『ところにより雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ところにより雨
ところにより雨
あいまいな天気予報ですね。
ところによつては、降らないの?
降らなかったら、傘荷物になってヤダな。
結局用心深いわたしは、折り畳み傘持って出かけてゆきました!
ところにより雨‥
言葉の受け止めでさえ、性格でますよね〜笑
あの日は雨が降っていた。
とても綺麗だと思った。
あなたの涙に似ていたから。
だけど、雨は嫌いだ。
僕の知らないどこかで、あなたが泣いているような気がするから。
昨日までの天気予報は快晴だったのに、今更になって明日はところにより雨らしい。「明日はところによっては雨が降りそうです」テレビのお姉さんがそう告げた瞬間だめだめだめだめと心の声がもろに溢れ出す。せっかく忙しい中予定すり合わせてお花見デートの約束したのに雨なんて降られちゃ困るってば、お花見なのに雨降ったらお花見できないし、メイクも髪も崩れちゃうじゃん。とはいえ私は神ではないので天気なんて操れないし、できることといえばせいぜい祈るくらいしかない。『天気 変える方法』と回らない頭で検索をかけそうになるも、何やってんだ馬鹿と我に返った瞬間にポコポコとメッセージの受信を知らせる音に飛び上がる。
『雨降らないといいね』
短いメッセージと一緒に送られてきたのは窓際に吊るされた2つのてるてる坊主。ご丁寧に顔まで描かれているが、造形がかなりぐちゃっとしているのは彼の不器用な手先が原因だろう。はーっと長いため息と一緒に後ろのベッドに倒れ込む。可愛すぎ。優勝。
「明日天気にならんと許さんからな」
ひとりごとにしても低すぎる自分の声に驚きながら天井を見つめる。ここは穏やかに微笑んで「あーした天気になーれ♡」とか可愛く呟いておくところかもしれないけどそんな心の余裕はない。晴れにしないとどうなるかわかってるんだろうなと神様に凄んでおく。
明日の天気は晴れところにより雨、改め絶対快晴。
カーテンを左へと寄せてその裏に隠れていた窓を明らかにする。たったそれだけで室内の明るさは〝かろうじて見える〟から〝とてもよく見える〟にまで上がる。
からりとした天候。突き抜けるような青さが朝から眩しくて堪らず、目を覆い隠して眩しさに呻く。
今日こそは。今日こそは。明日こそは。今日こそは。明後日にはきっと。
そんな夢を描きながら毎朝カーテンを開ける。
けれども毎日毎日太陽は眩しく世界を照らす。隅々まで、余すことなくジリジリと攻撃するように。
じわりと明るさにもどうにか目が慣れてくると、窓からすこしだけ距離を取って空を睨みつける。
起床時刻に合わせていたテレビが電源を入れて、早速ニュースキャスターの声が流れ出す。
――劇的な降水量の減少から六年が経ちますが、人工降雨機の効果は薄く、緑地の減少を止めるにはまだまだ研究の必要性が訴えられています――
何度も聞いたような内容にうんざりしながら、恨めしげに空を――そのさらに向こうにある太陽を見遣るのがやめられない。
十年ほど前に戦争が起こった。
その戦争は二年続き、最後にはとんでもない結末を迎えて、ひとつの国が終焉を告げる形で終戦したのだが……その終焉がもたらした置き土産は惑星の自転を歪めて、太陽との距離を狂わせた。
世界の半分に渇水と暮れぬ昼という問題を。
もう半分には低温と明けぬ夜という問題をそれぞれに残していった。
雨がまともに降らなくなったこちら側の世界では、今では太陽は疎ましい存在だ。
日光の九割を遮るカーテンやシャッターがなければ夜を作り出すこともできない。
気が休まらないせいでこの数年で苛立たしそうにしている人々が地上に溢れかえっているが、そうでない人間のほうがレアだった。
――さて本日の天気は晴れ。ですが、ところにより数分ほどの雨が見込める地域があります。どうぞ素晴らしい一日をお過ごしください――
「雨!? どこっ――!」
テレビからの音声に素早く振り返って世界地図が表示された画面を見るが、降雨地域は十数時間の移動が必要な場所だと気づいて落胆する。
自身の身に雨が落ちてきたのは終戦の直後で、そこからはもう雨に打たれるという経験が皆無になってしまった。
そしてこちら側の世界では、雨が降る日はなによりも最上の日と位置付けられるようになり、ああやって天気予報士が羨望を隠して祝う。
ところにより雨が降るでしょう。
その言葉をずっとずっと多くの人間たちが待ち続けている。遠くの誰かを羨みながら。
そしてこの日も、太陽は一度も翳ることなく輝いていた。
#ところにより雨
