凱旋門は日常を映し
帰り途は疲労を癒す
私は瞼に光満ちてゆき
造られた過去を赦してゆく
ヴィ―スの巡礼教会
悠久の刻を眺め疲れた心身
皺は確かな幸せを刻み
耳は優しい気持ちを知る
なんとなく不安な夜も
凱旋門は心拒まず
母みたく受け入れる
聖母の微笑みを携えて
歩むだろう
明るい未来を魅て
幼年期のトラウマ
青年期の傷
壮年期の悟り
老年期の感謝
バイエルンの真珠
只々
人波を讃えている
苦労を分かち合う
生を噛み締めて
感情を解放した
涙が溢れたが
只々
心地よい
歩もう
其々の帰り途を……
『独逸連邦共和国』
慈しみの瞳と美しい心
紅の水晶みたいに半透明
潔き生き様を晒しかった
霞んだ瞳と包帯巻かれた心
生きる…死ぬ意味を求めて
愛と金を終わりなく求め
あゝなあ終わりはいつか
何時迄も地中深くふかく
眠っている金鉱は
僻んでる路上の石
に嫉妬してるらし
欲しいものは手に入らないみたい
そんな言葉を並べても
退屈な世界らは
今日も働くよう
ケセラセラ
ある友人は笑ってた
紫苑色の電灯は
不安げに
優しく
夜を照らしている
常闇にそっとある
淡い光
それは人生だ
『人の生』
嘘に満ちた世間に本当は
正に満ちた群衆に罪悪は
偽りの笑顔を魅せる貴女
移り変わる過去になにを
移り替わる感情になにを
果たしてなにを遺したい
未だ生を享受してない魂
未だ愛を感じたい本能を
それらすべて正解はないものだ
曖昧に時間が流して綺麗になるもの
虚しさ胸苦しさ
あの日の体温は
今も尚、輝いてる
悪夢のような日々の連盟隊
悪は愉快さ愉しさ快さを
夢は宇宙の無限みたく
野垂れ死ぬ定めなのか
妖精は死にゆく心を癒す
七人の聖人は世を救う
日々の中で別れた共
々と邂逅した懐旧は
ノイズを埋めている
連奏するストレングスの琴音
盟友を裏切る歴史の定めだ、どうやら
隊長らは民を護るため伝承と成ったらしい
汚れた心を抱えて野に咲く蒼き草原
母の胎盤で眠る魂の平穏に包まれる
そうして世界は幼子を受け入れた
優しく恥ずかしそうに…
儚げなあの人の横顔
ゆんわりと噛み締めながら……
『愛の協奏曲』
短歌『富士山』
富士を観て
労苦感じて
飯を喰う
あの春何処へ
迷路を歩む
鼻腔に澄んだ空気を含み佇む
都落ち幾千年の時代の荒波が
荒んだ世界を太古の姿に戻す
たった独りの人間である私が居る
炎を纏う虎、凍てつく梢、風となるガゼル
彼らは明日を憂うことはなく、今を生きる
私は感情を賜うた訳がわからない
他人と話すことは何年先にあるか
心は純白の氷みたく凝固したから
私が朽ち果て幾光年の先にはなにがある
金木犀の香りが忘れられない
貴方の存在を確かめる匂いだった
人類の足跡を探しつつ
私は祠の中で慎ましく眠る
生命の炎環をこの手に包んで…
『想見』