『キャンドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ゆらゆら揺らめく炎はほんのり赤く色づいて部屋を照らしていた。
そして、やがて眠気がやってきて…
目が覚めると不思議なところにいた。見覚えもないただただ何もない空間。
暫くあてもなく進むと一枚の紙を見つけた。
ーこの部屋から出たければ以下の通りにすれば良い
暗きに門が出でしとき、目の先の明かりを追うべし
ただし、偽の門であればここからは出られないー
なんとも不可解な文章だ。
そもそも暗きには出会っていないし、門もまだ見ていない。
それに、偽の門とは一体なんだろうか?
この先を進めば答えはわかるのだろうか?
そう思いさらに歩を進めるといきなり床がすっぽりと抜け落ちた。
落ちた衝撃を受けながらもそっと目を開けると真っ暗な静寂があった。
ふと思った。
さっきの暗きとはここのことなのだろうか?と。
そう仮定するならば、門があるはずだ。
そう思い周りを見渡してみた。
真っ暗ではあったが少し目が慣れてきて周りがある程度視認できるようになった時、少し先に鳥居らしきものを見つけた。
きっとこれが門なのだろう。
そう思い鳥居に向かって進み始めた。
鳥居の奥には火のついたキャンドルがあった。
目の先にある光を追え。その言葉を信じて鳥居をくぐった。
次の瞬間、目の前で
慈しみの瞳と美しい心
紅の水晶みたいに半透明
潔き生き様を晒しかった
霞んだ瞳と包帯巻かれた心
生きる…死ぬ意味を求めて
愛と金を終わりなく求め
あゝなあ終わりはいつか
何時迄も地中深くふかく
眠っている金鉱は
僻んでる路上の石
に嫉妬してるらし
欲しいものは手に入らないみたい
そんな言葉を並べても
退屈な世界らは
今日も働くよう
ケセラセラ
ある友人は笑ってた
紫苑色の電灯は
不安げに
優しく
夜を照らしている
常闇にそっとある
淡い光
それは人生だ
『人の生』
「これ、お前にやるよ」
そう言って彼の片手に握られているのは、白いリボンでラッピングされた、ピンク色の小さな箱。
『え?えっ?…何?』
「何でそこで身構えるんだよ」
彼は戸惑う私に眉を下げて笑うと、今度は半ば強制的に私の手に箱を握らせてきた。しっかりとその箱を両手で握りながら思考を巡らせる。真面目で礼儀正しい彼のことだから、知り合いの誕生日やお祝いごとには必ず贈り物をしているのだろう。ただあいにく今日は私の誕生日でもないし、何か大きなお祝いごとがあったわけでもない。なら何故?何故突然私にこんな素敵な贈り物をしてくれたのか……?
「…いつもお疲れ様!じゃあ」
『えっ』
突然颯爽と立ち去っていく彼の背中を目で追う。
え、本当になんで私にこんな贈り物を?
『…じゃなくて、プレゼント!ありがとう!』
そう礼を伝えれば、振り向いた彼は恥ずかしそうに笑って頬をかいた。
『えへへ…』
帰宅後、私はしばらく彼からの贈り物に見惚れていた。
花の模様があしらわれた、ピンクのキャンドル。
使うのが勿体ないと感じてしまうほどかわいらしくて、ほのかに甘い香りがする。
ひとつ、気になることがあってスマホを取り出す。
『いやでも、勝手な憶測だし、本当かどうか分かんないし』
そう言いながらも手は動くことをやめず、慣れた手つきで検索フォームを開いた。
『キャンドル…プレゼント、意味……ウワ~私恥ずかし…』
私なんてこと調べてるんだろう。まるで恋する乙女みたいなことしちゃって…
『や、恋はしてるけど、してるけども』
なんだか小っ恥ずかしい気分を紛らわすように独り言を呟きながらスマホの画面に目を通す。
“あなたの心に寄り添いたい”
『っ!』
確信の持てない甘い言葉に、体温が上がる。
こればっかりは完全に私の勘違いだろうけど、それでも心はドクドクと脈を打つ。
勘違いして舞い上がって、これが恋の楽しいところでもあり、苦しいところでもあるよね。
ふと、私の心と相対して明るい無機質な通知音が鳴る。
見てみると、彼からの通知が2件。きっと今日のプレゼントのことだろうけど、あまりにもタイミングが悪すぎる。
『いつも通りの会話…いつも通りの会話…』
