すれば持って帰ってくる途中で食べられるかもしれない。やっぱり私が団子を買いに行ったほうがよかっただろうか?私は運動するのは嫌いだし、家からススキがある河川沿いに行くまでは、歩いてざっと30分はかかる。うん、何度考えてもわたしがお団子を買いに行ったほうがよかった。弟は学校でも有名なスポーツマンだ。良い時にはマラソンの代表選手に選ばれるくらいはね。そんなことを考えながら、わたしはふと周りを見渡した。周りにはわたしのようにお月見用にとススキを取る人が少なからずいた。その人達はほとんど子供で、きっとわたしみたいにお使いに駆り出されたのだろう。何本かススキを集め終わったので、わたしは川のほとりに座って月を見上げていた。そこには叢雲に隠れた月があった。
【ススキ】
雪が積もった白い道と
栄えた街並みを彩る街路樹のイルミネーション
1年に1度だけ味わえる非現実な特別な日
白い息がこの街に溶けていくのさえ嬉しくって
滑りやすくなった白い地面で転がってしまっても
最高な1年の始まりを感じられる
2024-11-10
ススキ。秋の風物詩。私の住んでいるところは田舎なのでススキっぽいものは沢山生えているが果たしてそれがススキなのかは定かではない。外来種とか平気で生えてるしね。
十五夜になればお団子とセットで供えてある画が一般的だが、今やそれをする人は滅多に居ないだろう。十五夜も終わっちゃったし。窓を開けて、月に照らされるススキもオツかもしれない。
「ススキ」
ススキが風でなびかれているときの音が好き。
サササーッ
私にとっては心地よい。秋を感じさせてくれるし、何より音の快適さが最高。でも自分の行動範囲にススキはない。自分がいつも歩く方向とは反対方向に行くとあるのはあるが、そこまでして音を聞きたいとは思わない。面倒なのもそうだけど、言ってしまえば、ススキなんて…といった感じだ。
コロナの時はお散歩がてらにその道を歩き草木の音を感じていた。そこは山風(?)がよく通る場所で、感動的な音楽がかかりそうな雰囲気がした笑
ああー、書いていたら行きたくなった!
早く歩きに行ってストレス発散しよう
「ススキ」
そろそろススキの季節。
ススキは9月から11月くらいになると見れる。
別に綺麗でも、なにかすごいものでもない。
でも、僕はススキが好きだった。
ごく普通のススキが。
僕は普通になりたかった。
生まれつきの金髪も青い目も。
全部嫌いだった。
なんでこんな見た目なんだ。
いつもそう思ってる。
でも、ススキは普通だ。
それに植物は僕のことを珍しがらないから。
僕もススキのようになりたいな。
コトバは都に流るる人波に呑まれている
彼らはコトバを鋭利な刃物の如く使っている
コトバは美しく舞いヒトになると云っている
嘲笑の餌食と化したコトバは嘆き悲しむ
「生きる意味を教えてくれ」と叫ぶコトバ
都に訪れ言魂と戯れる吟遊詩人
コトバに麗しい装飾を纏わせ共に踊り狂う
都に流るる人波は吟遊詩人とコトバの意味を知る
生きる意味の片鱗を知った人波は忘れゆく
ストレングスと歌姫を擁する歌劇場
言魂とコトバは天空を貫き星となる
永遠の星々となった高貴なるものは
生の意味を絶え間なく彷徨う人波を照らしている
「この世は踊り狂うが勝ちさ」
と陳腐な歌を唄う吟遊詩人と歌姫
星々は人波を照らしつつ微笑みを浮かべている
単純極まりなく複雑な世界
リズミカルに変幻する世俗
嘆き苦しむ青年と淑女は救いを求める
憐憫を浮かべる聖女は只々祈っている
皆の幸せが降りかかるように
淡々と…真摯に…瞳を閉じて
『散文的雑踏』
ススキが ザーッ と風に吹かれて鳴いている
ススキといえば秋 秋といえば 寒い
秋って伝言ゲームが1番やりやすい季節なんだな...
2024/11/10『ススキ』
「ススキ」
なんとなく家に帰りたくなくて、いつもとは違う道を歩く。
丘の上の学校から麓の家への道は二つあって、普段は急な下り坂を一直線に下って帰るけど 、今日は緩やかな下り坂。
最近まではジリジリと身を焦がすような暑さだったのに、急に寒くなって長袖が欲しくなった。
まったく秋はどこへ行ってしまったのか。
人通りのほとんどない枯れた道。
私を追い越して伸びる影。
静けさに虫の声が沁みる。
―世界に私だけが取り残されたかのような。
ふと、何かが耐えられなくなったかのように涙が堰を切って溢れ出す。
そんな時だった。
金色の絨毯。
一面のススキはそう呼ぶに相応しい。
ススキの穂が風に倣って皆同じ方向を見つめている。
いつの間にか全く知らない場所に来ていたけど、どこか安心している自分がいて。
涙は自然と止まっていた。
夕日がススキを照らす。
シルエットが浮き彫りになる。
金色だったススキに影を落とす。
夕焼けが暗闇に呑まれていく。
今日が終わる。
今日が終わってもまた明日、明後日と続いていく。でもそれでもいいと今なら思えた。
「また、来ます」
ススキが手を振るかのように風が吹いた。