『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ここ数年の出不精の反動か、今年の夏は沢山遠出した。
予定をつめ過ぎて疲れた日もあったけど、でも、おかげで手持ちの浴衣全て一度は着られたので大満足だ。
洗って吊りっぱなしだった浴衣を順々に下ろし、たとう紙を広げていると、後ろからあなたが寄ってきた。
「その花柄、よく似合ってた」
視線の先を辿ると黒地に七草柄。
確か水族館デートの日に着たもの。
「この柄は秋の七草。全部言える?」
「桔梗。…あとなんだっけ」
あっさり降参されたので、染めの花模様を順に指で
辿って教えてあげる。
「萩、撫子、藤袴、葛、尾花、女郎花」
「オバナってどの花?」
「花っていうか、これ。ススキのことだよ」
「えっそれススキなの!?」
唐突な驚き声にこっちが驚いた。
「水しぶきの模様だと思ってた」
だって水鉄砲みたいで涼しそうじゃん!とあまりに素直な感想を上乗せしてくるのが呆れるよりも可愛らしい。
「ね、来年、あなたも一緒に浴衣着て出掛けようよ」
「着物全然分かんないから、教えてくれたらね」
おお、案外乗り気な返事。七草に合わせるなら芒に蜻蛉あたりの、隠れお揃い柄とか着せてあげたいかも。
そしたらまた「水しぶきだ!」って笑うかな。
************
「ススキ」
************
所感:
一日中脳内BGMが昭和枯れすすきでした。そこから離れたく可愛い人達を召喚したら文章が伸びすぎ、半分消しました。2スクロール以上は読む気がなくなりません?
小さい頃から、ススキが好きになれなかった。
学校からの帰り道、空き地や道端に背の高いススキがあると、視界が遮られる。
そこから何かが覗いている気もするし、それこそ、幽霊の正体みたり枯れ尾花。
冷たい風が吹く頃には、夕方の暗い道に、ふわふわしたものが動くのだから、たまったもんじゃない。
庭の草刈りの手伝いの時も、ススキの葉は、気を抜いた拍子に、ほら、スッと、切りつけられて。
薄い細い線の傷の癖に、いつまでも痛いあの傷。
それにもめげず、戦うんだけど、
根っこはしっかりしすぎて、株ごととるのは諦めて、上っ面を刈るだけ。
春からはまた、ぐんぐん伸びだす。それも、もっとたくましい株になって。
いやだいやだ。そう思ってた。
大人になって、都会に住むようになると、空き地もないし、庭先にある家もあるかもしれないが、ススキに視界を遮られる前に、塀がある。
と思ったら、お月見に飾る用にと、なんと花屋で売っているではないか。
買うものだったのか。
私には、わけがわからない。が、
そういえば、電車から見る川の両岸が、いつの間にか、ススキより、せいたかあわだちそうの黄色が目につくようになった。
気軽に摘む場所もないんだな、
確かに、外来種強し。
一時は、花粉症のもと、他の植物が育たない物質を出しながら、覆いつくしていく、と悪者扱いも、
よく調べてみたら、
ぶたくさと間違えられてるだけで、花粉も重く、なんなら、薬草にもなる。ということなら、それも仕方ないこと。
背の高い、黄色の群生が、あの寂しげなススキにとってかわる。
日本の風情も、変わっていく。
と、思いきや。
せいたかあわだちそうは、他の植物が育たない物質を出しながら制覇していくんだけど。
多くなりすぎると、今度は、自分がそれでヤられて、勝手に減っていくんだって。
なんだか、いじらしくなる。
だから、
最後の最後に残るのは、ススキ。
と読んで、ぎょっとした。
何かが潜んでいる気がした、あの時のように。
ススキの花言葉を、調べてみる。
「活気、勢い、元気」
ああ、やっぱり。
ススキは、見た目とは違う。
私は、今でも、ススキがこわいのだ。
#ススキ 2022.11.11
そよぐ花穂に
微かな風を見る
擦れあう音が
一帯をまとめる
季節のバトンを
受け渡す
/ ススキ
「今日は帰りが遅いね。部活に行ってたの?」
君が問いかける。
教室には僕と彼女の2人きり。
「君に会いたくて、ね。」
僕のこの答えに、君の顔が少し緊張したのがわかった。
「またまた、そんな冗談ばっかり言ってー」
君のその一言で少し空気が柔らかくなる。
でも、その言葉と同時に見せてくれた笑顔に僕は心を決めた。
「あのさ、夏に『やっぱり今言ったこと、忘れて』って言ったじゃない。あれ、やっぱりなし」
