『クリスマスの過ごし方』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
クリスマスの過ごし方
いつもと変わらず家事をして仕事に行く。
ちょっと特別なのは、2日続けて
ケーキを食べた。
だって、クリスマスだもの。
バニラ香るロウソクに火を灯し
クリスマスツリーの電飾も点けた。
だって、クリスマスだったのだ。
クリスマスの過ごし方
聖なる夜は、すぐやってきた
ゆっくりゆっくり、その時を待ちわびたかったのに
毎日が慌ただしくて、気がついたら、夜になっていた
ここ10年くらい、常に、記憶の輪郭がぼんやりしている
最高のクリスマスの過ごし方なら、
去年まで毎年、記録更新していた
数週間前から大きなクリスマスツリーを家族で飾り付け、
プレゼントをあれこれ悩んで選び、
当日、テーブルには母の手料理が並んで
クリスマスソングを聴きながら乾杯
いつも両親と妹がいた
そして5年前から、猫もいた
正直、話した内容や、もらったプレゼント、お料理の内容なんかはっきりとは覚えていないけど……
ただ楽しくて、幸せだったということだけは覚えている
今年も、そうでありたいと思っていた
しかし去年までと違うのは、
結婚して出ていった妹がいないこと
そして私の娘がいること
首の座らない娘にとってはじめてのクリスマス
プレゼントは、絵本にした
けど、ラッピングする暇がなかった
本屋さんに頼めばよかったと
後悔しながら、サンタのコスプレをさせる
ニコニコと機嫌よく笑う娘
夕方、両親に娘をみてもらう間に
とにかく爆速で料理をこさえて食卓に着くと
久しぶりのワインで乾杯
そして聖なる夜は、あっという間に過ぎ去ってしまった
しあわせを配り終えた ちびサンタが、すやすや寝ている
おやすみなさい
家族がくれた、クリスマスの幸せな記憶たち
今度から、私があなたにあげる番なんだね
クリスマスなのにひとり悲しくヴァロラントしてる私って。まぁ火曜は好きな人と友達とカラオケ行くし?悲しくなんてないもーん!
クリスマスだというのに、
普通にクリスマスと関係ないことして
課題をして、夜には皿うどんを食べました
こんな無粋なクリスマスを過ごすというのも
それはそれで良いかなと思いました
さあ、全て恨もう。
人間も、世界も、全て。
世間が楽しんでいるイベント事。それを楽しめない私たち。
しかし、そうだとして何を恥じる必要があるのか。
もっと、堂々と生きていれば良い。私たちこそが主役なのだから。
こう考えてみよう。クリスマスに出かける人間は、意味もよく分からないイベントに無駄なエネルギーを使うおバカな人間だ。
それに、皆本当に楽しんでいるのか。
否、クリスマスなど呪縛である。そんな呪縛に囚われ、ある種の洗脳にかかり、動いている。
自我の崩壊である。
と考えると、さも私たちが賢人であるかのように錯覚する事が出来るではないか。
こんな思考をする陰湿な楽しみ方も、クリスマスにはあって良いのでは?
いい加減な生き方しかしてこなかったので、サンタさんは来てくれなかったらしい。
「大人だからでしょ?」
冷蔵庫から缶ビールとコーラを取り出した梨花さんが、こんなにも馬鹿げた会話はないとでも言いたげに答えた。緊張を紛らわせる為の他愛ない話のつもりだった。
「大人、出来てますかね」
お礼を言ってコーラを受け取る。中身に違いはないのだろうけれど、缶の方が何故か好きだ。
「だって二十一歳じゃん」
「そうですね」
「もうお酒だって飲める」
ベッドに腰掛けて、梨花さんは缶ビールを軽く振った。
「君は飲まないんだろうけどね」
高低差のある乾杯をしてそれぞれのプルタブを起こす。さっき振った影響か、ビールが縁から溢れた。梨花さんの右手とジャージの太もも辺りが濡れる。
「やっちゃった」
「格好つけるから」
タオルの場所を簡単に説明してもらって、洗面所のそばにある棚へと辿り着く。洗濯して綺麗に畳まれたタオルが、種類別にきちんと並べられている。ハンドタオルを上から一枚取ってリビングへと戻る。
いつの間にか点けられていたリビングのテレビには、都内のイルミネーションスポットが映し出されていた。白い息を吐くレポーターの質問に、嬉しそうに男女が答えている。
「梨花さん」
呼びかけると、少し肩を震わせて梨花さんは振り返った。
「びっくりした。あ、ありがとね」
タオルを受け取った梨花さんは缶や手を素早く拭いてから「ちょっと着替えてくるね」と言い残して着替えと共に洗面所の方へと消えた。
