『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ツタンカーメンて即位前は
ツタンカーテンて名前だったらしい。
・・・マジか。
青と金のしましま柄カーテンを
想像してしまった。
(カーテン)
『カーテン』
屋敷の奥の間で葛藤を重ね決心を着け、静かに目を閉じた私はひとの姿を捨てて本来の姿へ返った。ひとに見られてはきっと騒ぎになるだろうが、この姿でなければ成し得られない。騒ぎになればきっとこの都に居ることもできなくなるだろうが、仕方ない。ふと思い出されたのは唯一無二の友のこと。人の世にあって変わり者だと揶揄されてきた私に近づき、裏表なく接してきた男のことを思うと後ろ髪を引かれる思いだったが固く目を瞑ってそれを追いやると、私は為すべきことを為すために屋敷を発った。
人の目には見えぬ大蜘蛛が都に巣を張り人を食うさまを見るのも今日限り。都に突然に現れた大きな獣を見て人々は驚愕の声をあげたが、私が大蜘蛛の足の一本を噛みちぎったとき、あらわとなったあまりにも大きな巣のおぞましさには言葉を失っていた。闘いは長く続き、双方どちらも引けをとらなかったが、人々が大蜘蛛に石を投げ、火矢を射掛けてから流れが明らかにこちらに傾いた。石に打たれ焼けただれた大蜘蛛の体はやがて地に伏して動かなくなり、満身創痍の私だけがその場になんとか立ち尽くしていた。
歓声をあげる人々の中から見覚えのある顔がこちらに駆け寄ってきて、迷わず名を呼ぶ。ひとの姿は捨てたはずだったが、それで私の姿は獣からまた人へと成った。私の唯一無二の友は家来に人払いを命じ、人々の好奇の目を遮るように着ていた衣を私に掛けた。ひとに見せられぬ姿の私は彼の衣があらゆるものを遮るように思えてひどく安心した。
「どうして、わかった」
「見ていたらわかるさ」
彼はなんでもないような顔をして笑っているのだろう。衣に隠れた私がその言葉に胸震え、心からの涙を流しているとも知らずに。
友の助力もあってもう戻ることはないと思われた屋敷に帰りついた私はこんこんと眠り続け、目覚めたあとにも都に留まり続けている。友が語るには、都を護った獣は何処かへ去ったがいまもどこかで見守っているのであろうという伝聞が広まっているとのことだった。伝聞に彼が一枚噛んでいるのでは、と思っているが、何をどう聞いても彼は素知らぬ顔しか見せてくれなかった。
窓を開けて本を読んでる時に風が走って、カーテンを大きく靡かせた
心地の良い風と少しの肌寒さ。
カーテンが運ぶ風に、少し眠くなった
あと少しでハッピーエンドに向かいそうなのだ、
向かってから眠ろう
(2024/10/12 13:56:14)お題:カーテン
1人暮らしを始めた日
カーテンを買う必要があるなんて
考えてもいなかったから
入居してしばらくは部屋の窓から
直射日光が入ってきていた
親と暮らしてた時は
カーテンがこんなに重要だとは
考えたことがなかった
洗濯の必要も気にしたことがなかった
自分の部屋の窓のサイズを測って
インテリアとのバランスを考えて
新しいカーテンを選んでいる時
ふと 実家の自分の部屋を思い出して
泣いた
秋風がレースカーテンなびいてる心奪った君思い出す
模様替えすると決めたらカーテンを最初に選ぶ彼は写真家
ひまわりが咲いたカーテン台風が上陸した日は泣いている
カーテン
私は太陽の光が苦手だからいつもカーテンを閉めている
でもあなたがここに来るようになってから少しずつではあるもののカーテンを開けるようになった
