『もう一つの物語』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「もう一つの物語」
いつどうなるかわからず不安で
お腹も空いてあまり動けない
明日をも知れぬ命がテレビの中に
お腹がいっぱいでうたたねして
とりあえずスマホ片手にダラダラしている自分
不安な気持ちと今を生きてる時代は同じ
ただ生まれた国が違うだけ
平行線のこの世界 もう一つの誰かの物語
もう一つの物語
このタイトルで浮かんだのは、
「はてしない物語」
ミヒャエル・エンデの小説でのこの言い回し
けれどもこれは別の物語 いつかまた 別の時に話すことにしよう
面白そうなエピソードの後ろにつけて、
話を本筋に戻す
子供に読ませたい本は、
同じ作者の「モモ」や、
ジュール・ヴェルヌの
「海底二万里」の続編ともされる
「神秘の島」
いいよねえ…
「ひとつの物語Aに主人公Bが存在したとして、
Aの『続編』ってことで『もう一つ』なのか、
主人公Bの相棒キャラC、『別視点』から見るか、
物語Aと時間軸はそのままで、『場所だけが遠く離れてる』物語Dのハナシか、
なんなら物語Aの中で語られてる物語D、つまり『劇中劇』のことか。
ひとくちに『もう一つ』っつっても、種類は多々、まぁまぁ豊富よな……」
俺が毎回投稿文の上下を「――――――」で区切るのも、「もう一つの物語」か。某所在住物書きは大きなあくび一つして、コーヒーを胃袋に流し入れた。
ほぼほぼ寝ていないのだ。ソシャゲの周回サポートが今朝で終わるから。
「その頭でハナシ考えるの?2個も?」
無理では?物書きはまたひとくち、コーヒーを飲む。
――――――
「もう一つの物語」。簡単そうで、なかなか攻めづらい気がするお題ですね。こんなおはなしをご用意しました。
最近最近の都内某所、森の中にある某稲荷神社敷地内の、一軒家に住むのは化け狐の末裔。
人に化ける妙技を持ち、ネズミを食わず、キッチリ水道水を使うがゆえに、狂犬病ともエキノコックスとも無縁な、物語的に非常に扱いやすい善き狐です。
人の世で生活し、人の世で就職し納税し、あるいは子供を孫を育てながら、幸せに、仲良く、人々の営みを見続けています。
そんな化け狐家族の末っ子は、お花とお星様が大好きな食いしん坊。
星の形のお花が咲く場所、おいしい食べ物を食べられる場所は、そこそこ、知っているのです。
今日の都内は最低気温が11℃。換毛期真っ盛り、まだモフモフ冬毛の生え揃っていない子狐には、ちょっとだけ、朝夕がこたえます。
このままでは、コンコン子狐、寒くてこごえてしまいます。何かあったかいものを食べて体を温めようと、子狐はしっかり人間に化けて、最近都内に越してきた魔女のおばあさんの喫茶店に向かいました。
去年の今頃、パンプキンポタージュとポテトのパンケーキが、とってもおいしかったのです。
あれを、今年も貰いに行こう。
子狐コンコン、ゾンビの仮装してる人にビビってめげそうになりながら、しょげそうになりながら、頑張って喫茶店を目指しました。
なんで最近、妖怪の仮装してる人が多いのかしら。
なんで最近、顔に絵の具塗ってる人が多いのかしら。
「それはね。明日が、ハロウィンだからよ」
チリンチリン。子狐が喫茶店の扉を開けると、涼し気なドアベルの音が、子狐を迎えます。
「日本のハロウィンは、私の故郷のとはだいぶ違うけれど、おかげで今の時期は私のような『本物』が歩いてたって、誰も気にしないの。皆、コスプレだと勝手に思ってくれるから」
さすがに魔法は人前じゃ使えないけれど、ね。
魔女のおばあさんは優しく、とても優しく笑って、コトコト煮え立つ魔女の小釜から、ポタージュをすくって子狐のスープジャーに入れてやりました。
「おばちゃんのおうちでは、明日、どうなるの?」
「さぁ、どうなってるかしら?」
「みんな、妖怪の格好してるの?みんなお顔、絵の具塗ってるの?」
