『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
やわらかな光
光が心に差し込む
心地良く
清らかに
心の奥に温もりを
あなたのやわらかな光が
わたしの心をとろけさせる
【やわらかな光】
◀◀【同情】からの続きです◀◀
⚠⚠ BL警告、BL警告。誤讀危機囘避ノタメ、各〻自己判斷ニテ下記本文すくろーるヲ願フ。以上、警告終ハリ。 ⚠⚠
「心無い上司がいるものですな、アラン」
社長もまるで自分自身のことのように悲しい声でアランをいたわる言葉を掛けてくれた。思い遣り深い青い眼差しに癒される。素朴な慈愛あふれる社長の人徳に触れ、満ち足りたため息をそっと吐いたアランは気分を一新して仕事モードに気持ちを切り替え、引き締めた表情であらためて二人と視線を交わした。
「 ―― お二人の温かいお心遣いに感謝致します。そういう事情で、御社にご協力を乞う次第です。パソコンの使用許可を、どうか僕に与えてもらえないでしょうか?」
社長、専務がお互い無言でうなづき合ったのち、専務のゲーアハルトが頼もしい笑顔を浮かべてエレガントに答えてくれた。
「お仕事なのですからお使い頂くことになんの問題もありません。それにジュノーさん、あなたは我らの身内です。無論許可しますとも。事務所に何台か空いているパソコンがありますので、全部あなたに解放して差し上げます。システムへのアクセスもご遠慮なくなさって下さって構いません。ご案内しますので早速参りましょう。じゃあレオ、僕はジュノーさんと先に行くから、社長室へ向かう前にエルとギュンへ声を掛けておいて欲しい」
兄は微笑んで心得たと応じ、アランをともない去っていくすぐ下の弟に小さく手を振って別れた。近道から行きましょうと促された場所には壁があったはずだが、実は壁面大型扉だったらしく、出荷準備作業のため知らぬ間に広く開け放たれて外の世界に直結していた。行きに通った長い棚の迷路をふたたび戻らずに済んで安堵し、そこから倉庫を出たアランは先導するゲーアハルトに付き随い事務所棟を目指して歩みを進める。外はもう日が落ちて宵闇が薄暗くあたりを包み、敷地内を照らす外灯のやわらかな光が、まだ浅い春の夜をしっとりと彩っていた。
「先ほどは驚きました、エルがあなたに南の言葉で話し掛けていましたので。私は北の言葉と島の言葉を話すあなたしか存じませんでしたので意外でした」
となりで歩きながらゲーアハルトが話し掛けてきた。失礼にならない程度の、ほどほどの好奇心を覗かせて。エルンストと同じぐらいの背丈、ほんの少し目線を上げてアランも彼に言葉を返す。
「僕も驚きましたよ、まさか専務のあなたが社長とご一緒に現場作業までこなしていらっしゃるとは。いつも見るスーツ姿はもちろんお似合いですが、作業着姿もとても凛々しくて素敵ですね」
そう告げるととなりの紳士はクシャリと愛嬌ある微笑みで肩をすくめた。
「あなたにそう言って頂けるとは光栄です、影のナンバーワンイケメン、ジュノーさん。お噂は私の耳にも届いていますよ。それにしても今日のご格好も徹底していますね、休暇の時くらいはもう少しお洒落されたっていいでしょうに」
意表を突いたゲーアハルトの言葉にアランは大いに失笑した。本社に会議で来るのはまれなのに中々の事情通だ、この人の前では下手な隠し事はするだけ無駄だろう。事務所棟のエントランスに到り、ゲーアハルトが社員ICカードでアランを先に中へ通してくれる。ありがとうございますと礼を述べてからアランは含みを込めた笑みで会話を再開した。
「有力な跡継ぎ候補の一人でいらっしゃる取締役への配慮はなまなかなことではいけませんからね。たとえ休暇中でも、どこぞの王室の舞踏会の賓客としてお呼ばれされたとしても、僕はこの野暮ったいスタイルを貫き通す所存ですよ」
ゲーアハルトの大爆笑が人気の少なくなった事務所棟内に響いた。
「それは大した忠誠心ですね、私も見習うとしましょうかな」
吹き抜けの階段を上がりながら大笑いの余韻で上機嫌のゲーアハルトが心にもない殊勝なことを言う。
「ハハ、良い心掛けですよヴィルケさん。どうです、今度の会議はあなたも取締役への忠誠心を知って頂くために、僕のような野暮ったい格好でご出席されてみては?」
ふたたび大爆笑。うっかり階段を転げ落ちないように手すりをしっかり掴み、二人で身体を支え合ってケラケラ笑いながら広い事務所スペースのフロアにたどり着いた。ふと視線を感じて見渡してみると、残業で居合わせた社員全員が何事かと遠巻きに、酔っ払いのように陽気に現れたアランたち二人を驚きのまなこで眺めていた。
▶▶またどこかのお題へ続く予定です▶▶
「やわらかな光」とかけまして
「このやり口……犯人はプロだ」と解きます。
その心は「光明/巧妙」です。
今日いい天気だね、あおい空を見上げながら目を細めて窓の外をうかがう母。
やわらかな光の中、何かしあわせだなぁ〜とベッドの母を見る。どんな姿でも良い、長く長く一緒に暖かい光の中に居たい!
