月明かりがぼんやりと明るい。
吹き荒れる強風で、ススキの群生が波のように揺れている。立ち尽くすのは女の子の背中――。
……そんな夢を見た。
なんだったんだろう。眠たい目をこすりながら思う。
日本人にとってススキは、馴染み深さと同時に郷愁を誘う。
だから自分の脳みそが無意識に女の子を棒立ちさせたり、設定を嵐にしたり、夜にしたり……勝手なイメージを作り出したのはあると思う。それこそがススキがススキたるゆえんなので。
夢に出てきた女の子は、愁いの象徴のような植物であるススキに囲まれたていた。顔は見えない。まるで何かを決意しているようだった。
11/10/2024, 12:03:47 PM