「おみくじケーキが楽しいわ。それから、焚き火がとっても綺麗よ」
「たきび?」
「日本のハロウィンでは、焚き火もおみくじケーキも、やらないわね。別々の国、もうひとつのハロウィン、もうひとつの楽しみ方。私は良いと思うわ。迷惑さえ誰にもかけなければ。
ほら、あなたも」
はい。Treatsをいくつか、どうぞ。
スープジャーにフタをして、ちょっと大きめのランチボックスと一緒に、
魔女のおばあさん、子狐に料理を手渡します。
「もう一つのハロウィンを楽しんで」
子狐がランチボックスのフタを開けると、中にはいつか食べたポテトのパンケーキと、葉物野菜がシャキシャキしてそうなポテトサラダ、それからいくつかの甘くて幸せそうなお菓子が、たんと、たんと詰められておったのでした。
魔女と、子狐と、本場からかけ離れた「もう一つのハロウィン」の物語でした。
おしまい、おしまい。
ストーリーとは別のもう一つの物語の英訳
ナラティブ 人はストーリーではなくその中にいる
ナラティブには語り手の恣意的切断が常に含まれる
有限である人間は認識の段階で恣意性が働く
超越者の持つ究極の客観性に対する語り手の主観
それを通して保存される記憶にはさらなる恣意性が働く
ナラティブには何重にもそんな編集が行われている
有限である存在が故にありのままの現実を直観はできない
もう一つの物語
誰もが持つ、もう一人の自分と
もう一つの物語。
ふたつの間で葛藤しているかもしれない。
真逆なこともあるだろう。
受け入れられないことも。
認めたくないことも。
だけど、もう一つの物語だって自分が
主人公の物語だから、どちらも自分なんだ。
無駄なことなんて何もない。
今はわからないかもしれないけど、
必ず最後には一つの物語として、まとまる。
たくさん葛藤しよう
たくさん苦しもう
たくさん泣こう
全てはかけがえのない財産となる
今の自分をやり直せるなら、もっと将来を見据えて考える人と結婚をしたかったかな。お金もない、自分のことだけを考えてる、私のことは家政婦としか見ていない、使い捨てのコマにしかない。
私のことを大事にしてくれる夫を探したい。
もう一つの物語が存在するような、大作を書いてみたいな。
全然目立たなかったような人が主人公。実は色んな作品にいたっていうようなお話。
主人公にするとしたら、初老の男の人がいいな。
「はー…よかった!」
この充実した読後感。
今回読んだ小説は、友達0人で無趣味のOLがありのままの自分を肯定するまでの物語だった。
日々を無為に過ごす自分と主人公が重なり、自分も救われた気がしている。
これを書いた人とは気が合いそうだ。
さっそくSNSで作者の名前を検索する。
「○○、と…おー出てきた。あ、既婚の方なんだ。」
かすかに胸のざわつきを覚えたが、無視して続ける。
「家族の写真も。あ、このカフェおしゃれ。自撮りもある、可愛い人だな。」
メディア欄を眺めるのにも飽きてきたのでスマホを閉じる。
先程まで高揚した気分でいたのに、今ではすっかり冷めてしまった。
脇に置いた本に目をやる。
この本、どうしようかな…メルカリにでも売るか。
お題「もう1つの物語」
もう一つの物語
僕は小学校三年生。周りの友達は水泳やピアノ、ダンスや絵画などを習っている。
僕がやってみたい事は、サッカーと将棋。
サッカー選手になった時の自分を想像してみる。器用なドリブルで何人もの相手の選手を交し、最後、豪快なシュート!サポーターの大歓声!気持ちいいだろうなぁ。
そして、もう一つの物語。
将棋のプロになった時の事を考える。漢字が書かれた駒を、パチンと前に進める。じーっと碁盤を見つめて、長い時間考えたのに、一手だけ。勝負に勝っても、静かに着物でガッツポーズ。着物は僕にはあまり似合わないかなぁ。
でも、僕は決めた。
将棋を習う!だっていつもあんな美味しそうなお昼ご飯と、甘いお菓子が食べられる。
だから僕はプロ棋士になる!!
