sibakoのおさんぽ🐾

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お題【クリスマスの過ごし方】

皆さんは知っているだろうか?
ホワイトサンタとブラックサンタがいることを。

「今年も大量じゃ!」
かごいっぱいのじゃがいもを眺めてニッと笑う立派なおひげのサンタクロース姿のおじさん。
ただし、帽子も服も靴も、全身真っ黒。
そう、彼はいわゆるブラックサンタである。
悪い子に石炭とじゃがいもをプレゼントする、あの。

「おい、小人や、積み込むのを手伝ってくれ!」
「あいよ!」
ブラックサンタの膝下くらいのサイズのたくさんの小人たちがこれまた真っ黒な袋に、真っ黒い小包にじゃがいもと石炭をえっさほいさと詰めてから、放り込んでいった。

すっかり夕焼け空になる頃には、真っ黒なソリいっぱいに小人が詰めた袋が乗っていた。
黒い鈴をつけたトナカイが、ブラックサンタを乗せ、重い鈴の音を鳴らして飛んでいく頃には、綺麗な星が瞬いていた。

「ほうほうほう、今年も真っ黒だねぇ、君は」
空の上で話しかけてきたのはホワイトサンタだった。
「そういう君も、相変わらず赤が好きだねぇ」
「「ふぉふぉふぉ」」
二人は声を揃えて笑った。
「ではまた、明け方に。バレるんじゃないぞ」
「もちろん。ブラック君もお気をつけて」

それぞれのサンタはリストを片手に何万、何億、何兆もの家も飛び回った。
時には妖精に、時にはゴーストに手伝ってもらいながら。


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「ほうほう、お疲れ様、ホワイト」
「ほうほう、君もお疲れ様、ブラック君」
ほんのり赤くなった空の上で二曹のソリが並ぶ。
「今年もすまないねぇ、汚れ仕事をさせてしまって」
「ホワイトは、気にしすぎだ。今年はバターをサービスしておいたから、きっと明日にでも美味しいじゃがバターを食べているさ」
いや今日か、とブラックサンタは笑った。
「優しいなぁ、ブラック君は」
ホワイトサンタが申し訳なさそうに言う。
「ほうほうほう、優しくなんてないさ。なにせ、意地悪ブラックサンタだからな。悪い子にちょいッと灸を据えるのが得意なのさ」
「ほうほうほう、そういうところが優しいんだよ」

そのうち綺麗な朝日が顔を出した。
二人は顔を見合った。
「メリークリスマス、ブラック君」
「ほうほう、メリークリスマス、ホワイト」

こうしてクリスマスは、ゆっくりと始まっていく。
この二人によって。


    〜・:*+.🛷merry Xmas🎄.:+ ・:*〜

12/25/2023, 2:50:17 PM