ふわふわのもち

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2/7/2023, 3:06:52 PM

私にはどこにも書けないことがある。
私が見ているこの風景だ。
どれだけ言葉を尽くそうと、私が見るこの感動の全てを伝え切ることは出来ないだろう。
私が感じているこの思いだ。
どれだけ動きを表してみようと、この揺れ動く心の様を伝え切ることは出来ないだろう。

私にもどこへも書けないことがある。
きっとあの人にも、あなたにもあるのだろう。
誰もが伝えきれぬ歯がゆさを抱えて生きているのだろうか。

それでも、どうか。

こうして文字を綴ることを辞められない私を笑ってはくれないだろうか。
ほんの一欠片でも伝えようともがき足掻く私を笑ってくれないだろうか。
そうして動いたその思いこそ、私に向けられた報いであり救いになるものであるはずだ。
そうであれと、綴り続けてきたのだから。

2/6/2023, 1:38:29 PM

時計の針は戻らない。
ただただ進み刻み続ける。
何度あの日をやり直そうと考えても、何度時計を巻き戻しても。
決してあの日は戻らない。あの瞬間は二度と来ない。
どれだけあの時に似た瞬間が来ようとも、あの後悔は消えてなんてしやしない。
悔いてもがいて泣き叫んでも進み続ける世界に引き摺られていく。
進むしかないんだ。
あの日と同じ悔いを残さぬために、あの瞬間の苦痛を繰り返さぬために。
そのための後悔を時計の針は刻々と刻み続けているのだから。

1/26/2023, 11:50:40 AM

深夜零時、空を見上げる。
故郷とは違い星など一つも見えやしないが、それでも光のともらぬその色もまたいいモノのように見える。
夜明けはまだ遠く、夢もまだ深い時間だ。
だからこそ静かなようで、けれど賑やかな街を見下ろす。
人が、街が、眠らなくなってどれだけ経つだろう。
星の輝きを吸い込んだまま街灯どもが閃光を放つさまはどこか滑稽だ。美しく思うからこそ歪で愉快だ。
暗く遠いどこかから見るこの景色の美しさは、近くで見てしまえばただ夜闇を叩き落とす掌でしかないのだから。
誰かの痛みの先に灯る光の中で、はるか彼方の光を探す私もまた、滑稽ななにかの一つなのだろう。

1/25/2023, 6:06:15 PM

ゆらゆらとゆれる。
こころがゆれる。
理由もない不安に怯え、根拠の無い安堵に逃げ込む。
逃げ込んだ先はなんにもなくて、また不安に追いつかれては逃げ出している。
同じことを繰り返し、同じ思いを抱え込む。
置き場所のないこの不安からどうすれば逃げ出せるのだろう。
本当に安心できる日は来るのだろうか。
不安ばかりを拾い上げていると気が付かないまま、今日も不安から目をそらす。

1/25/2023, 5:53:35 AM

目がくらむほどの光を見つめていた。
涙が止まらなくなるほどの光を目指していた。
そこにはきっと欲しいものがある。願っていたものがある。祈りの果てがそこにはあるはずなのだ。
どこまで進んでも届かないその光に何度でも手を伸ばす。
ふと、一瞬だけ視界に影が落ちた気がする。
その影が気になって見えない視線の先に目をこらす。
まだ見えない。視界に一瞬だけ何かが走った。
まだ見えない。また、やはり何かが光の中にいる。
みえない。みえない。
何度繰り返しただろうか。ふとそんなことを考えたあたりだった。

見えた。
光の中にいる何かが、誰かがこちらへ手を伸ばしている。
その手にこちらも手を伸ばして。

ああ、なんだ。
目指していた光は、自分の影だったのか。

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