「1年間を振り返る」
振り返れません
まだ後ろを向くほどの余裕はない
でもよく頑張ったよ自分
土砂降りの中
重い足枷をつけて
ぼろぼろの傘をさして
とりあえず前に歩いていた
手放して置いて来たもの
いつの間にか道を違えた者が
後ろに見えるかと思うと
怖くて振り返れません
どうか数年後は
あの時は大変だったねえと
振り返れるような
平和な未来でありますように
私も
私の大切な人達も
「大空」
一人で暮らして
ひとりでご飯を食べて
ひとりで夢をみる
夢の中では誰かと会話をしているのに
目が覚めたら一人
面白いね
寂しさよりも
自由に過ごせる時間と開放を選んだ
曇りの日でも
雲の上は青空だし
そのうち下界にもお日様が顔を出す
いつか力尽きるまでは
ゆるゆるコツコツ日々を過ごしましょう
雲の上は いつも青空
「泣かないで」
泣くことなんてない
ここで泣かなければ 可哀想な人にはならない
しゃんと背筋を伸ばしていれば
弱くて惨めな人にはならない
そして私は執念深いから
忘れてやらない
あと3年は 恨みがましく記憶の手帳に
残しておくよ
その頃には あなたは私の人生の中では
ほんの数行の価値すらない存在だ
お互い 何かしらの仮想敵が
ストレスのはけ口が 一人は居るのだ
だけど私は あなた以上に腹黒いから
誰にでも笑顔で本当の自分は見せないよ
だから泣く事なんかない
悲しくなんかない 多分
「キャンドル」
小さな火が
灯っていた
誰も気付かなくても
雪の日も
土日祝日も
年中無休で
小さな火だから
時々 忘れそうになるけれど
胸に手をあてると
自分だけの 炎が揺らめく
誰も見向きもしなくても
そこにずっと 燃えていた
「秋風」
秋風吹く 秋風吹く
眠れないこころに吹く
後ろ向きな言葉ばかり目に止まる時は
きっと心の中にすうすう 風が吹いているんだ
縮こまった手足を ゆるく伸ばして深呼吸
いち に
寒々とした夜空に 自分だけの光を探す
誰か助けて 誰かって誰だ
誰でもよくはない でも誰かじゃない
強張った身体を 丸まった背中を ゆるくそらして
そっと息をはく
誰でもない私が すうすうと風に吹かれながら
広くて狭い世界に 自分だけの灯りを灯す