『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
と こ ろ に よ り 雨
俺 の 心 は 雨 が 降 っ て い る 。
で も 俺 が 皆 へ の 降 る ま い 方 は 晴 れ で
嫌 い な 人 の 降 る ま い 方 は 雷 で
好 き な 人 な 降 る ま い 方 は 雪 で
で も と こ ろ に よ り 雨 が 沢 山 降 っ て る
そ の 雨 に 皆 は 気 づ け る か な ?
気 づ い て 欲 し い な ん て 我 儘 か
19 作 目
いつも気分に波がある
暑すぎるくらいカンカン照りの日もあれば
寒すぎるくらい雪が降り積もるときもある
とりあえずは
晴れところにより雨
くらいを目指そうと思う
気象予報士が 予報を告げる
当たったとしても 外れたとしても
会社に着く頃には みんな忘れている話
傘を握るかどうするか それを決めるだけのこと
ところにより雨
100年生きたとしても 訪れることのない場所には
傘が壊れたと悪態をつく人
てるてる坊主を恨む人
洗車したばかりの車で出かける人がいる
たぶん一生出会うことはないけれど
その人も僕も また訪れる晴れを待っている
そんなことに関係なく 衛星は写真を送り続ける
僕たちが傘を握るために
また晴れが来るのだと安心させるために
「今日は晴れ、ところにより雨です」
ラジオの天気予報が告げる。
「雨は○△地区、×◎◽︎地区、◎■▶︎地区で、宙時計◀︎時からと予想されており…」
僕は大きく伸びをして、ベッドから半身を起こす。
カーテンを開け、窓を開け放つ。
窓の外には、瞬く星空が広がっている。
「おそよう。良い夜だね」
お隣さんに届くように、大きな声でそう言って、僕はベッドから出る。
タンスを開けて、皮を着替える。久しぶりに着るものだから、節々に動きにくさを感じる。
体に馴染むようにと、僕はラジオのつまみを回す。
「ラジオ体操第一!」
ラジオから軽快な音楽が流れ出す。
僕はそれに従って、関節を回してみたり、腕を伸ばしたり、動きを確認する。
一通り動かして、軽く跳ねてみるところが、僕の一番のお気に入りだ。
体を動かした後は、テーブルに座って、ご飯を食べる。
いつものご飯が、この体にはやけに食べにくい。
ご飯を食べ終えたら、いよいよ今夜のメインの活動だ。
僕は虫取り網とバケツを担ぐ。
今日は、星狩りにピッタリの日だもの。星狩りに行かなきゃ
玄関の扉を開けようとしたところで、僕はふと気づく。
そういやお隣さんは、星が欲しいと言っていた。
僕は窓に駆け戻り(たった二本の肉製の足では、走るのも一苦労だ)、窓に向かって大声で言う。
「これから星狩りに言ってくるよー!場所はもちろん、◎■▶︎地区のいつもの空き地!君も予定がなければ是非おいで!」
それから僕は清々しい夜の空気を吸いながら、歩いて行く。満天の星が重たそうにキラキラ輝いている。
そのうちの一つが、チラチラと揺れたかと思うと、地面に向かって、スーッと落ちてくる。
もう降り始めた!僕は転ばないように急足で、目的地へ向かう。
いつもの空き地には、先客がいた。さっき声を掛けた、お隣さんの、君だ。
君も肉製の二本足で立ち、二本の腕に虫取り網を持っている。
こんな身体も、君にはよく似合っている。
「おそよう。もう降り出してるよ、急いで急いで!」
にっこり笑いかけてくれる君に僕は答える。
「おそよう、来てくれたんだね」
「うん!だって星、たくさん捕まえたかったし、君にも会いたかったから!会うの久しぶりだよね?」
「うん、百十年ぶりかな…僕も君に会いたかったんだ」
僕がそう口にし終わる前に、大粒の星が降り出す。
