『それでいい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
淹れてから時間の経った生ぬるい
その甘くもないミルクココアのような
長時間縛った髪をほどいて出来た
不自然なその巻き髪も
コンクリートの隙間からのぞく
小さなたんぽぽも
その願わずもそうなってしまったそれらに
心地よさを感じたい
それでいい
それでいい。
つい言ってしまうが、トゲがあると捉えられることがある。
「で」が悪さをしている。妥協だとか、適当だとか。
でもしょうがない。「それでいい」のだから。
いつでも完璧な選択が出来るわけではない。妥協も適当も、立派な選択である。
とはいえ言葉尻によく思わない人もいる。だからせめて、とびきり明るく言ってみる。
「それでいい!」
それでいい。いつもあなたはそう言ってただ、笑ってうなづいていたね。答えは決まってる。「良いよ」だった。
それが物足りないと思った時もあった。でも今ならわかる。
答えは私が出していたのだから、「それでいい」という言葉にどれだけ背中をおされていたことか。
あなたの笑顔に勇気づけられました。ありがとう。
それでいいの?
友達から言われた
好きなら伝えなよ、自分の気持ち
ほら、やらない後悔よりやった後悔って言うし、
こうやってもじもじしてる間にどこの誰かも分からない女にとられていいわけ?
素直にならないと素直な子に取られちゃうよ
何かを成し遂げたいときは、
その過程で、焦りがち。
でも、焦るのが一番良くない。
焦ると、冷静に判断できない。対処できない。
何をするにも、目標にたどり着くまでに、
必ず過程が存在する。
それは、少なかったり、多かったりするけれど、
最低一つは、あるもの。
過程をクリアして、重ねていって、
目標にたどり着くのは、普通のこと。
本来在るべき形。
それなのに、
人は、焦ってしまう。
これでは、まだ足りない。まだダメだ。
そう思ってしまう。
現状に満足しろ、
そう言っているわけではない。
すぐには、上手くいかないことなんてたくさんある。
今は上手くいかなくてもいい。
焦らなくていい。
でも、何もしなくていいわけじゃない。
過程があって当たり前、
だから、今はできなくても、そのうちできるようになる、
そう思って、努力を怠るのはいけない。
あなたが、
努力してもまだ、たどり着けない目標があるというなら、
それは、過程の途中だから。
何層ものステージをクリアしていく道中だから。
焦らないで、努力し続けよう。
それでいいから。
︎︎◌ それでいい ◌
難しいお題の時は休みたくなりますよね
そう、それでいい
私にもAにもパートナーがいる。
私たちの関係があったのは1年と半年まえのこと。
今でも毎日といっていいほど顔は合わせていたけど2人で話したのはそのときぶりだったと思う。
ごちゃごちゃしている頭の中から浮かんだ言葉を伝わらないかもと思いながら少しずつ話した。
ときどきこちらを見てゆっくりと相槌をくれる。立場のある2人に確保できる時間はそう長くないが、Aがタバコに火をつける度タイムリミットは伸びていくように思えた。
駅の改札に向かう途中に「生まれ変わったら結婚してよ」というと「でも私の来世は犬だからなー」と君はいう。
それでもいいよっていったけど欲をいえば来世では人間としてまた会いたいな。
【それでいい】
兄が死んだ。
誰にでも優しくて、誰にでも親切で、誰もが憧れる理想の兄。
共働きだった両親の代わりに、年の離れた私の親代わりをしてくれてた。
自分だって自由に遊びたい時があっただろうに、私を優先して、自分のことはいつだって二の次三の次だった。
「私も子どもじゃないんだし、好きにしていいんだよ?」
高校の帰り道。
仕事帰りの兄がいつも待ってくれていた。
職場の付き合いだってあるだろうに、いつも18時30分には必ず大通りの交差点で待ってくれていた。
「俺が好きでお前の世話してるんだよ。兄ちゃんの楽しみに付き合ってくれよ」
そう愛おしそうに私を見る兄に嘘はなかったと思う。
「明日は友達と遊ぶから、待ってなくていいからね」
突如鳴り響いた急ブレーキの音。スローモーションに見えた世界で兄が驚いた顔をして、私を強く突き飛ばした。
兄の軋む体が突っ込んできたトラックに跳ね飛ばされる光景が、コマ送りみたいに一瞬。
甲高い悲鳴に我に帰れば血塗れの兄が地面に横たわっていた。
「お兄ちゃんっ!!」
泣き声より叫び声に近い私の声に兄はかろうじて私の姿を捉えた。
「…ぶ、じ…?」
「私の心配より、自分の!あ、あっ、きゅう…救急車…呼ば、呼ばな」
