ススキをかき分け進んでいく。
自分がどこにいるのか、どこへ行こうとしているのか、ここがどこなのか全くわからない。
でも何か誘導されるように黄金のススキをかき分けて進む。進む。進む。
ススキの穂が頬を撫でる感覚がくすぐったく、次第に笑いが募る。
意味もなくススキをかき分ける自分がバカみたいで足を止めて大声で笑った。
「ぴぴぴぴぴ、ぴぴぴぴぴ、ぴ、」
「うーん...」
アラームの電子音がけたたましく鳴り響く音で目が覚める。いつもの朝。変わったことなんで何もない。
少し塗装が剥げた古い時計。面白みのない見慣れた白い壁。乱雑に畳まれずに置かれた洗濯物。そしていつも見るススキの夢。
なんてことない朝の始まりだ。
11/10/2024, 12:26:22 PM