予報通りの雨だ。◎■▶︎地区による、流星雨。
君は、「降り出した!」と歓声を上げ、虫取り網を振り回して、次々と星を捕まえ始めた。
…僕の言葉はどうやら、最後まで聞こえなかったみたいだ。
でも、君の星に夢中なその仕草が、僕の胸を幸せにする。
「ねえ!雨あがっちゃうよ!早く早く〜」
君に呼ばれて、僕も虫取り網を取って駆け出す。
今日は星月夜、ところにより流星雨の日。
なんと曖昧で便利でずるい言葉だろう
だって
「どこかで雨が降るかもしれないし降らないかもしれない、雨でも晴れでも曇りでも間違いではないよ」
って保険かけまくってんじゃん
因縁つけられる前に責任逃れしてんじゃん
「君が大切、だからこそ真面目に考えてるんだ」
#ところにより雨
電話の向こうから拒絶するような音が鳴り続く。
わたしを置いていくような電子的な声が後ろから聞こえる。
これから、局地的な雨が降るらしい。
青と白。
彼が好きだと言っていた色だ。
私は今、その花を小脇に抱えて、彼が眠る墓の前に立っている。
じめりとした草木の匂いが鼻を突く開けた墓地の片端にある墓は、彼の優しい心を体現したかのように美しい花や植物が生い茂り、朝露が滴り落ちている。
私は俯いた。
もう彼が亡くなってから、両手両足を使って数えても足りない程の年月が経っている。それでもなお、私は生き永らえている。なのに、あのころの姿のまま私は変わらない。身も心も何もかも、あの時頬を伝った雨粒に置き去りにされ、忘れられている。
抱えた花を置いた。
苔まみれの墓石はふわふわとした感触になっていて、暖かみが増したように思う。
なんだか彼らしいかな、
と軽く微笑んでみた。
もう笑い返してくれる存在など居ないが、目の前に彼がいるような気がして、なんだか心が安らいだ。
…頬に何かが触れた?
暖かい。知っている感覚。この手は……
「なによ、顔を出してくれれば良いのに。」
私はもう一度笑った。
…あのころと同じように、頬に雨粒が滴り落ちた。
<ところにより雨>
ところにより雨
最悪だ……
と思わず呟きそうになった。
今日の目標はネガティブな言葉を口にしないだった。
喉元から出た言葉を、ゴクリと呑み込む。
なるべく平静を装うようにしてるけれど、内心は気が気じゃない。
別に恋人同士ではない、ただの幼馴染みだと言っていた。
雨なんか降るから、オレが補修を受けていたから、一緒の傘にいる2人を見てしまうはめになるんだ。
今朝のニュースを思い出す。
『…ところにより雨でしょう』
その『ところにより』に当てはまってしまったわけで。
自分の傘すら忘れて無いのだから、本当にもう
「最悪だ」
明日友人を見送る
短い付き合いだったが、とても有意義な日々だった
新天地へ向かう友へ
どうか体に気を付けて欲しい
たまにはこちらで過ごした日々を思い出して欲しい
明日は笑顔で餞の言葉を
寂しさや涙はその後だ
ところにより雨
ところにより雨
私の範囲だけ雨ザーザー
雨は悪くないのに
気持ちが暗く…
今日の天気予報は晴ところにより雨、降水確率は10%だった。
「んあ?」
学校からの帰り道、晴れた空からぽつり、ぽつりと雨粒が頬に落ちてくる。ああ、天気予報当たったんだね。と言うか。
「傘持ってきてないんだけど……」
しかも、近くに雨宿り出来るような場所もないし。とりあえず、走ればいいのかな。
「せーのっ……っと?」
走り出す一瞬前。後ろからとん、と肩を叩かれる。
「……走るの?」
「うん、このまま濡れて帰ったら洗濯とか大変だし、玄関から私の部屋までのルートが傷んじゃうし、まああとはどうでもいいけど風邪ひくかも知れないし」
「風邪はどうでもいいんだ……」
真顔でそう言う私に、引きつったような笑顔を浮かべる彼女。
「ここ、入っていいよ」
