蝋の溶けていくさまは結構好きだ。じりじりと微かな音を立てて芯が焦げていく様も、溶けた蝋がしたたり落ちていく様も、どこか儚く幻想的に見える気がする。揺らぐ炎は時折色を、形を変えて消えてしまうその時まで小さなひかりの輪をつくる。それを、目が眩んで光の影が目の中に残るまで見つめているのが、特に好きだった。あかりの下で目に焼き付くあの光が、今も一等、すきなものだ。
11/19/2022, 10:17:22 AM