やることもないし下手に動き回れないのでぼんやりとテレビを眺める。テレビに接続されたゲームが気になったけれど、それは触らない。
ザッピングくらいは許されるだろうと番組を意味もなく切り替えていると、パタパタと足音をさせながら梨花さんが戻ってきた。
「おまたせ」
梨花さんが部屋着で戻ってきた後は、当初の予定通り机に食べ物を広げたり二人で協力するタイプのゲームをしたりした。
「イルミネーションとか、観に行きますか?」
ゲームが一段落ついて、僅かに訪れた静寂に背中を押される形で、言葉が口をついて出た。気づいた時には遅く、梨花さんは目を丸くしてこちらを見ていた。
「君は、観に行きたいの?」
「正直興味無いですけど、梨花さんと一緒ならどこで何しててもいいなって」
梨花さんは笑った。ゲームをクリアした時より、ビールの一口目より笑顔だった。
「観に行こ、イルミネーション。ごめんね、気を遣わせちゃった」
「別に遣ってないので、早く着替えてください。結構時間ないですよ」
梨花さんが再び着替えている間、スマホを使って近くのスポットを調べる。日付けが変わるまでイルミネーションが催されている公園にチェックを入れて、脱いでいたパーカーに袖を通した。
二人してばたばたと準備を済ませて、アパートの裏側に停めてある軽自動車へと乗り込む。シートベルトを確認して、音声案内に従って発進する。
公園に着いたのは閉園まで三十分と迫った頃だった。十分にイルミネーションを堪能した人々が施設から吐き出されていく。ワンコインの入場料と引き換えに、クリスマスツリーが浮き出て見える謎のカードを貰ってゲートをくぐる。
「綺麗」
公園に並ぶ木々やオブジェ達がイルミネーションによって彩られていた。淡く光る二段の雪だるまや、首や尻尾を振る電飾の犬も、景色の中に溶け込んでいた。
「想像してたより、感動してます」
「普通に感動してると言えないの?」
「普通に感動しました」
耳たぶを抓られる。冷えていてむしろ心地よかった。
公園の広い敷地の中には特別に屋台が並んでいた。せっかくだからと、大きな綿あめを一つ買った。
「はい、あーん」
ふわふわもこもこを容赦なくちぎって、梨花さんはこちらに手を伸ばした。
「自分で食べます」
「クリスマスプレゼントだから」
「それは、」
「君が買ったやつでしょ。いいから、君はプレゼントを貰わなくちゃだめなの」
意味は分からなかったけれど、一応食べておく。
「どう?」
「甘いですね」
「そういうところだよ。まったく」
梨花さんがちぎって、どちらかが食べてを繰り返して、綿あめはあっという間になくなった。
「味は変わらないけど、なんかこっちの方が好きです」
何かを言いかけていた梨花さんを遮るように、閉園のアナウンスが響き渡った。
「帰ろっか」
屋台が畳まれていくのを横目に、客達が出口の方へと流されていく。綿あめの纒わり付くような甘さは、まだいなくなってくれそうになかった。
クリスマス?
間違えないでよ
本日は
あなたの生まれた
大切な日だ
クリスマスは部活に行き、
家族とケーキを食べて過ごしました。
クリスマスに部活があると少し落ち込むけど
冷静に考えてみると何もないよりはマシかって
思うんだよね‥。
‥はぁ、リア充になりたいかも‥笑
クリスマスの過ごし方
いつもと変わりない一日でした。
クリスマスだからと言って、さしたるイベントもなく暮らします。
ケーキもなくチキンもなく、特別なお酒もありません。
子どもたちがまだ小さかった頃は、頑張ってあれこれ用意しました。懐かしいな。楽しみに待つ子供の姿は、可愛いですから。
宗教的な裏打ちがないから、子供や恋人でもないと、商業主義に流されたイベントになるみたいで、スルーしてます。
サンタさんに特にお願いすることもないしね。無病息災は、正月に近くの氷川様にお願いするので。
『どんなクリスマスでも』
今日はクリスマスという日らしい。
僕の家族が話していたのを聞いた。
夕飯に少しだけチキンが乗っていてラッキーだったけど、クリスマスという日のおかげかしら。
大好きな散歩は雪が積もりだしたからという理由で短めだった。
子供達が寝て、リビングでパパさんとママさんが晩酌している。見られていないテレビの番組はバラエティからいつのまにかニュースに変わっている。
「今日は…というのに、…ではまた爆撃が…」
「子供食堂では、サンタに扮した…」
「…広場ではクリスマスに平和を願って…」
世界中でクリスマスを祝ってるみたいだけどそれでも今日という日に人間は争いをしている。
不思議だなぁ。
僕達が争うのは食べ物や縄張りが多いんだけど、人間もそうなのかな?