一息ついて彼のトーク画面を開く。
“プレゼントの意味、調べてみて”
“あと、明日、会いたい”
一息ついて静まった心臓が、またドクドクと加速し始める。
……これは、勘違いじゃ、ないかもしれない。
〝キャンドル〟
「それでは、皆さまお手元のロウソクに火をお灯しください。」
あなたはぽつり、呟くと広いリビングでひとり、安いアロマキャンドルに火を灯した。
キャンドル
ただ「キレイだね」と
癒されていればいいのに
心配性の私は火が怖くて
すぐに消してしまう。
アロマキャンドルの炎は
一瞬だけ香りを放ち
早々に一筋の煙となった。
残り香と煙のにおいで
私はやっと安心し癒されるのだ。
真っ暗な部屋にキャンドルの灯りがつく。
辺りをオレンジ色に染めて、炎が揺らめく。
そこで私たちは手拍子しながら歌をうたう。
キャンドルが刺さっているのは白いクリームに彩られたホールケーキ。もちろんメッセージが書かれたチョコプレートもある。
そう、今日は誕生日。
愛しい我が子の五歳の誕生日。
やがて歌が終わり、我が子がフーッと火を吹き消す。
火が消えた後の独特なにおいと共に部屋が暗くなるがすぐに電気がつく。
一仕事終えた我が子は得意げに笑っていて、とっても嬉しいことが丸わかりだ。
私はキャンドルを引き抜いてケーキを切り分ける。
もちろん一番大きいのとチョコプレートは我が子に。
ケーキにかぶりついて口まわりをクリームだらけにしている我が子に夫が笑いながらウェットティッシュで拭き取る。
今日は幸せな日。
来年も同じような幸せが来るといいな。
【キャンドル】
キャンドルに火が灯る
誰かの想いに火灯る
貴方の想い出に火が灯る
私の願いに火が灯る
クリスマスに向けて
今日はキャンドルを作ろう
想いを込めて
願いを込めて
丁寧に丁寧に
作ろう
そして、このキャンドルに火を灯す時
キャンドルに込めた想いも願いも
きっと思い出す
今にも消えそうな弱々しい炎。辺りは真っ暗で、何も見えない。それでも何か温かく、安心する。その日はとても忙しく、疲れていたからか、目を閉じるとすぐに眠りに入った。
キャンドルは永遠に燃えることはなく、いつかは絶対に燃えつけてしまう。その後は新しい器に変えて、もう一度炎を付けるしかない。
人の心もキャンドルと同じような物だ。意欲も関心も炎が燃えつきるまでしか続かない。その後も続くのならば、もう一度器を変えて、炎を付けたのだろう。それが出来たのならば、こんなことにはならないよ。
キャンドルの炎が消えた後はそのままで。変えようともしないで、ずっと目も合わせない。諦めた。意欲も関心もない。すさんだ心だ。誰か、私の心に刺さる言葉を言ってくれ。炎がつけば、キャンドルは。
橙色に染められて
ぬくもりに
揺らぎながら
心を溶かす
儚く消える
その時まで
―キャンドル
『キャンドル』
光なんてものには種類があって
私が追いつけない速度で照らすそれは
こうやって自らを削り、いとも容易く消える
人為的な熱が翳る
もうすこし
受け皿はとうに溢れた
あとすこし
開かない窓に水滴がつく
蝋が、溶けゆく
まもなく、燃え尽きる
向こうに揺れる影が笑った気がした
〚キャンドル〛
今日は、僕の誕生日なの。
家族もお友達も彼も祝ってくれた。
"僕は幸せものだ"
キャンドル
スリコのやつとか可愛いよね
でも火つけるの怖いから観賞用
火事が怖いので家でキャンドルを灯すことは無いが
映像で見る小さな灯火は柔らかく癒される
今の季節はクリスマス向けのキャンドルが多く店頭に並んでいる
クリスマスツリー
サンタクロース
雪だるま
天使など
見ているだけでも楽しい
今年も1年が終わる
キャンドルの灯火のように儚いものだ
キャンドル
キャンドルの火ってゆらゆら揺れて
私の心のもやもやを燃やしてくれている
そんな気がする
私にも黒い心がある
それを悪いとは思わないが
あまり心にとどめて置きたくはない
キャンドルの火が悪い気持ちを燃やしてくれるなら
私は明日を明るく生きていける
そう思う
【灯火】
この村では、火を使えない。
遠い昔に、村は忌々しい炎によって焼き尽くされてしまったのだという。