【やわらかな光】
カーテンの間から差し込んだ光が眩しくて
鬱陶しく感じるくらいだった
少し早いけど起きることにしたんだ
キッチンに立っていた君がこちらに振り向いて
「おはよう」とにこやかに笑う
その笑顔がやわらかい光にあてられて
思わず好きだなぁって思った
幸せな毎日が愛おしくて
後ろからハグすると君は照れてみせてくれた
これが愛なんだなって思わせてくれた君
「やわらかな光」
手のひらにのせて
やさしく丸めたら
たぶん
あたたかくて
やわらかい
指のすきまから
こぼれる光
やわらかな光。
やわらかな光に
包まれたのが
わかった。
もういなくなるのって
どうして
わかったのだろう?
いままで、みたこともない
やわらかいひかり、あったかくて、。
きょうは、わたしがわるいことをしたから
おうちにいれてもらえなくて、
きょうは、いつもよりさむくて、
ごめんなさい。またもらしてしまいました。
わたしはだめなこだから、
だんだん、てもあしもつめたくなって、
だんだんおとがなくなってきて、
きがつけば、ふわふわであたたかいところにいたの。
おにいさんに、もうおかあさんにはあえないよって
いわれたの、なんだか、かなしくは、なかったよ。
さようならおかあさん。
さようなら
落ち葉が散る
次の
季節が直ぐ
そこまで来てる
それぞれ
次の季節を
迎える準備を
してる
冬支度をしてると
あの人のセーター
見つけた
こんな所にあった
なんて
今更
何で出てくるのよ
だいぶ前に
別れてるのに
あの人の
お気に入り
だった
突き付けて
返したいけど
あの人は
何処に居るのか
わからない
溜息ついて
セーターを
放り投げた
いる訳ないじゃない
元彼の物なんて
『やわらかな光』
私にとってのあなたは、美しくて、やわらかくて、鮮烈で、何よりも求めていた光だった。
やわらかな光のようなあなたが、これ以上傷ついてほしくないと思った。
それが心であれ、身体であれ、あなたの光が鈍くなるのが、やけに嫌だった。
人一倍優しいあなたには、この世界が人一倍美しく映っていてればいいな、なんて柄にもなく願ってみたりもした。
恋だとか、愛だとか、そんな言葉で言い表すにはあまりにも複雑すぎる思いを抱く私に、あなたは今日も優しく笑いかけるから。また、そんな思いが肥大化するんだ。
2作目、途中で何が言いたかったのかわからなくなりました。とりあえずあなたを大切に思っているということです。よろしくお願いします。
やわらかな光
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.10.17 藍
やわらかな光(途中)
爽やかな風が平原の草花を撫で、遠くに見える壁のような岩山に向かって吹き抜けていく。
小高い丘の上に建っていた筈の古代遺跡が、今は跡形も無く、何処もかしこも瓦礫の山、貴重な歴史的建造物が全て崩れさり、見るも無惨な有様になっていた。
遺跡を中心に地面が陥没したようで、巨大なクレーターに遺跡だった残骸が半分ほど埋まっている。
1歩踏み出す毎に小石や土塊がクレーターの底を目掛けて転がって行く、崩れやすい地面に足を取られないよう慎重に歩みを進め、中程まで辿り着いた時に足底に揺れを感じてしばし立ち止まる。
待ってみても揺れが収まる気配はなく、徐々に揺れが大きくなってきている。立っているのも危険かとその場にしゃがみこみ、自分が降りてきた斜面を見上げれば、真横に走る大きな亀裂。
それに気付いた時にはもう遅く、地滑りに巻き込まれて流されていく身体をなんとか丸めることしか出来なかった。
【柔らかな光】
「死んだらさ、どんな人だったと言われたい?」
人でひしめき合う葬儀場。
そんな中で、親友が急に言葉にしたセリフに、僕は驚いた。
葬式に来ただけでも初めてだって言うのに、緊張してる僕にそんなことを聞かれても。
「え、考えたことない」
「だよな、俺も」
親友が僕を見て笑う。黒い学ラン姿は中学校でいつも見るのと同じもので、少しだけ肩の力が抜けた気がした。
僕の初めて参列した葬式は、近所の駄菓子屋のおばちゃんとのお別れの日だった。
小学校に上がる前からお世話になった、身近な大人だ。
お菓子を買うとおまけをくれて。
悲しいことがあると話を聞いてくれて。
褒められたと自慢すれば、しわしわの顔で笑って一緒に喜んでくれた。
……もっと長生きすると思っていたのにな。
がやがやと雑談する周りを見渡してから、僕は親友を肘でこづいた。
「なんだよ、変な質問してさ」
「変じゃないよ。さっき、おじさんが話をてたじゃん。駄菓子屋のおばあちゃんの息子だって」
「ああ、あの人」
「母は誰よりも子供に優しかった、ってさ。話を聞いた時に、ほんとだなーって感じてさ。
