『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキの穂が揺れて
あの世へと
手招きをしている
【ススキ】*153*
中秋の名月が浮かぶかな
後、滝を見に行った時の山道に
見渡す限り一面に広がっていて
なんだか開放感ハンパなかったのを覚えてる
まぁ…ススキよりお団子ですが笑
「ねぇ、たまには地上でお月見しない?」
その言葉に、あたしは一瞬 言葉を失った。
逢魔時から黎明にかけては、悪魔が活発に動く時間。…とはいえ、それだけなら、自我さえしっかり保っていれば襲われることはない。
ただ、あたしは「仲間殺し」…人間で言うところの殺人を犯した悪魔だ。そしてあたしにお月見を提案してきた彼女は、あたしの契約者…悪魔視点で見れば、罪人を匿う共謀者だ。
追手共から逃れるために、私達は地上を捨てて、空島へと移り住んだのに…わざわざ夜の地上に降りるなんて、自ら見つかりにいってるようなものじゃない?
「…まぁ、心配なのはわかるよ。危険なのは、百も承知。でも、私だってこの数年でだいぶ強くなったはずだし……たまには二人で、空島では見れないような景色を楽しみたいから」
柄にもなく顔に出てたみたいで、彼女は困ったような笑みでそう言葉を続けてきた。
…まぁ、確かに。契約直後の彼女に比べれば、今の彼女の力は比にならない。仮に悪魔に襲われたところで、今の彼女なら返り討ちなんて容易よね。
彼女の強さは、あたしが一番間近で見てきたしね。
地上に降りたあたしは、彼女にナビゲートされるまま足を運ぶ。そうして小高い坂を登りきったあたしの前に、金色の海が広がった。
…いえ。海に見えるけど、あれは草ね。草なはず、なのだけど…月光を反射して、キラキラと輝いて…とても草とは思えないほど、綺麗…。
「ねっ、地上でのお月見もたまにはいいでしょ?」
「…フフ、そうねっ。」
地上から見る月は、空島の月よりも小さくて、白くて、模様もなんとなくぼやけてた。
でも、金色の海には…その小ささと色がちょうどいいような、そんな気がした。
(「空島」―悪魔と契約者―)
#7_ススキ_
冬に帰ってくる時、ススキを持っていた。
何時も帰ってくる訳じゃない、不定期だった。
乾季に入って、貴方は花言葉を言っていた。
ススキは凄いんだ、きっとLizuも。
そう言っていた、何時。
ススキの花言葉
生命力etc.
『貴方は僕に生きてって言う、でも僕はもう。』
2024/11/10
「ススキ」
私は、ススキを見ると、秋が訪れたと感じている。
今年の秋は、何をしようか?と私は風景を見ながら思う。
魔王プラント配下
七つの秋草が一角、群生のススキ
彼は、直属の兵団と共に樹兵アカマツの軍勢を瞬く間に育て上げる能力を持つ
普通ならば敵によってすぐ討ち取られるはずの弱い樹兵でも、ススキの庇護下に入れば大成する可能性が格段に上がる
群生のススキを攻略するためには、樹兵アカマツの軍勢が育つ前に、直属の兵団を素早く殲滅しなければならない
時間をかければかけるほど、こちらが不利になっていく
樹兵アカマツの軍勢が完成してしまえば、勝利は絶望的となるだろう
だが兵団さえ突破することができれば、もはや群生のススキに為す術はない
そうなれば、こちらの圧倒的有利に戦いを進めることができるのだ
いかに素早く攻められるかが、勝利への重要なポイントとなるだろう
「ススキ」
今夜はキツネの魔女の集会だよ
そんな声が背中から聞こえて来て
振り向いたら
女の子二人組がバスを降りようとしていた
それだけで
降りるつもりのなかった場所に降りてしまった
停留所の名前は 薄ヶ原
知ってる
昔 この近くに住んでいたから
そうじゃなければ いくら何でも
こんな無謀な事はしない
いつの間にか夕闇が濃くなり
女の子ズの姿はもう見えなくなった
ひとり 月明かりを頼りに歩き出す
そもそも 私は何処へ行こうとバスに乗ったんだっけ
向かう先に
月に照らされた原っぱが見えてきて
遅かったねえとキツネの女の子が
群衆の中で手を振っている
ススキ
僕の生まれた村は、たくさんのススキにぐるっと囲まれた小さな村だ。昼間は太陽の光に照らされ黄金色に、夜は月の光で銀色になる。黄金色も銀色もとっても綺麗で、秋になるのを村を人たちは楽しみしている。僕もススキが大好きだ。
秋の昼過ぎ、僕は母さんに頼まれて隣り町におつかいに出された。隣り町までは、ススキの原っぱを抜け、橋を2つ渡った先にある。僕の足でもおつかいを済ませ帰ってくるまでにそれほど時間は掛からない。
ただ、出かけるとき母さんから「帰りにススキの原っぱを通る時、誰かに声を掛けられても絶対に振り向いては駄目よ。約束できる。」と言われた。
誰が声をかけるのかな?