彼女はさしている傘を指してそう言う。
「いいの?」
「ええ、このまま放って帰って風邪ひいたら大変でしょ?」
「それは別にそこまででも」
「いいから入りなさい」
あ、キレた。
「……ありがとね」
「構わないわよ、先生?」
彼女は、笑いながらそう言う。
「ほんと、ありがと」
誰にも聞こえない声で、私は呟く。
世界でたった一人の、愛しい妹へ。
ところにより雨
朝、その言葉を聞いた私は傘を持っていった。
「あれ?降ってない?」
空は、青かった。
晴れているのに傘をもっている私。
絶対変だと思いつつ歩く。
ポツン、
「あ。」
慌てて傘をさす。
空は、やはり青かった。
普通に降ってたので道行く人々も傘をさしていた。
青空の下皆傘をさしてる。
そのことが面白くて思わず笑顔がこぼれた。
その日もいいことと悪いことどちらもたくさんあった。
降ってやんでを繰り返す雨。
上がって下がってを繰り返す気分。
天気はところにより雨。
私もところにより雨。
300字小説
昇龍
民俗学の研究取材に龍を祀るという村を訪れる。今年は千年に一度、龍の子が巣立つという年で、村では盛大な祭が行われていた。
「子龍まんじゅうに子龍せんべい……」
子龍にあやかった土産物に振る舞い酒。村の人々が空を仰いでは
「めでたい」
と酒を酌み交わす。
ラジオから今日の午後の、この地方の天気予報が流れ出す。
『……今日の天気は晴れのち曇り、ところにより雨か雪……』
「なんなの、この予報……」
「子龍様が旅立つときは、いつもそうらしいですよ」
晴れていた空がにわかに曇り、パラパラと通り雨が降ったかと思うと風に風花が舞う。
『まだ天気を操るのは半人前ゆえ、すまぬのう』
空から声が聞こえた後、雲の間を細い龍が昇っていった。
お題「ところにより雨」
私の心の中
ところにより雨
晴れたり曇ったり雨降ったり
たまに暴風警報発令したり
感情がひしめきあってる
「ところにより雨」
「今日は雨か...」
今日は私の親友が亡くなった日だ。
いつもこの日になると墓参りに行っている。
雨の日はなんとなく嫌いだ。
気分が憂鬱になるから。
でも何年も続けているので墓参りには行く
傘を差して、ゆっくり歩いて。
上の方は向けず、下を向いて。
親友の墓の前に立ち、手を合わせて。
その時上を向くと....空は晴れていた。
本当に不思議な話だが、
親友の墓周りだけ青空が広がっていたのだ。
「天国で幸せになってるかな」
この空はまるで、私の心を表しているようだった。
題 ところにより雨
「あ、ゆうちゃん、今日傘持っていきなよ」
お母さんがそう言う。
「あ、うん・・・」
私は空を見上げた。
快晴だ。雲一つない。
でも、お母さんの言う事は聞いておくに越したことはない。
お気に入りのクローバーの柄の傘を持って、「行ってきま〜す!」と学校へ向かう。
「優美、今日晴れだよ?」
と途中何人かの友達に指摘されたり、不思議そうな顔をされる。
「いーの、お母さんが持っていけって言ったんだから」
私はそう言われる度にそう言い返す。
そうすると、呆れたような顔をされたり、言う事聞くことないじゃん!と言われるけど・・・。
放課後
天気予報では、晴れ、降水確率10%だったにも関わらず、土砂降りになった。
みんな傘を持ってきていないものだから、呆然として空を見上げている。
置き傘をしていた少数の人と共に、私は優雅にお気に入りの傘を広げて帰宅する。
お母さんは、いつも雨になる日を分かってる。
なんでなの?って聞くけど、自分でもなんで分かるかわからないんだって。
でも、100%の的中率で、お母さんが雨になるって言った日は雨になる。
多分降水確率が0%だとしても、お母さんが傘持っていったら?という日は雨になるんじゃないかな?
