『はなればなれ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「俺とお前はずっと一緒だ! ずっと一緒で幸せにしてやる!」
そうかっこいい言葉が言いたかったんだよね。
42おっさん独身。アパートでひとりぼっち。元々親が転勤族でいろんな学校を転々とした子ども時代。幼馴染という子を形成出来なかった。どうしようもないおっさん。
もし、もしあの頃に帰れるなら。俺は友達を作りたかった。そして離れ離れになっても繋がっていたかった。可愛い子もいっぱいいたはずだ。全て失い忘れた。俺はおしまいだ。
異世界転生したら仲間を作りたい。お前と友達でいるメリットは? とか言わない友達を。
どこまでも交わらないように
平行線を保たなければならない
本当に離れ離れになりたいのならば
/お題「はなればなれ」より
『――サエ?』
――つながった。
もう二度と、聞くことができないと思っていた声が。この電話から聞こえる。たしかにつながっている。
「……、……レイス……っ」
顔が熱くなる。目の前はあっというまに滲んで、涙が頬をつたっていく。
『サエ!? サエなんだな!?』
「うん、れいす、レイス……!」
これが夢でもいい。これが夢でも、もう忘れてしまったと思った声を、こうやって鮮明に思い出すことができたのだから。
レイス。レイス・マクレーン。マクレーン帝国の、第一王子。彼は、――ものがたりのなかの世界のひとだ。そしてその世界は、わたしが三年前に飛ばされた世界だった。
/はなればなれ
#はなればなれ
たとえ結ばれない運命でも
たとえ何度引き裂かれても
僕らは出逢いを繰り返す
どんな関わりだろうと
いちばん身近に感じるだろう
きっとわかる
たぶん感じるさ
不思議な懐かしさを…
言葉にできないほどの思い
すれ違いに振り返ってしまうような。
あなたはワタシの一部だから
ワタシはあなたの一部だから
たとえどんな哀しい
別れをむかえても
わたしたちの完成図
最後のピースはあなたがはめる
あなたのパズルのラストピースは
ワタシがはめる
『時がくればはなればなれ 互いの道 帰るさだめ』
【月衣(東京エスムジカ)】
この歌の歌詞を見たとき、私はこれがなにかの真実のように思えた。
君と私は別々の人間でそれぞれ違う道を歩いている。今、君が私の隣で歩いているのは、互いに進む道が隣り合わせで、その目的も同じだから。
けれどひとたびその目指す場所が違えたとき、きっと君も私もあっという間に背を向け合うのだろう。
そんな日は永遠に来ないでほしいと思う。けれどいつかはそんな日が来るのだろうとも思ってしまう。
だから私は今君とともにいるこの瞬間をなによりも大事にしたい。
そしてもしもその日が来たのなら、私は笑顔で君を見送り、その背中を見えなくなるまで見届けて、私も君に背を向けて歩き出そう。
【はなればなれ】
「はなればなれ」。
別れとは違う気がする。
引き離されるような印象。
これを見て真っ先に思いついたのは
親が離婚して片親になる子供だった。
この言葉が存在している時点で、
そういう人がこの世にいると言うことになる。
『卒業式の始まる前のこと』
午前5時、いつもより、早く目を覚ました。あと数時間もすれば、卒業式が始まる。私は、この日が来るのが嫌だった。なぜなら、もう少しで、私は、子供では、なく一人の大人として、日々を過ごさないといけないからだ。もっかい、寝ようとも思ったが、すっかり眠気は消えてしまった。『はぁー、どうしよう』と独り言を吐いた。そんなこんなで、午前7時、いつもの起きる時間となった。朝食を食べ終え、制服を着る。そして、ドアを開ける。いつもの坂道を下る。この習慣ももう消えるのかと思うと、もう少し、学生気分を味わいたかったと後悔の念が押し寄せる。
学校に着くと、クラスメイトは皆、ハラハラしたような緊張しているような心情を感じているのか、どこか騒がしかった。先生が教室に入ってきて、改めて私は、いつもの日常があと数時間で終わってしまうことを痛感した。
もうすぐで、式が始まる。
はなればなれ
昨日の続きが今日だと思っていたのに違った。
あなたの不在は昨日にはなかったものだ。なのに今日はいない。
そんなことがあっていいのだろうか。大切なひとがいない日常が続くなんて。
わたしはこの先、あなたとの大切な想い出と、あなたの不在を心に抱えて毎日生きていかなくてはいけない。
想い出は増えないのに不在のつらさは増えていくではないか。そんなの耐えられない。
でもね。
あなたは言う。
確かに私の不在は貴方にはこたえるかもしれない。
でも思い出は?