「…。それはどう言う意味?」
少し困った顔をしながら、君は少しの沈黙の後にそう言った。
そして、これから僕が何を言おうとしているのかを察して、
君は頬を赤らめた。
その少し困った顔も大好きだ。
その赤くなった頬も好きだ。
彼女の全てが愛おしい。
彼女への気持ちがとめどなく溢れてくる。
それと同時に、彼女が柔らかくした空気が、またピンと張り詰める。
「あれからずっと考えてた。でもダメなんだ。」
お互いの緊張が一気に高まる。
彼女への気持ちと同じように、僕の口からも次々と言葉が溢れ出す。
「やっぱり君のことが…」
鼓動が早く、大きくなる。
彼女に聞こえているのではないかと思うくらいの音で。
「やっぱり君の事が、ス、スキだ!!」
同時に廊下から入ってきた風が、教室の花瓶に刺さってるススキを揺らした。
そんな高3の秋。
放課後の教室で。
〜ススキ〜
河原にたくさんあってワタのようにモコモコしてる。母がススキの綿毛耳に入るとイケナイというのでちょっと怖かった
秋愁華
秋茜 哀しき天
風冷たく彩り
刻は流れ…
秋茜 寂しき雫
瞳映した想い
瞼閉じて…
徒華が朱く拡がり
香る切なさ
面影は揺らめいて
擦り抜けた
残された温もり
離れてく指
風の音絲 響かせて…
秋茜 哀しき天
風冷たく彩り
刻は流れ…
秋茜 寂しき雫
瞳映した想い
瞼閉じて…
秋茜 儚き情景
薄笑み浮かべ
雫煌めき…
秋茜 聲にした
想い募らせ
独り夢へ…
ぼんやりと月を眺めた。
月の丘のまわりには、たくさんのススキが揺れていた。
月はいつでも凛としていて実に美しい。
特に、私のすむ月の丘でみる秋の月は、この世のものとは思えないような雰囲気があった。
私はこの場所が大好きだった。
だから、私はここを最期の景色に選んだのだ。
遡ること約一年前・・・・・・
私は余命一年だと宣告された。
最初は全然実感がわかなかった。
でも日が経つにつれて少しずつ
「あぁ、死ぬんだ・・・・・・、私。」
と思うことが増えた。
そして今日、私の命のタイムリミットが終わりを告げようとしていた。
別に根拠があるわけじゃない。
ただ、何かが終わる。
そんな感触が私の心をつかんでいた。
お母さんが死んだときもこれに近いものを微かに感じた。
虫の知らせというやつだろうか。
さーっとひんやりとした風が私をすり抜けた気がした。
私の存在がどんどんぼんやりとしたものになっていく。
月の丘のまわりには、たくさんのススキが揺れていた。
あぁ、子供の頃はあのススキをいっぱい抱えて、家に帰ってよくお母さんに叱られたなぁ。
ふと、そんな記憶がよみがえってきた。
ふふふっ、懐かしいなぁ。
そんな思い出をいっぱい抱えて、私はお母さんの所へ走っていった。
#ススキ
ススキが揺れる。
澄み切った青にたなびく君は、ススキ。
生まれた時からそこにあったけど、
いつだって僕や街のそばにいてくれた
君がサンタクロースのように特別に目の前に現れてくれる、秋と言えば君、である存在のように
子どもの頃は思っていたんだよね。
だけど、いつしか時が経つにつれ、
僕が世界を見る目はただただ純粋でいることができなくなって、
いろんな目で世界を見るようになったとき、
君と目が合うようになっても、同じ感覚を持たなくなった。
子どもの頃の感覚が、僕の胸に今もまだあるのか、
いやもう僕はこの世界を通り過ぎることしかできなくなったのか、 わからない。
あの頃みたいに君を見て、ただただ喜べたらいいなぁ
そんなふうに思う
ススキ
人通りのない道を歩いていると
日の光があたって輝くそれを見つけた。
一斉に風に揺られる姿がなんとも魅力的で
持って帰って飾れないだろうかなどと思ってしまう程だった。
けれど、きっと
この場所で見るからこその美しさなのだと気づいて
そっとその光景を目に焼きつけた。
いつだったか知り合いが教えてくれた。
ススキの葉の中央には白い線が通っているのだと。
見知った植物だと思っていたのに
細かいところまでは見ていなかったのだと気づいて
はっとしたのを今でも覚えている。
道端の小さな雑草にも名前があって、
たくさん生えていれば土に栄養があることを教えてくれる。
普段見ていなかった、身近で小さなものほど
新しい発見を与えてくれるかもしれない。
てるてる坊主は死んだらススキになるって知っていた?
