『キャンドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
キャンドル
小さい頃、夜眠れない時に必ずすることがあった。とある夏のこと。
「ばーば、なんか分かんないけど起きちゃった。寝れないから´あれ´して?」
カラカラと揺れる椅子に座って、編み物をしていたおばあちゃん。こうして眠れない時は、甘えたような声を出しておねだりをするのが決まりだった。俺がそう言うと、ふんわりと優しく微笑んで「お母さんには秘密だよ?」なんておどけて見せてくれる。
「うん!」と無邪気に頷く。おばあちゃんの家の雰囲気は、レトロでお洒落だった。
カントリーな家具、いい匂いのするお花。可愛らしい人形は、おばあちゃんの手作りだ。
おばあちゃんはよっこいしょ、立ち上がり俺をベランダの方に連れていってくれる。
「今日はなんの本を読んで欲しい?3冊まで持ってきていいわよ。」
本棚には、たくさんの絵本が並んでいた。白雪姫、オーロラ姫、アラジン。
でも俺はその中でもシンデレラが一番好きだった。当時正義のヒーローに憧れていた俺は、可哀想なシンデレラをたくさんの中から見つけ出してくれる王子様が、大好きだった。悩みに悩んだ末、シンデレラと赤ずきんを持ってベランダに向かった。
窓を開けた瞬間、もあっとした空気が、俺を包み込んだ。ふわっと夜風が吹く。空気は湿った感じなのに、風は冷たくて爽やか。お洒落な深緑の椅子に座る。
おばあちゃんはマッチを1本取りだして、しゅっと、火をつけた。赤、黄色、白。カラフルな蝋燭1本1本に火を灯した。おばあちゃんの優しい読み聞かせと、丁度いい夜風に吹かれて静かに意識を落とした。
緩やかに笑みをこぼすおばあちゃんは、俺の事を優しく抱いてベッドに降ろした。
____キャンドルは、青白い月と共にゆらゆらと光を放ち続けていた。
こんな光には僕の寒さなんて紛らわせやしないけれど、綺麗なものを見ていると、少しだけ温かいような気がしてきてやっかいだ
『キャンドル』
焔煉黒
凍てつく焔
宿した瞳
見開いた白銀
焼きつく焔
渦巻く躰
委ねてく灼熱
絡む螺旋と
融合し取り込み
創り産まれ
生死の秩序の闇
「カタチト ナス・・・」
光の偽りに
身は焼かれて
忘れられぬ記憶
闇の真実は
眼は凍てつき
刻まれてく脳億
目覚め
解き放たれた
「封は 私を纏い・・・」
たくさんの想い出
どう伝えたら
いいかな
あのメロディに
たくされた
あのかたの想い
哀しく 愛しく
優しい想い
********
キャンドル
こちらのグループにも
もひとつの、こちらのグループにも
はいれなくて
ながめているよ
【キャンドル】
キャンドルの灯火。
遊園地のショーで見た忘れられない輝き。
目でも、心にも火が点った。
キャンドルってほんと人の癒し薬なんだとつくづく思う。
たくさんの炎が揺らめく部屋の中、数名の男女が語り合っている。
「―――そして、こっそり見てみると、そこに写っていたのは―――だったんだって」
そう1人の女が話し終わると同時に炎を1つ吹き消す。
順々に話していき、1人が話し終わるごとに炎を消していく。
「いやぁ、そんな事あるんだね」
「それは怖すぎるわ」
各々の話を聞き、皆思わず言葉を漏らす。
最後の1人が話し始める。
「あのさ…、水を差す用で悪いんだけど…、これは何?」
他の人たちは顔を見合わす。
「えっ?何って?」
「いやいや、この集まりだよ!何でこんなにアロマキャンドル焚いて、怪談話風に恋愛トークしてるの!?色々焚きすぎて臭いわ!」
「えーっ、今回のテーマ聞いてないの?」
「聞いてないよ!」
「あっ、ごめん。俺伝え忘れたわ」
「ちょっと、言っといてよ」
「悪い悪い。今回は恋愛百物語するんだって」
「そうそう。恋愛の恐怖体験を語っていくの」
「なんて下世話な…。普通の百物語でいいじゃん」
「だって私心霊系無理だもん」
「そうだとしても、このキャンドルは?普通の蝋燭でいいだろ?」
「こっちの方が可愛いじゃん」
「……」
「まっ、諦めて続きやろうぜ」
最後の1人は長いため息をつくと、語り始めた。
『キャンドル』
*キャンドル
もう30年近く前になるけど、どでかいキャンドルをもらった。
結婚式場からのプレゼントで、その式場で結婚式を挙げたカップルに渡されるものだった。
キャンドルには「1年」「2年」「3年」…と年数が書いてあって、毎年結婚記念日に火を灯すようになっていた。
正直、いらんねん。
結婚記念日に火を灯す?