だから、私にとっては、お母さんの雨予報が絶対で、お母さんが言った場所は雨って決まってるんだ。
それ以外に何か不思議な力があるわけじゃないけど、お母さんのその力、私はちょっと誇らしいんだ。
私はクローバーの傘をクルクル回しながら、弾む足取りで家の方角へと帰っていった。
「私、浩介と付き合うことになった」
いつもの快活な笑顔で、美雪は私にそう言った。
「そうなんだ!おめでとう」
痛む胸を抑えて、心から祝福しているように見せる。
「ありがとう!親友の秋菜には一番に言おうと思ってたんだ」
私を親友と言ってくれる美雪。
その瞳には一切の曇りはなく、張りのある声と笑顔はまるで青空のよう。
美雪はいつも明るくて、さっぱりしていて、漢気があって、かっこいいという言葉が似合う女性だ。
どこかふにゃふにゃしていて、芯のない弱い私とは大違い。
私達の幼馴染である浩介が好きになるのも当然だろう。
そこからずっと、美雪と浩介の話をした。
美雪は惚気るようなことはしなかったけど、言葉の端々に幸せと浩介への愛情が滲んでいて、話せば話すほど私は苦しくなっていった。
「ごめん、明日仕事早くて。そろそろお開きにしてもいいかな」
たまらずそう言うと、
「あ、ごめんね。秋菜と話すのは楽しいから、本当にあっという間に時間が過ぎちゃうね」
少し残念そうに美雪が呟く。
「そうだね。次会う時もまた女子会しようね!」
「当然!浩介には内緒ね!」
悪戯っ子のように笑う美雪は、まるで幼い少女のようだった。
その後店を出て、別れを告げる時、美雪に手を握られた。
ビクッとした私に気づかなかったのか、今日はありがとう!またね!と言って手を離し、私と反対方向へ歩いていった美雪。
少しだけ美雪を見送って、帰り道を歩き始めた私。
なんで、なんで、私じゃないの。
握られた手の温もりが、今は寂しくて哀しい。
美雪のお礼の一つ一つが、褒め言葉が、笑顔が、私の心を締め付ける。
あんなに愛情を注いだのに、全然気づいてもらえないまま、浩介が、美雪を選んでしまった。
なぜ、なぜ、なぜ。
連れて行かないでほしかった。
「大好きなのに…美雪…」
浩介を恨みたくても、あんなに幸せそうな美雪を見たら恨むことすらできない。
今までで一番の、快晴の空のような笑顔を見せる美雪。
話を聞きながら、心が土砂降りの雨に降られたようにずぶ濡れになり、震える私。
もう、今日みたいな思いはこりごりだ。
それでも、私はまた美雪に会うだろう。
美雪の笑顔を忘れられないから。
もしかしたら美雪が私に振り向いてくれたりしないかな、そんな微かな期待で自分を慰めつつ、私は家路を急いだ。
テーマ『ところにより雨』
目覚まし時計の音が部屋に鳴り響いて
ねぼけたまま目覚まし時計を急いでとめて
寝癖のついた髪のままテレビをつけた
「ところにより雨が見られます」
テレビから聞こえたアナウンサーの声
カーテンを開けてみると、朝日が昇っているのに
私の部屋に光が差し込まない
それどころか、部屋に小雨が降り出した
「ところにより雨」
そうか、そういうことか
また一日がはじまる
ところにより雨
父と喧嘩した
私は父が嫌いな訳では無いのに
いつの間にか父を傷つけてしまっていた
言葉を上手く使えず、傷つけていた
こちらからしたら暴言を吐いていないつもりだったかもしれない
曇っていた気持ちが晴れスッキリした青空が広がる
しかし言われた側はどうだろうか
晴れだった気分は曇りに変わり雨が降る
溜まった雨は限界を突破し涙に変わる
受ける側のことをよく考えて発言しなさいとはこういうことだろうか
言葉とは他人の人生を簡単に左右することができる
上手く使えば相手を幸せにすることだってできるだろう
しかし1歩間違えれば相手を死に追いやる
ところどころ雨が降ってしまうだろう
言葉はナイフでありプレゼントでもある
貴方は他人にナイフとプレゼントどちらを選びますか?
地域によって気象関係は様々だ。
日本という北に南にとほそ長い国は、まぁまぁあるもんじゃない。
最近は温暖化の影響?冬と夏の2極化が進んでいる気がする。
俺の地元の沖縄も、何か熱帯みたいになってきた。天気の良い日でも、雲がまばらに上空に存在し、突然のスコールなんて日常茶飯事。
でも、昨年〜今年、台風が少なかったのと降雨量の減少で、ダムの貯水率が低下、県が節水を促している。
2〜3月と言えば沖縄は割と雨が多いのだが、確かに今年はかなり少ない。
しかも、明日は最高気温27℃ということだ。夏だよ・・・
でも、油断してスコールが降るのはたまらない。
ところにって・・・どこ?
−ところにより雨−