俺もそんな言葉、誰かに言ってもらえたら良いなーとか思っちゃって」
親友が指で頬をかいた。
もちろん、僕も親友も死ぬ予定なんかない。
ただ、誰かに『あいつは良い奴だった』なんて思われてみたい……そんな親友の気持ちは、僕にとっては不思議な感覚だった。
そうなんだ、みたいな。
うまく言葉にできないけど。僕にはない不思議な気持ち。
そんな話をしていて、線香を上げる番が回って来た。
見様見真似で最後の挨拶を終えると、亡くなったおばあちゃんの顔が見えた。
柔らかな光を浴びて、幸せそうに昼寝をしている時にそっくりの顔。
それをみて、なんとなく。
なんとなく。
僕も、少し羨ましい気持ちがした。
やわらかな光#5
放課後の屋上は野球部の声とか、音楽室から聞こえる楽器の音で騒がしくも心地良い空間で
夕日のやわらかな光が私を照らして影になった。
いつみてもあの人には釣り合わないなと思う。でもあの人以外考えられないし考えたくない。
こんなにも想っているのに届いてないみたいで心のポストはおサボりさんだなと思う。ちゃんと働いてほしいよ。
毎日教室で顔を合わせているのに、チャンスはたくさんあるはずなのに大事なところで足踏みして踏み込めない。
だからこうして屋上まできて一人で反省会をするの。でも、その反省は明日に活かせずにまた一日が終わる。
私は毎日日記をつけるようになった。
心の中ではもう蓋をして置けないから。
でもゴミ箱にも捨てられなくて
いつまでもカバンの奥に押し込んで
夜になったらぼろぼろの船で後悔の海に航海しに行って迷ってそのまま眠るの。
もうそんな毎日が嫌で文字にして残ることにしたの。
ふぅちゃんは日記って素敵だねって言ってくれたけど中身は全然良くない弱いものの独り言。
亜紀は今日も敗北しましたよ。ふぅちゃんもいつかこんな気持ちを知るのかな?
ふぅちゃんの恋はうまくいくといいな。
「やわらかな光」
あなたは輝いていた。
あなたは美しかった。
あなたは唯一だった。
これまで出逢った何者ともあなたは違っていた。
あなたはあなたのことを考えていなかった。
あなたの優しさを他人に分け与えることに躊躇などしなかった。
春の陽のようなあなた。
ずっと傍にいたかった。
そうするつもりだった。
そうできたらよかった。
欲張りな私はそうするだけでは満足できなかった。
今はもう一筋の光も見えない。
カーテンから差し込み
暖かい光のうえを
飼っている猫が
気持ちよさそうに
寝転んでいる
それを見て私まで眠くなってくる。
お題[やわらかな光]
No.60
ピアノが流れている。友人に散々語られたせいでミミタコだ。ラプソディー・イン・ブルー。
部屋に入る光が、カーテンに沿って、まるでさざ波のように揺らいでいた。それは部屋に流れるラプソディー・イン・ブルーのリズムに合わせて波打っているかのようだった。
君の目が余りにやわらかな光を湛えていたものだから
確かめてみたくなり手を伸ばす
君はいつも通り目を閉じたまま困惑の表情
私の薬指はまぶたに触れた
ほら、やっぱりやわらかい
あ…、?なんだ…?
あったけぇ…、やわらけぇ…
優しい感じがあるな…
「__________。」
ああ…そういうことか…。
おれは…。
_2023.10.17「やわらかな光」
おくちがたっしゃなあかちゃん。
・やわらかな光
とても、とても、寒かった。氷の粒を纏った風が、うなりをあげて渦巻いていた。あたりは灰色で、何も、見えなかった。
「早く、ここを出ていってよ。寒くて仕方ないわ」
暖を求めて縮こまっていたとき、不意に誰かの声がした。
「ぼくに言ってるの?」
「そうよ。あなた以外にいないでしょ。…ちょっと!急に動かないでよね。凍死しちゃう」
なるほど。この寒さは、ぼくのせいなのか。
それは、なぜかどうしようもなく悲しくて、ぼくは少し泣いた。
「泣かないでよ。寒いじゃない。聞いてるの?ねえ、いい加減…」
それは突然だった。足場がなくなって、目の前がパッと明るくなる。
奇妙なほどに、青。
風の唸りが聞こえなくなって、誰かが息を呑む音がした。
ぼくは落ちていた。何度か、あの寒い灰色にぶつかったけれど、止まることはなかった。
「やあ。君も今日なんだね。一緒に行こうよ」
気がつけばぼくの周りは、奇妙な仲間でいっぱいだった。
真っ直ぐに落下していたはずのぼくは、白いもふもふを纏って、いつしかゆっくり、舞い降りていく。
白い、白い、地面が見えた。先に行った仲間たちだと、すぐにわかった。
きらり。きらり。
ぼくらは氷の粒に過ぎない。
どこまでも冷たく、硬い。
なのに、どうしてだろう。
白い地面に反射した光は、どこまでもあたたかく、やわらかかった。