そんなん、やる人おる?
1度も火ぃつけへんかったわ。
あれ、どうしたっけ?
何年かあとにゴミに出したっけ?
そんなん火ぃ灯さへんでも、ちゃんと続いてるで、夫婦。
「私とあなたじゃ住む世界が違う 第五十三話」
「さーて、夜になったわネ」
仕事を終えた管理人は、辺りを見渡していました。
「…誰も居ないわネ。あの小娘が植木を荒らして無いと良いけど」
管理人は、周りを見渡しながら外に出ました。
「注文していた宝石が届いているはず。行かなくっちゃ」
管理人は、周りを気にしながらマンションの外へ出ました。
「パライバトルマリンって、素敵な水の色って言うみたいよねェ?本当かしら?楽しみねェ〜」
管理人は、颯爽と夜の道を走っていました。
「早くバイヤーさんの所へ行かなくっちゃ!えーと、ケブバガミって会社よね…?」
管理人は、頼んでいた宝石を受け取りに行く為、ケブバガミの信者の所へ急いで向かいました。
「…管理人、行ったみたい」
「後を追うぞ」
志那達は、管理人を追跡し始めました。
「年配の女性の割には、走るスピードが速いな…」
「ロード、頑張れ」
「ありがとう。キトンは猫だから、持久走は苦手か?」
ロードは、背中に乗っている猫の姿のキトンに言いました。
「うん、猫だから」
志那達は走っていると、走って来るシリウスとぶつかりそうになりました。
「うわぁー!ビックリしたやん!君達、何なん?こんな時間に大勢で…」
「お巡りさん、うちのマンションの管理人が外に出歩いて行ってしまいました。高齢の方なので、徘徊じゃないかと心配です」
ピエロは、シリウスに事の経緯を説明しました。
「その方って、諏訪井トキヨって名前?」
「お巡りさん、そうです」
「俺、シリウス言うんやけど、諏訪井トキヨって人、物凄く宝石買い込んで無かった?」
「いつも、沢山の宝石を身に着けてましたわ」
アメジストと梨々華は、シリウスの質問に答えていました。
「諏訪井トキヨは、ケブバガミの信者から宝石を買い込んでいるって情報が入って来て、多分、諏訪井は信者に会いに行ったかも知れへん」
「ケブバガミか…三次元国にも居るって事は、かなり大きな組織だね」
アンバーは、ケブバガミは世界中に蔓延っているんだなと難しい顔をしました。
「三次元国に緊急に配属になったからなぁ…アンタら、見た所2.5次元国から来たっぽいけど、今、三次元国は…」
シリウスは話していると、誰かと話している管理人の姿を見つけました。
「居った!」
「バイヤーさーん!コッチですよー!」
「諏訪井様、そんなに大声出されては誰かに見つかりますよ?」
管理人は、ケブバガミの信者と話し始めました。
「アラ、ごめんなさいね。パライバが手に入ったって言うから、つい興奮しちゃって」
「諏訪井様、今回のパライバトルマリンは一級品ですよ?手に入れるのにかなり苦労しましたが、あなたの様なお得意様の為に我々は頑張っていますからね」
「早く、見せて…!」
管理人は、目を輝かせていました。
「諏訪井様、コレがパライバトルマリンです」
ケブバガミの信者がジュラルミンケースを開けると、全長5cm位のパライバトルマリンが入っていました。
「まぁ!美しいわネ…」
管理人は、パライバトルマリンを手に取ろうとした時に
「おばあちゃん!ソレ、危険物や!」