黙って風に吹かれているのが好きだって
月も星もない曇りの夜は
とりあえず紙袋に入れときな
嗚呼今夜皆既月食
停止線でたたらを踏んで
退屈なビニール傘は犯行に及んだ
ススキといえば「吸坂焼武蔵野皿」という皿がある。
上半分に濃紺の瑠璃釉、下半分が茶色い柿釉がかけられた丸い皿。瑠璃釉部分には丸く白い円が釉薬をかけずに白く残されている。
柿釉の部分をススキ野、瑠璃釉の部分を夜空に、そして白抜きされた丸を月に見立て、ススキと月の歌枕である「武蔵野」と名付けられている。
単純な色の組み合わせから秋の夜が想起される素敵な品だ。ぜひ検索してみてほしい。
ススキの思い出なんて無いから
作り物みたいな言葉になっちゃう。
きっとこういうのって
本当に見て感じた物を
嘘偽りの無い感情で伝えないと
誰の心も動かせないものだ。
わたしは、そう思うの。
あ
そもそもススキってなんだっけって思った。
─ね、
その程度の認識で書けるものなんて
その認識なりのものしか書けない。きっと。
だから
これから先色んなことを知りたいな。
嬉しいことも、─悲しいことも。
「ススキ」
夕焼けが差し込む寂れた田舎町
俺は制服も着替えず
自転車を漕ぎ、いつもあの場に向かう
森をぬけて
真夜中のススキ畑で
俺は自転車を降りた
「おーい狐出てこいよ」
俺が大きい声で呼ぶと気だるそうにススキの間を白髪の男が全裸で顔を出す
白髪の男は美し顔立ちで相変わらず白い尻尾が生えていた。
「なんだお前さん今日も証拠にもなくやってきたのか、ちゃんとお供え物はあるんじゃろうな
」
「要件を済ませたらな、今日も例のやつ頼むよ狐」
「お前さんも懲りないの」
狐の男ははやれやれと言う様子で奇麗な女子高生に変身した
「これで良いかお前さん」
「ああ、相変わらず最高の完成度だ」
いつも学校で隣のクラスの立花さん
黒髪ロング、黒い制服がよく似合う
まつげは長く、切れ目の美少女だ
立花さんに変身した狐だがやっぱり尻尾だけは隠せないようだった
「じ、じゃあ始めるか」「ああそうじゃな」「わかってるな狐、明日昼休み、俺はいよいよ立花さんをデートに誘う、お前は机に座りながら立花さんなりきるだぞ」「はいはいやればいいんじゃろう」
「そし、いくぞよーいアクション!」「た、たちばなさん」「どうしたんじゃ」「今日もいい天気ですね」「そうかわしは晴れ間は嫌いじゃがな」「……」
「あ、あのさ良ければなんだけど映画のチケット余ったんだけど今度の土曜日一緒に見に行かない」「ああ良いぞどんと来いじゃ」「本当、ありがとう」「こんな感じでどうじゃあ」
「ああ!なんだかデートに誘えそうな気がしてきたよ狐。」
「そうか良かったのう」
「ではではさっさと褒美をよこすのじゃ」
「はいこれ」「なんじゃこれは」「映画のチケットだけど」「なんじゃと」「わしはいつもの団子が欲しいんじゃ、映画とやらの紙などいらん」「それがさ狐」「なんじゃ」「やっぱりまだ心配だから映画デートお前が予行練習してほしんだ」
こんな田舎早く出ていきたーい!