母さんの顔が笑っていなくて心配そうだったから分かったと答えた。そんなに遅くならないし大丈夫。
ススキの原っぱを出て、橋を渡り順調におつかいを済ませることができた。帰ろう。
ボツボツ
雨が降ってきた。このまま帰ったらおつかいの品が濡れてしまうし、通り雨かもしれない。雨宿りしてから帰ろう。
雨が上がると夕闇が迫ってきていて、だいぶ時間が経ってしまったらしい。急いで歩き出す。もう少しでススキの原っぱだ。
「おーい。坊主。忘れ物だよ。」
え?忘れ物?
驚いて振り向うとした時、ススキの原っぱの方からも声がした。
「振り向いてはダメ。約束したでしょ。」
「さあ。走って。早く帰らないと」
「お母さんが待っているわ」
そうだ。母さんとの約束。
僕は走り出す。
「坊主。待て。待て。そんなに走ったら転ぶぞ。」
あの声があとから追いかけてくる。
「待ちなさい。父さんだ。一緒に帰ろう」
え?父さん?
確かに父さんの声だ。
「ダメよ。」
「さあさあ。前を向いて走って。」
「私たちが守ってあげるから。走って。」
ススキが一斉にざわざわと大きな音をたて揺れ始めた。
そうだ。父さんは出稼ぎに行っていて、こんな時期には帰ってこない。あの声だ。
早く、早く、ススキの原っぱを抜けないと。捕まる。あの声に捕まる。
僕はススキたちの声に励まされながらススキの原っぱを走り抜け、村に入り急いで家の玄関を開けた。
「ただいま。母さん!」
「おかえり。遅くなったから心配してたのよ。誰かに呼び止められなかった。
「大丈夫。ススキが守ってくれたから。」
この村はススキに守らている。外の世界は色んな魔物が住んでいて、特に人間と言う魔物が一番怖い。人間に声を掛けられても決して振り向いてはいけない。捕まってしまえば見世物小屋に売られてしまうから。僕らはススキに守ら静かに暮らしていたいだけ。
「ススキ」
この季節になると
あちこちで見たススキ。
当たり前のように家では
季節行事が行なわれていた。
当たり前のように
思っていた団欒。
有難い事だったんだな。
ススキ
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」
「なにそれ」
「幽霊見たと思ったら枯れたススキだった、っていうしょうもない話」
「ふーん。オレたちの話みたいにしょうもないね」
「喧嘩売ってんのか後輩??」
怖いと思っているものも、ちゃんと見れば案外つまらないものなんだよって意味だっけ。スマホの予測変換でもこれが出てくるから、かなり有名な言葉なんだろう。あれ、これ、私のスマホだけかな?
なんでこんな話になったのかと言うと、私の双子の弟が大量のススキを抱えてやって来たからだ。
「どうしたの、そのススキ」
「生えてたから採ってきた」
「そんなにススキ好きだったっけ?」
「いや、別に」
「えぇ……」
「うちにいっぱい飾ってたもんね」
聞いたところによると、ススキは縁起物らしい。稲穂に見立てて神様への奉納品に愛用されていたとか。なるほどなー。どうりで私たちの実家でいっぱい飾ってたわけだ。いやね、うち元々神社だからさ……。
案外、弟も実家が懐かしくなって両手いっぱいのススキを採ってきたのかもしれない。
結局、私と弟と後輩の3人でススキを分けて各々の家(私の場合は下宿先)で飾ることにした。
飾った次の日から、同じ下宿人のひとりが頻繁にくしゃみするようになった。
もしかして:花粉症
(いつもの3人シリーズ)
「ススキ」
ススキを見ると
いつも
″ほうきだぁ~″
と言って
喜んでいた君を
思い出す
綺麗に夕日に輝く穂は美しい
強い風に飛ばされて子は巣立っていく
また来年会えたらいいね
ススキ
通りかかった道で太一は道端に生えている淡く金色の植物に目を留めた。
それはススキと呼ばれる秋の植物である。
「あ〜もうそんな時期なんだ」
太一はススキを見て、そう呟く。
ススキを見るともう季節は秋なのだと実感させられる。
そう言えば、今年はお月さまは見れるだろうか?