と、間一髪で管理人が宝石に触ろうとした所を止めました。
「な、何よ!危険物って…」
宝石は、シリウスの銃弾を当てると黒く溶けてしまいました。
「まぁ…せっかくのパライバトルマリンが…!」
「この銃弾は人に当たっても大丈夫やで。極地の呪いの物なら黒く溶けてまうけどな」
管理人は、呆然として泣き崩れ、怒り狂い始めました。
「ちょっと!何してくれるの?!私がコレを買うのにどんだけお金の工面頑張ったと思うのよー!」
「…お金の工面って、ひょっとして違法的な方法で?」
スモークの表情が変わりました。それと同時に、管理人が改心しない事を一同は悟りました。
『キャンドル』
暗闇の中、私はじっと眺めている
チリチリ……チリチリと、揺らめく炎を
細かく揺れるその小さな明かりは、果たして何時からそこにあったのだったか?
なんて……白痴みたいに考える、たった数十分前に自分自身で灯したくせに
小さなキャンドルに、これまた更に小さな炎
私はじっと眺めている
私はずっと眺めている
今日はあの人の帰りが遅かった。
何かあったのかと心配しながら暫く玄関を眺めているとドアノブの鍵が回り、古いアパート特有の重い音を鳴らしながらドアが開く。
「お帰りなさい!」
いつもの何倍か程大きな声で出迎えると、お揃いのマフラーを纏った彼は目を細め口角を上げた。
「ただいま、遅くなってごめん。」
手先が赤く冷たくなった彼の手を握った。
「寒かったでしょう、夜ご飯出来てますよ。」
「ありがとう、でもちょっと待って。」
という彼に顔を向け、彼は手に下げていたビニール袋の中身を見せてくれた。
「これ、職場の人からもらったんだよ。」
笑顔で何やら丸いものを差し出す。
これは見たことがないけれど確か誕生日の時に出てきたケーキについてたロウソク、というものに似ていた。
「なんですか、これ」
「これはね、キャンドルといってここに火をつけて使うんだよ。」
「ロウソク、と何が違うんですか。」
「うーん、それは目的、かな。ご飯を食べたらやろっか。」
俺はよく訳が分からなかったけど彼が持ってくるからきっといいものに違いない。
そのあと俺が作ったシチューを食べながら前より上手くなってると褒められてすごく嬉しかった。
キャンドル、というものをこれから使うらしい。
彼は電気を消して、こういうのは雰囲気が大事だからと言ってわざわざマッチでキャンドルに火を灯した。
その瞬間、キャンドルに釘付けになってしまった。
少し揺れる赤々とした炎、少しづつ溶けていく蝋。それはとても美しかった。
「たくさんあればもっと綺麗なんだけどね。」
と申し訳なさそうに言う彼の顔はオレンジ色にほんのり照らされていて、夕日を見た時のような懐かしさを感じた。真新しい感情に戸惑い少し寂しさを感じたが、彼と見たキャンドルはすごく綺麗で記憶にしっかりと記録された。
キャンドルが咲いた。
自衛隊キャンプに、マッチが擦れる。
ほんわりと赤く染まった、顔。
焼ける匂いに、ここが昔話の終着点。
嗚呼、いいな。こんな時間。
誰か、もっと、分けて欲しい。
僕も、与えることができる側なんだけどね。
君もだよ。
キャンドル
あれは看護学生の頃の話。
12月中旬、看護学生がキャンドルを持って病棟を歌いながら練り歩くイベントがありました。毎年恒例らしい。
