『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキをかき分け進んでいく。
自分がどこにいるのか、どこへ行こうとしているのか、ここがどこなのか全くわからない。
でも何か誘導されるように黄金のススキをかき分けて進む。進む。進む。
ススキの穂が頬を撫でる感覚がくすぐったく、次第に笑いが募る。
意味もなくススキをかき分ける自分がバカみたいで足を止めて大声で笑った。
「ぴぴぴぴぴ、ぴぴぴぴぴ、ぴ、」
「うーん...」
アラームの電子音がけたたましく鳴り響く音で目が覚める。いつもの朝。変わったことなんで何もない。
少し塗装が剥げた古い時計。面白みのない見慣れた白い壁。乱雑に畳まれずに置かれた洗濯物。そしていつも見るススキの夢。
なんてことない朝の始まりだ。
【ススキ】
新月の夜
野原でススキを集めた
束ねて括れば魔女のホウキになるのだ
今夜の出来は上々だ
ヒラリと跨がり蹴りあげる
真っ暗な夜空は人目につかずに好都合
今夜はどこへ行こうかな
今の季節だけの密かな楽しみ
だれにも内緒、孤独と一緒に夜を舞う
テーマ ススキ
学校の帰り道
道中にあるススキが
揺れているのを見つけた
長い夏が終わって
涼しくなって
もう秋なんだなと実感する
この秋がもっと長く続きますように、、
今日は十五夜の日ということで、私はススキを取りに行った。弟はお団子を買いに行ったが、きっとお菓子も買ってくるに違いない。下手すれば持って帰ってくる途中で食べられるかもしれない。やっぱり私が団子を買いに行ったほうがよかっただろうか?私は運動するのは嫌いだし、家からススキがある河川沿いに行くまでは、歩いてざっと30分はかかる。うん、何度考えてもわたしがお団子を買いに行ったほうがよかった。弟は学校でも有名なスポーツマンだ。良い時にはマラソンの代表選手に選ばれるくらいはね。そんなことを考えながら、わたしはふと周りを見渡した。周りにはわたしのようにお月見用にとススキを取る人が少なからずいた。その人達はほとんど子供で、きっとわたしみたいにお使いに駆り出されたのだろう。何本かススキを集め終わったので、わたしは川のほとりに座って月を見上げていた。そこには叢雲に隠れた月があった。
【ススキ】
雪が積もった白い道と
栄えた街並みを彩る街路樹のイルミネーション
1年に1度だけ味わえる非現実な特別な日
白い息がこの街に溶けていくのさえ嬉しくって
滑りやすくなった白い地面で転がってしまっても
最高な1年の始まりを感じられる
2024-11-10
ススキ。秋の風物詩。私の住んでいるところは田舎なのでススキっぽいものは沢山生えているが果たしてそれがススキなのかは定かではない。外来種とか平気で生えてるしね。
十五夜になればお団子とセットで供えてある画が一般的だが、今やそれをする人は滅多に居ないだろう。十五夜も終わっちゃったし。窓を開けて、月に照らされるススキもオツかもしれない。
「ススキ」
ススキが風でなびかれているときの音が好き。
サササーッ
私にとっては心地よい。秋を感じさせてくれるし、何より音の快適さが最高。でも自分の行動範囲にススキはない。自分がいつも歩く方向とは反対方向に行くとあるのはあるが、そこまでして音を聞きたいとは思わない。面倒なのもそうだけど、言ってしまえば、ススキなんて…といった感じだ。
コロナの時はお散歩がてらにその道を歩き草木の音を感じていた。そこは山風(?)がよく通る場所で、感動的な音楽がかかりそうな雰囲気がした笑
ああー、書いていたら行きたくなった!
早く歩きに行ってストレス発散しよう
「ススキ」
そろそろススキの季節。
ススキは9月から11月くらいになると見れる。
別に綺麗でも、なにかすごいものでもない。
でも、僕はススキが好きだった。
ごく普通のススキが。
僕は普通になりたかった。
生まれつきの金髪も青い目も。
全部嫌いだった。
なんでこんな見た目なんだ。
いつもそう思ってる。
でも、ススキは普通だ。
それに植物は僕のことを珍しがらないから。
僕もススキのようになりたいな。
コトバは都に流るる人波に呑まれている
彼らはコトバを鋭利な刃物の如く使っている
コトバは美しく舞いヒトになると云っている
嘲笑の餌食と化したコトバは嘆き悲しむ
「生きる意味を教えてくれ」と叫ぶコトバ
都に訪れ言魂と戯れる吟遊詩人
コトバに麗しい装飾を纏わせ共に踊り狂う
都に流るる人波は吟遊詩人とコトバの意味を知る
生きる意味の片鱗を知った人波は忘れゆく
ストレングスと歌姫を擁する歌劇場
言魂とコトバは天空を貫き星となる
永遠の星々となった高貴なるものは
生の意味を絶え間なく彷徨う人波を照らしている
「この世は踊り狂うが勝ちさ」
と陳腐な歌を唄う吟遊詩人と歌姫
星々は人波を照らしつつ微笑みを浮かべている
単純極まりなく複雑な世界
リズミカルに変幻する世俗
嘆き苦しむ青年と淑女は救いを求める
憐憫を浮かべる聖女は只々祈っている
皆の幸せが降りかかるように
淡々と…真摯に…瞳を閉じて
『散文的雑踏』
ススキが ザーッ と風に吹かれて鳴いている
ススキといえば秋 秋といえば 寒い
秋って伝言ゲームが1番やりやすい季節なんだな...