貴方が私を思いながら道を歩くとき、私も一緒に歩いている。
貴方が美味しいパンを食べるとき、私もその味を感じている。
貴方と私はおんなじ時を過ごしていて、それは思い出と呼ぶものになるんじゃないの?
そして思い出は私の不在をいつか超えてしまうでしょう。
貴方が生きているかぎり。
やっとピースが揃い始めたね
これからの人生、
どんな絵に描いていこうか
みんなと一緒なら
思いもしなかった素敵な絵に
仕上がるだろう
くだらない喧嘩をして、私に反抗するために自ら戦場へ赴いた弟が死んだ。正確には死んでいた。その弟の遺品が届いた。わずかなものだった。その中に、一冊のノートがあった。良くある、学習用ノートである。日記2と書かれているので、きっと当時の生活を記した日記帳だろう。弟がどのような生活をしていたのかが気になり、私は見ることにした。何気なく開いた瞬間に見えたそれらの文字の羅列は私をひどく驚かせた。
死にたい、死にたいが、死ぬに死にきれねえ。痛いのは嫌いだ。生きるのも嫌いだ。どうすればいい? どうしようもない。
七月八日、今日も快晴!戦争日和。いつ死ぬか分からない恐怖。心安らかに眠ってみたい。赤子の頃に母の手の中で死ねばよかった。それで全てが解決。そうしよう。
母が死んだらしい。あの人は綺麗すぎた。この世がふさわしくない。あのような人は生きにくい。だから死んだ。仕方がない。きっと天国へ行った。おれは行けない。人を殺した。それでいて褒められた。笑える。残る家族は沙智子だけだ。沙智子。元気ではねえだろうな。沙智子は汚いから、こんな世界にとても似合う。きっと良く生きる。うざったい。さっさと死ね。馬鹿野郎。
(沙智子、とは私の名前。)
はなればなれだ。姉とも、母とも、世間とも。知ってんぜ。
どうすれば戦争は終わるんだ。きっと終わらないさ。若者が全員死ねば、終わるんじゃないかな。もう限界だ。結局そうさ、いっつもそうだ。さっさと死にやがれ。帰りたい。いいえ、帰りたくない。
戦争への恨み、つらみが延々と綴ってある(沙智子の名前は度々出てくるが、大抵いいことは書かれていない)。字も汚く、紙に血や汚れが染み込んでいて、文章以外でもその情景を想像させられた。
ペラペラと流し読みをしていると、ふと、最後のページに、別の用紙が挟まっているのが見えた。こればかりは少し綺麗で、弟にしては丁寧に封筒に入れられている。大切なものと見える。
その封筒の表には、立花沙智子、という文字が見えた。まさか、と思い、裏を見た。そこには私たちの家の住所が書かれていた。
私は震えた手で、封を開けた。中身は一枚の紙だった。それは下手だが時間をかけた字で、こう綴られていた。
沙智子姉さん。
あなたの元を、いや、あの時は母もいたのですから、あなた方の元を離れてから、一時も心から笑顔になったことはありませんでした。戦争は辛く、惨めで、どうにもなりません。
姉さんには迷惑をかけました、きっと今も迷惑をかけ続けています。ごめんなさい。
僕は死にたくないです。死ぬために戦場に赴いたのではありません。僕は死なないです。もう一度、あなたの元に帰る気でいます。姉さんに恨みがましく、話を聞かせるはずです。
そして、ご存知でしょうが、言っておきます。
愛しています。
この思いはあなたの中に居させてください。
元気に過ごしてくださいね。
それでは。
