「ススキ」
今夜はキツネの魔女の集会だよ
そんな声が背中から聞こえて来て
振り向いたら
女の子二人組がバスを降りようとしていた
それだけで
降りるつもりのなかった場所に降りてしまった
停留所の名前は 薄ヶ原
知ってる
昔 この近くに住んでいたから
そうじゃなければ いくら何でも
こんな無謀な事はしない
いつの間にか夕闇が濃くなり
女の子ズの姿はもう見えなくなった
ひとり 月明かりを頼りに歩き出す
そもそも 私は何処へ行こうとバスに乗ったんだっけ
向かう先に
月に照らされた原っぱが見えてきて
遅かったねえとキツネの女の子が
群衆の中で手を振っている
11/10/2024, 10:59:48 AM