天気予報がよほど大事らしい。
この地域のは気にも留めず、次の次に映った地域の予報をあなたは食い入るように見つめた。
晴れ、ところにより雨。降水確率、気温、花粉の飛散度────
ぁあ。あなたは小さくため息を吐いて、画面のすぐ近くで背を丸め、祈るように両手を組んだ。
その背中に覆い被さって抱きしめる。怯えて震える体を包み、腹に腕をまわす。ちゃんと食べさせているはずなのに心なしか痩せたような気がする。
かたかた揺れながらもしっかり組んだままの手、左の薬指。その根本をぐるりとひき攣れた傷跡が囲んでいる。
自分の未来をわたしにくれたあなた。わたしのものになってくれたかわいい人。最初は触れるだけで泣きじゃくっていたのに、今は静かに抱きしめさせてくれる人。
できるならわたしだけを見ていてほしいけれど、もう二度と会えない家族の日々の穏やかさを画面越しに祈るくらいは、許してあげよう。
「ところにより雨ってなんだよ」
テレビに向かってそう悪態をついてみる
放たれた言葉は誰もいない家の中に吸い込まれていく
恋人と出かける予定を立てていたのに、
「急な仕事が入った」と言って恋人は朝早くにバタバタと家を出ていった
俺はろくに送ることもできず早朝の薄暗い家に1人取り残された
そんなに早く起きてもやることも特にないので
リビングのソファーに座っておもむろにテレビをつける
番組のゆるキャラのようなものが、お天気お姉さんと呼ばれる女性と共に立って今日の天気を伝えている
「今日の天気はおおむね晴れ、ところによりにわか雨が降りそうです」
「お出かけの際は、折りたたみ傘をお持ちください」
そうお姉さんが笑顔で告げ、次のコーナーへと画面が切り替わる
「ところにより雨ってなんだよ」
そんな情報を聞いたって今日のデートはなくなったわけだし…
少し拗ねながらも朝食を食べ、今日1日何をするかを考える
録画の溜まっているアニメを一気見するか
まだ読めてない本を読んでもいいな
寝室の掃除もついでにやっちゃおう
なんて、考えると意外とやることはたくさんあって
恋人へのモヤモヤは少しずつなくなっていった
やりたかったことが一通り終わって、太陽が傾き始めた頃、外からポツポツと雨の音が聞こえてきた
ふと、朝早く出ていった恋人の姿がよぎる
「あいつ、傘もって行ったかな?」
なんて考えていると、机の上のスマホが振動した
画面をスワイプして電話をとる
「もしもし?どうした?」
「もしもし、今仕事終わって駅出たところなんだけど、雨降られちゃって… 傘もって迎えきてくれない?」
やはり恋人は傘を持たずに家を出たようだ
「んー、まぁ、ちょうど色々やり終わったところだし、いいよ」
「ありがとうー!!助かる!」
朝のことがあったからいじわるしてやろうかと思ったけど、惚れた弱みだ
急いで支度をして恋人を迎えに行く
駅に佇む恋人の姿に駆け寄り声をかける
「お待たせ、喫茶店とか入ってればよかったのに」
「ありがとう、まあ早く来てくれるって思ってたから」
「なんだそれ笑」
「あれ?傘一つだけ?」
恋人は大きな傘を一つだけ持ってきた俺を見て少し驚いた様子で聞いてきた
「うん、1つ。お前には濡れてもらおうかと思って」
「えー?そういうこと?それじゃあ迎えにきてもらって意味ないじゃん笑」
そう言いながら恋人は少し困り眉になる
「なんて冗談だよ、ほら入って、帰るぞ」
「相合傘したかったんだ、可愛い」
「…うっせ、朝の仕返しだ、お前が持て」
「あはは、はいはい、仰せのままに」
恋人は俺の手から傘を奪い一緒に歩き出す
帰り道の途中、何かを考えている様子の恋人が急に立ち止まった
「どうした?」
「雨」
「…?雨?」
「雨やんだね」
そう言われて傘の外に手を出す
確かにさっきまでポツポツと降っていた弱い雨は止んで、雲の隙間から太陽が少し見えている
「ほんとだ」
そう言いながらも俺は家の方向に足を進める
「…待って」
振り返ると恋人は立ち止まりこちらを見ていた
「ん?どうした?」
顔を伺いながらも恋人の元へと引き返す
「あのさ、」
「うん」
「朝はごめんね」
恋人はしょぼんなんて効果音がつきそうな顔でそういった
「別にしょうがねーだろ、仕事なんだし」
「ううん、しょうがなくなんてない。あのさ、朝の代わりになるかは分からないけどさ、今からデートに行きませんか?」
いきなりの申し出に戸惑い、少し止まってしまう
「いや、かな?」
「い、嫌じゃない!むしろ、行きたい」
「ほんと…?よかったー、断られたらどうしようかと思ったよ」
「そんなの、断るわけないだろ」
「うん、そーだね、よかったよかった」