声も出なかった。ただ乾いた目でその手紙を読み、日記の元の位置に挟めた。そして日記を段ボール箱に入れて押し入れの奥に閉じ込めた。
〚はなればなれ〛
君は遠くに行ってしまうんだね
はなればなれでも、心は繋がってる
だから寂しくなんかないよ
そばにずっといたら、喧嘩したり嫌な部分が見えちゃったりするもんね
たまには距離を置くのも大切
本当の「はなればなれ」にはなりたくないから
はなればなれ
「わたしたちは、死んでも、ずっといっしょだよ」
ミユキ──、数年前に亡くなった俺の恋人。
「ミユキ、お願いだ。もう話さないでくれ」
「ごめんね、せーくん。私達、はなればなれになっちゃうね」
「──そうだな」
「ごめんね、せーくん。もう、私、ダメみたい───」
「ミユキ!」
その時、ミユキは握っていた俺の手をはなし、帰らぬ人となった。
この時、俺はミユキとはなればなれになった。
はなればなれ
はなればなれ…貴方とは、絶対に離れ離れになりたくない!でも、これだけは、断言出来る。私達には、離れ離れなど有り得ないと。だって、私達は、永遠の愛を既に誓ってるし、二人の小指を結ぶ赤い糸も、日に日に、愛が増し、赤い糸は、どんどん、二人を近付けているから。私達の小指を結ぶ赤い糸は、日に日に能力を増していくから…だから、私達が、離れ離れになる事なんて、永遠に有り得ないよね?マイダーリン?ねぇ、今すぐ、私に愛に来て、「俺らが離れ離れ?はん!そんなの有るハズないだろ!」っていつもより強く抱き締めてよ…こんな冷えて来た夜こそ貴方の温もりをすぐ近くに感じてたいよ…
高校3年間ずっと仲良しだった子がいた。どこに行くにも何をするにも学校以外でも、家族以上にその子と一緒にいた。けどそろそろ進路を固めなくちゃいけない季節になって。あの子は就職、私は進学の道を選んだ。初めて、進む道が違うことになった。それを知った時はなんだかちょっと寂しかったけど、“お互いがんばろうね”ってあの子が笑うから。私も負けてらんないな、夢を叶えるために頑張らなくちゃなって思えた。その辺りから、あんなに一緒だったのになかなか遊べなくなってしまった。こうやって、次の春には話も気軽に出来ない距離になってしまうのか。それを思うと急にとてつもない寂しさに襲われた。
そんなモヤモヤを引きずりながらも私は無事に第一志望に合格し、あの子も希望していた職種に就くことが叶った。お祝いしよう、と言われてファミレスに行った。よく学校帰りにここに来てはドリンクバーでねばってたっけ。そんな昔話も交えながら久しぶりに一緒にご飯を食べた。それが高校生でいる間の最後の2人の思い出だった。
その後あの子は上京した。私が思った通りの、簡単に会えない状況になってしまった。だけど不思議と寂しくはなかった。今生の別れじゃあるまいし、今は電話もメールもある。会おうと思えば会える距離だからっていうのもあるかもしれない。でも何より、お互いに夢を叶える一歩を踏み出せたという事実が寂しさを打ち消してくれているんだと思う。
あの子が東京に行く日に駅まで見送りに行った時、“私たち前に進んでるよね”って嬉しそうに私に言ってきた。泣いてる暇なんかないよ、って言われた気がしてお陰で涙が引っ込んだ。そうだよね。別れを惜しんでる場合じゃない。前に進まなきゃ。寂しい時、気持ちに迷いが生じそうな時、いつもあの子は私を励ましてくれた。大好きな最高の友達。だから、離ればなれになったなんて思わない。どんな場所にいたって、ずっとずっと友達であることに変わりはないんだから。