2024/11/10『ススキ』
「ススキ」
なんとなく家に帰りたくなくて、いつもとは違う道を歩く。
丘の上の学校から麓の家への道は二つあって、普段は急な下り坂を一直線に下って帰るけど 、今日は緩やかな下り坂。
最近まではジリジリと身を焦がすような暑さだったのに、急に寒くなって長袖が欲しくなった。
まったく秋はどこへ行ってしまったのか。
人通りのほとんどない枯れた道。
私を追い越して伸びる影。
静けさに虫の声が沁みる。
―世界に私だけが取り残されたかのような。
ふと、何かが耐えられなくなったかのように涙が堰を切って溢れ出す。
そんな時だった。
金色の絨毯。
一面のススキはそう呼ぶに相応しい。
ススキの穂が風に倣って皆同じ方向を見つめている。
いつの間にか全く知らない場所に来ていたけど、どこか安心している自分がいて。
涙は自然と止まっていた。
夕日がススキを照らす。
シルエットが浮き彫りになる。
金色だったススキに影を落とす。
夕焼けが暗闇に呑まれていく。
今日が終わる。
今日が終わってもまた明日、明後日と続いていく。でもそれでもいいと今なら思えた。
「また、来ます」
ススキが手を振るかのように風が吹いた。
ゆらゆら、と風で揺れる。
季節は巡り
風が冷たくなってきた
冷たい風が頬を撫でる
あぁ、すっかり冬だなぁと
空を見上げる。
男心と秋の空、なんて言うけど
案外当たってるかもな、
ポケットに手を突っ込み、思いを馳せる
ススキ/夜凪
ススキ
秋を知らせるススキ
なんとなく冷たい風と悲しさを感じさせる
私の心にも風が吹いて心いっしん
大事なのはきっと秋を感じて自分の気持ちを感じて
一歩前に進むためには何をしたいのかを
問うてみる心
ススキが風に揺れるのを見つめ
心をスッキリさせる為に風を吹かせて
新しい年まであと2ヶ月
自分を好きと堂々と言える自分になる為の
風をたくさん吹かせて生きていきたい
そう思った
【ススキ】
秋の植物、月と共に愛でるもの。それ以外の感想なくない?花言葉調べたけど生命力が強い所が由来のものが多かったね。ちなみに幽霊の正体見たり枯れ尾花の枯れ尾花ってのは枯れたススキの事だとさ。へー、また一つ知識が増えたね。もうこれ以上の情報はないよ。
─── ススキ ───
今年も呑気に満月を見ながら
ボーッと食べるお団子は格別で
隣の呑兵衛は団子より酒だと
清酒をちびちびやっている
萩、薄、女郎花、桔梗、撫子、葛、藤袴
ふんわり香る
秋の夜
さやさやと靡く白髪 秋の風
/お題「ススキ」より
ススキ
人は月見の季節に飾られ
虫にとってススキは食べ物
ススキは人と虫を繋ぐ植物
ススキ
海の光が
反射されて見えた
ススキ
周りでホタルが
踊ってる
それに釣られて
チョウやバッタか
目を覚まし、
踊りだす
あれ…、なんだか私も
踊りだす
月明かりがぼんやりと明るい。
吹き荒れる強風で、ススキの群生が波のように揺れている。立ち尽くすのは女の子の背中――。
……そんな夢を見た。
なんだったんだろう。眠たい目をこすりながら思う。
日本人にとってススキは、馴染み深さと同時に郷愁を誘う。
だから自分の脳みそが無意識に女の子を棒立ちさせたり、設定を嵐にしたり、夜にしたり……勝手なイメージを作り出したのはあると思う。それこそがススキがススキたるゆえんなので。
夢に出てきた女の子は、愁いの象徴のような植物であるススキに囲まれたていた。顔は見えない。まるで何かを決意しているようだった。
思い出した。
この匂い。
私の育った環境は畑が広がる地域だった。
月見の時期になると祖母がススキをどこからか飾り、
団子を用意してくれた。
誰もいない周り廊下から、月明かりの庭を眺める。
静かだ。
ススキと団子のこの匂いが、
いつでも私をあの頃に導いてくれる。