恋人は傘をたたみ、そっと俺の手を握った
「それじゃあ行こっか、デート」
「うん」
たまには雨も悪くない…かも
お題:『ところにより雨』
「本日 晴天ところにより雨」
信号待ち、分離帯で楽しむハシボソさん達を見つけてホッコリ晴れ
知人宅の新人コーギー君を触り倒し
モフモフ不足を補填し晴天
昨日から気にかけていた
彼猫が穏やかに眠りについた事を知り涙雨
life is beautiful
ーーーーー☂️ーーーーー
雨の多い街に住んでいる。
ここでは予報なんて当てにならず、雨・雪・あられ、空から何か落ちてこないというだけで、今日はいい天気だと錯覚してしまうようなところだ。
今も、スマホのアプリには「曇り」と表示されているのに、頭上では大粒の雨がひっきりなしに降り注いでいる。
鬱々とした空が広がる灰色の街
大きくも小さくもない、中途半端な街
ふと、私みたいだなと思った。
取るに足らないこの土地を、少しだけ、愛おしく思えそうな気がした。
あの時と同じリップの色が
囁くような桜雨に散る
想いの欠片集め零れる
傘の下で
ところにより雨
と、、、
いうことは
ところにより晴れで、ところにより曇り
だからダイジョブ❗
折り畳み傘だけ持っとけばOK
さあ出掛けよう🎵
完
ところにより雨
鏡の前で左右に身体を捻りながらあれじゃないこれでもないと本日の装いを選ぶ女に請われるまま、次の服を手渡しながら李は本当に猫みたいな人だなどと考えながらその女を鏡越しに見続けていた。
雨の日は出かけない。それが浅葱と焱の魔女のルールだ。理由は至極個人的で、曰く「頭痛がしてテンションが下がる」「傘を差すのがだるい」「どれだけ傘を大きくしても服に水が飛ぶのが嫌」「夜でもないのに空が暗くて不快」との事だった。
元々今日はショッピングの予定だったのが天気予報の急変で雨マークが表示された途端「すもも。この日はおうちで映画三昧にするわよ」と言われたのが3日前。そういう日もいいだろうと昨日の夜のうちにポップコーンは3種類、ドクターペッパーもメロンソーダも用意して。焱の魔女好みの映画鑑賞セットを揃えるまでした。
が、今朝起きてみればなんと快晴。寝起き一番に李の上に馬乗りになり「出掛けるわよすもも!服を選ぶわ」と宣言した李の主様。もちろん答えはYES一択である。そして今に至る訳だが。
もちろん李に不満はない。食べ物は下拵えをしただけだからまだ持つし、そもそも全ては焱の魔女に喜んでもらいたくてやったことだ。その彼女が出掛けたいといえばもちろん叶えてやりたい。
それに…と、李はまた鏡の前に立つ焱の魔女に意識を戻す。本当は自分を着飾ることにそこまで興味が無いこの魔女が、李が買った服だけは大切に保管して、李と出かける時だけはしっかりお洒落をするということにもちろん李は気付いていた。嬉しくないはずがない。
(ペットの猫に振り回されて幸せって言ってる奴らの気持ちはかなり分かるって話だな。まあこいつが主人だから関係性は真逆なわけだが)
そんなことを考えているうちに「決めたわ!!」と焱の魔女は一着のワンピースを手に取り、着替えようとその場で今来ている服を脱…
「って焱待て待て待て今俺外出るから」
「?別に減るものでないのだから良いでしょう?むしろ感謝の言葉を述べて伏し拝み奉りながら一時たりとも逃さないようガン見すべきシチュエーションよね」
「だーっ!喋りながら脱ぐなほんとあんたってやつはァ!!」
退室は間に合わなかったために目を強く瞑る李を見て「焱のすももは照れ屋のピュアね」と魔女は肩を竦めた。
*
「着替えたわよ」
仕方なしに声をかけてやれば恐る恐ると言ったように目を開く自身の侍従に
「今更何を照れているのかしら」
焱の魔女はおかしな子ね、と言いながらその鼻先を指で軽く弾いた。
名前も帰りたい家もなかったこの男に、すももという言葉と自分の隣という場所を与えたのは焱の魔女だった。もちろん祝うべき生まれた日も知らないといった李に、自身と出会った日を誕生日として決めてやったのも。
そう、誕生日。1週間後には何度目かになる李のための祝いの日がやってくる。
自分を恐れの象徴である「浅葱と焱の魔女」ではなくただの「えん」として接し好意を寄せてくれる、得難い男に対してそんな日くらいなにかしてやりたいと思うのはそうおかしなことではないだろう。
だと言うのに。
(プレゼントが用意できてないのよ…!すももったら最近とみに過保護だから中々焱ひとりでお出かけさせてくれないし!遠回しに欲しいものを聞いてもそれ結局焱のためのものよね?!みたいなものしか言わないし…!)