そうすればあなたのことを声を聞くだけでなく、顔も見ることが出来るのだから
ゆらりカーテン
ふわり頬撫で
暗い気持ち
歌い飛ばしてさようなら
♯カーテン
カーテンの隙間から入ってくる光が好き
朝の日差しもいいけど
夜が来たことを告げる街の光が好き
光の見え方でその日の感情に気づけるから
カーテン
カーテンが棚引く朝。
嗚呼もう来てしまったのかといつもなら嘆くが今日は三連休の月曜、その満足感に浸りながらコーヒーを楽しむ。
「…ん?なになに、今日映画一緒に見ないか?良いじゃん」
明日が怖いけれど今は今日を楽しもう
そう心に決めたのであった。
:カーテン
心地良い風が鼻先を擽る
いつの間にかうとうとしたようだ
微睡む目を風のほうへ向ける
カーテンが木漏れ日と
緩やかにダンスを躍っていた
柔らかな光を纏い込むような
どこまでも優しいダンス
幸せの笑みがこぼれる
体の力が抜けていく
そしてまた、瞼を閉じた…
桜月夜
輝かしいカーテンの思い出は、小学校低学年の頃。純白のカーテンに包まれて顔だけを出すあの子は、テレビで見たことのある花嫁さんのようで、とても綺麗だと思った。あの子はいつの間にか、好きな子に変わって、気付いた頃には、友人の嫁に変わっていった。
純白のカーテンに身を包んでいたあの子。俺は今、遺体をカーテンに包んでいる。
『 はなよめさん!』
小さい頃、私はよく幼なじみと花嫁ごっこをしていた。
私がカーテンに身を包んで、
『へへー!みてみてなつちゃん!』
「わー!かわいー!はなよめさんだね!」
『そうでしょー?』
「うん!もちろん!!」
『じゃあ、私となつちゃんでけっこんしようね!』
「!しようしよう!!」
『ちゃんと、けっこんしきあげようね!』
「あげよー!!」
幼なじみは女の子で、
物腰柔らかく一緒にいて楽しい子だった。
そして、なつという名前を持っていた。
それが、幼なじみという関係が、
高校生にもなれば恋人という関係になっていた。
毎日が幸せで、楽しくて、
その子と一緒に行ったところは
どこも思い出に溢れていて、、
それが壊された。
大学生になった頃、デートへ行こうと誘われた。
待ち合わせ場所で起きたことだった。
信号を渡る時に、信号無視の車に跳ねられた。
この目で見てしまった。
最愛の人が、ぐちゃぐちゃになる様を。
そんなこともあったな、
とふたりで住んでいた部屋にたたずむ。
もう少しでこの部屋からも引っ越す。
このマンション自体を解体するそうだ。
ふいに、窓からそよかぜが流れた。
窓際へ行って、カーテンを纏ってみた。
何も起こるはずがなかった。
それもそうだな、と思ってカーテンから離れたとき、
わー!かわいー!はなよめさんだね!
と、そんな声が聞こえた。
なつちゃん、私、忘れてないよ、。
なつちゃんとの婚約。
忘れてないから
だから、私がなつちゃんの分まで生きたら、
そしたら、
ちゃんとけっこんしきあげよう、ね
いつまで泣いてるの
風がなびいてカーテンが揺れて
それと共に聞こえる風鈴の音が
隠れて見えなくなってしまった貴女の
声に聞こえて時が止まる
貴女が、終わらない隠れんぼを始めて
ちょうど7年目の夜でした
ーいつか死ぬときー
「いつか死ぬとき」を想像しながら
今日はお気に入りのスニーカーを履いて家を出た
玄関の鍵を閉めていつも最初に思うことは…
「あれ…玄関の電気消したっけ?」
なんて最近の物忘れを軽く笑いながら、仕事に向かう
もしも僕が死んだら誰か悲しむ人はいるのだろうか?