「だ、い…じょぶ。お前に、け…が…がなく、て、よかった」
「お兄ちゃんはそれでいいの!?私の面倒ばっかり見させられて!今日だって私さえ待ってなければこんな事故にだって遭わなくて良かったのに!!なんで、いつも、…お兄ちゃんは、それでよかったの!?」
「お、れは…1度だって、面倒、だなんて…思ったこと、ないよ。いつ、も、俺の…わ、が、ままに…付き合って、くれ、て…ありがとう」
遠くで鳴るサイレンの音に、兄の声がかき消される。
最期に兄が私の名前を呼んだ気がした。
周りの喧騒とサイレンの音に混ざって、聞こえないくらいの小さな声で兄は、大切な宝物のように私の名前を呼んだのだ。
《それでいい》
明日から学校にいけなくなったとしても セロリとニンジンがどうしても食べられなくっても お空に行ったママに会いたいと大泣きしても 大事なぬいぐるみを何処かに置きわすれてきてしまったとしても 世界中から後ろ指を指されても 水溜りを飛び越えそこねて真っ白な靴が大惨事になっても くすねた駄菓子を握りしめて立ちすくんでいたとしたも
あなたはなにもしなくていい
うん、それでいい
あなたはこれからもあたしのそばにいればいい
うん、それでいい
あなたはえいえんにかわらないで……
ねむっていればいい
うん、それでいい
ずっと、ずうっとあなたはあたしのうでのなかで
すごしていてくれたら
いきさえしていれば
それでいい。
それで、いい……
?
~それでいい~
『それでいいよ』
少し悲しげな表情で、あなたは言う。
その顔がどうしても頭から離れなくて、なぜ、悲しい?
あなたの気持ちが分からない。
聞けばあなたはいつも、
わかりやすく優しく教えてくれる。
けどね、たまには自分で気づきたい。
あなたは時々
『質問されたことないけど興味持ってる?』
『自分のどこを気に入ったの?』
そうやって、聞くけれど私はいつも誤魔化す。
私は周りが見えていなくて
あなたはいつも私が知らないうちにフォローしてる。
もしくは、気づいても私はあなたに言わない。
あ、と思うあなたの行動は全て意識的に行動してることだった。
『気づいてる?』
うん、気づいてるよ。
素直じゃない私は聞き返す。
どれを?と。
具体的なのを聞いて、やっぱり、と心の中でおもうだけ。
君は私に喜んでほしくてやってるのに。
可愛くない私。
どうしてか、素直になれない。
最近日に日に天邪鬼なの。
悲しい顔、させたくないよ。
させたくないのに。
喜んでほしいのに。
私の口が、動かない。
声が出ない。
あなたの名前すらも、呼べてない。
ねえ、呼べてないけど、いいの?
『それでいいよ』
さみしいけどね、とポツリと言うの。
心の中でしか、あなたを呼べない。
自分しか、幸せにされてない。
どうして私の側にいるの。
あなたは傷ついた顔するのに、
数秒後には、笑顔になるの。
だけど嘘だよね。
気遣ってくれてるの、わかるんだもん。
こんなに好きなのに、これっぽっちも伝えてない。
意味わからないね。
夜に俺のこと考えてくれてるんでしょ、と
お見通しなの。
私の気持ちは、どこにあるんだろう。
最近わからないの。
四葉のクローバーを見つけた私は、
あの人の幸せを願った。
それでいいって、自分に言い聞かせるように。
「それでいい」
VOISING様等を使った話しになっています。苦手な方はプラウザバック推奨します‼️
自分はあとちょっとしか生きれない。
というかあと1日しか生きれない。
自分は誰もお見舞いに来てくれない病室に取り残されていた。
親は子供の頃に事故で死んだから来てくれる訳も無く、友達にも伝えてない。
一緒に活動してきたメンバーにはさっき
「突然ごめんね。〇〇病院の〇〇〇号室にきてくれない?」とラインを送った。
そろそろ来る頃だろう。
5分後、病室に4人が来た。
寝たきりの僕を見て、優しそうに、でも何処か悲しそうな顔で見てくる奴、「大丈夫?」とひたすら聞いてくる奴、自分に抱きついて大泣きしてる奴、「何があったの?ねえ、どうしたの?」とテンパってる奴。
そんな4人だけど、そこも君たちらしくて安心した。
落ち着いてきた頃に、自分はそっと話始めた。
「実はさ、自分あと1日も生きれないんよ。もう小さい頃から余命決まっててさ、脳の病気なんやけどね。本当はもっと早くに言うべきやったんけどさ、全員が本気だからこそ活動に影響与えたく無かったし、何より心配掛けたくなかったんよ。
去年の夏に倒れて救急車で運ばれたやん、そんときも自分の持病のせいやったんよね。
本当に黙っててごめん。
自分のことは脱退扱いにしていいからこれからは5人じゃなくて4人で活動してくれへん?
