ふわふわのもち

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深夜零時、空を見上げる。
故郷とは違い星など一つも見えやしないが、それでも光のともらぬその色もまたいいモノのように見える。
夜明けはまだ遠く、夢もまだ深い時間だ。
だからこそ静かなようで、けれど賑やかな街を見下ろす。
人が、街が、眠らなくなってどれだけ経つだろう。
星の輝きを吸い込んだまま街灯どもが閃光を放つさまはどこか滑稽だ。美しく思うからこそ歪で愉快だ。
暗く遠いどこかから見るこの景色の美しさは、近くで見てしまえばただ夜闇を叩き落とす掌でしかないのだから。
誰かの痛みの先に灯る光の中で、はるか彼方の光を探す私もまた、滑稽ななにかの一つなのだろう。

1/26/2023, 11:50:40 AM