とにかく寝ると毎日夢を見る。
鮮明に覚えているから…
私のもう一つの人生の物語だと思うことにする。
#もう一つの物語 -48-
悲しい
嫁に逃げられ親権も取られた、親戚や友達さえも俺が悪いと言う
良くしてやってるつもりだったのに俺が話しても無視するし、家事を手伝っても自分でやると言われる久しぶりに出掛けようとしてもゆっくりしていたいと言うし、娘だって最初はあんなに甘えてたのに気が付けば嫁にべっとりだった
家族も子供の頃はまだ暖かかったのに、高校を卒業してから一人暮らしをはじめていままで仕送りもなし、連絡もしてくれないこっちから話しても素っ気ない返事のみ
友達も一緒に遊んでも楽しそうにしてくれない、俺が居ないときは楽しそうなのに
仲間は居ない、誰も俺のそばにいてくれない
ただ悲しいだけなのに、どうして皆
私をほっておくのか
「え?あいつ?…いつも寂しそうにしてて、可哀想だねって思うよ、うん」
「うちの子?…ああ、そうですね心配ですし仕送りはしてますよはい」
「まぁ、可哀想だし一応付き合ってやってますよ友達付き合い大事ですし、でもまぁ可哀想っすよね」
「なんかさ、「私、可哀想でしょ?」ってやられるとどうでもいいってなんない?つまらない話みたいにさ、「あ~またね、いつものねって」なるんですよ」
ねぇ、知ってる?
王国のプリンセスと王子が結ばれる幸せの物語の他に
もう一つの物語があることを
王国のプリンセスはみんなの生活を見守ってくれて
いつだって正しい判断を下す
王国の顔だっプリンセス。
でもみんなは知らないプリンセスには夢があった。
夢に向かって地位も名誉も捨てて
プリンセスは自分のために人生を歩む物語が
本当はあった。
みんなは幸せな話が好きみたいだから
このお話はあまりしないんだけど
気になったら私に言って
いつでも話してあげるから
─────『もう一つの物語』
『ずっと前から好きでした、付き合ってください』
なんてことない、告白の言葉。僕は勇気を出して、送信ボタンを押した。心臓が止まりそうだ。
君とは中学の頃はよく話したし、一緒に桜を見たこともあったけれど、もう君にとって僕はなんてことない存在なのかな? そうではないことを信じて、僕は君からの返信を待つ。
『気持ちは嬉しいけどごめんなさい、これからも良い友だちで居たいです』
予想はついていたのかもしれない。感情がぐちゃぐちゃになって、自分が何を思っているのか分からない。既読をつけることができない。体全体が震えているのだけが分かる。
数日後、彼女に恋人がいることを知った。そう伝えてくれれば良かったのに、なんて自分勝手でしかない。
恋人が居なければなんてifを考えても無駄だけれど、辛すぎて考えざるを得ない。もっと早く告白すれば良かったかな、とか考えたくない。ただただ泣き出したいのに、僕の目から涙は零れなかった。
#もう一つの物語
鏡の向こうの私へ
お前もこの心臓の苦しさと息のしづらさを知ってるの?
作品を描いていると、時々考えることがある。
私の分岐点はどこだっただろう、と。
作業通話に誰も捕まらなくて、私は黙々と液タブにペンを走らせる。話しさえできればあとは描くだけなので、適当な配信を聞きながら手を動かしていた。でもふと、そんなことを考えはじめてしまって配信の声が頭に入らなくなってくる。
私の分岐点。私が通ってこなかった、もう一つの物語。
たとえば、そもそもオタクにならなかった私。ちょっと想像ができない。今私がこんなに楽しいのはこれまで読んできた数々の漫画のおかげなので、それらを知らないでなにを楽しみに生きればいいのかわからなかった。
たとえば、化粧を好きにならなかった私。はじめはオタクを隠して普通を装おうとしただけだったけれど、そのおかげで今化粧品を売っているのだから不思議なものだ。もしも化粧と出会わなかったら、私が化粧を好きにならなかったら、なにになっただろう。学生時代から漫画はよく褒められていたから、勘違いして漫画家になっていたかもしれない。でも私は二次創作ばかりでオリジナルを描いてこなかったから、きっと訓練もせずに目指してもいい結果にはならないだろうなと思う。
たとえば、誰かと結婚した私。三十歳も見えてくると、周囲が結婚しはじめて時々焦る。いつか出会えたらいいなぁという気持ちもあるけれど、今のところは気配はなかった。私が恋愛をしたら、結婚をしたら、どうなるのだろう。漫画を描くのをやめているだろうか。オタクでいるのをすっぱりやめているだろうか。想像すると少し寂しかったけれど、オタクも漫画もやめて大丈夫なほど相手を愛しているのなら、それはそれで幸せなんだろうなと思う。