ほんまにこんな自分でごめn」
ごめんと言い掛けたとき、突然ビンタされた。いきなりビンタしたかと思えば
「ふざけないでよ。
💫🎨が居なきゃ🌟じゃないよ。誰が俺たちの曲作ってくれるの?誰がボケ続ける俺らにツッコんでくれるの?
何が脱退扱いにしてだ。そんなこと出来るわけないし、脱退扱いするわけない。
3年間も一緒に活動してきたじゃん。そう簡単に出来るわけないよ…。
少なくとも俺たちは💫🎨の事が大好きだし、大切なメンバーで大事に思ってるよ。」
と言ってくれた。
叩かれてジンジンしている頬にそっと生暖かい涙が零れた。
さっきまでテンパってた奴らも皆んなボロボロと涙を流している。
そこで気づいた。
「それでいい。これでいい。なんて思ってた自分はなんて馬鹿だったんだ。自分はこんなにも大好きなメンバーが居て、愛してくれる家族同然のメンバーがいたのに」
と思い、少し申し訳なくなった。
その日はずっと、3年間の思い出を思い出して泣いたり、オリ曲歌ったりしてメンバーと一緒の時間を過ごした。
それから同じ会社の仲間も皆んな来てくれてその人たちも一緒に泣いてくれた。
皆んなに囲まれながら、メンバーと手を繋ぎながら
「…きっと自分は世界で一番愛されていて…世界で…一番幸せ…に…死ねる。あん…まり早…く…こっち…に…来るな…よ。いままで…本当…に…あり…がと…う…」
と呟きそっと深い眠りについた。
長かった様で20年ちょっとしか生きてない短い人生だったな。
注意‼️
Starlight Polaris様を代理にさせて頂きました。殆ど妄想です。
少しだけIrregular Dies様、SIXFONIA様、Chrom◁▶︎Reverse様を連想させる文を書きました。(英語の綴りが間違えていたらすみません。)
それでいい
その日の任務は、とある少女を殺すことだった。お得意様の食べかけの硬いパンと引き換えに、僕は彼女の命を奪うことに決めた。
目に染みるような夕焼けに染まる、高い鉄塔が聳える美しい丘で、僕は少女を見た。
清純そうな少女だった。
僕のように、生きるために盗みを働いたり人を殺したりするようなこととは無縁なのだろう。澄んだ瞳も風にそよぐ白い髪も夕焼けの橙色に染まって、どこまでも清らかだった。
「そこにいるのは、誰?」
気がつかれた。少女はこちらを振り向いて、目を丸くする。僕は、そんなに酷い顔をしていただろうか? 自分の顔などとうに忘れたので、分からない。
「あなた、すごく不幸なのね」
「……いきなり、何なんだ」
「だってあなた、どこからも“心”が感じられないもの」
出し抜けに不幸だと言われて−−−不幸だと見抜かれて、僕は、
「仕方ないじゃないか」
と返す。少し怒ったような口調になったかもしれない。僕が生まれて初めて殺したのは、自分の心だ。心があっては、明日どころか今日もしれない身なのだから。あってはいけないし、生涯殺し続けないといけないのだ。なのに、
「駄目よ。生きるためにしていることで、心を殺してしまっては」
少女は、あろうことか僕に近寄って来て、後ろ手にナイフを隠しているのと逆の手を取った。
「ほら、とっても冷たい」
少女の手は、温かかった。
生きるために温もりが必要なんだと、その時初めて知った。
忘れていた痛みも、繕っていた心も、何もかもが息を吹き返した。それが僕は怖くて堪らなくて、咄嗟に掌に握っていたナイフで少女の胸を刺した。
目を見開く少女。それでも、刺した僕より刺された彼女の方が状況を理解するのが早かった。
少女は自分を刺した姿勢のまま動かない僕に微笑みかけ、震える手を伸ばして僕の頭を撫でる。
「……いじょうぶ……だい、じょうぶ……」
僕は、はっとして手を引っ込めた。それがいけなかった。血が傷口から溢れ出し、少女はがくりと僕の胸に倒れ込む。
なす術もなく呆然とする僕の胸の中で、少女の温もりはゆっくりと死んでいった。僕の心と一緒に。
いつも思いつくまま描いていた。
どんどん書き溜めていった。
誰にも見せるつもりなどない作品。
自分にとって「満足」な仕上がり。
だから、変な期待をして作品を投稿した。
みんなが読んでくれて、とっても嬉しかった。
また読みたいと反応してくれる人もいた。
こうなると自然と読者側を考えてしまう。
作ったシナリオたちは他人にとって面白いかどうか。
書いては消し、書いては消しの繰り返し。
だんだん何故か苦しくなっていった。
きっと誰もが当たるであろう問題。
自分も再三、ぶち当たってきた。
でも、この答えはもう知っている。
自分が書きたいものを書けばいい。
それでいい。それでいいんだって。
それでいい
それでいい その真実に挑むなら
それでいい その偽りを見破るのなら
それでいい 夢から覚めたいのなら
それでいい 何かを回避するために犠牲を払うなら
たった五文字の言の葉なのにこの不思議
自分が選んだはずなのに不条理に見える言の葉
それでいい それは本当に自分から目をそらしていない?