そんなことを毎日僕の弟は言っていた。
「そんなこと言ったって、お前に都会はまだはえーよ。」
「都会に行きたいとちゃう。はよこのド田舎出ていきたいねん。」
わざわざ「ド」を強く発音する弟に、僕は呆れた。
「お兄ちゃんはこの田舎も好きやよ〜?」
「俺はきらい!」
笑いながらこんなことを話してた家はえらく明るく見えた。
幾年が経ったある日、東京に出た弟が帰ってきた。
「おかえり、久しぶりやね。最近はどーなん?」
「なんも、大きいこともないしいつも変わらんよ。」
たわいのない会話を交わした後、弟は急に
「お兄ちゃんまだこんなとこおるん?」
と言ってきた。
「お兄ちゃんはここが好きやさかいなぁ、
せや、暇やし久しぶりに散歩でも行こうや」
「あ、ここの公園無くなったんだ。」
「そうそう〜、全部なくなってったんよね」
と、僕は泣いた振りをした。
「お前はさ、ここ、好き?」
「……昔は嫌いやった。」
「ここの道さ、ススキまみれやん。僕このススキ見たら元気貰えんねん。ここにしかないススキっちゅーか、なんとも言えんな。ススキ見とるとはお前と過ごした日々とか思い出せたりして、嬉しなるんよ」
「……」
弟はススキをじっと見たままだった。
しばらくしてやっと口を開いたかと思えば、
「はよ帰ろ。お母ちゃんが待っとる」
と言ってきた。特に同情を求めていたわけでもないからつっかからずに
「せやな〜」
と適当に返事をした。
家に帰る途中、弟は
「俺、ここは嫌いやけどお兄ちゃんはすきやよ。
そやからススキも好き。」
まさかこんなことを言われるとは、明日は雷でも落ちるのかとさえ思える
「お前がそんなこと言うなんて、意外やな」
僕は苦笑しながら俺も好きやよ〜なんて言いながら頭を撫でる。
「散歩、ありがと。俺さ、ここに帰ってこようと思っとるんよ。東京ちょっと辛くてさ」
「ほうか〜!いつでも帰っといで。俺もススキもずっとここにおるさかい。」
「ほうか」
「お兄ちゃん、お兄ちゃんのことススキみたらよう思い出すわ。いっつも元気くれるんわ、やっぱお兄ちゃんやな。お兄ちゃん、俺結構生活充実しとるんやで?いつも笑っとるし楽しい。お兄ちゃんおったら多分、もっと楽しかったな。いつも俺のそばにおってくれてほんまありがとう。ほんとは先にいかんといて欲しかった。お兄ちゃんはススキやんな。いつまでも俺の事見守っとってな」
「おう!」
ススキの葉にふれると、指を切ってしまうよ
だからあまり近寄ってはいけない
彼はそう言って、私の手を引いた
途端、胸に不思議な気持ちが溢れる
暖かくて、柔らかくて
ずっと求めていたもの
口を開こうとして、それを頭がぐんと引き留めた
私の言葉は、まるでススキだ
誰かを褒めようとしても
反省の気持ちを表そうとしても
解決策を提示しようとしても
誰にも伝わらなくて
端からみれば口が上手くても
本音はどうしても伝えられない
結局怒られて
誰にも見てもらえなくて
そんな自分が大嫌いで
消えてしまいたくて
死にたくて
また二の舞になるのかな
そう思うと、話せなかった
ここで何て言えばいいのかな
彼と繋がった肌が暖かくて
離して欲しくなくて
何て言えば、傍にいてくれるかな
またうまく伝えられない気がして、口を閉じた
僕に寄ってくれるように、君の手を引く
途端、指先が強張る
横目にみていると、君は口を開こうとして
また閉じてしまった
君はきっと、うまく伝わらないと思ったんだね
僕はそんなこと気にしないけど
君が傷ついてきたことを知っているから
無理に聞き出そうとも思わない
だけど、いつか君が好きと伝えたいと思ったなら
その言葉を、僕にだけ伝えて欲しい
ススキが風に揺られて気持ちよさそう
さわさわさわさわ音がする
子供達はホウキみたいと喜び
私達は秋を感じる
大人になったんだなぁ
舞華
今日このアプリを見つけてダウンロードしてみた。
本を読むのは好きだったが、文章を書くことはあまりしてこなかった。学校で作文や詩などを書かされるけどそれを採点されたり人に見られるのが嫌だった。
自分の思った事や価値観をもっと上手く文章に出来たらなあという思いはずっとあった。
このアプリとかで文章を書き続けたら自分が書きたい文章が書けるようになるのかなあ?
今日のテーマは「ススキ」
ススキは他の草に隠れ、見向きもされない事もある。
ススキは葉の縁で人を傷つけてしまう事もある。
だけど、月や太陽の光がススキを照らした時、ススキは黄金色に美しく光り輝く。
私にも黄金色に輝く日が来るのだろうか?
ススキ好き好きススキ好き。
陽の光で銀色に光る。
シルバーの世界。
ゆらゆらゆらゆら…
風になびくススキは
まるで今の私の心みたい
✩.*˚ススキ✩.*˚
十六夜の月
ススキに白く射し入り
初冬の空の下は
冷たく明るい
その凍てつく光に
照らされたなら
決心はつくのか
この揺れる心も
#ススキ