だらだらと考えて、結局もう一つ物語なんてものを想像もできない自分の想像力の貧困さに苦笑した。
いつか、そうだったかもしれない世界。
想像しても見ることができない物語。
考えても仕方ない。だって私は今生きていて、明日は仕事で、来月までに原稿を仕上げなければならないのだから。
液タブにペンを走らせる。
並行世界に夢を見るのは、今はまだやめておこう。
秋日和 妹夫婦と 連れ立って
里山歩き 心さわやか
「私」という、タイトルの
いくつものオリジナルの物語りが
あったとしたら…。
あの頃に戻りたい
選び直したいという過去が
あったとしたら…。
私は、ここまでの人生を
辿り直して、また読み返すだろうか。
そんなことを、思って
ふふっと、少し笑ってしまった。
まだ、完結にも至らない
物語りを放り出して
次の話しに飛びつくなんて出来ない。
いま私は、私だけの頁を
もがきながら
時に泣いたり、笑ったりしながら
書き続けているのだから。
【お題:もう一つの物語】
昔から人見知りだった。
人と仲良くする方法がわからなくて、一人でいることが多かった。
ようやく仲良くなれたと思った友達も、気付けば傍からいなくなっていた。
そして――ここに来るまでたくさんのことがあった。
思い出せるほとんどが苦しいことだ。
あの後また出来た、心から大切に思っていた友達は、幻だった。この世に存在しない、空想上だけのものだったのだ。
そう知った時は狂うかと思った。
いえ、もう元から狂っていたのだろう。
もしかしたら、周りに酷い目に遭わされた時よりも、それに復讐した時よりも、どれよりもあの時が一番苦しかったかもしれない。
それまでも苦しいことしかなかった。
それでも、あなたと出逢えたことだけでも幸せだと思っていたのに。
それが、一瞬にして消えてしまった。本当に幻だった。
そんな日々を乗り越えて、私は大人になった。自由を手に入れた。
けれど、何も変わらない。
私には大切なものはもうない。
ただ、もう一度だけ、あなたに逢いたかった。
涙が勝手に頬を伝っていく。
「――っ…………!」
あなたの名前を呼んでみても、その声は空へと消えていった。
「……大丈夫?」
優しく揺り起こされた。
あぁ、そうだ……。
「とても恐ろしい夢を見ていたの」
起き上がり、あなたの胸に頭を埋める。
あれは夢。とても恐ろしい夢。
あなたは確かにここに存在しているのだから。
「本当に怖かったみたいだね。大丈夫。ここにいるよ」
大きな腕で優しく背中を包み込んでくれる。
あなたと再会できなかったら起こり得たかもしれない世界。
あれが、私の本当の物語ではなくて良かった。
あなたの腕の中でただ幸せを噛み締める。
『もう一つの物語』
「もう一つの物語」
外界で多くの敵に囲まれて
緊張と闘いを強いられ
太陽が西に落ち
月がのぼる頃
足を引きずって見えぬよう
背中や腹の傷を気取られぬよう
髪と服を整え
あなたの家のドアを叩く
「お疲れ様」
全て見抜いて されど口にせず
ただ結界を張って守ってくれる
あなたの側にいると
傷が癒えてゆく
不思議な非日常
もう一つの物語
テーマ「もう一つの物語」
ときどき、「ゲームみたいに選択をやり直せたらいいのに」と思うことがある。
今、とてもハマっているゲームがあるのだが、最初に結末が大きく変わる選択がある。
正しい方を選ぶとそのままストーリーが進んでいくのだが、間違った方を選ぶと本来共に旅をするはずの仲間は消息不明になる。だがもう自分には関係の無いこと、といういわゆるバッドエンドになる。
しかしゲームだから起動し直すと選択の場面に戻り正しい選択を選び直せるのだ。
大きな間違いをしても何事も無かったかのようにできることはゲームだからこそって感じがする。現実だとこうは行かない。
その代わり現実は選択を間違えても大きなバッドエンドにはなりにくい気がする。
昨日の晩御飯がもし違うものだったとしても何も変わらない。仕事や人間関係で間違ったことをしてしまっても大体はやり直せるし、時間が解決してくれることも多い。
だから違う選択をしていたら、もし「もう一つの物語」があったらと考えても仕方がないのかもしれない。
なぜなら、多分その未来も今とあまり変わらないのだから。