せっかくの晴れ、今日という今日は、一緒にショッピングして欲しそうなものをリサーチ、あわよくば李の目を盗んで購入…!とかなりやる気に燃えている焱の魔女である。
「このワンピース、いつだったかすももがくれたものよね?流石焱に似合うものをよく理解しているわ」
久し振りに袖を通した服に気分が上向きになった焱の魔女はその場で1周くるりと回る。
そうして髪を軽くひとまとめにして持ち上げて「ポニーテールがいいわ、結って頂戴」と背を李に向けた、その時。
李の喉が大きく鳴った。
「すもも?」
急に纏う空気が変わった李を振り返れば、ギラギラした双眸が焱の魔女をとらえている。
(…どこでスイッチ押しちゃったのかしら…?)
おやおやぁ?と内心首を傾げていると低い声が魔女を呼んだ。
「なぁ、焱」
「何かしらすもも」
「外出は明日にしよう。雨が降りそうだ」
雨の日は出かけない。2人のルールだ。
これは魔女が雨の日を好まないからという理由もあるが、実はもう1つ。
李が外出を好まない日に雨が降りそうを口実にリスケジュールを促して来ることがある。
その場合、焱の魔女は必ず
「あらそうなの?じゃあ仕方ないわね。今日はこのまま2人で過ごすとしましょう」
と返す。どれだけ外が晴天でも。李が雨の日…出掛けない日だといえばそうなのだ。
焱の魔女は堪えきれず「ふふ、」と笑みを零した。
「お前いつの間に天気予報を見たの?」
「ついさっきな。ところにより雨、だとさ」
「焱の家の周りだけに降るなんて随分と局所的な「ところにより」だわ」
イヤホンの中にだけ雨が降る。
イヤホンが好きだ。特にノイズキャンセリングイヤホン。自分を、今ここから連れ去ってくれるから。街にいても学校にいても、海や異国へ連れ去ってくれる。
冬が終わり春になって色めき立つ学生街の最中。慣れない街に越してきて不安げな、でも高揚している新入生のような子達を横目に、イヤホンで耳を塞ぐ。スマホを指で撫でて、目に入った曲を選ぶ。
途端、僕にだけ雨が降る。雨を主題にした最近のお気に入りのアーティストの曲。ボーカルとストリングスの後ろにサーサーと雨の落ちる音が聴こえる。
そこでようやくまともに息を吸えるようになる。雨の中、傘を指したような感覚。この中には誰も入っては来まいという安心感。
水を得た魚のように、身体が楽になって僕はこの春めく学生街の中を歩けるようになるのだ。
(ところにより雨)
――本日の天気は晴れところにより雨
いつもと何ら変わりないニュース番組。
「風強くないし折りたたみにしてこうかな」
ボソッと独り言をつぶやく。誰もいない家に
「行ってきます。」
と一言、これが私の毎日の朝。
1番窓側の1番後ろの席。ここが私の固定席。周りのみんなは仲良しグループで固まってるけど、私にはそんなに仲良い人なんていないし一人でいる方が好き。
なのに前の席に座ってる奴はいつも
「おはよ!」
懲りずに声をかけてくる。いつも通り何も返さずに目線を窓の外へ向ける。
「みんな席に着けー今日は5分短縮授業になったから時間確認しとけよー。」
クラス中で黄色い歓声が沸きあがる。私にとっては帰る時間が少し早くなるだけで何ら変わらない一日。
休み時間は教室で本を読み、昼休みだけはいつも図書室に行く。誰もこない静かな、私だけの空間…だと思ってた。
「あっ、こんなとこにいたんだ!」
前の席にいつも座ってる男の子。なんで場所がバレたのかも、なぜここに来たのかも検討はつかないが特に何も聞かなかった。
「いや〜いつも昼休みだけ姿見えなくなるからどこにいるのかと思ってたよ笑いつもここにいるの?」
返事が返ってくる訳でもないのにずっと話しかけてくる。ホント懲りないやつ。
「暇人なの?」
つい本音が出てしまう。咄嗟に否定しようとも思ったが、
「え?今喋ったよね?返事してくれたよね!?」
その必要も無さそうだ。私の心配とは裏腹に喜んでいる姿を見てなんとも言えない気持ちになる。
その後も話しかけてくるがひとつも反応せず昼休みが終わる。