それでいい それは本当に自分の心から言えること?
本当に
それで
いい
?
それでいい
眠れけば寝る
お腹がすいたら食べる
それでいい。
でも、これが一番難しかったりする。
それでいい というよりも
それがいい なのだと思う。
燎平は、大学時代を新設の大学で一からテニス部を作りあげて行くことに、その仲間たちと奔走した。
何でもない、青春の日々の一瞬一瞬が今走馬灯のように脳裏を過ぎゆく。
燎平とその仲間たち、親友でありテニス部の初代キャプテンを務めた 慎一。
燎平のマドンナ夏子とその親友でもあり燎平に片想いの裕子、テニス部のヒーローだった克己
と異端児の朝海。
プロ野球選手の夢を諦めてミュージャンを目指すガリバー。
それぞれの葛藤と友情そして恋。
よく、転がっている青春時代の残り香は初夏の木立を通り抜けた日を思い起こさせる…。
裕子は、燎平とすれ違ったまま見合い結婚をします。
歌手デビューしたガリバーは、足もとをすくうように女に溺れチャンスを逃してしまいます。
そして夏子は、略奪愛から駆け落ちをし、その男に捨てられました。
燎平と夏子は卒業試験の追試を受けました。
二人並んで帰る帰り道、夏子は燎平に
「私みたいな傷物はいや?」と聞きますが燎平は答えることが出来なかった…。
夏子と別れた後 燎平考えました。
皆、大切な何かを喪った。
でも、自分だけは、何も喪わなかったのではないか。
何も喪わなかったということは、実は数多くのかけがえのないものを喪ったと同じではないだろうか。
燎平は、何も喪わなかったという喪失と混沌とした青春時代の哀しみを身に沁みて味わったのであろう。
風が変わって
季節が変わったから
歩いて行こう
それでいい。
宮本輝著書 「青が散る」引用。
2024.4月4日
心幸
それでいい
それでいい、と思った。
あのアホみたいな連中から抜け出したら、幸せが待っているって。
きっと君もそう思っていたはずだ。
どこからが間違いだったんだろう。
屋上から見る空はきれいだった。
「また、パパに殴られた……。」
君は袖をまくって痛々しい痣を見せてくれた。
「そっか……。僕も昨日、ママが部屋に来た。」
思い出すだけで、ゾッとする。両脚に顔をうずめるようにする僕を君は優しくなでてくれた。
「怖かったでしょ。」
「うん。」
「私も。」
僕と君は似てる。親がいわゆる『毒親』で、そのせいで学校でもいじめられてる。この時間だけが幸せ。だから、だから二人で逃げ出せばずっと幸せだと思った。これ以上に悪い環境なんてないと思った。
去年の春、君は首をつって死んだ。
腐敗臭のする部屋には君の死体とぐしゃぐしゃの紙があって、
『ごめんなさい。もう限界です。私たちは逃げることなんて許されなかったみたいだね。』
と綴られていた。走り書きでもなく、いつものような丁寧な字だった。僕は、涙すら出なくて、もはや悲しいのかすらわからなくて、洗面台に立って血まみれになりながらヒゲを剃った。
「あのとき、死んでればよかったんだ。」
気づいたら口から溢れていた。
春の暖かな陽射しのようであった。全身を柔らかな絹に包まれ全身の力が抜けていくのを感じた。気がつけば目頭が熱くなっていた。それでいい。君はそのままでいいと先生に言われた茜色の放課後。