12月に入った頃から歌や歩く時のフォーメーションを頭に叩き入れ、来る日も来る日も練習に明け暮れましたよ。先輩ガチで怖かった…
そして持ち物に必ず定規。しかも丈夫なものとの助言付き。定規?よく分からんがポケットに入れました。
そして当日。本物のキャンドルに火を灯し歌いながら病棟の廊下を歩く。患者様には喜んでもらえていたようですが、これ本当に大変なんですよ…
まず歌ってるとねキャンドルの炎が揺れて消えちゃうの。歩く速度でも消える。とにかく消える。何度つけ直したか。
あとね…廊下にキャンドルのろうがねポトッと落ちるのよ。しかも手では取れない。
そこで登場!強い定規ー!これでゴリゴリとろうを削りまくる!少しでも残そうものなら病棟ナースからクレームの嵐!歌ってる後ろでゴリゴリと削りながら去っていく学生集団。なかなかシュール。
もうこれペンライトでよくね?と情緒もへったくれもない思考に陥りながら顔は笑顔で歌う私たちでした。
キャンドル
ハンドル
サドルに
ペダルに⋯
あかん
どうしても
あの歌が脳裏に⋯
🎤🕶⸒⸒ ジテンシャコイドル〜♪
🕯 「キャンドル」
蝋の溶けていくさまは結構好きだ。
じりじりと微かな音を立てて芯が焦げていく様も、溶けた蝋がしたたり落ちていく様も、どこか儚く幻想的に見える気がする。
揺らぐ炎は時折色を、形を変えて消えてしまうその時まで小さなひかりの輪をつくる。
それを、目が眩んで光の影が目の中に残るまで見つめているのが、特に好きだった。
あかりの下で目に焼き付くあの光が、今も一等、すきなものだ。
一生懸命頑張って
貴方のために灯したこの灯り
貴方の心に温もりは灯りましたか?
"キャンドル"
キャンドル
ロマンチックに
彩るキャンドル…
恋人達が愛を語り合い…
ワインを片手に…
夢のような時間を
あなただけに捧げて
います…
キャンドル
ろうそく
同じものだよ
そう
だんだん短くなっていくやつ
灯りに使うんだよ
ここに火をつけて
蝋が燃えるだろう
明るくなるんだよ
ほんの僅か暖かいよ
それから煤も出る
ほんの少しね
今のはパラフィンでできてるのかな
昔は蜜蝋で作ったそうだ
いい匂いがしたろうね
火をつけないならこうして
箱にしまっておこう
長いこと保つよ
ああ
それじゃ意味がないか
燃えて、光って、短くなって、消えて
それでこそなのかもな
人間とおなじだな
#「灯火」
世界 が「雨」に 包まれたら
「悲しみ」の 声 は
全部 聞こえなくなって
澄んだ 音 に 掻き消されて
みんな「幸せ」に なれるかな。
世界 が「闇」で 満ちたなら
暗闇の中 で 君の手 を 取れるか
とても 不安だ。
だけど、見つけてみせるよ。
暗い 場所 は 慣れているもの。
でも
世界 が 「光」に 包まれたら。
きっと 、 僕 は 消えてしまう。
跡形 も なく 消えてしまう。
それが どんな に いいことか
僕 は 知っている。
お題 キャンドル
あなた以上の人なんてきっと居ない
いつまでも隣に居て笑い合いたい
薬指に光る指輪ずっと輝かせて
どこまでもついて行くわ
二人のキャンドル灯して
あかり灯して
ゆらゆらり
ゆりかご揺らして
ゆらゆらり
眠気に襲われ
ゆらゆらり
夢の世界で
ゆらゆらり
「キャンドル」