去年は雨で見れなかったが今年は見れたらいいなと思いながら太一は再び歩き始めた。
END
題 ススキ
風に揺れるススキ
無限に揺れる夕日に照らされたススキを見ていると
黄金色に優しいススキに、紫色の、ピンク色のヴェールがかかっているようで思わず微笑んでしまう。
1日の時でも1番優しさに溢れる時間を目撃してしまったようで、
ただただ私の髪を揺らす風は癒しの風に感じて
空気の香りも少しだけ夏よりも重いような、秋の香りをまとっていて、
わたしはそこから動けなくなる。
その光景から離れたくなくなる。
その優しい空間にいつまでも存在したいと思う。
少し経つとピンクも紫色も次第に濃い青色に変わっていって、藍色に変わってくるんだ。
黄金色のススキも影のように色を落として行く。
今日この時間に、立ち会えて良かったな。
私はそこではたと思う。
1日のステキな時間に気づいて立ち会えたなんて、なんて幸せなことなんだろう。
私は、さっきの美しい空間をしっかり目に焼き付けて、ずっと忘れないでいたいな、と思った。
ススキ
ススキはすごいと思う。
風が吹けばゆらゆらと揺れている。
何事も受け止めるかのように。
優しく、時に激しく、その様子はまるで人間の感情のようだ。
そして、私は思う。ススキの花言葉ってなんであんなに素敵なのだろう、と。
ススキの花言葉
生命力 なびく心
ススキとセイタカアワダチソウ
勢力争いをしてると知ってから
何故か
ススキを見かけると
応援したくなるんだ。
月夜には
ススキが似合うから…。
今日の夕飯は何を作ろうか。
冷蔵庫に残る野菜のかけらを指折り思い出しながら家路を急ぐ。時刻は19時を過ぎている。
つい数日前まで残暑を引きずったかと思えば、すっかり秋めいた肌寒い風が袖の隙間に入り込む。
日が落ちるのが早くなり、辺りは薄暗い。
もう鍋が食べたい季節だな、などと考えながらスーパーへ続く角を曲がると、右手の小さな空き地にススキが群生しているのが目に留まった。
昔よくここでススキを採って遊んだな。
柔らかい穂先をすべらせて、猫じゃらしのように手の甲をくすぐったり。
ひとしきり遊んだら、穂先を一つ一つ扱いたり。
幼い頃は目に入る植物どれもに興味を惹かれたが、中でも秋にだけ出会えるふわふわの穂先には、一際夢中になったものだった。
ススキが目に入っても注意を向けなくなったのは、一体いつからだっただろうか。
歩みを進めると、スーパーの強い蛍光色の明かりが店内から漏れて視界を照らす。
えーと、厚揚げ豆腐は一番手前の冷蔵コーナーに……
ススキの感傷から鍋の具材に意識を移して、見慣れた自動ドアをくぐった。
ススキは人生のようだ。やがて枯れていく様子はまるで命のようだ。
キミにこの気持ちを伝えたい
勇気をもってキミに告げたいんだ!
「ス、スキだ!」
日向翔陽
奴は…圧倒的光属性。
闇属性やそれらに該当しない者達でも焼け死ぬ。
…奴の放つ輝きによって。
嫌いな訳じゃない。
でも、人間性やその他諸々勝てるなんて思えないほどの人間なのだ。
…太陽の光のように眩しく、太陽のように暖かい。
だが、太陽と同じように人間達の手には届かない。
それでいて、厳しい。
…言い方を変えよう。
さっぱりしている。
太陽も照らすだけ照らして、暖かくするだけして、私たちをどうこうするつもりがない。
…でも、私たちには居ないと困るような人間。
羨ましい。
…こんな人間だから、私の三毛猫にも…音駒の脳にも懐かれるのだ。
程よい距離感で且つ、優しいのだから。