親より先に死ぬ事がこの世で一番の親不孝だと
僕もそう思うわけで、親孝行の1つもまだしてやれてないことに
自分を小さく感じる
人は亡くなると「顔を見てあげて」という儀式的なやつがあるが
スマートフォンの中身だけは見ずに捨ててほしいくらいだ
どうせ残っているのはお見せできないような
恥ずかしい写真や動画と、趣味程度で書いたこの小説くらいだけなのだから。
僕の部屋の窓から君と星を見てた時。
真っ白なカーテンをかぶった君が、
「花嫁さんみたいじゃない?」
なんて言って。
結局照れて顔を隠した君が、本当に愛くるしくて。
僕はなんて幸せな人なんだろうと、思った
カーテン
思いっきり開けて
光さす
うまく行った時は嬉しい
どんよりだと残念
「カーテンをひく。復讐のために」
「嫌いなら嫌いって、はっきり言ってくれ」
「別に嫌いというわけでは」
「じゃあ……」
「でも、とくに好きというわけでもないです」
「どっちでもない?」
「そうですねぇ……あー、悪い人とは思ってないです」
「そ、そう……」
強いて言うなら「どうでもいい存在」なのだけど、さすがにそれを言うのは躊躇われる。
誰がどう見ても脈なしの対応。
大抵は、これで諦めてくれる。
貴方と付き合う気がないと、わかってくれるはず。
異性との間に壁を作る、とは言うが、私の場合は壁というよりも遮光遮熱のカーテンをひく、という方が近いかもしれない。
その気になれば簡単に開けることが出来るけど、無作法に開けるのは躊躇われるような、そういう対応をしているから。
今、私は恋愛どころではないのだ。
それよりも、どうしてもやり遂げたいことがある。
「また、あの子告白断ったみたいよ」
「お高く止まって、やな感じー」
「ぱっと見可愛いけど、めちゃくちゃ美人かって言われたら、それほどでもないし」
「クラスメイトに対しても敬語ってさー、キャラ作ってる感じで痛いよね」
私が教室を出た途端に始まる、陰口大会。
彼女たちはこっそりと話しているつもりだろうが、私は誰が何と言っているか、すべて記録している。
彼女たちとの間に隔てているのはレースのカーテン。
彼女たちと仲良く見えるよう振る舞っているが、私は大切なものを彼女たちには絶対に見せない。
本当の志望校も、彼女たちには内緒だ。
彼女たちは私にしたことを綺麗さっぱり忘れているのだろう。
小学生の頃の、あのことを。
彼女たちは、ただの戯れやゲームだと思っているのかもしれない。
だけど、私は貴女たちのしたことを、一生許さない。
手帳を開く。
本日行われた、彼女たちの陰口大会の詳細を記す。
卒業式にすべて壊してやる。
ただその気持ちを抱きながら、中学卒業までの日をカウントしている。
────カーテン
カーテン
人も、妖精も、魔獣も、ゴーストも、みんな寝静まった頃。私は暗い部屋の蝋燭が灯った机にむかっていた。静かな部屋にペンを走らせる音だけが響く。何も無い、ただの夜の一時。何も無いからこそ感じることだってある。
昼間はあんなに沢山の人、妖精、ゴーストたちが溢れていたメインストリートも、植物園も、広場も、今は闇と静寂に包まれている。まるで夢を見ていたような変わりように、一人だけ取り残されたような感じがした。
不安も恐怖もないけれど、一人になりたくないと思うのは、昼間隣にいてくれる彼らのおかげだろう。この感情は寂しさか。
とはいえ、夜は必ず一人になる。これは避けられないことだ。胸騒ぎを押し込むように勉強にのめり込み、問題を解く、本を読む、書き続ける。
いつだって気を抜いては行けない。
「目覚まし時計」が鳴る。いつの間にか日が昇り始めたようだ。魔獣……じゃない、我らが親分を起こさなければ。
また一日が始まる。
白いカーテンをぬける光だけが、静かに降り注いだ。
「かーてん……?」
アレか、語源のラテン語、「覆う」だの「器」だの、「人の和」だのの意味があるらしい「Cortina」のハナシでもすりゃ良いのか。
