コトバは都に流るる人波に呑まれている
彼らはコトバを鋭利な刃物の如く使っている
コトバは美しく舞いヒトになると云っている
嘲笑の餌食と化したコトバは嘆き悲しむ
「生きる意味を教えてくれ」と叫ぶコトバ
都に訪れ言魂と戯れる吟遊詩人
コトバに麗しい装飾を纏わせ共に踊り狂う
都に流るる人波は吟遊詩人とコトバの意味を知る
生きる意味の片鱗を知った人波は忘れゆく
ストレングスと歌姫を擁する歌劇場
言魂とコトバは天空を貫き星となる
永遠の星々となった高貴なるものは
生の意味を絶え間なく彷徨う人波を照らしている
「この世は踊り狂うが勝ちさ」
と陳腐な歌を唄う吟遊詩人と歌姫
星々は人波を照らしつつ微笑みを浮かべている
単純極まりなく複雑な世界
リズミカルに変幻する世俗
嘆き苦しむ青年と淑女は救いを求める
憐憫を浮かべる聖女は只々祈っている
皆の幸せが降りかかるように
淡々と…真摯に…瞳を閉じて
『散文的雑踏』
11/10/2024, 12:17:10 PM