夏畑

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 『卒業式の始まる前のこと』
 午前5時、いつもより、早く目を覚ました。あと数時間もすれば、卒業式が始まる。私は、この日が来るのが嫌だった。なぜなら、もう少しで、私は、子供では、なく一人の大人として、日々を過ごさないといけないからだ。もっかい、寝ようとも思ったが、すっかり眠気は消えてしまった。『はぁー、どうしよう』と独り言を吐いた。そんなこんなで、午前7時、いつもの起きる時間となった。朝食を食べ終え、制服を着る。そして、ドアを開ける。いつもの坂道を下る。この習慣ももう消えるのかと思うと、もう少し、学生気分を味わいたかったと後悔の念が押し寄せる。
 学校に着くと、クラスメイトは皆、ハラハラしたような緊張しているような心情を感じているのか、どこか騒がしかった。先生が教室に入ってきて、改めて私は、いつもの日常があと数時間で終わってしまうことを痛感した。
 もうすぐで、式が始まる。

11/16/2023, 11:15:48 AM