目がくらむほどの光を見つめていた。
涙が止まらなくなるほどの光を目指していた。
そこにはきっと欲しいものがある。願っていたものがある。祈りの果てがそこにはあるはずなのだ。
どこまで進んでも届かないその光に何度でも手を伸ばす。
ふと、一瞬だけ視界に影が落ちた気がする。
その影が気になって見えない視線の先に目をこらす。
まだ見えない。視界に一瞬だけ何かが走った。
まだ見えない。また、やはり何かが光の中にいる。
みえない。みえない。
何度繰り返しただろうか。ふとそんなことを考えたあたりだった。
見えた。
光の中にいる何かが、誰かがこちらへ手を伸ばしている。
その手にこちらも手を伸ばして。
ああ、なんだ。
目指していた光は、自分の影だったのか。
1/25/2023, 5:53:35 AM