だとしたら、僕らと同じ本能だから争いはなくならないかも。
お腹いっぱいなら、ご飯を分けてあげれるけど空腹ならそんなことできないもんね。
そんなことを思いつつ僕は残しておいたチキンの骨をしゃぶった。
パパさんとママさんはいつの間にか寄り添って船を漕いでる。
こういうのが平和ってことなのかなぁ。
みんながご飯を食べれなくて苦しんでたとしても、僕はパパさんやママさんみたいにみんな幸せでいてほしい。
今日はクリスマスだから。
僕がもらってる幸せをみんなに分けてあげる。
世界中、どんなクリスマスでも、誰しもが安らげますように。
僕は鼻を地面に擦り付けて願った。
#クリスマスの過ごし方
「仕事だよ!」
と怒鳴りつけてやりたくなったのをなんとか堪えた。ICレコーダーをこちらに向けるこの女も、仕事なのだ。
煌めくイルミネーション、チキンの匂い、子供やカップルの歓声。そんな浮かれた空気を背に、一人寒空に肩を竦めていたら、声を掛けられた。
「今夜はクリスマスですが、貴方はどう過ごされますか?」
くたびれたスーツにビジネスバッグを抱えた男に、どんな答えを期待しているのか。ここ数年ケーキもチキンもシャンパンも買ってない。
それとも嫉妬と僻み根性丸出しの答えをすればいいのか。などと思っていたが、不意にあるものが目について、刺々しい気持ちが抜けた。
「……」
「あの、すいません……アンケート」
「手袋したらいいのに」
「――え?」
「雪の中継とか見てて思うけど、なんでこの寒い中で素手なの?」
「えっと……」
「あげる」
「え?」
駅のコンビニで買った、開けたばかりのカイロを押し付ける。変な奴だと思われるだろうけど、どうせもう会う事も無いのだ。構いはしない。
「今夜は帰って飯食って寝ます。以上」
少し気恥ずかしくなって、くるりと振り返ると足早にその場を離れた。
女の手にあったあかぎれが、あまりに痛々しかったから――。
百円以下でサンタになれるのなら、安いものだ。
END
「クリスマスの過ごし方」
『 クリスマスの過ごし方 』
ケーキを買って、チキンを買って
映画を見ながら過ごしていた家族団らんのクリスマス。
今年の四月に都会に上京した子供たちは
今年のクリスマスは不在。
「今年のケーキはワンホールもいらないわよね?」
「そうだな……今年は二人だけだな…」
しんみりとそんな会話をする
──────ピンポーン…
「こんばんはー、お荷物届いてます」
インターホンから聞こえた声で玄関に向かう
ガチャッ
「お母さんただいま!」
今年のクリスマスも賑やかになりそうね
起き抜けに淹れたコーヒーの湯気が、カーテンを開けただけの薄暗いリビングに白く立ち昇った。
冷え切った窓辺に佇みコーヒーを一口飲んで、ふあっと欠伸を一つ二つ。
寒いね。
フルフルと揺れる肩に、君の手がそっと置かれた。
柔らかなネル越しに伝わってくる君の温もりに背を預けて、朝焼けに染まりゆく空を君と二人で暫し見入る。
たまには早起きするのも良いでしょう?
そう言ってフワリと微笑む君に頷いて、口に手を当てて盛大に欠伸をした。
テーマ「クリスマスの過ごし方」
クリスマス
感謝したり 誰かの事を想ったり
綺麗なものに目を向けて
空を見て 空気を感じて
ゆっくり呼吸する
なんとなく チキンとケーキ買ってくる
美味しいものを食べる口実
お題【クリスマスの過ごし方】短歌
毎年のそんな平和な暮らし方
「おや、おやおやおや? これはこれは、我が部の幽霊部員くんではないか」
「……メガネの化学オタクじゃねーか。何してんだよ、こんなとこで」
「そりゃあキミ、見てわかるだろう?」
ケーキ屋のレジにいた同級生は、わざわざ近くに出てくるとくるりと一回転してみせた。赤いスカートがふわり。被った帽子がちょっとだけズレる。
「期間限定でケーキ屋のバイトだよ」
「クリスマスにご苦労なこって」
「そういうキミは、ケーキを買いに?」
「見りゃ分かるだろ」
A4の紙を見せると、ああ、と呟いて俺の手から紙を奪い取った。
ふむ、キミのケーキはこれか。勝手に納得した割に、ケーキを持ってくる気配がない。
「キミ、これはホールケーキだが?」
「知ってる。俺が頼んだからな」
「何故? キミのクリスマスの過ごし方にケチをつける訳では無いが、よもや家族のおつかいか? いや、それならキミがわざわざ頼む必要はないな。では、恋人でも?」
「いねーよ、うるせえな」
そうか。そう一言残し、奴はようやく予約したケーキを持ってきた。
「ちなみに、私の腹は今、ちょうどホールケーキの半分が入るくらいには空いているのだが」
「そう言うと思ったから、ホールケーキ頼んだんだよ」
「では、あと五分待っててくれ」
にぃ、と笑う奴に、俺は溜息で返事をする。
お前がクリスマスに独りだと思って誘ってやってんのに、その笑みはなんなんだ、まったく。やっぱ気を遣うんじゃなかった。
「クリスマスケーキってよく聞くけどハロウィンケーキって聞かないね」
とはクラスメイトの言葉である。
世はまさにクリスマス一色で赤と緑のコントラストで溢れかえっている。そんななかケーキ屋の前を通った時に足を止めてつぶやいたのが冒頭の発言だった。
「ケーキはなくてもお菓子があるからじゃない?」
「なおのことケーキがあるべきだと思うなー」
そうだろうか。
「……ケーキ、食べて帰る?」
「もちろん!」
クリスマスであろうとなかろうと、ケーキは入り用というわけか。
クリスマスの過ごし方
お題【クリスマスの過ごし方】
皆さんは知っているだろうか?