それから人々はこう言うようになった。
「火は呪いだ、私達を殺す悪魔だ」
火が使えないから、電気で代用することがほとんどだ。
熱も光も、すべて電気。
マッチだって無い。
火が無いので火事も起こらない。
そんな村に、ある少女がやってきた。
マッチ売りの少女だ。
マッチ。忌々しい火を灯すもの。
当然、人々は少女に近づこうとしなかった。
通りのあちらこちらで、こんな言葉が聞こえる。
「呪い」「忌々しい」「何をやっているんだ」
「疫病神め…」「あいつは悪魔だ」
「今すぐこの村から去れ!」
少女はきっと気づいていた、
自分がよく思われていないことを。
それでも少女は立ち去らなかった。
来る日も来る日も、暗い通りに座っていた。
少女はただのマッチ売りでは無かった。
「愛」を売っていた。
愛の炎。灯火。
誰かを暗闇から救い出す炎を売っていた。
少女は色々な村を巡り、孤独を感じる人々にマッチを売っているのだった。
しかし、誰もその事に気付かなかった。
いや、気付こうとしなかった。
少女が「これは愛の炎です」と言っても、
「何が愛だ、悪魔め」と一蹴されるのだ。
誰も少女に聞く耳を持たなかった。
少女は次第に不満を募らせた。
「何で誰もマッチを買ってくれないんだ」
「私はこの村を救おうとしているのに」
「この村の人は皆冷たい…」
少女は限界を迎えていた。
遂に、彼女は我慢できなくなった。
少女は自分のマッチに火を付け、
通りにポイッと放った。
あっという間に炎は燃え広がり、道を黒く焦がし始めた。
黒煙の匂いが酷くなっていく。
少女は別の場所に移動して、同じことをやった。
村人の家に、火の付いたマッチを放っていく。
やがて、村中が黒く焼き尽くされていった。
昔と同じように。
残された村人はこう言った。
「やっぱり火は呪いだ、私達を殺す悪魔だ」
この火がフッと消えてしまう刻に
私も消えられたら幸せだろう
<キャンドル>
綺麗にデコレーションされたケーキに、下の方がアルミホイルで巻かれたろうそくをケーキが崩れないように突き刺していく。
チャッカマンがカチッと乾いた音を鳴らし先端から暖かい小さな火を点ける。
火がロウソクの先端に触れ灯りが灯りケーキに最後の飾りが明るくほわーっとケーキをライトアップする。
ふ――――っ
あのころ、あの人の近くで生きることが 幸せだと
自分に呪いをかけていた
「キャンドル瞑想」というのがあるそうな。
なんか神秘的というか、幻想的いうか。
暗い部屋で揺れる炎。それを見つめることで、「今、この瞬間」に意識を向けるということかな。
呼吸法、聞く瞑想、書く瞑想、香りの瞑想、etc…。
いろんなマインドフルネスがある。
キャンドル瞑想、ちょっと興味が湧いたかも。
「キャンドル」
突風が吹き、灯っていた火がまた一つ消える。
「っ、また……」
この部屋のキャンドルの火が全て消えたら、あの方の魔力が……また、灯して行かなければ…あの方、私が敬愛する陛下のために。
私の仕事は、陛下の魔力を底上げしている術式に、常に灯されてなければならないキャンドルの火を見張り、消えたモノには新しく火の魔術で灯す。
それだけだから危険も少なく、陛下の力を支えることができる、戦いができない私にとって、誇るべき仕事なのです。
少し前までは、私以外の方もいたのですが、魔力火の見すぎで、失明したり、精神が擦り減って発狂してしまい、泣く泣くこの仕事を辞めていってしまいました。
ここ最近の陛下は、よく前線へ出向き、軍の鼓舞をしていらっしゃるようで、陛下の魔力の底上げという仕事は常に気が置けないです。正直なところ、いくら敬愛する陛下のためとはいえ、四六時中…たった一人でこの大仕事をこなすのは疲労が溜まりますが、私程度が疲れただけで陛下の力が増すのなら、休みなんていりません。それにこれから先…⸺
「⸺真斗くんが、勇者のジョブだったし、クラスメイトの味方をするのが、みんなの意見だったけど私は、みんなが言ったように、変だから」
だから、魔王である陛下を敬愛して、サポートをするのは、みんなが言ってる変な私でしょ…?
【なんの未練も無い、だからかつての学友に討たれても何も思わない】