学生時代の話
クラス替え運 とやらがあるとすれば
私は絶対的に『凶』の持ち主だ
仲良くなった友達とは必ず”はなればなれ”になり
3人組の私以外の2人はまた同じクラスになる
数多いクラブ仲間も他のクラスにかたまり
初めましてだらけのクラスメイトの中に放り込まれる
なので毎年4月は 想定内の落胆からスタートした
そしてその『凶運』は 娘に引き継がれている。。
はなればなれ
仲の良かったふたり
遊ぶ時はもちろん
食べる時、寝る時
他愛もない時もいつも一緒
ふたりはいつも鏡合わせ
まるで双子のよう
同じものが大好きで
お互いのことが大好き
なのに
今ははなればなれのふたり
似ているふたりだから
はなれるタイミングも一緒だった
理由も一緒だった
自分に似すぎてて嫌になったんだ
はなればなれのふたり
それぞれの道を歩くふたり
だけど
お互い大人になったら
いつかまた一緒になることもあるのかな
「えっ!?
"はなればなれ"になったらなったで
また逢う楽しみができると思わない?
ほら、思うでしょ?
とーってもワクワクするわね」
そう言って天国に行った妻に
早く逢いたい
けれど
逝ったら逝ったで怒るに違いないんだ
彼女はそういう人だから
#はなればなれ
人とはなればなれになるのは嫌だ。
大切な人とはなればなれになるのはもっと嫌だ。
日に日に、年の終わりを感じるこの頃。それと同時にさびしさも感じる。年が変わってしまうことへのさびしさと……別れの季節が近づいていることへのさびしさ。
とっくのまえにわかっていたこと。けれど、わかりたくなかったこと。
半年前はまだまだと余裕でいたけれど、本格的な冬に入り始めた頃、別れが近づいていることを寒さが急に訪れたと同時に、急に感じた。半年前のあのときはまだ余裕だったけど、今は心のどこかで焦りを感じている。その焦りを、さびしさを表面に出さないようにするだけでも精一杯なのに、辛いのに、あなたに1時間、1日会えなかっただけでも泣きそうになる自分がいる。あなたに会えても泣きそうになるけれど、会えなくて泣くのと、会えて泣くのでは意味が全く違う。昨日は会えなくて不安しか募らなかった。けど、今日は会えた。会えた瞬間、安心感が一気に心に広がった。涙がこぼれるかと思った。
でも、これからはずーっと会えない日々が続くのだ。しかも、国を超える距離だ。1年も会えない日々が続く。
耐えられる自信がない。1秒でもあなたを思わずにはいられないのだ。会えない毎日が1日続くなんて、耐えられるはずがない。辛くないわけがない。
嫌だ、嫌だ、嫌だ……。そう言っていても、もう変えようがない運命(さだめ)なのだ。
はなればなれがこんなに嫌だと感じたのはあなたが初めてだ。他の人とはなればなれになることはなんとも思わなかった。
また会えたら、色んな話をしたい。何を話そう?
はなればなれになるのは嫌だ。けど、長く離れた分、また会うのが楽しみ。今からでもワクワクしてしまうのだ。
あなたは私とはなればなれになることをどう思うのだろうか?
#はなればなれ
心がはなればなれになっても
私は君の傍にいる
体がはなればなれになっても
私はずっとここにいる
人格はきっと
ここに
魂は永遠に
ここに-
それが私の
呪いなのだ
役目を終えた傘から、ポツリと水滴が落ちる。
全てが終わる時は、こんな感じなのだろうか。