某所在住物書きは部屋のカーテンをパタパタ。揺らしながら葛藤して苦悩した。
「それとも、なんだ、『皆さん緑のカーテンは何植えてますか』とか……?」
不得意なエモネタでこそない今回。とはいえ、窓覆うこの布について何を書けるものか。
ひとまず物書きはネットの海に、カーテンの語源と種類と値段の幅を問うて、物語を組もうと画策する。
――――――
遮光・遮熱カーテンを使っている筈なのに、窓から日光と共に入ってくる最後の残暑がダイレクト。
使い方が違うのでしょうか。 さぁ、何とも。
という物書きの近況は置いといて、今回のおはなしのはじまり、はじまり。
前回投稿分からの続き物。最近最近の都内某所で、食と生活で不摂生しておった男が、ラーメン食べる直後に脳卒中、詳しくは脳出血を起こしました。
今はこの男、麻酔の関係でグースピ寝ていますが、
程度が軽く、なにより初期対応が迅速で適切だったために、後遺症はリハビリでなんとかなりそう。
男の嫁は、お医者さんから説明を聞きました。
ところでこの病院、セラピーアニマル在住かしら。
狂犬病・エキノコックス対策済みの、かわいくて毛並みの良い子狐が病室におるのです。
患者の男にピッタリくっつき、布団の上で狐団子になったり、男の頭で毛づくろいごっこをしたり。
どうしたのでしょう。 気にしてはなりません。
さて。
「良かったね。軽症で済んで」
ある日、男の病室に嫁の友人が見舞いと状況確認にやって来て、カーテンに噛みつきぶらぶらブランコで遊んでおった子狐を見て一瞬ビビった後、
「ヤバみで私も卒倒しかけちゃった」
やっと心が落ち着いてきた嫁の隣に、パイプ椅子持ってきて寄り添います。
何故病室の子狐に、嫁の友人がビビったのか。
子狐に見覚えがあったのです。
何故病室の子狐に、見覚えがあったのか。
稲荷神社在住で、近所の茶っ葉屋さんの看板子狐をしている個体に、バチクソ似ていたのです。
おかしいな。なんでここに居るんだろ。
「一番早ければ数週間で退院できるってさ」
ぶらーん、ぶらーん。カーテンに噛みついてブランコしている子狐は、そんな考察知らん顔。
揺れる遮光・遮音で遊んでいます。
「『軽症で済み対処を最短で為せたのは、奇跡か神様のご利益のようなものだ』って」
神様。カミサマだって。すごいよね。
嫁はお医者さんが言っていた言葉を友人に共有し、
子狐はそれらすべてを、ぶらーん、カーテンに噛みつきブランコごっこして、聞いていました。
カミサマ? 友人がチラリ、子狐を見ます。
ぶらーん。 子狐とチラリ、目が合います。
子狐コンコン「キツネはカミサマじゃないよ」と、言っていそうな無関心っぷりですが、
真実はそれこそ、神のみぞ知るのです。
「ところでさ。聞いてもらっていい?」
「なにさ」
「多分麻酔が今切れかけてるんだろうけどね、いや実際にこういうことが起こり得るのか、だけどね」
「うん」
「ウチの夫、さっきからうわごとみたいに、狐がどうとか、接続不良がーとか、言ってるの」
「せつぞくふりょう」
「どゆこと、っていう。電波障害か何かかな?狐がどっかの基地局傷つけてるとか?」
「さすがに、それはないでしょ」
「だよね」
「だよね……」
取り敢えず無事で良かった、よかった。
白い病室のベッドの隣に、ふたりしてパイプ椅子持ってきて座ってる女性陣は、揃って安堵のため息。
ぶらーん、ぶらーん。病院のセラピーアニマルだか稲荷神社在住だか不明な子狐は、相変わらずカーテンに噛みついて、ブランコごっこして遊んでおったとさ。
朝起きて、「ああ…もう朝だ…」
学校へ行くのが嫌で布団に寝っ転がったまま。
お母さんが大きな声で「朝だよ〜〇〇ちゃん来ちゃうよ〜」と言う。そう言われると起きる気がしない。
カーテンが閉まっている日はお母さんがまだ起きていないということなので気持ちがいい朝になる。カーテンが開いているとお母さんの大きな声と掃除機の音が聞こえて気持ちが悪い朝になる。だから私の一日は、
カーテンが開いているか、閉まっているかで決まっていく。