午後の授業は自習だったがさっきの続きの話をずっとしている。私も相変わらず返事する気になんてならないけど、作業BGMの感覚で話に耳を傾ける。話の内容が面白くてつい笑いそうになるのを堪えながら淡々と課題をこなしていく。
「てか、俺ここわかんねぇんだけど。教えてくれね?」
いや知らんし、散々話しといてやってなかったんじゃん。思っても声には出なかった。
「いいよ。」
この一言だけでふわっと笑う君。そういうところが嫌いだ。みんなが騒いで話に夢中になっている中教室の端で2人だけの空間が出来上がってく。いつもなら自分から避けているはずなのに今は不思議と居心地が良い。この時間がずっと続けばいいのに、そんなことを思うほどには。
「今日は朝から雨予報がでてたが、今は風も強いからみんな気をつけて帰れよー」
折り畳み傘しか持ってないのに、この風の強さじゃ折れちゃうな。為す術なく玄関で立ちつくしていると、
「あれ?今日傘忘れちゃった感じ?」
声をかけてくる。
「あるけど、折りたたみ傘しかない。」
「じゃぁさ、一緒に帰ろ?どうせ帰る方向一緒だし」
でもそれって相合傘でってこと?なんて聞ける訳もなく小さく頷く。
雨の音も風の音も小さく聞こえる。ドクンドクンと心音が大きくなる。こんな時間が続けばいいのに。今はそれだけでいい。
――今は
『ところにより雨』
優しい雨…
素敵な歌です
walking in the rain…
素敵な歌です
ジューンブライド
吉田聡さんの素敵な本です
ラストシーン泣けました
今は窓の外は雨音が小さくなりました…
私の心はどんよりです…
雨で会えないから…
もう遅いから…
君に会えないから…
みんな…
濡れながら…
濡れながら…
何処へ行くんだろ…
言葉より正直な後ろ姿が…
溶けて行く…
walking in the rain…時のままに…
walking in the rain…
walking in the rain…
こんなに普通の毎日の中で…
出逢ってしまった2人…
運命だなんて唇にするなら
抱きしめて連れ去ってよ…
降りしきる雨にすべてを流しても…
あなたに…
ついて行く…
始まってしまったから…
深夜2時過ぎコンビニ脇で
激しい雨に打たれて…
たたずんでた俺を…
後ろから大きなブランケットで
包んでくれた…
逃れられない悲しみの縁から
君は優しく笑って包んでくれた…
こんな日に会えないから…
ただ切なくて…
逢いたい…
雨上がりに君に愛たいです…
空は晴れています
でも
私の気持ちは雨です
私の気持ちはいつ晴れますか
雨は憂鬱だし
晴れは鬱陶しい
曇りは気分下がるし
雪は儚すぎる
初雪だけだけど
ところにより雨 なら
土砂降りになってくれ
あの汚さが
一周まわって気分上がる
私の同志、誰かいるかい。
_ ₀₅
ところにより雨
水には浄化作用があると言う。雨が降ると道がきれいになる。きっとあなたの進むべき道を清めてくれたのだろう。障害が取り除かれたのかもしれない。美しき子は美人から生まれる。清らかな考えは、清らかな身体から生まれる。
ところにより雨
ここは、ところにより雨の、雨のところ
ちょっと行った先は、雨じゃないところ
雨のところにいる私の先に
晴れ間が見える
あそこに行けば晴れているのか
あそこも、ところにより雨になるのか
ところにより雨を通り抜けて、
晴れ間を見上げたい
今日の僕の心は雨模様。
だって、自分の嫌いな教科のテストがあるし、
給食ジャンケン負けるし、
教室の雑巾がけでは滑って転ぶし。
……でも、
放課後、僕はずっと気になっていた女の子に告白した。
返事は――OKだった!
なんと両思い!!
僕の心は一気に晴れた。
もうさっきの嫌なことは全部吹き飛ぶくらい。
そう言えば、今朝の天気は……
「――ところにより雨です」なんて言ってたっけ。
ある意味、真逆(?)な出来事が今日、起こったなぁ。
〜ところにより雨〜
ところにより雨
ところにより雨だそうですね
わたしがいるところも雨です
きみのところは、晴れですか