ホワイトサンタとブラックサンタがいることを。
「今年も大量じゃ!」
かごいっぱいのじゃがいもを眺めてニッと笑う立派なおひげのサンタクロース姿のおじさん。
ただし、帽子も服も靴も、全身真っ黒。
そう、彼はいわゆるブラックサンタである。
悪い子に石炭とじゃがいもをプレゼントする、あの。
「おい、小人や、積み込むのを手伝ってくれ!」
「あいよ!」
ブラックサンタの膝下くらいのサイズのたくさんの小人たちがこれまた真っ黒な袋に、真っ黒い小包にじゃがいもと石炭をえっさほいさと詰めてから、放り込んでいった。
すっかり夕焼け空になる頃には、真っ黒なソリいっぱいに小人が詰めた袋が乗っていた。
黒い鈴をつけたトナカイが、ブラックサンタを乗せ、重い鈴の音を鳴らして飛んでいく頃には、綺麗な星が瞬いていた。
「ほうほうほう、今年も真っ黒だねぇ、君は」
空の上で話しかけてきたのはホワイトサンタだった。
「そういう君も、相変わらず赤が好きだねぇ」
「「ふぉふぉふぉ」」
二人は声を揃えて笑った。
「ではまた、明け方に。バレるんじゃないぞ」
「もちろん。ブラック君もお気をつけて」
それぞれのサンタはリストを片手に何万、何億、何兆もの家も飛び回った。
時には妖精に、時にはゴーストに手伝ってもらいながら。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*・゜゚・*:.。..。.:*・*・゜゚・*:.。..。.:*・*・゜゚・*:.
「ほうほう、お疲れ様、ホワイト」
「ほうほう、君もお疲れ様、ブラック君」
ほんのり赤くなった空の上で二曹のソリが並ぶ。
「今年もすまないねぇ、汚れ仕事をさせてしまって」
「ホワイトは、気にしすぎだ。今年はバターをサービスしておいたから、きっと明日にでも美味しいじゃがバターを食べているさ」
いや今日か、とブラックサンタは笑った。
「優しいなぁ、ブラック君は」
ホワイトサンタが申し訳なさそうに言う。
「ほうほうほう、優しくなんてないさ。なにせ、意地悪ブラックサンタだからな。悪い子にちょいッと灸を据えるのが得意なのさ」
「ほうほうほう、そういうところが優しいんだよ」
そのうち綺麗な朝日が顔を出した。
二人は顔を見合った。
「メリークリスマス、ブラック君」
「ほうほう、メリークリスマス、ホワイト」
こうしてクリスマスは、ゆっくりと始まっていく。
この二人によって。
〜・:*+.🛷merry Xmas🎄.:+ ・:*〜
今日はクリスマス。とはいえ年賀はがきを書く予定を立ていていた。他に予定がなかったから。
だのに。朝起きたらLINEが来ていた。
『今からって暇だったりする?』
ふざけるのも大概にしろよ。とはいえ大切な人なので、誘いは無下にせず受け取る。すなわち、わたしはチョロいということだ。
一時間で支度をして家を飛び出る。昨日風呂入ってから寝たら良かった、などという妄言は無限の彼方へ放った。今は五秒で決まった約束を果たさねばならぬ。
「あ、やっほー」
のんきに待っているのを見て、今までの怒りやら焦りやら、なんやら全部が吹っ飛んだ。あなたのご尊顔が見られるだけで、わたしはとうの昔から幸せです、とな。
#クリスマスの過ごし方
クリスマスの過ごし方
ひとりでも、人といても、
おいしいもの食べて、楽しく過ごす。