飛花

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『ずっと前から好きでした、付き合ってください』
なんてことない、告白の言葉。僕は勇気を出して、送信ボタンを押した。心臓が止まりそうだ。
君とは中学の頃はよく話したし、一緒に桜を見たこともあったけれど、もう君にとって僕はなんてことない存在なのかな? そうではないことを信じて、僕は君からの返信を待つ。
『気持ちは嬉しいけどごめんなさい、これからも良い友だちで居たいです』
予想はついていたのかもしれない。感情がぐちゃぐちゃになって、自分が何を思っているのか分からない。既読をつけることができない。体全体が震えているのだけが分かる。
数日後、彼女に恋人がいることを知った。そう伝えてくれれば良かったのに、なんて自分勝手でしかない。
恋人が居なければなんてifを考えても無駄だけれど、辛すぎて考えざるを得ない。もっと早く告白すれば良かったかな、とか考えたくない。ただただ泣き出したいのに、僕の目から涙は零れなかった。





#もう一つの物語

10/29/2023, 11:27:40 PM